2012年を待つ金正日(国防の脆弱性について 補追1)


北朝鮮による韓国攻撃について、補追をエントリーします。

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おそらく、金正日は2012年を待っている。韓国を攻撃するのなら、2012年以降になる可能性が高い。なぜかというと、2012年には、韓国の戦時作戦統制権がアメリカから韓国に移管されるから。

従来の在韓米軍司令部はハワイに移転することになる。尤も、ハワイ移転後、有事に司令部が直ちに韓国に戻って作戦遂行できるよう、組織や施設は韓国内に現在のまま維持する方針だそうだけれど、作戦統帥権が韓国の手に渡るということは、戦闘指揮は勿論のこと、戦争停戦や降伏などに関する武装解除など諸々に関しても全て韓国が行わなければならないということ。

アメリカは、作戦統帥権移管後も韓国に対する支援は変わらないといっているけれど、アメリカが統帥権を持っていれば、米韓軍一体で作戦指揮をとって、必要とあらば、アメリカ本国に援軍を呼べる態勢がとれるのだけれど、統帥権が韓国に移ると、あくまでも韓国の指揮で戦闘を行い、アメリカには支援を請う形になる。韓国指令部の判断が全てを決めることになる。

アメリカは、人命を失うことにとても敏感ではあるのだけれど、一端戦争になってしまえば、相手をぶちのめすことくらいは平気でやる。脅されたからといって降伏するようなタマじゃない。

だけど、韓国はどうなのか。北朝鮮に核ミサイルを撃つぞ、とか、紛れ込ませた工作員にスーツケース核爆弾を爆発させるぞ、と言われたとき、討ち死に覚悟で反撃できるのか、ということ。

その意味で、先ごろ自殺したノムヒョン前大統領の足跡を振り返ってみると、その政権が持っていた意味が見えてくる。

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すなわち、北朝鮮側からみれば、ノムヒョン政権時に韓国を煽って、反米に仕立て、在韓米軍を撤退させる方向にもってゆくことが、そもそもの狙いでなかったのか、ということ。

金正日にしてみれば、戦時作戦統制権の韓国への移管はしてやったりで、あとは核兵器が実用化するために、2012年までのらりくらりと時間稼ぎをするだけだ、とほくそ笑んでいるように思えてならない。

だから、もしも、韓国が北朝鮮に併合されるようなことがあれば、ノムヒョン政権こそが亡国の政権であったと言われることになるだろうと思う。

その意味において、今の時期に、日本に民主党政権ができることの危険性が見えてくる。はっきり言ってしまえば、民主党政権が今の反米姿勢を続ける限り、ノムヒョン政権を後追いすることになるだろう、ということ。

駐留なき在日米軍などが実現しようものなら、金正日は手を叩いて喜ぶに違いない。金正日は自衛隊など恐れていない。唯一アメリカ軍だけを恐れている。

国防姿勢が整わないままの在日米軍撤退そのものが、金正日の思う壷なのだと知らなければならない。

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画像統制権:米国防部「2012年移管は予定通りに」 | Chosun Online | 朝鮮日報

米国国防部はこのほど、戦時作戦統制権の2012年韓国軍移管計画がこれまでの韓米間の合意通りに履行されることを再確認した。

米国防部の当局者らは、今月4日から8日までワシントンを訪問した韓米連合司令部のウォルター・シャープ司令官(在韓米軍司令官兼任)とイ・ソンチュル副司令官に対し、「韓国に対する米国の支援は統制権移管後も変わりなく確固としたもので、統制権は計画通り2012年に移管される」とはっきり述べた。連合司令部側が12日明らかにした。

軍の消息筋は「イ副司令官が、最近不安定な韓半島(朝鮮半島)の安保情勢のため2012年の統制権移管の延期を強く望んでいる韓国軍予備役の将軍らの世論を米国防部側に伝えたが、米国側は今までの立場に変わりはないという意志を明らかにしたと聞いている」と伝えた。

連合司令部司令官と副司令官が一緒に米国主要人物を訪問し、韓米安保の懸案を議論したのは今回が初めてで、シャープ司令官の提案で実現した。シャープ司令官とイ副司令官は、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)体制の後継構図の問題と北朝鮮の有事発生時の対策などについても、米国防部関係者らと議論したという。

シャープ司令官とイ副司令官は、訪米中にジェームズ・カートライト合同参謀次長とデービッド・ペトレイアス中央軍司令官など政策当局者らと会った。

ユ・ヨンウォン記者

URL:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/20090514/p7



画像在韓米軍司令部が2012年にハワイ移転?! 2008年6月5日 at 22:27:29

在韓米軍の司令部が2012年をメドにハワイに移転するらしい。

在日米軍基地の司令部もハワイに移転するという話があった。在日米軍基地の再編の中で立ち消えになった格好になっているが、アメリカは、本格的にハワイへの機能集中をはかっているのかも知れない。

在韓米軍司令部、2012年めどにハワイ移転…韓国紙報道(読売新聞)
米第8軍司令部、2012年ハワイに移転(韓国:中央日報)
米第8軍司令部、韓半島専担軍から北東アジア機動軍に(韓国:中央日報)


在韓米軍司令部、2012年めどにハワイ移転…韓国紙報道 [2008年6月5日18時37分 読売新聞]

 【ソウル=竹腰雅彦】5日付の韓国紙・中央日報は、米軍当局が在韓米軍の陸軍部隊を統括するソウル・竜山の米第8軍司令部について、2012年をめどにハワイに移転することが事実上確定したと報じた。
 複数の韓国軍と米軍関係者の話として伝えた。
 米韓両国は、米国が同年4月に韓国側に戦時作戦統制権を移譲することで合意しており、竜山基地も同年、ソウル南方の京畿道平沢市に移転する予定。
 同紙によると、司令部移転は米軍再編に関連した措置で、北朝鮮の脅威に備え、ハワイ移転後も実務的機能は韓国に残す。また、有事に司令部が直ちに韓国に戻って作戦遂行できるよう、組織や施設は韓国内に現在のまま維持する方針という。

こちら↓は、韓国・中央日報の記事。

米第8軍司令部、2012年ハワイに移転 [中央日報 2008.06.05 11:19:46]

 米第8軍司令部がハワイに移転する。複数の韓国軍と米国軍筋は4日「米軍当局が米第8軍の指揮部を、戦時作戦統制権を移譲する2021年を前後に、ハワイに移住させる方針を事実上確定した」と伝えた。
 同筋はまた「米第8軍司令部をハワイに移転させる問題は、米陸軍の改革レベルから行われるもので、1年以上進められてきた」とし「まだ韓国政府には正式に通報していない状況」と説明した。
 米第8軍司令部の帰還が決まったのは、米第8軍が韓国に配置されてから58年ぶりだ。軍筋は「米第8軍の指揮部がハワイに移っても、北朝鮮の脅威に備えるため、米第8軍の実務的な作戦機能は韓国に残るだろう」と話した。韓半島に戦争が勃発すれば、8軍指揮部が即刻韓国に戻り作戦を遂行できるよう、基盤組織と施設はそのまま残すものとされる。
 現在、米第8軍から直接指揮を受けている部隊は、米第2師団と大邱(テグ)にある第19支援司令部だ。しかし戦争が勃発すればハワイの米第25歩兵師団など太平洋沖の米陸軍部隊も韓半島に投入され、米第8軍の指揮を受けることになる。米第8軍司令部のハワイ移転が決まったことにより、在韓米軍にも大きな変化が予想される。
 ゲーツ米国防長官は3日、李相熹(イ・サンヒ)国防長官と韓米国防相会談を終えた後、記者会見し「第8軍が改革を断行することにより、人材・兵力の再編があるだろう」とし「しかし在韓米軍は現在のレベル(2万8500人)に維持される」と述べている。
 米軍当局者は「米第8軍司令部がハワイに移転すれば、ハワイにある米太平洋陸軍司令部と統合されるだろう」とし「ハワイに駐留しながら東アジア地域全体の安保を担当することになる」と説明した。
 これにより米第8軍の任務と作戦領域は韓国戦争(1950-53年)以前の範囲に拡大される見通しとなった。米第8軍は韓国戦争以前の太平洋戦争時代まで南太平洋・東南アジア・北東アジアなどで日本軍と戦闘を繰り広げていた。

 ◇米第8軍=第二次世界大戦当時の1944年に創設された。主な活動地域は太平洋だった。45年8月、占領軍として日本入りした米軍部隊の一つで、米国による軍政を担当した。韓国には50年、韓国戦争勃発から5日後の6月30日に初めて投入された。休戦協定後の55年11月、米第8軍は米極東軍総司令部と統合されソウル竜山(ヨンサン)基地に移転してきた。

《後略》

URL:http://ratio.sakura.ne.jp/archives/2008/06/05222729/



画像2006年08月18日 戦時作戦統制権とは

戦時作戦統制権とは米韓軍事同盟に基づく韓国軍と在韓米軍との戦時指揮形態。

現在は共有である為、有事の際、韓国軍及び在韓米軍が共に統一指揮下のもと軍事行動をおこなう連合軍的形態である。

これに対し自主国防や国家主権を掲げ、韓国政府は共有を破棄し単独行使を求めている。

こうなった場合、連合司令部は解体されることになり在韓米軍の存在する理由が極めて脆弱になることから在韓米軍撤退につながりかねないと韓国保守派は反対しているが韓国民の約半数が単独行使化を支持している。

韓国政府は2011ー2012年をめどに米国に対し要求していたが、米国政府はその真意を計りかね在韓米軍の追い出し戦略ではないかと懐疑を抱き、それなら韓国を手厚く保護する必要がないと判断し、2009年度の行使を逆提案している。

以下、その辺りを朝鮮日報(2006/07/19)・・・

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 米側は韓国軍が最新戦術指揮統制(C4I)体系を構築するなど、指揮統制システムの質が大きく向上し、打撃能力も強化されたという点などを挙げ、2011年から2012年の返還ではあまりにも遅いとして、このような立場を伝えたとされている。
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上記注釈だが、当初米国は、韓国軍の軍備や装備では無理があるとしていたが、急転直下上記のような発言に変わっている。
特に「2011年から2012年の返還ではあまりにも遅い」という部分に注目。


では全文・・・


 米国政府が戦時作戦統制権を韓国軍に返還する時期に関し、「2010年以前に韓国軍に返還する」という立場を韓国政府に通報していたことが分かった。韓国政府は2011年から2012年を目標に戦時作戦統制権の返還を推進しているが、米側が具体的な作戦統制権の返還時期を韓国側に提示したのは初めてのことであり、予想よりも早い時期であるため波紋を呼ぶものとみられる。

 18日、韓米軍事消息筋は「米国は13日から14日にかけてソウルで開かれた第9次韓米安保政策構想(SPI)会議の席上で、“戦時作戦統制権の韓国軍への返還を2010年以前に行うのが望ましい”という立場を韓国側に通報した」と語った。また、ほかの消息筋は「米側は2009年ごろを返還の目標として提示したと聞いている」と伝えた。

 米側は韓国軍が最新戦術指揮統制(C4I)体系を構築するなど、指揮統制システムの質が大きく向上し、打撃能力も強化されたという点などを挙げ、2011年から2012年の返還ではあまりにも遅いとして、このような立場を伝えたとされている。

 これに対し、韓国側は「2009年では(韓国側の)準備がいまだ不十分と思われ、あまりにも時期尚早だ」という立場を米側に伝えたと消息筋は語った。戦時作戦統制権の返還時期は韓米間での協議を経て、今年10月に韓米の国防長官も出席して米ワシントンで開かれる韓米年例安保協議会(SCM)において、今後の軍事協力に関するロードマップを確定する際に同時に決定される予定だ。

 米側が急いで戦時作戦統制権を返還しようとするのは、最近のぎくしゃくした韓米関係により、韓国に対する冷笑的な雰囲気が関係しているという分析も出されている。米側は最近、返還を予定している在韓米軍基地の環境汚染浄化問題に関する交渉に進展が見られないと、15カ所の基地を今月15日付で返還するという立場を一方的に伝え、空対地射撃訓練場の問題に関しても、事あるごとにバーウェル・ベル在韓米軍司令官などが公の場で不満をもらしている状況だ。

 しかし、韓国の一部の専門家や軍関係者らは▲米国に大きく依存している対北監視手段の確保、▲主要戦略目標物に対する精密爆撃などの独自の戦略打撃能力、▲独自の作戦企画能力などが確保されてこそ、安保体制に空白を生まずに戦時作戦統制権の返還受け入れが可能になるとし、「2011年から2012年でも早すぎる」という立場を見せており、論争を呼ぶものとみられている。

ユ・ヨンウォン記者

URL:http://ted2525.seesaa.net/article/22495237.html

この記事へのコメント

  • 雪観僧

    お久しぶりです。
    エントリー拝見いたしました。
    2012年は、北朝鮮にとって、別な意味でも重要な年です。

    http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090603/kor0906030816003-n1.htm
    【イチから分かる】北朝鮮の2012年問題 金総書記70歳、世襲体制固め急ぐ (1/3ページ)
    2009.6.3 08:15

    金総書記の健康不安説が出始めた当初、本当に亡くなっていたとしても2012年までは、紹介記事の理由からも伏せるだろうという記事をみかけました。

    偶然なのかもしれませんが、ちょっと気になったのでコメさせていただきます。
    2015年08月10日 16:50

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