太陽ぱくぱく「狂ったフリ作戦」(鳩山政権をポジティブに眺めてみる その3)
藤井財務相は、ガイトナー米財務長官との会談で、内需拡大を約束したけれど、円高での内需拡大は、普通は輸入品の増加を伴う。
円高が続けば、海外からの輸入品が安くなる。だから、内需が増える傾向になることは確か。だけど、その増える内需が、期待される程に増えるかどうかは、また別の話。
もしかしたら、日本が、アメリカや中国の代わりに、世界中からモノを買って、消費する役目を担うところまで狙っているのかもしれないけれど、今のままでは多分無理。
アメリカの2008年の貿易額は、輸出額が1兆3011億1000万ドル、輸入額が2兆1659億8000万ドルで、8648億7000万ドルの貿易赤字。
対する日本の2008年の貿易額は、輸出額が7864億3000万ドル、輸入額が7625億9200万ドルで、238億3800万ドルの貿易黒字。
アメリカは、貿易赤字の額だけ、輸入超過であって、その額は、日本の全輸入額を超えている。だから、もしアメリカが財政均衡に走って、輸入超過をぐっと減らして、輸出入の差し引きゼロくらいにまで、つまり貿易赤字がゼロになるまで圧縮したとしたら、日本全部の輸出額相当分の需要が、世界から無くなることになる。
アメリカが衰退することは仕方ないことだとしても、もしアメリカが、世界からモノを買えないくらい衰退してしまったら、今の世界経済を維持するためには、誰かがアメリカの肩代わりをしなくちゃいけなくなる。
もし、日本がアメリカの肩代わりをしようと思ったら、家庭や全ての産業で、輸入量を今の倍くらいにまでしないといけない。そんなことが出来るのか。
万が一、本当にそうするのなら、いろいろとやるべきことがある。まず、日本の消費者の意識を変えないといけない。倹約を美徳とする国民を、消費を美徳に変えさせて、じゃんじゃんお金を使う風土にしないといけない。日本人にそう仕向けることは、簡単にできることじゃないだろうし、第一、モノを買うといっても、品質に煩い日本人の好みに合う品物が、国内は兎も角、海外にそんなにあるのか、という疑問もある。
今の世界経済は世界中で連環してる。アメリカが財政赤字を垂れ流して、世界中からモノを買ってくれていたから、世界経済が回っていた。いくらドルが世界機軸通貨だから、ドルは刷り放題なんだといっても、その分の担保は要るから、国債をじゃんじゃん発行する。それを日本と中国が買って支えていた。
これまでは、日本人が自分でじゃんじゃんお金を使えないものだから、アメリカに預けて、代わりに使ってもらうことで、世界中にお金が循環していた。
日本(と中国)が米国債を買わないと、アメリカは持たないし、必然的に世界は支えられない。それは当のアメリカ自身も認めている。
それに日本は、未来を拓くための最先端技術を沢山持っている。環境技術なんかは特にそう。だから、世界中の、どの国もどの国も、今の日本は味方につけたい筈。
だけど日本は狂ってしまった。それを作戦でやっているかどうか判らないけれど、世界からはそう見られるようになると思う。
世界が混迷の時代に入ろうとするときに、自分から先に狂ってしまうことで、外からの干渉や禍(わざわい)を避けようとしているのかと勘ぐられているかもしれない。
「狂ったフリ作戦」という美しき誤解が、世界の時間を止めている。
日本は、狂ったフリをすることで、しばらく世界から引きこもる選択をしたのか否かは、もうしばらくすれば明らかになるだろう。
だけど、もちろん狂ってしまっているから、自分も無傷ではいられない。莫大な国富が失われるかもしれないし、国内外の利権構造も、相当変わってくるものと思われる。
←人気ブログランキングへ
アメリカは、中国と日本が負債を買ってくれねばハルマゲドンだ 【9月24日 CNBC】
アメリカは日本と中国が我々の負債を買い上げてくれることに全面的に依存しているので、彼らがそれを停止すれば、厳しい経済問題に直面する、とタイガーマネージメントの創設者で会長だったジュリアン・ロバートソン氏がCNBCに語った。
「もし日本と中国が我々の負債を買ってくれねばハルマゲドンだ」とインタビューでロバートソン氏は語る。「どこから資金を得ることができるのか知らない。どうも我々はとんでもない状況に自らを追い込んでしまったようだ。そこからなんとかして脱出しなければならない」
ロバートソン氏は、外国が我々の債券を買うことを停止すればインフレが大きな問題となる、と語った。
「もし中国と日本が債券の購入を停止すれば、我々はすぐ15から20%のインフレに見舞われるだろう」と語った。「これは経済の問題ではない。これは彼らが金を貸してくれねば、誰が貸してくれるのか、という問題なのだ。我々がこの二つの国に完全に依存する状況を考えてくれ。大変なことだ」
ロバートソン氏は、中国は米国債を購入することを停止するとは思わっていないが、日本は最終的には長期国債を売らざるを得なくなるだろう、と述べた。
「それは買わないことよりもっと深刻なことだ」と彼は言う。「その他には、彼らは殆ど短期国債だけを購入している。そしてそれは我々が提供しているものだ。それは我々は長期債を売ることができないからだ。ご存知のように、歴史は、短期の借り入れをする人は火の車に見舞われることを示している」と語った。
この問題を避ける唯一の方法は、経済を成長させ抜け出るしかない、と語った。
「アメリカは大量消費を改め、節約に徹し貯蓄をすることだ。そして、以前の状態にもどらねばならない」と語る。「そうならねば、迷い込んだ森から抜け出ることはできない」
ロバートソン氏は短期的にはそんなに楽観論者ではない。
「我々は相当まずい状況にある」と彼は語る。「リセッションは少なくとも一時的には超えたと思う。しかし、我々には取り組んでいない多くの問題があり、また、あまりに多くの金を借りたので、中国と日本が我々の負債を買ってくれねばそれを返済することができなくなっている
URL:http://rockway.blog.shinobi.jp/Entry/238/
この記事へのコメント
雪観僧