今回は議席を獲得できなかった、幸福実現党だけれど、意外にも、別の側面が見えてきたように思う。それは、彼らが、国政のシンクタンク的役割を果たす可能性がある、ということ。
幸福実現党の政策は、自民党の政策とも民主党の政策とも違うけれど、彼らによると、自分達の政策は、自民党や民主党にどんどんパクられているそうだ。
たとえば、国防や経済成長を主張していたら、自民党も似たようなことを言い出した、とか、高速道路無料化などの政策は自分達のオリジナルであって、それを民主党がパクったのだという。
本当にそうなのかどうかは確認が取れないのだけれど、今回の衆院選のように、「政策三分の計」によって、マニフェスト選挙にさせ、有権者に各党の政策を意識させたことは事実であるから、票を取るためには、受けが良かったり、本当に良い政策であれば、どこのであろうと、どんどんパクってくることは十分考えられる。
だけど、注目すべきは其処ではなくて、良い政策を安定的に出せる存在がしっかりある、という点が決定的に重要。
政権交代を果たした民主党が、予算編成を巡って、早くもグダグダになっているところを見ると、この点について、非常な不安を覚える。政権を担うことについての準備など、まるで考えてなかったようにしか見えない。
あれだけ、「ネクスト・キャビネット」だと銘打って、さも政権交代の準備が整っているように喧伝しておいて、いざ政権交代となったら、人事に関しては、まるで議論もしてないという始末。一体どういう了見なのか。
やはり、煩雑に政権交代が起こりうる、今の二大政党制を推し進めるのであれば、政権を交代しても、さっと政権運営を引き継げるようにうに、きちんとした政策に対するシンクタンクを抱えておくべきだと思われる。
既存政党で、そうした政策的な部分をしっかり詰めていたのは、いわゆる「確かな野党」くらい。だけど如何せん、「確かな野党」は保守与党ではないし、当の本人達が政権を担当する気はないと言っている。
だから、保守側でシンクタンク的な役割を果たす「確かな保守党」もしくは、保守政党の中に「確かな政策」を立案する存在を内に抱えていないと、政権交代のたびに、こうした混乱が起こることになってしまう。
だから、もし、幸福実現党の政策が、保守政党がパクるくらいの良いものであったとしたら、「確かな政策を立案する存在」として、必要とされる可能性がある。
更に、幸福実現党は、全国レベルで自分達の政策を広く訴える、マスメディアとしての機能も果たせる支持母体があるから、その政策が良ければ良いほど、それを広く有権者に訴えることで支持を集めることだって可能になる。
すると、それをみた自民党や民主党がまた、その政策をパクって政権運営をするかもしれない。
だから、幸福実現党という、第3のマスメディア手段を持った、政策シンクタンク的な政党は、その意味において、なかなかユニークな存在であって、たとえ議席がなかったり、又は、数議席程度しかなかったとしても、政策レベルでは、国政にそれなりに影響を持ってくるように思われる。
まぁ、自分のところの政策をどんどんパクられてしまって、他の党の手柄になってしまうのは面白くないかもしれないけれど、その政策について、支持母体を通じて、予め有権者に広く知らせておけば、あの政策はパクりだな、と分かる人には分かる。
だから、地味ではあるけれど、こうした良い政策をどんどん出して、かつ主張していくことで、じわじわと支持を広げていく、という方法もあるように思う。
その意味において、日本に、マスメディアを含む、健全な民主主義が成立するまでは、幸福実現党が存在すること自身が、重要な意味を持つことになるだろう。


民主党の鳩山由紀夫代表は6日午後、東京・永田町の党本部で記者団に閣僚人事について「内々内定くらいの話で決まっていない」と述べた。ぶらさがり取材の詳報は以下の通り。
▼連立協議と閣僚人事
「別に今日は何も申し上げることはありません。ロジ回りを少し勉強させてもらった」
--人事の検討状況はいかがか
「人事は検討してません」
--今日は(平野博文党役員室長と)どのような話をしたのか
「きょうはロジ回りを」
--社民、国民新両党との連立協議の状況を見ないとこれ以上進められないということか
「また、あの、社民党さんからの連絡がありましたから、できるだけスムーズに進めるような関係をつくろうと。いろんな、トップの、トップといっても別に総理と限りませんけれども、連立与党の中で、まあ、政策調整の部分もあるけれども、同時にトップ同士で心を合わせるような会議体も必要じゃないかというような話もあって。ま、検討、そういうことにしてます」
--民主、社民、国民新の3党の党首会談ということもあるのか
「最終的にまとまったときにはそうしようかと思ってます」
--財務相人事は連立協議が整った後になるのか
「すべて閣僚の人事というものは、連立協議が整わないうちに先行するわけにいきませんから。ただ、あの、いろんなこの幹事長人事にかかわるものに関して、一応の話はありますけれども、まだ、内々内定くらいの話ですからね。決まってはいません。しかも、財務大臣などという、あるいはそれ、さらにそのほかの人事に関しては、まるで議論もしてません」
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090906/stt0909061747009-n1.htm
この記事へのコメント
sasaki
高速道路無料化については、幸福実現党の母体である幸福の科学の月刊誌「 The Liberty 」1998年8月号) で、『高速道路フリーウェイ化』提言として掲載されています。 民主党が、5年後の2003年にマニフェストにしています。
幸福の科学の主張としては、高速道路無料化の提案の大きな目標は、経済の活性化でした。財源が問題視されますが、流通が活発化し企業の利益も上がり、それで税収が増えるということだったと思います。高速無料化の経済効果については、先日、国交省が7.8兆円の経済効果があるだろうとの試算を出していたとも報道されています。http://www.asahi.com/politics/update/0905/TKY200909050246.html
渋滞については、出口を増やすことで緩和できるというものです。民主党も同じ主張をしています。ただ、民主党の場合は、経済効果が目的というより国民受けを狙って政策として挙げているような印象があります。経済成長戦略のない民主党には経済効果よりバラマキで国民の票を取り込むことが優先なのでしょう。
ao
幸福実現党を極右と呼ぶ方も居ますが、こういう、「ミサイル基地を攻撃する」と言ってはばからない政党が居れば、北朝鮮が騒げば騒ぐほど票が入る訳です。
そういう政党が第一党を目指しているという状況は北朝鮮にとってはやりずらい状況だと思われます。
実際、韓国を訪問した際には、ずいぶん穏やかな様子だったとか。
残念ながら、民主の圧勝で牽制効果は随分薄れたでしょうけれども、幸福実現党の人気が上がってくれば、牽制効果も強まってくるでしょう。
genron