今日は簡単に・・・
いつも勉強させていただいているブログのひとつに「溜池通信」というブログがあります。その中の「かんべえの不規則発言」の記事で、考えさせられるものがあったので少し引用します。
この話、溜池通信の2003年12月頃に、イラクへの自衛隊派遣問題をめぐって考えた枠組みの焼き直しです。日本外交が目指すべきはA案か、B案か。どうも今までの自民党政権では「A案しかないっしょ」という感じだったのだけど、民主党の新政権では真剣にB案を検討しているのではないかと思います。かんべえ自身も、6年前には「A案しかない」と思っておりましたが、現時点で考えると結構迷う部分もあります。さあ、ご一緒に考えてくださいませ。
●日本外交の選択
従来の議論:「A案」(Ambitious Japan)←小泉政権・自民党?
「日本は超大国のはしくれ。国際的な責務を果たすべし」
現状認識
日本は世界第2位の経済大国。リーダーとしての役割あり
方向性
「普通の国」を目指す。まず集団的自衛権の解釈変更を。
対米関係
日米関係が外交の基軸。日米安保条約は国際公共財。
対アジア関係
「アジアの盟主」の座は中国には譲れない。
対国連
当然、常任理事国の地位を目指す。
イラク・アフガン
中東の安定は日本の国益。応分の負担を行う。
北朝鮮問題
「対話と圧力」では「圧力」に力点。
経済外交
ドーハラウンド、FTA交渉を通じて貿易自由化に貢献。
新しい方針:「B案」(B=Blue Japan)←鳩山政権・民主党?
「日本は衰退過程にあることを自覚し、抑制的な外交を展開すべし」
現状認識
経済より安全保障優先の世界では日本はミドルパワー。
方向性
国際貢献は非軍事に限定。なるべく憲法の範囲内で。
対米関係
安保体制は堅持するも、従来通り「Reluctantな同盟国」で。
対アジア関係
地域覇権国になる中国をなるべく刺激しない。(例:靖国神社)
対国連
真面目な一加盟国として汗を流す。環境問題で貢献。
イラク・アフガン
無駄な努力にはなるべく手を貸さない。民間の支援を中心に。
北朝鮮問題
「対話と圧力」では「対話」に力点。
経済外交
農産物の自給率向上。戦略物資の確保に努める。かんべえの不規則発言 <9月25日>(金)より引用
かんべえ氏は、これまでの自民党政権ではA案しかなかったのだけど、民主党政権になってB案を模索しているのではないか、という。
だけど、個人的には、A案の意識が国民の隅々にまで浸透していたかといえば、そうでもないように感じている。どちらかといえば、B案の意識が強いのではないか、と。
というのも、世界と日本の繋がりをマスコミが殆ど報道しないから、そのあたりが、いまひとつピンとこないのではないかと思われる。
イラク・アフガン問題にしても、中東の安定は日本の国益だ、なんて云われても、切実にそう思っているかどうかは疑わしい。中東で戦争が起こったとしても、どこか遠い国の話くらいに軽く考えていて、それが石油が止まってしまうことを意味するなど殆ど考えてもいないのではないかとさえ。
世界が思っているほど、日本人は日本が大国である、とは自覚しているようには見えない。
どこか、世界の流れに後ろからついていけばいい、という感覚があって、世界を引っ張っていこうとは思ってない。一番になりたくない、という深層心理下の気持ちがあるのではないかと思っている。
だから、今のように世界同時不況になって、回りがコケて、日本が一番になってしまいそうになったら、それを恐れるあまり、ワザとコケて、2番手以下に落ちるという選択をしているのではないか。
もしも、日本人に、そんなトラウマがあるとしたら、いつまでたっても、本当の意味での世界の大国にはなれないだろう。大国になることが良い悪いは別として、世界は大国は大国の責務が在るはずと考える。大国が我侭に振舞ったら、中小国が迷惑するから、当然のこと。
その為には、まずは、世界を知ることが大切なのだろう。マスコミにそうした報道を期待できないのであれば、例えば、世界各国にライブカメラを置いて、ネットで24時間中継すれば、何か感じるものもあるかもしれない。

この記事へのコメント
GT.
(僕の印象ですが)
日本は大国であろうがそうでないだろうが、あまり関心がないみたいですね。その辺は、自己主張するときには「大国面」するわりに、都合が悪くなると
「途上国」のようなふりをする韓国とはえらい違いです。
「そこそこ」のレベルを希望し、topとか大国にはなりたくないのでは。
一生懸命生活を上げることのみに注力してきたのですね。
で、気がついたら抜きん出ていたのですよ。
でも、外から見れば十二分に大国となっていて、
日本人の言い分はともかくとしてnoblesse obligeは期待されている。
世界有数の富があり、工業製品に関する技術は世界一であるにもかかわらず、
(日本人的「美徳」により)自己主張がない、
他国から見れば不思議な国なんでしょうね。
極東にこんな国があることはほほえましいのかもしれませんが、
世界経済崩壊真っ最中では、たぶんほっとかれないでしょうね。
何とか体力を温存したままで2番手以下に落ちることはできないでしょうか?
それができれば、鳩山政権を見直してもよいですが、
実際は他国に食い物にされる素地をつくっているだけのような気がします。