「呉の子弟よ。よく聞け。今日は冬至である。本来は一家団欒を楽しむ日だ。…だが家の周りに、強盗の群れが居る。これで冬至を越せるか。よいか!やつらを追い払うぞ!その後、ゆっくり一家団欒を楽しもう!」
レッドクリフPartⅡより
またまた、遅ればせながら、レッドクリフPartⅡをDVDでみた。
PartⅠと比べると、火計による攻撃シーンこそ壮観ではあったけれど、個々の登場人物の焦点が、やや、ぼやけ気味だった印象が残った。また、周瑜と曹操が1対1で対峙するシーンなど、少々脚色に過ぎた感もある。
その代わり、仲間を信じる気持ちに重点を置いた演出がそこかしこに見られ、また別の角度から赤壁の戦いを見ることができるようにも思われた。
冒頭のセリフは、呉の若き王、孫権の言葉なのだけれど、呉の立場からみれば、決して進んで戦に邁進したわけではなくて、好むと好まざるとに関わらず、やって来た強盗の群れを追い払うための戦いだったのだ、とレッドクリフPartⅡは描いてみせた。
赤壁の戦いでの、曹操軍と孫権・劉備連合軍の戦力比は10:1とも20:1とも言われている。
単純に、数字だけでみれば、絶対に勝てない戦いだった。それほどの戦力差があった。
だけど、結果は、そのとおりにはならなかった。
レッドクリフでは、局面局面での、ほんの僅かな確率しかない勝利を積み重ね、薄氷を渡るようにして、あたかも、細いロープの上を歩くようにして、最後の勝利へと展開してゆく。
周瑜が、曹操がスパイとして寄越した蒋幹を逆に騙す計略から、十万本の矢に蔡瑁の謀殺、さらには、曹操軍の船を繋いだ連環の計から、小喬の茶の足止め。そして最後に、東風を待った火計へと。ひとつひとつの計が全て勝利の路に繋がっている。
どれもこれも、たった一度しか使えない、千載一遇の機会を捉え、それを生かし、勝利を収めている。
蔡瑁の謀殺が無ければ、西北の風が東南の風に変わることも、おそらく見抜かれていた。
ひとつ、ひとつの小さな勝利が、その積み重ねが、最後の大勝利に。
だけど、それは、その日が来るのを信じて、準備を怠らなかったればこそ。
徹底した下準備がそこにはあった。
勝負事はやってみなければ分からない、下駄を履くまで分からない、とはよく言うけれど、あくまでもそれは、出来る限りの人智を尽くし、天意をも掴み、そして、諦めない心と、仲間と共に勝利を信じる心によって、始めて成し得るもの。
人智を尽くし、天意を受け、そして機会を待つ。
あきらめない心。
信じる心。
最後の勝利を掴む秘訣がここにある。
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この記事へのコメント
日比野
ただの感覚にしかすぎませんが、実態の動きの迅さに、報道や世論調査が追いついていないのではないか、という気がしてなりません。
ええ、もちろんネットがマスコミより3,4歩先を言っていますね。
paka
世論調査の結果に、????? となるのですが、、、、、
まあ、NHKの調査も大きく引き離されているという感じだったので、捏造ばかりじゃないと思うんですが、いっぽうで、麻生太郎個人を強く支持する人たちが、ものすごくたくさんいるわけで、、、、、、日本人の相当部分が政治的い確実に変わってきているという大きな成果はあげています。
麻生さんや自民党も、このギャップをどのように判断するべきか、戸惑っておられることでしょう。ただ、目の前の群衆に安心してもらっては困ります。
30日、悪い結果が出たとしても、跳ね返す力が結集する土台はできたわけです。
しかし、跳ね返すためには、麻生さんに自民党総裁で有り続けていただかなければなりません。総裁選で再選を果たしてもらわないとなりません。
選挙後、すぐに、勘違いした議員による麻生降ろしが始まり、党分裂の兆候も出てくるでしょう。
選挙直後から、党本部や、おかしな動きをしそうな議員たちに、圧力を掛けなければならないでしょう。 そして、麻生支持の人の多さと、その思いの強さを知らしめなけ