わしは卑怯な男だ、薄情な男だ(鳩山元総務相辞任について 前編)

鳩山元総務相辞任について。全2回でエントリーします。予め、唯の想像に過ぎないエントリーであることをお断りさせていただきます。

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「郵政会社は、これは民営化された会社です。100%、政府が株を持っているとはいえ、間違いなくこれは株式会社でありますんで、そういうような株式会社、民営化された株式会社に対して政府の介入を最小限にとどめるのは当然だと私はそう思っています。・・・・
 従いまして日本郵政の人事にいろいろな点で問題があるというのであれば、これは明らかに業務改善命令等々を出されておりますから、それに基づいて郵政株式会社が結論を出されるのは、それは取締役会で出されるのでありますから、それに基づいて取締役会までに結論をおろされておくべきだということで、早い時点からこの点を申し上げておりますが、残念ながらその対応はできなかったということだと私はそう理解しております。」

6月17日に行なわれた党首討論での麻生総理のコメント。


国が100%株を持っているとはいえ、民間会社の人事に政府が直接口を出すことは原則やるべきじゃない。その瞬間に民間ではなくなってしまうから。政府ができることは業務改善命令であって、それはもう出されている。問題があるならば、まず取締役会で話し合うべき。その意味で麻生総理のコメントは正しい。

鳩山党首はこの日の党首討論で、「政権を獲得した時には、西川社長さんにはお辞めになっていただくしかない、・・・政権、連立政権を樹立したあかつきにはそのような行動を取りたい。」と述べている。

官僚政治の打破を唱えている民主党が、官僚の手から離れて民営化された会社の社長を辞めさせると発言するのは理解に苦しむ。下手をすれば、民主党は政治家による独裁政治をするのではないかと疑われかねない。

鳩山元総務相の辞任によって、内閣支持率が急落している。世論調査毎に支持率にバラツキがあるものの、内閣支持率はおおよそ10%後半から20%前半と、前回と比べて10%以上も急落している。

ただ、このような事態になることを見抜けない総理だとはとても思えない。こんなことは分かりきっていた筈。もしかしたら、本当に辞めさせんがための作戦ではないか。実は鳩山元総務相は総理と示し合わせて辞任したのではないかとさえ。

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内閣の人事権は閣僚にしか及んでいないから、自由にできるのは総務相の首しかない。だから切った。当然世論は沸騰する。鳩山大臣を辞めさせた総理に批難が集まるけれど、当然、西川社長にも批難が集まる。

6月18日の衆院総務委員会で、西川社長は「私自身のけじめの付け方についても、一定の処分を考えたい」と、自身について社内処分を行う考えを表明している。事実プレッシャーを受けている。

鳩山大臣の辞任劇が、高度な計略なのかどうかは分からない。だけど、その後を見る限り、西川社長辞任への流れになることは十分予想できる。果たして、西川社長自身の社内処分で収まるのかどうかは予断を許さない。

もし、これが本当に計略だとしたら、麻生総理はとんでもない策士だといえる。

こうした捨て身的なやり方は、今年2月の中川元金融・財務大臣のヘベレケ会見後の辞任をも彷彿とさせる。あの時も中川大臣の首と引き換えに、追加経済対策を通した。

これまで何度か、麻生総理は外交において、多国間とのパワーバランスを睨みながら、じわじわと立ち位置を確保してゆくやり方をしている、と言ったことがあるけれど、どうやらこれは外交だけではなくて、麻生総理自身の政治手腕の特徴なのかもしれない。

「わしは卑怯な男だ、薄情な男だ。盟友の鈴木主水を見殺しにし、お徳とお菊の母娘も見殺しにする。」
『真田太平記』より
                                        

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画像鳩山総務相:辞表を提出 官邸で「潔く去る」と語る 2009年6月12日 14時13分 更新:6月12日 14時38分

麻生首相に辞表を提出後、記者に囲まれる鳩山総務相=首相官邸で2009年6月12日午後2時4分、小出洋平撮影 麻生太郎首相が12日、日本郵政の西川善文社長の続投を認める意向を固めたのを受け、続投に反対する鳩山邦夫総務相は同日午後、麻生首相に辞表を提出、受理された。鳩山氏が首相の意向に従わなかったことに伴う事実上の更迭で、鳩山氏は辞表提出後、首相官邸で記者団に「正しいことが通用しないなら潔く去る」と語った。首相は鳩山氏の後任として佐藤勉国家公安委員長に総務相を兼務させることを決めた。

 首相にとって鳩山氏は自民党総裁選で3回にわたって支援を受けた盟友。事態収拾が遅れたことで首相の指導力不足が露呈した。次期衆院選が近づく中、西川氏の進退問題を巡る混乱の長期化により与党内の首相批判が強まるのは必至だ。

URL:http://mainichi.jp/select/today/news/20090612k0000e010071000c.html



画像毎日世論調査:麻生内閣支持率下落19%…再び危険水域に

 毎日新聞が13、14日実施した全国世論調査で、麻生内閣の支持率が前回調査(5月16、17日)から5ポイント減の19%となり、再び政権維持の危険水域とされる1割台に下落した。日本郵政の西川善文社長の進退問題で鳩山邦夫前総務相を更迭した麻生太郎首相の判断については「評価しない」との回答が67%を占め、「評価する」は22%にとどまった。民主党の鳩山由紀夫代表とどちらが首相にふさわしいかの質問では「鳩山代表」が32%(前回34%)、「麻生首相」が15%(同21%)と差が広がった。

 内閣支持率は今年2月の調査で11%まで落ち込み、民主党の小沢一郎前代表の秘書が3月に逮捕され上昇に転じたが、民主党代表交代後の前回調査から再び下落傾向が続く。今回、不支持率は60%に達し、不支持の理由では「首相の指導力に期待できないから」が最多の39%を占めた。西川社長の進退を巡る政府内の混乱などが首相の指導力不足を印象づけ、内閣支持率を押し下げたとみられる。

 どちらが首相にふさわしいかでは「どちらもふさわしくない」が全体の46%を占めた。支持政党別にみると「麻生首相」と答えた人は自民支持層でも52%、公明支持層では32%にとどまった。「どちらもふさわしくない」が自民支持層の38%、公明支持層では55%と半数を超え、与党支持者の「麻生離れ」をうかがわせた。

 次期衆院選で自民党と民主党のどちらに勝ってほしいかの質問では「民主党」との回答が53%(前回56%)と過半数を占め、「自民党」は27%(同29%)だった。鳩山代表については「期待する」が46%、「期待しない」が47%と前回調査に続いて拮抗(きっこう)した。民主党と鳩山氏への期待は新代表就任の「ご祝儀」との見方もあったが「政権交代」への期待感として持続しているようだ。

 政党支持率は民主が34%(前回比4ポイント増)で、参院選の大勝直後だった07年8月調査の33%を上回り過去最高となった。自民は20%(同3ポイント減)で今年2月以来の低水準。そのほかは、公明4%▽共産4%▽社民1%--など。「支持政党はない」と答えた無党派層は32%(同5ポイント減)だった。【中田卓二】

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 調査の方法 13、14日の2日間、コンピューターで無作為に選んだ電話番号を使うRDS法で調査。有権者のいる1653世帯から1096人の回答を得た。回答率は66%。

URL:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090615k0000e010012000c.html



画像支持率低下「わたしの責任」=麻生首相

 麻生太郎首相は15日夕、千葉市長選で自民、公明両党の推薦候補が敗れたことについて「はなはだ残念だ」と述べた。報道各社の世論調査で内閣支持率が低下したことに関しては「支持率が落ちたというのはわたしの責任だ。それに対してはこれまで通り、政策をきっちり実行していく以外に方法はない」と強調した。首相官邸で記者団に語った。 (2009/06/15-18:59)

URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009061500713



画像「私自身の処分考える」郵政・西川社長、続投へなお意欲

 日本郵政の西川善文社長は18日、衆院総務委員会で、「私自身のけじめの付け方についても、一定の処分を考えたい」と述べ、自身について初となる社内処分を行う考えを表明した。

 ただ、進退に関しては、「必要な改革を進めていくことが私の責務だ」と、続投への意欲を改めて強調した。

 保養宿泊施設「かんぽの宿」売却問題に関する業務改善命令に対し、日本郵政は来週の早い時期に改善計画の最終報告を提出することにしており、これに合わせて処分を打ち出す見通しだ。

 佐藤総務相は「報告では、西川社長の責任に対する何らかの言及があると思っている。それを基に(西川社長の進退について)官房長官、財務相と協議して、総理にはかる」と答弁した。

 また、高木祥吉副社長は、5月18日の指名委員会の議事録を衆院総務委に提出する意向を示した。指名委員会が西川社長を含む現取締役の再任を決めた際の議論が明らかになる可能性がある。

 民主党の原口一博議員の質問に答えた。

(2009年6月18日12時32分 読売新聞)

URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090618-OYT1T00388.htm

この記事へのコメント

  • Percomboy

    前総務大臣の辞任が、双方申し合わせの上での「策」だったのか、それとももっと別のものだったのか……
    私の主観では、前総務大臣は、「これから起こること」に対して力不足だったのではないか、という考えもあったり。果たして彼に、兄を(言葉通りの意味で)「刺す」ことができるかどうか、とか。

    占いがテーマの某所では、兄のほうに対して「首」に関する占断がでていました。そういや、とある組織の「処刑方法」として、解説がありましたね。首の上下でさようならって。
    2015年08月10日 16:50
  • 日比野

    こんにちは。Percomboy様。
    真相は謎ですが、今回のインパクトは小さくないですね。肉を切らせてなんとやらだとしても、既に致命傷かもしれませんし。。。

    占いでは、兄様がピンチなのですが、例の郵便不正問題がらみなんでしょうか。
    2015年08月10日 16:50

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