SUICAは現金でのチャージこそ専用の機械がいるけれど、読み取りや決済だけなら、それ用の機械さえあればいい。もしも、それが家庭にあれば、ネット決済なんかは、もっと気軽にできるようになる。
実は、パソコンに接続してSUICAを読み取る機械は、既にもう存在している。ソニーが開発した「パソリ」と呼ばれる製品がそれ。
「パソリ」はUSB接続型の非接触ICカードリーダーライターで、PCなどに接続することで、交通系ICカードの残高確認や、電子マネー「Edy」の入金・残高を確認する機能を持っている。
JR東日本は、「パソリ」を使ったネットサービスを始めていて、クレジットカードを登録すれば、クレジット経由でSUICAにチャージまで出来るという。
今後このようなサービスはどんどん広がっていくと思われる。
Suicaの様な小口決済でチャージ式のカードは、クレジットカードとは違って、本人確認・本人登録が要らないから、ネット経由の買い物、特に、ほんのちょっとした買い物で使われる可能性が高いと思う。
たとえば、ネットでたまたま見つけた商品を買いたいのだけど、始めてアクセスしたところで買うのに、個人情報は晒したくないときなんか、クレジットカードだと躊躇することがあっても、Suicaなら気軽に買える。そうした売買行動は十分あり得る。
たとえば、ネット経由でのソフトのダウンロード販売なんかは、今はクレジットカードしかないけれど、Suicaでも買えるとなると、こちらのほうが増えるのではないか。
今後ネットビジネスのビジネスモデルを考えたとき、利便性と個人情報の保護の両面で安心を提供できる電子マネー形カードの存在は無視できない。これをうまく利用していくことが有効ではないかと思われる。
更にいえば、以前「地域通貨とスイカ」のエントリーで指摘したように、Suicaをゲゼルマネー化して、通貨の流動性をアップさせて、GDPを拡大するという手段も国は考えていいのではないか。
例えば、「Suicaで買えば消費税はなしにします。その代わり最終チャージ日から3ヶ月立ったらチャージしたお金は1割減ります。」という具合にすればいい。インセンティブをつけながらゲゼルマネー化すれば、皆小口の買い物はSuicaを使って、どんどん買い物してくれるだろう。結果消費が刺激されることになる。
Suicaくらいだと、満タンチャージしても2万円くらいだから、それを3ヶ月で使いきるのは左程難しくない。
特に、食料品や耐久消費財は、節約するにも限度があるから、消費が全くゼロになることはない。だから、こういったものを梃子にして、ゲゼルマネー化したSuicaで消費刺激するのも面白い。


東日本旅客鉄道(JR東日本)は、非接触ICカードリーダーライター「PaSoRi(パソリ)」を利用したSuicaへのチャージ(入金)・決済サービスを27日より開始する。
「PaSoRi」は、ソニーが開発したUSB接続型の非接触ICカードリーダーライター。PCなどに接続することで、交通系ICカードの残高確認や、電子マネー「Edy」の入金・残高確認などが可能。
27日に開始するサービス「Suicaインターネットサービス」では、「PaSoRi」経由でSuicaへのチャージが可能となる。チャージできる金額は、1000円以上からで、1円単位で入金可能。利用限度額の2万円までチャージできる「満タンチャージ」機能も提供する。利用には、決済用のクレジットカードとして「Suica付きビューカード」が必要。
また、「Suicaインターネットサービス」ではネットショッピングの決済も可能。決済方法に「Suicaインターネットサービス」が利用できるサイトにて、「PaSoRi」を通じてSuicaの電子マネー機能で支払いができる。27日時点では、JR東日本が提供するショッピングサイト「えきねっとShopping」のみ対応するが、順次拡大していくという。
「Suicaインターネットサービス」の登録には、JR東日本が提供するサービスの共通ID「My JR-EAST」が必要。使用するSuicaの登録や、チャージサービスを利用する場合にクレジットカード情報などを登録することで、登録が完了する。
サービス開始は7月27日5時からで、ネット決済サービス開始は同日10時から。サービス別の提供時間は、利用登録の場合で5時から23時45分、チャージの場合で4時から26時、ネット決済の場合で24時間対応する。
URL:http://bb.watch.impress.co.jp/docs/news/20090702_299448.html

◆ Felicaって何?
FeliCa(フェリカ)は、ソニーが開発した非接触ICカード技術方式。「felicity:至福」から発展させた名前通り、日常生活をより楽しく便利にするために誕生しました。
偽造・変造しにくく、高い安全性を持ちながら、スピーディーなデータの送受信が可能。カードの抜き差しが不要な非接触方式ならではの使いやすさと、データを書き換えることでカード自体を何度も再利用できるエコロジーなシステム。
そして、1枚のカードで複数の用途を可能にした、合理的な方式です。
◆ FeliCa技術の電子チケット機能
FeliCa技術の非接触ICカードは、瞬時にデータを読みとって処理することが可能。利用金額のチャージも簡単に行え、繰り返し利用することができます。そのため乗車券への応用に非常に適しており、大手鉄道会社のICカード乗車券に採用され、定期券やプリペイドカードとして利用者が増えています。さらに、全国のさまざまな地域においてバス乗車券としての運用も広がりつつあります。
◆ FeliCa技術の電子決済機能
FeliCa技術を採用した電子マネー「Edy」※1の利用も進んでいます。「Edy」マークのある加盟店なら全国どこでも利用が可能で、大手コンビニエンスストアや大規模複合施設でのショッピングを始め、自動販売機等でも利用することができます。また、レジ処理は店側にとっても、小銭と違いスピーディで便利。利用金額のチャージは、店舗等の入金機だけでなく、パソコンにPaSoRi(パソリ)をつないでインターネット上からも簡単に行えます※2。さらに、「eLIO」※3を使えば、決済のたびにクレジット番号を入力する必要がなく、インターネット上でのショッピングにおいて、安全、便利に利用することができます。
※1 ビットワレット株式会社のプリペイド型電子マネーサービス。
※2 手持ちのクレジットカードの番号、パスワード等を予め登録しておく必要があります。
※3 株式会社ソニーファイナンスインターナショナルのインターネットクレジット決済サービス。
◆ FeliCa技術の個人認証機能
社員証や学生証への利用も進んでいます。出退勤管理やオフィス・事業所、研究室等の入退室管理はもちろん、リーダー/ライターをパソコンにつなぎ、個人認証に使うこともできます。また、電子マネーの機能を持たせて、社内・学内の売店・自動販売機・食堂等でショッピングに利用することもでき、企業や学校などのビル単位で利用しているところも多く見られます。
◆非接触ICカードFelica技術
FeliCa技術は、ICカードのライフサイクルをカードの発券からパーソナライズ、日々の運用、またアプリケーション開発に至るまで、トータルにサポートします。 FeliCaカードは、信頼性と高いパフォーマンスの要求される世界の大型案件において、非接触方式に適した技術を採用することで、その厳しい要求に応えてきました。また、非接触ICカードとしては世界で初めて、セキュリティ評価基準の国際標準であるISO / IEC 15408 EAL4 の認定を受けました(RC-S860)。
ここでは、FeliCa技術の概要についてご紹介します。
・原 理
リーダー/ライターとカードの間の通信は、リーダー/ライター から発信される電磁波によって行われます。
通信は、13.56MHzの周波数帯を利用し、212kbpsの速度で行われます。副搬送波を使用しない「対称通信」が特長です。
・非接触方式に適した技術方式
FeliCaカードには、非接触方式に適した技術が採用されています。
Manchester方式による符号化は、ノイズや距離の変動に対して安定であるという特長があります。
タイムスロット方式による衝突検出/回避は、他方式に比較してトランザクション回数が少なく、処理全体の高速化に貢献しています。FeliCa技術の対称通信では、副搬送波を使用しないため、不要放射が小さく、また、通信速度も理論的に847kbps以上が可能です。
主な仕様
搬送波 13.56 MHz
副搬送波 なし
変調方式 ASK 10%
符号化方式 Manchester
通信速度 212 kbps (Fc/64)
衝突検出/回避 タイムスロット
・高速処理
独自の効率的な相互認証方式と、非接触の利用形態に適した通信方式によって、リーダー/ライターとカードの間の処理は、暗号処理を含めて約0.1秒以内で終了します。
・マルチアプリケーション
FeliCaカードは、一枚のカードの中で多目的のデータを管理することができます。各々のデータには個別のアクセス権を設定することが可能で、これによってアプリケーション間の安全な相互運用が実現されています。
ファイルシステムは、「エリア」と「サービス」によって階層状に構成されます。エリアとはフォルダに相当するもので、エリアの下にさらに階層的にエリアを作成することも可能です。サービスは、データに対するアクセスの種類や権限を定義します。
エリアやサービスに設定される「アクセスキー」は、権限の無い者がサービスにアクセスすることを防ぎ、アプリケーション・ファイアウォールを実現しています。また、複数のアクセスキーを合成して作られる「縮退鍵」の技術によって、アクセス対象が複数に渡る場合でも、一回の相互認証で複数のファイルをオープンすることができます。
・アンチ・ブロークン・トランザクション
FeliCaカードは、8ブロックまでの同時アクセスをサポートしています(1ブロック=16バイト)。非接触の利用形態においては、カード内で処理が完了しないうちにICカードがリーダー/ライターの電力供給範囲の外に出てしまった場合、処理未了が発生する恐れがあります。このようなときにも、FeliCaカードならばカード内で自動的にデータを元の状態に戻し、データの不整合を防ぎます。
・セキュリティ
相互認証と通信データの暗号化においては、オープンスタンダードなセキュリティアルゴリズムを採用し、信頼性の高いセキュリティを実現しています。また、通信データの暗号鍵は相互認証ごとに新しく生成され、成りすましを防いでいます。
このような通信時のセキュリティに加えて、カード発行時には発行者とカード製造会社との間で発行情報と鍵変更情報を暗号化した状態で安全に受け渡す独自の仕組みを提供しています。また、カード出荷時には「出荷鍵」を設定することにより、カード輸送から発行までの安全性を確保しています。
・データ形式
FeliCa OSは三種類のデータ形式を管理できます。各々のデータはRead onlyやRead/Writeなど複数のアクセスモードを持っており、各々のデータにさらに鍵の有無を設定することができます。
・ICカードのライフサイクルをサポート
FeliCa技術は、ICカードシステムの開発段階から運用段階までをトータルにサポートする技術です。
開発段階では、アプリケーションの性質に合わせて選択できるSDK for FeliCa(ソフトウェア開発キット)のラインナップが、開発の生産性向上を支援します。また、ICカードの出荷から一次発券のプロセスでも、様々な安全対策によってICカードを脅威から守ります。そして、運用段階では、通常の読み書きコマンドに加えて発券コマンドから自己診断コマンドまでを備え、運用時のメンテナンス負荷を軽減します。
URL:http://www.sony.co.jp/Products/felica/abt/index.html
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