
先日、ふと店で食事をしていて、何気なく置いてあった、産経新聞の全面広告を見てびっくりした。SMAPの「幸せな国のつくり方。」と題した広告がそれ。
読んでみると分かるのだけれど、「うまくいかなくなると、誰かのせいにしたくなる」とか「私たちひとりひとりの、日本をよくしたいという気持ちでしか変えられないのではないか」なんてところは、まさにそのとおり、と頷いてしまった。
というのも、8月24日のエントリー記事「責任ある選択」や同27日の記事「光と闇の斗(たたか)い 」で書いている趣旨と殆ど同じだったから。
書いている内容は間違っていない。正論そのもの。
一部の評論家などは、「明らかに麻生政権を支持する内容だ」と、言っているようだけれど、正論を言うことが、麻生政権を支持する内容になるのであれば、麻生政権のやっていることは「正論」の国家運営だったということに他ならない。
また、カリヨン証券のチーフエコノミスト、加藤進氏は広告について「問題は、誰が、どういう意図で、どういう効果を狙って出した広告なのかがはっきり読み手に伝わらないことだ」と述べた上で、本広告は「ミスリーディングだ」などと言っているけれど、本気でそう思っているのか。
選挙は、誰かのせいにして、過去の断罪するのではなく、未来を選択するために、私心を去って行うべきもの、というこれ以上ない明確なメッセージなのに、これをミスリーディングだと言うほうが、ミスリーディングだろう。
この「幸せな国のつくり方」でも言っているように、良い国というものは、国民の誰もが自分以外の誰かのせいにすることもなく、日本を良くしたいと願い、自分の身近な人を大切にし、守りたい思いから始まるもの。
この、私心(わたくしごころ)を去るという観点でみると、いろいろ見えてくるものがある筈。
よりよい未来を選択する。
愛する誰かのために。
よりよき未来のために。
幸せな国のつくり方。
みんな、いいときはいいんです。でも、うまくいかなくなると、誰かのせいにしたくなる。
よく考えてみると、だから、景気のいいときの首相はいまだに人気があって、悪いときの首相は人気がイマイチ、なのかもしれません。
たしかに、政治家にもいろいろな人がいますが、みんな、日本をよくしたい!と頑張っているんだろうと思います。なかなかうまくいかないことも、裏目に出てしまうこともあるでしょう。
自分たちで選んだ人なのですから、ちょっと大目に見て、応援することも必要なのかな、とも思うんです。
正直、みんなで足の引っ張り合いばかりしているようで、少しうんざりしてしまうところもありますが・・・。
とはいえ、人のせいにしてしまうのはカンタンです。でも、実際に自分でやるとなったら、これはタイヘン。
そう考えると、いま選挙の最後の頑張りで声を枯らしている政治家を見かけたら、みんな頑張れ!という気持ちにもなってしまいます。もちろん成果のでないときには辛い点数をつけなくちゃいけないこともあるでしょうし、新しい風が必要だな、というときだってあるでしょう。
そろそろ政治には、勇気をくれるようなものを期待したいところです。
ところで、景気対策も大切なのですが、日本よりお金がなくても、みんなが幸せそうな国だって沢山あるような気もします。
もし本当の意味で未来を変えるとしたら、誰か一人の力や、どこかの政党のマニフェストなどではないのかもしれません。
私たちひとりひとりの、日本をよくしたいという気持ちでしか変えられないのではないか、と思います。私たちの未来は、私たちの心の中にしかないのです。
そして、最初の未来は、いまあなたのとなりにいる人を大切にすることから始まる、と信じます。
きょうから、「そっと きゅっと」 SMAP
URL:http://kakkou.way-nifty.com/tawagoto_/2009/08/post-310f.html


8月27日(ブルームバーグ):30日に投開票を迎える衆院選で与党自民党の劣勢が伝えられるなか、人気アイドルグループのSMAPが有権者に麻生政権と現職議員への支持を呼び掛けた新聞広告が波紋を広げている。
これは26日付の産経新聞朝刊が4ページにわたって掲載したラッピング形式の全面広告。平成国際大学法学部の佐々木孝夫准教授(メディア・政治学)は、SMAPが若い有権者に自民党支持を働き掛けた広告だと指摘する。
「幸せな国のつくり方。」と題した広告でSMAPは、「景気のいいときの首相はいまだに人気があって、悪いときの首相は人気がイマイチ」とし、「みんな、日本をよくしたい!と頑張っているんだろうと思います。なかなかうまくいかないことも、裏目に出てしまうこともあるでしょう」と主張。さらに「自分たちで選んだ人なのですから、ちょっと大目に見て、応援することも必要なのかな、とも思うんです」と語り掛ける。
広告の最後にはSMAPのロゴとピンク色のハートマークが掲載され、さらに「衆議院議員選挙の投票日は、8月30日です」と記されている。
▼「そっときゅっと」
佐々木准教授は「明らかに麻生政権を支持する内容だ。CDを売るために選挙期間を利用したという点では極めて巧みな広告戦略だろう。一方で、広告の最後に選挙日まで記載してあるので、政府のパブリシティーだと初めは思ったほどで、誤解を与える広告と言える。若年層の投票行動には一定の影響力を持ち得る内容であることから、SMAPにも責任の一端があるといえる」と述べた。
この広告を作成したのはJVC・ケンウッド・ホールディングス傘下のビクターエンタテインメント。裏面はSMAPのニューシングル、「そっときゅっと/スーパースター★」の宣伝広告で、SMAP全員の全身写真が掲載されている。
SMAPの所属するジャニーズ事務所にメンバーへの取材を申し込んだが、広告主のビクターに任せるとの回答があったのみで、現在のところSMAPからのコメントは得られていない。
ビクターレコーズのSMAP宣伝担当、宮川陽一氏は、当該広告は特定の政党や候補者を支持するものではないと説明。内容については、SMAPのメンバーが感じていることを表現したものだと語った。
▼若い無党派層を誘導
広告には具体的な政治家の名前は出てこないが、カリヨン証券のチーフエコノミスト、加藤進氏は「非常に強いメッセージで、麻生氏をかばい、現政権への厳しい見方を緩和しようという偏りのある広告だ。SMAPの人気を考えると、若い無党派層が誘導されて投票することはあり得る」とみる。
27日付の朝日新聞は、有権者に対する電話調査を踏まえた最新情勢分析で、衆院解散時に112議席を有していた民主党が、今回の選挙で計480議席のうち320を上回る議席を獲得する可能性があると報じた。
加藤氏は広告について、「問題は、誰が、どういう意図で、どういう効果を狙って出した広告なのかがはっきり読み手に伝わらないことだ」と述べた上で、全国紙の一面に、しかも選挙直前に掲載された本広告は「ミスリーディングだ」と分析した。
自民党の広報担当は匿名を条件に、この広告について、元気づけられる内容であり、ありがたい話だと述べた上で、自民党が企画に関与したということはないと言明。また、SMAPを公式な自民党支持者としてはとらえていないと語った。民主党の報道担当は匿名で、広告については承知していると述べた上で、特段の行動は考えていないと述べた。
産経新聞の広報部はブルームバーグ・ニュースの取材に対しファクスで回答し、内容は広告主ビクターエンタテインメントが複数社の代理店と作成したと指摘。また、個別の政党や候補者を支持するものではなく、同社の広告審査基準をクリアしていると説明した。社団法人ABC協会によれば、2009年上期の朝刊発行部数は184万6591部。
Last Updated: August 28, 2009 02:35 EDT
URL:http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=atTIy3VDxfp4
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