無責任宰相ハトラー(総理の一字 ~鳩山首相考~)


いろんな試行錯誤の中で失敗することもあろうかと思います。是非、国民の皆様にも御寛容を願いたいと思っております。何せまだ、ある意味での未知との遭遇で、経験のない世界に飛び込んでまいります。政治主導、国民主権、真の意味での地域主権の世の中をつくり上げていくために、さまざまな試行実験を行ってまいらなければなりません。従いまして、国民の皆様方が辛抱強く、新しい政権をお育てを願えれば、大変幸いに思っております。
鳩山内閣総理大臣記者会見より 平成21年9月16日


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出だしから、何やら弱気な発言で締めくくった就任記者会見。正直この発言はいただけない。こんな原稿を誰が書いたのか。官僚が書いたのなら問題だし、本人が書いたのであれば、もっと問題。

尤も、先の総選挙では、鳩山首相は、長野県飯山市の会合で、世襲が日本の政治をゆがめてきた、と言いつつ、自分は大目に見て欲しいなどと発言していた。どこかそれに通ずるものを感じないでもない。

だけど、たとえ本音がそうであったとしても、総理大臣として発言すべきセリフじゃない。

何よりも、今の日本や日本を取り巻く世界の情勢下で、試行実験を行う余裕があるとは思えない。

こんなことでは、国を背負うことの意味を理解していないと疑われても仕方がない。

先月の総選挙で、自民党は「責任力」を訴えていたけれど、そろそろ、その意味が多くの国民にも分かってくるのではないかと思われる。

つまるところ、責任力とは、「自らの行為が如何なる結果を生むのかを見通す力」だと言い代えてもいい。何が起こるか全く分からないでは、対策も立てられないし、どう対応すべきかを考えることさえ難しい。そんな状況では、誰だって責任は持てない。

国防や防災対策だって、実際に起こる確率は低いけれど、いつか起こるかも知れない、と最悪を想定するから対策できるのであって、その結果を想定できることが前提にある。地震対策ひとつとっても、震度5を想定するのか、震度7を想定するのかでその対策は当然違ってくる。避難場所、支援物資補給はもとより、建築物の耐震基準をどう決めるのかにまで、その対策は及ぶ。

結果が見えない人は、責任を取ることができない。

だから、自分に結果を見通す力がない、と思うならば、大目に見てくれ、等と甘えるのではなくて、結果を見通せる人の助言を素直に聞くべき。それが責任を持つということ。

ましてや、世界の大国である日本の首相とならば言うまでもない。

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既に、財界を始めとして、色々なところからクレームの声が上がり始めている。藤井財務省の円高容認発言に対して、トヨタ幹部が「大変困った発言だ」と苦言を呈しているし、温暖化ガス25%削減についても、電力総連から、各家庭に対して強制に近い対策が必要だから、実現できるか疑問だと言われている。

円高を放置して、いくつかの企業が倒産したり、本社を海外に移転して税収が減るような事態を招いたり、温暖化ガスの25%削減が達成できなくて、結局、高い金を出してCo2排出枠を買うことになるかも知れないことも想定しているのかどうか。それをも覚悟の上で発言しているのかが問われているということ。それが責任力。

本当に、そこまで覚悟しているのであれば、非難する彼らを説得し、納得させるだけの長期展望と戦略が必要だし、そのための説明がないといけない。

もしも、そういった事を全く考えてもいなかったとしたら、無責任宰相と云われることを甘受しなくちゃいけない。

その答えのひとつとして、内閣人事がある。鳩山政権での大臣は、これまで、民主党の次の内閣で名を上がっていた大臣と大きく違っていて物議を醸したけれど、実は副大臣や政務官レベルになると、少し話は違ってくる。このあたりについては別の機会に譲る。

また、無責任でも、うまくいくことがあることはある、それは、物凄い豪運、武運を持っているということ。たとえば、本人が何も気にせず適当にやっているように見えるのに、周りが勝手に自滅してくれるような場合とか。

小泉元総理も、不幸中の幸いが結果オーライになっていた宰相だったけれど、鳩山首相はそれだけの運を持っているだろうか。

勝ちに不思議の勝ちはあっても、負けに不思議の負けはない。そのことを国民はあらためて知ることになる。


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画像「大変困った発言だ」=藤井財務相の円高容認で-トヨタ幹部

 トヨタ自動車幹部は17日、鳩山内閣で財務相に就任した藤井裕久氏が円高を容認する発言をしたことについて、「わたしどもの産業にとっては大変厳しい風向きだ。輸出にとって為替は非常にデリケートなものだし、円高容認みたいなことは大変困った発言だと思う」と苦言を呈した。(2009/09/17-15:39)

URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009091700642



画像温暖化ガス25%削減、電力総連会長らが批判 2009年9月9日16時1分

 連合傘下の電力業界の産別労組、電力総連の南雲弘行会長は9日、民主党の鳩山代表が20年に温室効果ガスの排出量を90年比で25%削減するとの目標値を明言したことについて、「(住宅の断熱化など)各家庭でほとんど強制に近い対策が必要になり、実現可能性には疑問を抱かざるをえない。10年で必要な(原子力)発電所などの建設が可能なのだろうか」と批判した。北九州市で開会した電力総連の定時大会で語った。

 南雲会長は「先進国が野心的な削減目標を掲げても、中国やインドなどの同調は簡単には得られない。国際的協調に異論はないが、自国の国益を後回しにすることは全く別物」とも指摘。日本の省エネ技術を生かし、途上国で排出量削減に貢献すべきだと強調した。

 連合の高木剛会長も「世界各国が公平公正に負担を背負い合わないとうまくいかない。具体的に何をすれば25%減るのか明確でない」と、民主党に注文をつけた。

URL:http://www.asahi.com/politics/update/0909/SEB200909090003.html



画像勝ちに不思議な勝ちあり。負けに不思議な負けなし

ノムさんこと楽天イーグルスの野村克也監督が座右の銘にしている名文句。

「勝ちに不思議な勝ちあり。負けに不思議な負けなし」

大名にして剣豪の松浦静山(まつらせいざん)が記した随筆甲子夜話(かっしやわ)に書かれたものです。
あなたの会社、部署、あなた自身のビジネスパーソン人生を振り返ってみてください。成功体験も失敗体験もたくさん経験してきているはず。

あのとき、うまくいったのはなぜか?逆に、うまくいかなかったのはなぜか?

部下や後輩に聞かれたとき、あなたはどう答えていますか?ラッキーとかアンラッキーという次元で答えても、役に立ちませんね。

一方、成功体験、失敗体験を論理的に分析できれば、経験がノウハウ化されます。取り組む第一の理由は、ビジネス経験の「裏づけがとれる」ことです。あのとき、うまくいった理由は「こうだ」と分析できれば、謙虚な人も自信家の人も、客観的・論理的に勝因・敗因を語ることができるようになるのでノウハウが共有化できるのです。

また自社の過去の路線が正しかったのか、正しくなかったのかが、はっきりします。正しければ、やってきたことに自信を深め、会社への求心力が高まります。

ドイツを統一し鉄血宰相といわれたビスマルクはいいました。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

経験も裏づけが取れれば、ノウハウ化されるのですがやはり、自分や自社の経験だけで物事を判断するのは了見が狭くなりがち。他者の経験という歴史に学ぶことは大変有意義です。

勝ち負けの普遍の真理(不易)をもとに日々、バージョンアップされる実戦の手法(流行)を展開するのです。

原理原則を知って戦うものと、知らずして戦うものの勝率を想像してみてください。よほどの天才でない限り、原理原則を知って戦うもののほうの勝率が高いです。歴史の積み重ねで構築された勝ちパターン、囲碁でいう「定石」です。

これに取り組む第二の理由は、ビジネスの「判断基準をもつ」ことです。今後、意思決定するとき、どのように判断すべきなのか、その基準をもつことができます。

もちろん、実戦において、その判断は応用されるべきものです。しかし、原則を知った上で応用する者と、自己流に判断するものとでは勝率が違うはずです。

URL:http://media-blend.net/2007/11/post_132.html



画像【鳩山総理冒頭発言】

 このたび、衆議院、参議院両院におきまして、総理に選出をいただきましたその瞬間に、日本の歴史が変わるという身震いするような感激と、更に一方では大変重い責任を負った、この国を本当の意味での国民主権の世の中に変えていかなければならない、そのための先頭を切って仕事をさせていただく、その強い責任も併せて感じたところでございます。
 社民党さん、国民新党さんとともに民主党、中心的な役割を果たしながら、連立政権の中で国民の皆様方の期待に応える仕事を何としてもしていかなければならない、強い使命感を持って仕事に当たりたいと感じているところでございます。
 言うまでもありません。この選挙、民主党あるいは友党は大きな闘いに勝利をいたしました。しかし、この勝利は民主党の勝利ではありません。国民の皆様方が期待感を持って民主党などに対して、一票を投じていただいた結果でございます。まだ歴史は本当の意味では変わっていません。本当の意味で変わるのは、これからの私たちの仕事いかんだと、そのように感じております。
 私たちは、今回の選挙、国民の皆さん方のさまざまなお怒り、御不満、悲しみ、全国各地でそのようなものをたくさんちょうだいいたしてまいりました。何でこういう日本にしてしまったんだ、こんな故郷にしてしまったんだ、その思いを私たちはしっかりと受け止めていかなければなりません。そして、そこに答えをしっかりと出さなければならない大きな役割を私たちは担わなければなりません。
 すなわち、今回の選挙の勝利者は国民の皆さん方でございまして、その国民の皆さんの勝利というものを本物にさせていただくためには、とことん国民の皆さんのための政治というものをつくり出していく、そのためには、いわゆる脱官僚依存の政治というものを、今こそ世の中に問うて、そして、それを実践していかなければなりません。私たちはさまざまな仕組みの中で、脱官僚依存、すなわち官僚の皆さんに頼らないで政治家が主導権を握りながら官僚の皆さんの優秀な頭脳を使わせていただく、そういう政治を送り出していきたい。
 その先には、言うまでもありません。国民の皆さんの心と接しているのは政治家である。その気概を持って国民の皆様方のさまざまな思い、政治を変える、何のために変えてもらいたいのか、その思いを受け止めて、私たちが大きな船出をしっかりとしていきたい、そのように感じているところでございます。
 そのためには、今までのように、国民の皆さんもただ一票を投ずればよいんだという発想ではなくて、是非政権にさまざまものを言っていただきたい。政権の中に参画をしていただきたい。私たちが皆様方のお気持ちをいかにしっかりと政策の中に打ち出していけるか否かは、国民の皆さんの参加次第にかかっているとも申し上げていいと思います。
 私たちは、そんな中で今まではマニフェストというものをつくり上げてまいりました。子ども手当問題にしろ、ぼろぼろになった年金を何とか正していく、こういったテーマにしろ、そのための財源をどうするんだ、その思いの中で、私たちは無駄遣いを一掃しなきゃならん、まずは無駄遣いを一掃するべきだ、その発想の中で行政刷新会議というものをつくり上げてまいりました。
 また、国家戦略室というものもつくり上げていきたい。そして、そこによって国民の皆さん方に必ず国家的な大きな役割を、指針というものを見出しながら、国民の期待に応えてまいりたい。そのように感じているところでございます。
 多分、いろんな試行錯誤の中で失敗することもあろうかと思います。是非、国民の皆様にも御寛容を願いたいと思っております。何せまだ、ある意味での未知との遭遇で、経験のない世界に飛び込んでまいります。政治主導、国民主権、真の意味での地域主権の世の中をつくり上げていくために、さまざまな試行実験を行ってまいらなければなりません。従いまして、国民の皆様方が辛抱強く、新しい政権をお育てを願えれば、大変幸いに思っております。
 私どもはそのような思いの中で、連立政権を樹立をする決意を固めた次第でございます。あくまでも国民の皆様方の御期待に応えるような新しい政治をつくりたい。その思い一つで、連立政権を樹立いたした。その思いをみんなでかみ締めながらスタートしてまいりたいと思っておりますので、どうか国民の皆様方にも御辛抱の中で、御指導、御支援をいただきますことを心から祈念をいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

URL:http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/statement/200909/16kaiken.html

この記事へのコメント

  • エラ通信

    無責任というより“外道”だとしか思えない昨今。
    2015年08月10日 16:50

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