増大する上位レイヤー(S.A.C.について考える その8)

 
これまで見てきたように、民主選挙においては、有権者は誰でも一人一票を持っていて、自分の自由意思によって、投票するのだけれど、その投票をするための基礎情報を得るレイヤーが各々異なっている、またはその受信頻度や受信する情報量が人によって様々に異なっているという現実がある。

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だから、公平な選挙を行う為には、必要な情報を過不足なく、平等に伝えておく必要があるのだけれど、現在の公職選挙法では、もっぱら、政党の選挙活動の規制を掛けているのが殆どで、選挙期間以外の政治活動や、政党以外の情報発信源については、殆ど何も制約がない。

たとえば、政治家の個別訪問や辻立ちとか、メディアによるニュースなんかは選挙期間以外は事実上フリー。だから、政治活動をやればやった分だけ、情報発信量は増やすことができる。

政治に特に興味の無い人にとっては、どの縁起レイヤーに生きていても、その種の情報を自分で受信しにいくことは殆どないから、そうした人にとって政治に関する情報は、普段の生活の中で、勝手に自分のところまでやってくる情報、即ち、スイッチを入れれば流れてくるテレビニュースであったり、政治団体に所属する友人からの押しかけ訪問とかによって得るものが、かなりのウェートを占めることになる。

テレビなどによる情報は、上位レイヤーでの通信だし、個別訪問やチラシ、ハガキなどによる情報は下位レイヤーでやりとりされる情報になるのだけれど、上位レイヤーと下位レイヤーで通信される情報の質と量に大きな違いがある面も見逃せない。

下位レイヤーは、生活に密着した層だから、政治に関する情報も、より生活に関わる情報の感度が高い。子供手当だとか、消費税は上げませんとか、そうした情報でないと中々受信して貰えない。一方上位レイヤーは経済、国際情勢、外交安保に関する情報も流れているのだけれど、それは、下位レイヤー中心に生きている人にとっては、あまり、受信対象にはならない情報。

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また、情報インフラが整った社会でのマスメディアによる情報拡散は、ひとつの情報を、同時かつ多数の人に伝送できるから、情報伝達効率は、人による個別訪問なんかとは比較にならないし、費用もハガキなんかとも比べ物にならないくらい安価にできる。さらには、情報量そのものも圧倒的に多い。

だから、上位レイヤーと下位レイヤーの情報伝達効率と情報量には、格段の差があって、上位レイヤーのインフラが充実すればするほど、国民は上位レイヤーからの影響を強く受ける構造になっている。

にも関わらず、上位レイヤーからの情報は、下位レイヤー中心に生きる人にとっては、向こうから持ってきて貰えるものでないと受信回線を開いてもくれないし、また回線を開いても、その情報に興味が湧いてかつ理解できるものでないと、その場で除去されてしまう。

本当は、テレビを始めとするマスコミが、その情報に対して、上位レイヤーと下位レイヤーが如何に関わっているかを簡単に分かりやすく説明する役目がある筈なのだけれど、正直、今のマスコミがそうした役目をしているとは言い難い。

上位レイヤーの影響力がますます大きくなっている状況下において、マスコミが片方の陣営を持ち上げるのみならず、伝えるべきことを伝えず、どうでもいいことで、特定の政治家を叩くことをしたら、どういう結果を招くことになるのかは、火を見るより明らか。

今回の選挙で、メディアの影響力が如何に大きいものか改めて知らされた、なんて声も聞くけれど、こうした縁起のレイヤー構造と個々人でのその活性化具合を考察していくと、至極当然の結果だったのだということが分かる。

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