国際貢献の先にある「架け橋」(鳩山首相の所信表明演説を解析する その6)

 
「…国際協調活動ってのは、本当に相手がどうですかということを、きちんと確認しながらやらないと、国際協調にも何にもなりませんよ、ということを言っているんです。自分達だけの判断で、今は引きます、今度はやります、そんなものは、国際協調でも何でもないんだ、ということを申し上げているんです。」
石破茂 11月4日 衆議院予算委員会・基本質疑にて


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架け橋としての日本の部分の論旨は次の11点。

E-1) 多様な文明間の「架け橋」になる。「環境と経済の両立」、「低炭素型社会」を目指す。
E-2) 温室効果ガスを、90年比で25%削減。そのための国際交渉を主導。
E-3) 核軍縮や核不拡散に大きく貢献してゆく。
E-4) 世界の平和と安全に果たせる役割を、日本からも提言し協力する、緊密かつ対等な日米同盟を目指す。
E-5) 在日米軍再編については、安全保障上の観点も踏まえつつ、沖縄の皆さまの思いに配慮する
E-6) アフガニスタンへの、農業支援、元兵士に対する職業訓練、警察機能の支援。
E-7) インド洋における補給支援活動は、単純な延長は行わない。
E-8) 北朝鮮問題は、安保理決議を履行し、六者会合を通じて非核化を実現。拉致問題は解決を目指す。
E-9) アジア太平洋地域には、日本の防災技術や救援・復興についての支援。
E-10) 東アジア地域には、日本の医療技術や保健所を含めた社会システム全体に対する貢献を行う。
E-11) 留学生の受入れと派遣の大幅拡充し、日中韓で大学同士の単位互換制度の拡充。

鳩山首相は所信表明演説で「架け橋」の説明として「日本が、地球温暖化や核拡散問題、アフリカをはじめとする貧困の問題など、地球規模の課題の克服に向けて立ち上がり、東洋と西洋、先進国と途上国、多様な文明の間の「架け橋」とならなければなりません。」と言っている。

つまり、世界規模の課題の克服に貢献することで、世界の多様な文明の間の架け橋になるという。そして、その課題とは、所信表明演説から挙げると、大きくは次の4つに分類できるかと思う。

 ・地球温暖化 (E-2)
 ・核拡散の問題(E-3,E-8)
 ・テロとの戦い(E-4,E-5,E-7)
 ・貧困の問題 (E-6,E-9,E-10,E-11)

これらの4つの内、地球温暖化以外の3つ、「核拡散問題」と「テロとの戦い」及び「貧困の問題」は密接に関係しているから、包括的に解決を目指すべきもの。だから、これらへの貢献策の全てに首尾一貫した考えや戦略がなければ、その解決は難しい。

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そうした観点で見てみると、日米同盟の位置付けとその重要性が良く見えてくる。というのは、衰えたりとはいえ、アメリカは世界のスーパーパワーであり、たとえ横暴なところがあるにせよ、世界の警察の役目を担う力があるのは、事実上アメリカだけだから。

つまり、テロとの戦いを行うためには、各国の協力は元より、核拡散やテロ活動をさせない警察力、経済支援・技術・民間支援を行えるだけの力がないと何もできないのが厳然たる事実。

だから、日本が国際貢献を行い、世界の架け橋になりたくても、その行為が果たして、本当に「架け橋」足り得るのかについてきちんと精査されなくちゃいけない。

たとえ日本が、当事国や関係各国との要求に対して、それを100%やり遂げたとしても、それだけでは、単なる期待に応えたというだけのことで、単なる国際貢献にしか過ぎない。「架け橋」ならば、その上で更に、互いに異なる文明・文化を持つ国同士の理解を深め、より一層の協力関係にまで結びつくような行為でなくちゃならない。そのためには、当然哲学も居るだろうし、それを現実に実現しうるだけの実力がなければ、それを語る資格はない。ましてや、各国の要望に応えることも出来ずに、架け橋になると言うのは虫が良すぎる。

そういった視点からみれば、インド洋の給油活動やソマリア沖海賊対策なんかは、まだ前者の、世界各国の期待に応えるレベルの国際貢献であり、それすら、近年、自衛隊を海外派遣するようになって、ようやくのことで可能になった段階。「架け橋」なんて、もっとずっとずっと上のレベル。

インド洋の給油活動を例にとれば、立派な支援活動として、各国に認知されていたし、これからも続けて欲しいと要求されていたにも関わらず、鳩山首相は効果は限定的だとして、単純延長はしないという。その点について、11月4日の予算委員会にて、自民党の石破政調会長は、「何をもって限定的と判断したのか」と鋭く追及していた。

だから、言葉は悪いけれど、これらの貢献策は、世界の要望と現実を十分に踏まえた上での案だとは言い難く、下手をすれば、まだ地に足がついていない、ただの空論で終わる危険がある。



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画像英外相、インド洋給油活動継続を要望 日英外相会談

 【ニューヨーク=吉野直也】岡田克也外相は22日午後(日本時間23日未明)、ニューヨーク市内でミリバンド英外相と会談した。ミリバンド外相は来年1月に期限切れを迎える海上自衛隊によるインド洋上の給油活動の継続を要望。岡田外相は「選挙を通じて単純延長はないと言ってきた。今後よく検討したい」と述べるにとどめた。

 岡田外相は北朝鮮問題について「核、ミサイル、拉致の3つの課題が解決しない限り、国交正常化は考えられない」と従来の政府の立場を説明。国連決議を無視した北朝鮮の核実験は「断じて容認できない」と力説した。ミリバンド外相は「日本の立場を強く支持し、今後も緊密に連携したい」と語った。

 ミリバンド外相は日本のアフガニスタン復興支援を評価した。岡田外相は反政府武装勢力のタリバンの力が強くなっている背景には「貧困問題がある」と指摘。「タリバン兵士の社会復帰には雇用創出、職業訓練、就職支援に力点を置くべきだ」と訴えた。(09:01)

URL:http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090923AT3K2300723092009.html



画像米国、民主新政権に給油活動継続を要望

 【ワシントン=小川聡】米国防総省のモレル報道官は9日午後(日本時間10日未明)の記者会見で、海上自衛隊によるインド洋での給油活動を来年1月以降は継続しない民主党の方針について、「日本の参加によって我々は多大な利益を得ている。新政権が努力を継続するよう強く奨励する」と述べ、活動継続を求めた。

 民主党の衆院選勝利の後、米政府高官が活動継続の期待を明言したのは初めてだ。

 また、民主、社民、国民新3党の連立政権合意に、在日米軍再編計画の見直しなどを米側に求める内容が盛り込まれたことに関連し、「新政権も日米同盟に高い価値を認めている。既存のすべての(日米)合意に沿って、新政権と協力していくことを期待している」と述べ、再編に関する日米合意を順守するよう求めた。

(2009年9月10日10時27分 読売新聞)

URL:http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090830-592896/news/20090910-OYT1T00263.htm



画像岡田外相、給油問題は「これから検討」

 ニューヨーク滞在中の岡田克也外相は25日、スパンタ・アフガニスタン外相と会談。アフガン側がインド洋での海上自衛隊による給油活動の継続を要請したのに対し「日本の国内問題として、これから検討していきたい」と述べた。

 岡田外相はアフガンおよびパキスタンへの復興支援は外相として取り組むべき重要課題の一つとした上で、日本のアフガンに対する20億ドル(約1800億円)の支援が「日本国民の税金で実施」されていることを認識してほしいと要請。8月に実施されたアフガン大統領選について「民主主義の大きな一歩」と評価した。

 スパンタ外相は日本の支援に謝意を示し、給油問題については「日本が独自に決定すべき問題だが、(パキスタンなどの)同盟国が(国際テロ組織)アルカイダと戦うための支援として継続してもらえるならば大変感謝する」と述べた。

 岡田外相はこの後、帰国の途に就いた。(共同)

 [2009年9月26日11時11分]

URL:http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20090926-548181.html

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