祝!日比野庵 電子書籍化のお知らせ


今日のエントリーは宣伝です。ブログのトップページが少しリニューアルされたのをお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、日比野庵がでじたる書籍になりました。 

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といっても紙媒体での書籍化ではなく、でじたる書房さんでの日比野庵の電子書籍化です。



 題名は「日本的価値観の構造」。価格は399円(税込み)です。




でじたる書房とは、インターネットから気楽に時間をかけず、簡単、安全にしかも低価格で書籍をダウンロード購入し、すぐその書籍を読むことの出来るサービスで、本人がライター登録すれば誰でも電子出版できるというものです。書籍のデジタルデータを著者本人が作ってでじたる書房に送信。審査の後、合格すればでじたる書房で出版されるという仕組みです。原稿さえ揃えられるなら、おそらくどなたでも電子出版が可能です。

今回の書籍は日比野庵本館の過去記事をテーマ別にピックアップして再編集、加筆整理したものになります。再編集の際、いくつかの図表・データは最新のものに更新しています。

当日比野庵は、2007年4月にブログ開設以来、一日も休むことなく更新を続けてきました。(PCクラッシュの時は流石にピンチでしたが。)

3年目を迎えた今、テーマ型長文記事90本、単発記事200本以上を数え纏まった分量になったことを機に、自分なりに整理して一つの形にしておこうと思ったのが、今回の電子書籍化の理由です。
(これに伴い、日比野庵離れの方は、元々纏め記事の整理という位置づけの意味合いが薄れてきましたので、一部記事に公開制限を掛けさせていただきました。御了解下さい。閉鎖まではするつもりはないです。)

今回の書籍は題名からもお分かりのとおり、日本文化・社会のテーマで纏めました。それでも216頁にもなってしまいました。日比野庵には、これ以外のテーマでもそれなりに記事がありますので、纏め様によっては、あと2~3冊はいけそうです。

よろしければ、是非是非、ご購入検討くださいませ。m(__)m

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以下にまえがき、あとがきを転載します。


まえがき

 グローバル化時代になって、日本が第三の開国をむかえているとよく言われています。これまで日本は開国して外国の文物を取り入れるのは得意でしたが、逆に自らの文化を積極的に発信することは苦手としてきました。本書は第三の開国をむかえる日本がこれまで培ってきた文化や価値は如何なるものなのか、日本人の持つ価値「観」や世界「観」とは何なのかというテーマで纏めたものです。
 第1章は日本人の美意識や日本人が持つ価値観についての考察を述べています。第2章は日本の現代文化として漫画アニメ・スポーツ・食文化の3つを取り上げました。終章では未来を拓く力として、学歴社会、格差問題、カルマの問題をテーマに、現在の日本が抱える問題の在り処についてまとめてみました。
 価値観や世界観を解きほぐしていく為のひとつの試みとして、本書では「価値観の建て増し構造」と「縁起のレイヤー」という二つの概念を用いています。一般的に社会で通用する価値観はひとつであり、その価値観は時代によって変遷してゆきます。価値観が変わるときには、古い価値観は否定され捨てられてしまうのが普通なのですが、日本の場合は元々あった価値観をそのまま残し、その上に新しい価値観を付け足してゆく建て増し構造を持っているのではないかというのが「価値観の建て増し構造」という概念です。
 また「縁起のレイヤー」とは、世界を縁の繋がりの場と捉える見方です。袖振り合うも多生の縁と言われるように、人と人とは縁によって繋がっています。友達の友達のそのまた友達という具合に、縁の糸を何処までも辿っていくと縁の糸は縦横無尽に広がって、あたかも一枚の織物の如く世界を紡ぎだしてゆきます。この織物はただの織物ではありません。人と人とが互いに影響し合って、時と共にその色合いを変えてゆく「縁起」の織物なのです。そうした縁起の織物の種類や性質によって世界を見てみようとするのが「縁起のレイヤー」という概念です。聞きなれない概念だとは思いますが、ひとつの世界を観ずる方法として御容赦戴ければ幸いです。

                                   
2009年6月  日比野克壽



あとがき

 日本的価値観は、日本神道というWINDOWS的宗教の存在によってこそ可能になったものであると感じています。ともすれば儀礼だけで経典がないと言われる日本神道ですが、そうであるが故に海外の文物や思想を自家薬籠中とすることができたのだと思えてなりません。世界に日本文化や価値観を発信するときにも、その思想の建て増し構造を知った上で活かしてゆく道もまたあるのではないかと考えています。
 「価値観の建て増し」と「縁起のレイヤー」の概念の着想を最初に得たのは2007年のことになりますが、2年経った今でも、筆者の思考の土台のひとつとなっています。
 本書は日本文化、社会情勢に焦点を当てて纏めてみましたが、個人的にまだまだ掘り下げてみたいテーマもありこれで終わりという積りはありません。ただ今の時点で纏めておくことも自分なりに意味あることではないかと思っています。
 近いうちに本書とは別のテーマで、また書籍の形で纏めることができればと考えています。
                                  
                                 
2009年 吉日  日比野克壽



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この記事へのコメント

  • 米流時評 ysbee

    書き忘れました。
    余談ですが、冒頭のマルコム・グラッドウェルの『アウトライア』非常に面白いですよ。
    彼の本は、デビュー作の『ティッピンッグ・ポイント』でぞっこんになりまして、その次の『ブリンク』と今回のと、3冊すべて抜群に面白いです。
    原文もそれほど難解な文章ではなく、きわめて直感力に導かれて書かれているのがわかると思いますが、日本での評判はどうなんでしょうね。
    2015年08月10日 16:50
  • 日比野

    ysbee様、わざわざのコメントありがとうございます。電子出版とはいえ、一応纏まった形にしておくのは、それなりに意味があると思っていましたので、丁度良い機会でした。それにしても便利なサービスがあったものです。

    マルコム・グラッドウェルの著作ですが、邦題のあれだと、ピンと来ました。結構話題だった筈です。私は読んだことがなかったのですが、ysbee様のご推薦とあらば、と今日本屋で「天才!(アウトライア)」と「第1感(ブリンク)」の2冊を購入してきました。(^^)
    2015年08月10日 16:50

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