日米安保は維持すべき(国防の脆弱性について 最終回)


日本の防衛体制が整うまで、日米安保は維持されなければならない。

北朝鮮が日本を侵攻するとしたら、まず韓国を落として、韓国の戦力を全部自分のものにしてからのほうがずっと現実的。人のふんどしで戦争をする筈。いきなり自衛隊の戦力とドンパチやるほどバカじゃない。

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7月8日、与那国島に浜田防衛相が訪れ、与那国町の外間町長と会談した。与那国島が要望している陸上自衛隊の部隊配置を受けての訪問だそうだけれど、勿論、領土防衛を睨んでのこと。

こうした方針が、民主党政権になっても維持されるのか疑問が残る。

今までの日本が安全だったのはアメリカの核の傘の下に入っていたから。

日米安保は、日本、アメリカどちらか一方の通告によって、一年後に破棄できることになっている。日米安保が破棄されると、当然、沖縄米軍も撤退するし、どこかの代表代行がいればいいと言った第7艦隊すらいなくなる。北朝鮮のミサイル発射準備に伴う偵察衛星からの情報提供もなければ、イージス艦の派遣もない。全部自前でやらなくてはならなくなる。偵察衛星だってどんどん打ち上げなくちゃいけなくなる。

勿論、本来は全部自分でやらなくてはいけないのだけれど、その為の装備や人員が、明日になったら全部揃ってるなんてことがある訳ない。

だから、日米安保を破棄するのであれば、何年も前から準備を進めておいて、法整備も含めて自衛隊の装備を充実させて、近隣諸国との軍事バランスが取れた時点を見計らって粛々と進めるべきもの。

日米安保の解消は、もう準備ができました、自分の国は自分で守れそうなので、どうかお引き取りください、と破棄されても問題ない体制を整えてから考える問題であって、アメリカから先に破棄すると言わせるものじゃない。

その時の日本は核武装も含めて、別に核じゃなくてもいいけれど、日本にミサイルを向けている国々に対して対抗できるものを備えていなくちゃならない。特に北朝鮮のように外交努力が通じない国が隣にあるという事実を認識することが大事。

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ところが、鳩山党首は自身の政権構想として、『文芸春秋』96年11月号の論文で米軍の「常時駐留なき安保」をとなえた事がある。とたんに、米国のキャンベル国防次官補代理が「紛争が起きたときの対応は二次的要素で、プレゼンスそのものが抑止になっている」と正面から批判した経緯がある。

アメリカのほうがまだ、日本を守ろうという意識を持っている。

「常時駐留なき安保」なるものが実現したら、事実上日米安保など無いも同じ。仮に、日本が侵略されたとして、米軍がグアムやハワイから駆けつけるのにどれくらい時間がかかると思っているのか。いかな米軍でも「どこでもドア」は持っていない。

また、岡田幹事長は雑誌「世界」7月号で、「米国の核の傘から半分はみ出す」とまで発言してる。これが何を意味するのか分かっての発言なのか理解に苦しむ。

岡田幹事長が日本の主張とすべきというのは次の3点。

(1)米国に核先制不使用を宣言させる
(2)非核国への核使用を違法とする合意形成
(3)東北アジア非核地帯構想

だけど、こんなのは話が通じる相手に対するもの。一体、何度、北の将軍様に騙されたら学習するのか。

まず、きちんと国を守れる体制を作ること。どんなに腐っていたとしても、国民を守る意思がある政権の方が十万倍良い。そうした国防体制が整うまでは、まだまだ米軍には居てもらわなくちゃいけない。日米安保は堅持されなくちゃいけない。

米軍が去ったら、尖閣諸島はおろか、沖縄だって危ない。日本がどんどん削り取られていく。

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平和な時期であれば、反米な民主党であっても、一度政権を取らせてやらせてみようか、なんていう余裕があったかもしれないけれど、今は国難のとき。挙国一致体制で事に臨まなければいけないときにそんな余裕はない。

核ミサイルが落とされて、占領されてしまったら、その腐った、腐ったと言っている与党や、政権交代したい野党、そして悪名高き官僚もろとも日本が滅ぼされてしまう。そんな未来を受け入れたいのかどうかをこそ問うべき。

マスコミも安易な政権交代論や、特定政党の応援をするんじゃなくて、現実に起こっていること、目の前に迫っている危機を報道しなくちゃいけない。

もしも日本が北朝鮮に占領されてしまったら、真っ先に粛清対象になるのは、マスコミそのもののになる可能性は高い。今、自分達がやっていることは危険な火遊びだったのだと、その時知っても、もう遅い。

今の日本が、繁栄と滅亡の分水嶺にいないことを望む。

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画像「私の訪問が答え」 与那国島への陸自配置で浜田防衛相 2009.7.8 22:56

 浜田靖一防衛相は8日、日本最西端に位置する沖縄県の与那国島を歴代防衛相として初めて訪れ、与那国町の外間(ほかま)守吉(しゆきち)町長と会談した。出席者によると、外間氏は同島への陸上自衛隊の部隊配置を改めて要望。浜田氏は「私が来たことが答えだと理解してほしい」と応じた。

 外間氏は、与那国島の西側3分の2が台湾の防空識別圏(ADIZ)に含まれている問題でも改善を要求。浜田氏は「分かりました。国策の中でやらなければならない事業だ」と答えた。

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090708/plc0907082257015-n1.htm



画像【危うい「友愛」外交】(3)消えぬ「有事駐留」幻想 2009.6.18 08:01

 民主党の鳩山由紀夫代表が「友愛外交」を口にするたびに、堅くなった羊羹を出された気分になる(毎日3日付夕刊)という人がいた。友愛が祖父、鳩山一郎首相のキャッチコピーだったからだ。

 日ソ交渉や改憲論で知られる一郎はかつて、重光葵外相を通じ在日米軍の全面撤退を米国に打診したことがある。孫である由紀夫の持論は「常時駐留なき安保」で、かつ改憲論であるから一郎の主張と形の上ではそっくりだ。

 違いは同じ米軍撤退でも、一郎が独立志向の再軍備であるのに対して、由紀夫の外交姿勢は時に応じてぶれることだろう。

 鳩山は『文芸春秋』96年11月号の論文「民主党 私の政権構想」で、虫の良い「常時駐留なき安保」を打ち出している。とたんに、米国のキャンベル国防次官補代理が飛んできて民主党本部で鳩山らに会い、「紛争が起きたときの対応は二次的要素で、プレゼンスそのものが抑止になっている」と正面から批判した。


 ▼姿消す戦闘部隊

 仮に鳩山のいう「常時駐留なき安保」になると、駐留米軍の戦闘部隊が段階的にいなくなるから、対北朝鮮の抑止力はキャンベルの指摘のように消えうせる。

北の弾道ミサイルを追跡する青森・車力の高性能レーダーが撤去され、ミサイルを迎撃する横須賀・第7艦隊のイージス艦8隻がハワイに撤退する。空軍は対北攻撃が可能な青森・三沢基地のF16戦闘機が米本土に戻る。中国軍をもにらむ沖縄・嘉手納基地のF22ステルス戦闘機も、普天間基地の海兵隊も何もかもがなくなる-。

 抑止力がはずれると偶発戦争を引き起こしやすい。まして基地を失った米軍が、有事にだけ都合よく駆けつけて日本のために血を流してくれるのか。鳩山は97年9月に訪米して理解を求めたが、米から「意味不明」と一蹴(いっしゅう)された。実際に、米軍がハワイや米本土から緊急に展開しても、ある防衛当局者は「現在の防衛体制では、米軍が駆けつける前に日本は壊滅する」と断言する。

 当時の民主党は、検討の末にやむなく「常時駐留なき安保」を党の安全保障基本計画から削除した。

 しかし鳩山はその後も、「言葉は消えても、考え方は生きている」とぼかしている。いままた、「友愛外交」を具体的には語らずにあいまいなままだ。小沢一郎前代表も米軍駐留を「第7艦隊だけで十分だ」と、中国と北朝鮮が喜びそうなことをいった。岡田克也幹事長に至っては「まずアジア、次に日米同盟という順番だ」と明言する。これでは米国に疑心暗鬼が広がるのも無理はない。

 「同盟」とは国と国が力を補完しあって立場を強化する関係をいうから、岡田の「まずアジア」は本末転倒だろう。同盟よりもアジアの多国間機構を優先している。キッシンジャー元国務長官の言葉を借りれば、多国間機構の重視は2国間同盟の軽視につながる。


 ▼軍事大国の野望

 鳩山や岡田が共感するアジアの隣人たちは概して腹黒いから、友愛外交なら御しやすいと判断するに違いない。最近の中国と台湾の関係の変化は、そうした友愛政治への警鐘である。


 米国防総省の2009年版「中国の軍事力」は、馬英九政権の登場によって両岸関係の緊張が大幅に改善されたにもかかわらず、実は軍事力の増強が続いていることを指摘する。台湾正面では短距離ミサイルが年間100基以上のペースで増強され、すでに1000基が向けられている。いくら馬総統が中台の“友愛”を語っても、イザに備える軍事は別なのだ。

 かつて前原誠司代表が訪中したさいにも、中国指導部は「靖国問題が最大の障害」といいながら、「首相の靖国神社参拝反対」を明確にする前原を冷たくあしらった。前原が「中国脅威」の事実を主張していたからだ。

 それが、近年は胡錦涛主席のいう「平和的台頭」すら棚上げ状態である。東海艦隊の徐洪猛司令官は、「中国は空母を必要としており、まもなく空母を保有することになる」(7日付AP)と軍事大国への野望を隠さない。

 いま必要なのは日米同盟の立て直しである。日本が北のミサイル破壊命令を出した2日後、ゲーツ国防長官は「米国を標的にしない限り、迎撃する計画はない」と述べた。続いて、クリントン国務長官が「日本には領土を守るあらゆる権利がある」と突き放す。

 これらの発言は、日本が軍事的な脅威にさらされても米国は動かぬ場合があるということだ。日本は集団的自衛権を行使できず、米国に向かう北のミサイルを迎撃できないから文句もいえない。

 この日米同盟の破れを放置する麻生政権もひどいが、鳩山、岡田ら民主党幹部もまた有事駐留論の幻想から完全に抜け出していない。かつて、日米安保反対を撤回した「村山富市モデル」に従って、ほどよく変節することを願う。(敬称略)

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090618/stt0906180805001-n1.htm



画像【危うい「友愛」外交】(1)米大物が警告した民主の「反米3点セット」 2009.6.16 15:24

 「民主党が掲げる政策を一度にぶつけたら、米議会や政府は反米とみなすかもしれない。皆さんは注意されたほうがいい」。

 静かな室内に、「反米」という言葉が非常ベルのように響きわたった。昨年12月19日朝、東京都心の帝国ホテルの一室で開かれた民主党幹部と米知日派の国防・安全保障専門家の懇談でのことだ。

 民主党側の出席者は、鳩山由紀夫幹事長(当時、以下同)、菅直人代表代行に岡田克也、前原誠司両副代表を加えた4人。米側は民主党系のジョセフ・ナイ元国防次官補、ジョン・ハムレ米戦略国際問題研究所長(元国防副長官)の大物二人に、ブッシュ前共和党政権で対日政策を担当したマイケル・グリーン前国家安全保障会議アジア上級部長、ジム・ケリー元国務次官補も加わった。


 ■見えない将来像

 鳩山、菅らの顔をみすえるように、「反米警告」の口火を切ったナイは、イエローカードの代わりに三つの具体的問題を挙げた。

 (1)海上自衛隊のインド洋給油支援活動の即時停止(2)日米地位協定の見直し(3)沖縄海兵隊グアム移転と普天間飛行場移設を柱とする在日米軍再編計画の白紙撤回-。

 いずれも、民主党が最新政策集「政策INDEX2008」などを通じて政権公約に掲げてきたものだ。

 「反米とみなされないためには日米協力の全体像(トータル・パッケージ)を描いた上で個別の問題を論じたほうがよい」。出席者によると、ナイはそう強調した。口調は穏やかでも、反米警告に込められた疑問は明白だった。

 それは民主党政権になった場合の日米同盟の将来像がさっぱり見えないということだ。

 菅らは「民主党政権になっても日本の外交安保政策の基軸は、日米関係だ」と説明し、約45分間の懇談は終わった。だが、それから半年たった今も、米側出席者の一人はこう語る。「民主党が日本の政権に就いて本当に大丈夫か」。


 ■傘からはみ出す

 この人はその後も鳩山、岡田らと会うたびに、オバマ政権が重視するアフガニスタン問題などで「日本はどんな貢献ができるのか」と水を向けた。だが、鳩山らの答えは「抽象的発言が多く、具体的に何をするかが見えてこなかった」という。

 同盟の将来が見えないばかりではない。民主党の政策構想には、同盟の土台を根底から崩しかねない危険すら見え隠れする。

 岡田は雑誌「世界」7月号で、「米国の核の傘から半分はみ出す」と語り、(1)米国に核先制不使用を宣言させる(2)非核国への核使用を違法とする合意形成(3)東北アジア非核地帯構想-を日本の主張とするように訴えている。

 日本は国家の安全と存立を保障する究極の抑止力について第二次大戦後、一貫して米国が提供する拡大抑止(核の傘)に依存してきた。これを政治、外交、軍事安全保障面でトータルに包み込んだものが日米安保条約体制(日米同盟)にほかならない。だが、北朝鮮の度重なる核実験によって北朝鮮や中国の核の脅威は確実に高まっている。

 北朝鮮が核・ミサイル実験を繰り返すたびに、クリントン国務長官らが「日本の安全は保障する」と強調するのも、核の傘の信頼を担保するためだ。日韓への核の傘の補強が求められているというのに、逆にその外へ向かうとは一体どういうことなのか。


 ■日米同盟崩壊も

 「拡大抑止そのものが日米安保の軸だ。賛成なら日米安保を認めることになるが、反対なら独自に核武装するか、非武装中立の道しかない」。防衛専門家はこう指摘し、日米安保体制の土台が揺らぐと警告する。インド洋の給油活動を停止し、米軍再編を白紙撤回させ、地位協定も改訂した上に、核の傘から出ていこうとすれば、その先に何があるか。言えるのは日米同盟が確実に崩壊することだ。

 ナイが警告した「反米3点セット」を断行する本物の反米政権が生まれる日が近づいてきている。


 ■都合いい「甘えの構造」

 米側の心配は、鳩山新政権が「村山富市モデル」となるのか、もしくは「盧武鉉モデル」なのかが見極められないことだ。

 社会党委員長だった村山富市は首相就任後の国会で、自衛隊を合憲と認め、日米安保体制を堅持すると表明した。これまでの自衛隊違憲や日米安保反対の立場を一転させ、日米同盟を日本外交の基軸とすることを受け入れた。

 一方、故盧武鉉韓国大統領は就任後、大衆迎合型の反米左派色を徐々に強めた。危機感を抱いた米国は在韓米軍再編などを通じ、米韓同盟挫折という事態にも備えて米軍戦略や部隊配置を微妙にシフトさせた。


 ■見えぬ全体像

 「反米」転換か、強化かが判然としない大きな理由は、民主党の外交・安保政策が「人の数ほど政策がばらばらで、どれが実行されるのかがわからない状態」(プリスタップ米国防大学上級研究員)にあるためだ。

 民主党の外交安保通の一人である前原誠司も、「米国から見て、前原はわかる、長島(昭久)もわかる。岡田も知っている。だが、民主党がわからない」と全体像がみえにくい事情を認める。

 その前原や長島は、米次期国務次官補に指名されたカート・キャンベルら同盟重視の知日派と親しい。彼らの描く同盟像は、鳩山や菅らの唱える日米安保論とは微妙に異なる。核の傘の意味も理解しており、岡田の「非核地帯構想」とは一線を画す。その前原、長島と岡田との違いに加えて、鳩山、菅の政策もまた違ってみえる。

 鳩山はかつて「常駐なき安保」を唱え、在日米軍の大半を日本国外に移駐させて、有事の時だけ来援させる構想を掲げた。菅も沖縄米軍基地の「国外への移転」を主張したことがある。

 外交評論家の岡本行夫はこうした考えに手厳しい。「お前の顔をみたくない、と奥さんを家から追い出して、『病気になったら看病に来い』と命じるようなものです」。そんな「いいとこ取りをしたら、日米間の信頼が失われてしまう」と強く警鐘を鳴らす。

 その一方、鳩山首相が誕生した場合のケーススタディーが民主党内でこう論議されている。


 「公約に従って、第一声はインド洋給油支援を即時停止する。続いて普天間移転を含む米軍再編計画を白紙撤回する」。次の内閣・防衛担当の浅尾慶一郎は5月末のテレビ番組で民主党政権での給油支援対応を問われ、即座に「退きます」と断言した。

 米戦略国際問題研究所のニコラス・セーチェーニ日本部副部長は、鳩山政権が給油支援停止と米軍再編の白紙撤回を表明した場合、「日米は非常に不幸なことになる」と予言する。


 ■日本見限る?

 さらには日米地位協定や思いやり予算の問題もある。岡田は今月12日の記者会見で「戦後体制を引きずった基地の配置だけでなく、日米地位協定見直し、思いやり予算などさまざまな課題が日米間にある」と語った。地位協定や思いやり予算の抜本的見直しは民主党の重要公約の一つだ。

 だが、地位協定や思いやり予算の運用には長い歴史的経緯がある。北大西洋条約機構(NATO)や韓国などの同盟国とのかかわりもあるため、米当局者やマイケル・グリーンらの懸念は深刻だ。

 いくらマニフェストで「真の日米同盟」を訴えても、こうした文脈を考えれば米国側の反応がどうなるかは想像に難くない。ナイが指摘した給油支援、地位協定、米軍再編の「反米3点セット」は、日米同盟に対する民主党の真意を測る核心といっていい。

 米国のシンクタンクから日米関係を見ている辰巳由紀は、日本が民主党政権になった場合に最も心配なことは「米国からの自立を目指すという選択をすることが、何を意味するかを真剣に考えていないのではないか」と指摘する。

 米国には、アジア太平洋を見渡して韓国、豪州、シンガポール、インドなど戦略的に提携を深めている国々が日本以外にもある。米国が日本を見限って他の同盟・協力国との関係強化で代替する可能性は確かに低いものの、だからといって「日米同盟がなくなるはずがない」とタカをくくって考えていたら、日本を見限って米中G2体制が浮上しかねない。

 辰巳の指摘は、米国に対する「甘えの構造」そのものである。民主党の甘えとひとりよがりの安全保障政策によって、同盟が日本側から瓦解する恐れはかつてなく高い。(敬称略)




 ■友愛を掲げる鳩山由紀夫代表率いる民主党の外交安保政策を検証する。


民主党政策INDEX2008 外交防衛政策の抜粋(2008年10月)

 ≪新時代の日米同盟の確立≫

 ・日米両国の対等な相互信頼関係を築き、新時代の日米同盟を確立します。国際社会において、米国と役割を分担しながら、その責任を積極的に果たしていきます。

 ・日米地位協定の抜本的な改定に着手するとともに、米軍再編にかかる経費負担のあり方、思いやり予算など米軍関連予算の執行について不断の検証を行います。

 ≪新テロ特措法延長への対応≫

 ・多国籍軍に対して海上自衛隊が行っている給油活動に関する総括やテロ対策の効果の検証もなく、説明責任を果たさないまま政府が制定を強行した新テロ特措法の延長に反対します。

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090616/plc0906161530007-n1.htm



画像米軍再編などで国防次官と応酬 民主幹事長 2009年6月26日 朝刊

 民主党の岡田克也幹事長は二十五日、来日中のフロノイ米国防次官と党本部で会談し、「狭い沖縄に米軍が集中したのは米国が占領していたからだ。日米地位協定も公平ではない。日米関係を長期的に安定させるために改善しなければいけない」と、政権交代が実現した場合、沖縄米軍基地の縮小や、日米地位協定の改定を進める考えを強調した。

 フロノイ氏は「米軍再編はしっかり履行しなければいけない。グアム協定を含めて米軍再編を進めることは日米間の合意で、国会承認も受けている」と在沖縄米海兵隊のグアム移転協定に反対した民主党に警戒感を示した。米軍普天間飛行場の移設についても「これを捨ててしまうと、沖縄問題を解決する術を失う。日米同盟に大変なダメージになる」と、計画見直しを掲げる民主党をけん制。岡田氏は「今は交渉する場ではない。広い視点でこれから議論していこう」と引き取った。

URL:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009062602000080.html



画像民主党の国防観テーマ:NO!民主党政権! 2009年06月30日(火)

元外交官の岡本行夫氏は以前、民主党の菅直人に「沖縄の基地を本土に移転するのはどうしても必要です」と言うと、菅直人は「そうだ、そうだ」と賛成したため、岡本氏は、“この人は聞いていたよりも安全保障について、ずっと良い感覚を持っている”と思ったそうですが、話を続けていくと、どうも話が合わなかったそうだ。

それもそのはず、岡本氏が「沖縄の基地を日本『本土』に移転して、沖縄の負担を軽くするべきだ」と言ったのに対し、菅直人は「沖縄の基地をアメリカ『本土』に移転して、日本を丸裸にするべきだ」という考えだったからです。

さすがは菅直人である。

こんな人間が自衛隊最高司令官の内閣総理大臣になったらどうなるのか。

菅直人はかつて「北朝鮮からミサイル攻撃を何発受けても自衛隊を動かすべきではない」と主張した。「反戦」イデオロギーを持つ菅直人にしてみれば、戦争さえしなければ、どれだけの国民が犠牲になっても構わないという「反戦」主義者なのだろう。

自衛隊廃止論者の森永卓郎や香山リカも「他国から侵略されたらどうするんだ?」と訊かれて、「殺すよりは殺された方が良い」という「反戦」主義者なので、それらと同じ思考回路を持っているのだろう。

阪神・淡路大震災の時、首相だったのは村山富市(社会党)である。

震災後、自衛隊と在日米軍はすぐさま救出活動に向けてスタンバイしたが、「軍隊嫌い」で、危機管理能力のない村山富市は自衛隊と在日米軍を動かそうとしなかった。

おそらく村山富市は「自衛隊を動かしたら、暴走して侵略戦争を始める」と思い込んでいたか、あるいは「『戦争放棄』という言霊宿る『平和憲法』に、『地震放棄』の条文を入れておくべきだった」と悔やんでいただろう。

民主党の外交・国防戦略はどういったものか?

鳩山由起夫の「友愛外交」とは、中国や韓国に対して、臣下の礼をとる朝貢外交に過ぎないことは先日明らかになりましたが、どのような国防政策を取るのであろうか?

民主党の外交・国防政策は「人の数ほど政策がバラバラで、どれが実行されるのかわからない状態」(プリスタップ米国防大学上級研究員)である。

結論から言えば、国防政策を党内で議論しようものなら何もまとまらずに分裂するだろう。

※ここからは先々週、産経新聞に連載されていた「危うい『友愛』外交」シリーズを元に話を進めたいと思います。

一昨年、小沢一郎・民主党代表(当時)は、「アメリカに追従するな!」と主張して、インド洋における自衛隊の給油活動をストップさせるためにテロ特措法の延長に「憲法違反」と反対し、「反米」「反戦」の左翼を喜ばせたが、小沢は「給油活動を止めて、自衛隊はIASF(アイサッフ=アフガニスタンの国際治安支援部隊)に参加して、アフガニスタンで地上戦を戦え!」と主張し、左翼を仰天させた。

小沢の言い分は、「軍隊の海外派兵だけは御免被るというのは良くない。多少の危険があっても、みんなと一緒に平和を守る心構えを日本は持つべきだ」であるため、論理的には納得がいくものだが・・・(違憲論はともかく)。

個人的に、「テロとの戦い」の建前の下、インド洋で給油活動をする本音は、単なる「国際社会」への「国際貢献」アピールに過ぎないと思っている、と言ったら言い過ぎですか?

卑怯かもしれませんが、給油活動だけで許され、感謝されるなら、非常に安全で美味しい「国際貢献」であるとも思う。

小沢の言い分もわかるが、「国際社会」が日本の自衛隊に求めているのは、ISAF参加ではなく、インド洋での給油活動であることは言うまでもないでしょう。

憲法で縛られた自衛隊に参加されたら足手まといなのだ。イラクのサマワへの派兵時も自衛隊は他国の軍隊に護衛されながら現地入りするという何とも情けない姿を披露した。おまけにサマワ市民に「自衛隊は俺たちが守ってやるから日本人は安心しろ」とまで言われる有様だった。

いくら言い分が論理的に正しくても、「国際社会」から求められていないことを無理にやっても、「国際貢献」にはならないのだ。

(インド洋給油活動は単なるアメリカ追従ではありません、念のため)

「アメリカに追従するな」は左翼を喜ばせるばかりか、保守派をも惹きつける文句である。「そうだ、日本はどこにも同調するべきじゃない。日本の正義のために我が道を行けばいい」という「いつか来た道」なのだが、小沢からは肝心なその後のビジョンが語られない。

アメリカに追従しないと言うなら、「日本は独自の核兵器を持って、国防費を○倍にして、空母を保有し、徴兵制を始めて、アメリカから真の独立を目指す」とまで言わなければならないが、小沢は国連中心主義を口にした。

これはアメリカに追従するどころか、安保理常任理事国(アメリカ&ロシア&中国&イギリス&フランス)に日本の主権を委譲する奴隷宣言であるから、わけがわからない。

そうかと思えば、以前、小沢は日中米「正三角形」論を主張していた。

同盟関係にあるアメリカと、日本を侵略しようかという中国を同列に扱うというものだ。

そもそも、以前から言っていることですが、代表時の小沢は建前でこそ「政権交代」を訴えていましたが、本音では「政権交代なんかしたくない」と思っていたんじゃないかというくらい民主党の支持率が上がりそうになるとトンチンカンなことを言い出すのでした。

小沢:「米軍の存在は第7艦隊だけで十分」もそうである。

関係筋に言わせれば、「第7艦隊の守備範囲は広く、年の半分は日本周辺にはいない状態だ。それでどうやって日本の安全を守れるのか。日本が米軍の代わりを務めるというなら歓迎だが、それにしては防衛力増強にも反対しているので、わけがわからない」のである。

そもそも、自衛隊は在日米軍の補助部隊として編成されているのである。

また、小沢は10年前に「自衛隊は歴史的使命を終えて、これから縮小することになる」と文藝春秋に寄稿したらしい。

一方、副代表の岡田克也は雑誌「世界」(岩波書店)で、「米国の核の傘から半分はみ出す」と語り、日本の主張として、①米国に核先制不使用を宣言させる②非核国への核使用を違法とする合意形成③東北アジア非核地帯構想、を訴えるそうなのだ。
どこまでも、おめでたい人ですねぇ。

この記事の全文を読んでいないので、何とも言えませんが、一応、日本は建前として「米国の核の傘」に守られていたから、ソ連も手出しできなかったというのに、そこから自らはみ出していくんですか。何のために!?

アメリカに訴えるといってもなぁ。まあ、オバマ大統領も結構、おめでたい人だから、①と②に関しては関心は示すかもしれませんね。③はトンチンカンとしか言いようがない。アメリカに訴えることじゃないだろう。

あぁ、「東北アジア非核地帯構想」とは、中朝の核兵器は置くけど、アメリカの核兵器は追い出すということでしょうかね。

昔、左翼は「共産国家の核は綺麗だが、アメリカの核は汚い」とか言ってましたから、それと同じ論理なんでしょうかね。

岡田は「まずアジア、次に日米同盟という順番だ」とし、正三角形論ではなく、中韓との朝貢関係を重視するようだ。

さて、次の総選挙で民主党が勝てば、鳩山由起夫は内閣総理大臣となり、自衛隊最高司令官となる。

鳩山は「(米軍の)常時駐留なき(日米)安保」を主張する。

それに対して、かつてアメリカのキャンベル国防次官補代理が来日して、鳩山に「紛争が起きたときの対応は二次的要素で、プレゼンスそのものが抑止になっている」と批判した。

武力の「武」とは「戈(ほこ)」を「止」めると書くように、米軍が駐留しているだけで、戦争抑止力として機能するということであるが、鳩山は理解できていないのだろう。

翌年、鳩山は訪米して理解を求めたが、アメリカ側から「意味不明」と一蹴されたそうだ。

「抑止力がはずれると偶発戦争を引き起こしやすい。まして基地を失った米軍が、有事だけ都合よく駆けつけて日本のために血を流してくれるのか。(略)実際に、米軍がハワイや米本土から緊急に展開しても、ある防衛当局者は『現在の防衛体制では、米軍が駆けつける前に日本は壊滅する』と断言する」

岡本行夫氏も、「お前の顔を見たくない、と奥さんを家から追い出して、『病気になったら看病に来い』と命じるようなものです」と指摘します。

結局、民主党は自由や権利は声高に主張し、義務や責任は「強制だ!」と拒否するご都合主義のニホン人体質なんでしょうね。

だから、近年、ニホン人の支持率が急上昇しているのでしょう。

そもそも、民主党は本質的に、阪神・淡路大震災の時も自衛隊を動かさず、在日米軍に救出活動を要請しなかった社会党の後継政党である。

菅直人が言うように、有事の際も自衛隊を動かさず、米軍に救援を要請しないかもしれない。


民主党が掲げる「反米3点セット」が、

①海上自衛隊のインド洋給油活動の即時停止

②日米地位協定の見直し

③在日米軍再編計画の白紙撤回

である。


これに危機感を持ったアメリカの4人の「知日派(日米関係を重視)」の大物が昨年12月に来日して、鳩山由起夫、菅直人、岡田克也、前原誠司らと会談し、「民主党が掲げる政策を一度にぶつけたら、米議会や政府は反米と見なすかもしれない。皆さんは注意された方がいい」と警告したそうだ。

前原は親米過ぎるくらい親米の印象があるが、他の3人は「反米左翼」である。

アメリカから売られた喧嘩を買うか?

それに対する民主党側の返答は、「民主党政権になっても日本の外交安保政策の基軸は日米関係だ」だった・・・。

何がしたいのか、さっぱりわかりません。

これまで、どうせ万年野党だからと、現実を見ずに、左翼の支持を得るために夢物語ばかり訴えてきましたが、政権交代が現実味を帯びてきたから混乱してるんでしょうね。


「民主党が日本の政権に就いて本当に大丈夫か?」(この会合の米側出席者談)


もちろん、僕もいつの日か、「アメリカに追従するな!」と主張したい。ただ、まだその段階にはほど遠い。憲法を改正し、しっかりとした国防力を身につけ、何よりも国民一人一人が国防観を身に付ける必要があります。

そうした漸進的に段階をステップアップする前に、急進的に、その先にあるかもしれない夢物語を主張しているのが、民主党の全般的な政策理念である。

民主党がいくら「反米」を掲げて、アメリカを困らせようとしても、そもそもアメリカ経済を支えているのは、既に日本ではなく、中国である。

中国がアメリカに訴えた「太平洋分割論(東太平洋はアメリカが支配し、西太平洋は中国が支配する)」も、近い将来、現実となるかもしれません。

今日、中西輝政氏の「日本の『実力』」(海竜社)を読みました。

序盤は、タイムリミットは近づいているというような悲観論で始まりますが、それでもまだ日本の底力を信じている、本当の日本に戻せといった内容でしょうか。

僕も先の参院選で自民党が敗北した時点で、「日本はもうダメだ。もう間に合わない」と悲観的になりましたが、それでもまだ日本の底力を信じている、本当の日本へ戻せ!と訴えたいと思います。

URL:http://ameblo.jp/myaimistrue/entry-10290690168.html

この記事へのコメント

  • 元町人

    中国の外貨保有高、米国債保有高は日本を抜き世界一です。GDPも来年あたり日本を抜いて世界第二位にのし上がるでしょう。つまり経済的に凋落するアメリカにとって中国は日本以上に重要だということになります。第一次世界大戦で疲弊して対米債務国に転落した大英帝国が日米衝突に巻き込まれるのを恐れて日英同盟を破棄した時と同じ状況になっています。ロシア、中国を仮想的国とした日米安保は冷戦終了によるソ連崩壊、中国の経済的台頭で実質的に空文化していると言っても過言ではありません。在日米軍はグアム、フィリピン、シンガポールへ移転すれば、日本の米軍基地のインフラはもはや不要です。米国が日米安保を解消して極東から撤退したがっているのは疑いの余地はありません。米中衝突などありえない以上、金食い虫の空母部隊を削減して中近東の陸軍部隊に回すことが効率的なのは明らかです。米国に代わり得る覇権国がない以上、日本は日米安保廃棄後に中国、北朝鮮、ロシアをただ一国で相手にしなければならないという最悪の状況が現出しようとしていることに気づかなければなりません。いま日本は元寇以来ともいうべき厳しい国難に直面しています。
    2015年08月10日 16:50

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