ネット検索のキーワードと現実に高い相関がある、としたら驚かれるだろうか。
先ごろ、Googleの無料サービスである「インフルトレンド」が予測するインフルエンザの流行時期と、実際のインフルエンザの発生動向の結果がほぼ一致していることが分かったとの発表があった。
ネットでは、各ユーザーがGoogleなどの検索エンジンを使って、毎日様々な検索ワードで検索していたりするのだけれど、季節や流行に合わせて当然検索される「語彙」に一定の傾向が出てくる。注目の事件が起これば、当然それに関する情報を集めようと検索されるから、それらの語彙の検索回数がぐっと増える。
同じように、インフルエンザの流行時期に合わせて、ネット検索においても、インフルエンザに関する検索キーワードの使用回数が増加するという。この検索件数の合計を利用して、検索ワード上で「インフルエンザ」がどれくらい流行っているのかを示したのが「インフルトレンド」。
次のグラフは、2004年から今年にかけての、アメリカの「インフルトレンド」と実際に発生したインフルエンザとの対比させたものなのだけれど、実によく一致していることが分かる。
このインフルトレンドの凄いところは、ほぼリアルタイムでトレンドを公表できること。インフルエンザ罹患数などは政府が纏めて発表したりしているけれど、だいたい集計時期より発表が数週間遅れるために、そろそろ流行しだしているから、と政府が注意喚起の発表をしたときには、世間ではすっかり流行りきっていたりする。
だけどGoogleの「インフルトレンド」と実際の流行がかなりの精度で一致するなら、それを公表することで、流行の拡大を未然に防げる可能性が出てきた。「流行の天気予報」と言うべきか。
それにしても、インフルトレンドと実際の流行がピタリと一致するというのは非常に面白い現象で、人間が世間の空気をきちんとキャッチしているということを如実にしめしてる。
この検索による予測はなにも、インフルエンザだけに限ったことでなく、他の分野でも同様に行うことが可能で、Googleによれば、向こう1年以内であれば、人気キーワードの半数以上は予測でき、その誤差範囲は約12%だそうだ。
もしも、Googleトレンドの精度がもっと上がって、本当に天気予報並み、またはそれ以上にでもなれば、予め、起きうる未来を想定して、現実に対策が打たれるようになるかもしれない。
そんなことが本当にできるかどうかは別として、非常に興味深い現象ではある。


米検索大手グーグルが無料オンラインサービス「インフルトレンド」で提供中のインフルエンザ流行予測情報と、医療関係者らによる発生動向調査の結果がほぼ一致していることがニュージーランドの研究者らの調査で分かった。調査結果は11月5日付の医学誌「ユーロサベイランス」に掲載された。
新型ウイルス(H1N1型)は41年ぶりの世界的大流行(パンデミック)となり、病室確保に備える各関係機関は流行情報を切実に必要としている。1年前に登場したグーグルのインフルトレンドの目的は、医療データを利用したシステムより早く大流行を特定することで、検索に用いられるキーワードを使って流行を追跡している。
調査に当たったニュージーランドのオタゴ大学の公衆衛生医師、ニック・ウィルソン氏は「相関関係を調査中だが、従来の調査システムを補完するに値するほど、予想以上の成果を挙げている」と述べる。
ウィルソン氏らはインフルトレンドの情報と3つのインフルエンザ発生動向調査システムの結果を比較。一般開業医(GP)のネットワークを基にした動向調査も含め、今年3月29~10月4日のデータを分析した。通常、ニュージーランドでインフルエンザが流行するシーズンは6~8月だ。
その結果、インフルトレンドの情報は、5月3日以降のGPにおけるインフルエンザと疑われる疾病の発症率上昇時期とほぼ一致。ピーク時期に関してインフルトレンドは、GPの結果より1週間早い段階で7月第2週と予測し、実際にニュージーランドで入院や集中治療室の利用のピークと一致したという。
ウィルソン氏らは、調査機関がダウンするほどの世界的大流行や、軽度の患者が通院を控えた場合、インフルトレンドは重要な役割を担うことになるだろうと指摘。「そのため、今後も同サービスに対する検証が望まれる」としている。
グーグルの慈善部門、グーグル・オルグはウェブ上で「関連するキーワードの検索件数と従来のインフルエンザ発生動向調査のデータとを比較したところ、インフルエンザの流行時期に合わせて多くのキーワードの使用回数が増加することが分かった。関連キーワードの検索件数を合計することにより、インフルエンザの流行状況を国や地域ごとに予測することができる」と述べている。
インフルトレンドは現在20カ国、38の言語で提供されている。
(ブルームバーグ Jason Gale)
URL:http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/other/325659/

Google では、特定の検索キーワードでの検索数がインフルエンザの流行の指標となることを発見しました。Google インフル トレンドでは、Google 検索の集計データを使用して、世界各地のインフルエンザの流行状況をほぼリアルタイムで予測します。
毎週、世界中の何百万人ものユーザーが、健康に関する情報をオンラインで検索しています。インフルエンザが流行するとインフルエンザに関する検索が、アレルギーの季節になるとアレルギーに関する検索が、夏になると日焼けに関する検索がそれぞれ増加します。このような現象は Google Insights for Search で確認できます。しかし、検索キーワードの検索数は、実際に起こっている現象の指標となり得るのでしょうか。
Google は、インフルエンザ関連のトピックを検索するユーザー数と、実際にインフルエンザの症状を示す患者数の間に密接な関連性があることを発見しました。もちろん、「インフルエンザ」を検索するすべてのユーザーが実際に発病しているわけではありませんが、インフルエンザ関連の検索件数を合計すると、あるパターンが浮かび上がってきます。検索件数と従来のインフルエンザ発生動向調査のデータとを比較したところ、インフルエンザの流行時期に合わせて多くの検索キーワードの使用回数が増加することがわかりました。このような検索キーワードによる検索件数を合計することにより、インフルエンザの流行状況を国や地域ごとに予測することができます。この Google の成果は「Nature」誌で発表されました。
URL:http://www.google.org/flutrends/intl/ja/about/how.html

【8月20日 AFP】米インターネット検索大手グーグル(Google)は今週、「検索キーワード」のトレンドを予測する新機能「Google Trends」を「Insights for Search」に追加した。検索結果画面への広告掲示を検討している企業にとっては強い味方となるかもしれない。
Google Trendsは、無料で過去および現在の検索パターンをもとに、数か月先にユーザーが検索するであろうキーワードを予測するもの。Insights for Searchも同じデータを使うが、より詳しく分析したい広告主や研究者向きだ。
同社の開発チームによると、向こう1年以内であれば、人気キーワードの半数以上は予測できるという。誤差の範囲は約12%。特にヘルス、トラベル、フード、ドリンクなどのカテゴリーのキーワードは予測しやすい一方、エンターテインメントやソーシャルネットワークなどの分野は予想が難しいという。(c)AFP
URL:http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2632418/4474526
この記事へのコメント