今日は、昔のメルマガ記事を種にしてリライトし、後半部を追加してエントリーします。(手抜きですみません。)
ドラえもんに「王かんコレクション」という話があります。ドラえもんの道具のひとつで、流行を作り出すウイルス「流行性ネコシャクシビールス」を使って、突如、ビンの王冠が値打ちを持ち、高値で取引される、という話です。
この話が示唆するものは、人が値打ちを見出したものには、それを欲しがる人が現れて、それで経済活動が生まれるということです。その対象は価値を見出しさえできれば良く、ゴールドでも、株券でも、八月十二日の三河屋のコーラでも構いません。
ですから、こうした話題をワザと仕掛けることによって、強引に市場、マーケットを作り出すことがあります。マスコミなどが、よく次のトレンドはこれだ、とかなんとかいって、有名店のスイーツとか、有名ブランドを紹介したりするケースなどがそうです。王様のナントカという番組では、毎週毎週、「今話題の○○」だとか、「今、注目の××」とか紹介していますが、あれによっても、プチ市場が立ち上がっている訳です。
そうした流行を煽りたて、関連本を沢山出して売ってしまうという、ある意味割り切った商売、悪い言葉で言えば「売り逃げ」的な商売もあることはあります。昨年WBCで大いに盛り上がり、関連グッズが飛ぶように売れました。一時の流行(はやり)であっても、それは「経済効果」になるのです。
ただし、こうした流行(はやり)ものは、賞味期限が短くなりがち、という欠点があって、大抵は、数年も経てば、すっかり忘れさられてしまって、さっぱり売れなくなったりするものです。それでもその時、流行の商品が売れたということは立派な経済活動であり、その時、それで、食べていけた人がいるのです。
こうした、流行りもの、一品物を常なる商売にする場合は、流行りが廃れる前に次の流行りものを作らなければなりません。流行りを次から次へと繰り出すことで飯の種をまき続けるということです。もちろんそれは簡単なことではありません。
いつもアンテナを張り、世の中のニーズを探り、それに応え続ける。たとえちょっとした商品であっても、そうした努力と知恵が詰まっていたりするのです。
ところが、そうした次なる価値がいつもいつも生み出せるとは限りません。
となるとどうするか。ひとつには、一度売った商品と同じものをもういちど買い直してもらうという手があります。
食糧のような消耗品でない限り、同じものを買い直す時は、普通それが壊れたときくらいですが、それを意図的に起こすことで、買い直させる、という少しズルイとも言える売り方があります。
たとえば、パソコンソフトなどを安く売る変わりに、一定期間しか使えない、というやり方です。パソコンウイルスソフトなどは、年毎の更新毎に更新料を払ったりしますが、これなども、それまでのソフトが更新期間になると急に使えなくなる、つまり壊されてしまうことになりますから、それで買い直して貰う。物理的には劣化しないモノを、ソフト的に「壊す」ことで何度で買い直させるという商売です。
また、ここまで、あからさまでなくても、WINDOWSなどのOSのバージョンアップなども、これに近いものがあります。今ではWINDOWS98を使っている人は殆どいないでしょう。それはWINDOWS98程度の性能では、今のソフトを起動するには重すぎるからです。
結局、今のソフトを使いたければ、今のOSを使うことになる。これも、劣化しないものを無理矢理、消耗品にすることで成立する商売だと言えるでしょう。

この記事へのコメント
日比野
GLOCK様への返信を書いていて、まさに「陳腐化」って書いたのですが、ズバリ言われてしまいました(w
mayo5様が、株(仕手株?)の例を上げられていましたけれど、こちらのほうがピタリときますね。今度からはこちらを使わせてください(w
mayo5
「劣化しないものを無理矢理、消耗品にすることで成立する商売だと言えるでしょう。」ということですよ。わざと陳腐化させる分けです。「陳腐化」という言葉をちりばめましょう
GLOCK
ところで今回の話の後半ですが、いささか誤認というか、誤解を招く表現がありそうな気がしましたので。
例示とされるアンチウイルスソフトですが、これは大抵更新期間が切れても「使う」ことは可能です。
しかしながら、ウイルスのデータベース(これをメーカー側で常時更新している)
のアップデートが受けられなくなります。
ですから、これに関しては「壊れないものを壊れるようにして~」ではなく、
「データベースアップデートサービスを売っている」と考えたほうが、
より実情には近くなるのです。
そういう意味で、例示としては不適切なのではないかと思いました。
また、OSについても98SEとXPを比べても相当の性能差があります。
それに、周辺機器の進歩から、新しい設計が要求されることもあります。
「より上位の性能を持つものの登場」をズルいというならば、
車やカメラの上位モデル登場も「ズルい」と言わなければならないでしょう。
たまにネットで話題になる「ソニータイマー」が本当にあれば例示にあうのですが、
そうでないソフトウェアにこのようなことを言われるのはい