小沢幹事長、天皇陛下をお出迎え(政治家の人徳と実力について考える その1)
政治家の人徳と実力について考えてみたい。全5回シリーズでエントリーする。
1月18日、小沢幹事長が、国会開会式にご臨席される陛下をお出迎えする列に並んだとの報道があった。
先日行なわれた、中国の習近平国家副主席と、今上陛下との緊急会見を巡る問題で、色々と批難の声が集まったのだろうと思われる。
流石に拙いとおもったのか、今回のお出迎えでは、陛下に深々と頭を下げたそうだけれど、まぁ遅い。
国民感情としては、もしも、小沢幹事長が、先の緊急会見での自らの発言の不敬さを恥じ入っているのであれば、素直に謝罪して、謹慎・蟄居くらいしたらどうなんだ、となっていると思う。
それなのに、例の土地取引問題に関して、自分は「法に触れることはしていない」だの「幹事長は止めない」だの言うものだから、陛下のお迎えもただのポーズなんだろう、と勘ぐられても仕方がない。
だから、この期に及んで、いくら陛下をお迎えしたところで、精々、地に堕ちた信頼を、奈落の底に堕とさないようにするのが関の山。一度失った信頼を、取り戻すのが如何に大変かを思い知ることになる。
世界最古の皇室を戴く日本国民は、君主のありかたを知っている。陛下を始め、太古から連綿と続く皇族の立ち振る舞いを、ずっと見てきているから。少なくとも、戦後60年だけを見ても、その立ち振る舞いは皇族の皇族たる所以を国民に示し続けてる。
故に、日本人は、所謂、君主、帝王の理想像とでも言うべきものを皇室を通じて、共通イメージとして持っている。高貴な人というものはああいう存在なのだ、という共通認識がある。
現憲法でさえも、陛下は日本の象徴と規定されている。日本の象徴であるのだから、日本人としてのあるべき姿がそこにある。
日本人にとって帝王とは、陛下の如きものなのだ、という意識が当然の前提としてあるから、そこから外れる君主に対しては、とても厳しい視線を向ける。無論、それは、陛下が任命する内閣総理大臣、昔でいうところの征夷大将軍であっても例外じゃない。
日本人は、不遜な征夷大将軍は認めない。とりわけ、陛下を蔑ろにするような将軍は絶対に許さない。
だけど、その征夷大将軍であるところの総理大臣は、議院内閣制であるが故に、直接国民が選ぶことはできず、また、内閣総理大臣の任命に当たって、陛下はそれを拒否することができない。
つまり、日本国民は陛下を通じて、日本の統治者は高貴であるべきだ、というイメージを持っていて、それを了としているにも関わらず、現実の統治者である総理大臣を、直接選挙で選んでいる訳ではない、というジレンマを抱えている。
だから、もし、総理に品格なり、何らかの問題があったとして、自分達の統治者として相応しくない、と思ったとしても、総理が解散総選挙をしない限り、直接辞めさせる手段がない。したがって、日本国民は、支持率というものを通じてしか、自分達の意思を表明できない。
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小沢幹事長、開会式ご臨席の天皇陛下をお出迎え 自らも開会式に出席 配信元:2010/01/18 14:07更新
民主党の小沢一郎幹事長は18日午後、国会議事堂正面玄関前で、同僚議員らとともに、国会開会式にご臨席される天皇陛下のお出迎えの列に並んだ。
天皇陛下がお着きになると、小沢氏は他の議員とともに深々と頭を下げた。小沢氏はその後、参院本会議場で開かれた国会開会式に出席した。
URL:http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/347376/
第1条 【天皇の地位、国民主権】
第1章 天皇
第1条 【天皇の地位、国民主権】
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
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解説
明治憲法においては、天皇は 「 神勅 」 に基づく 「 神聖不可侵 」 なものといった、国民の意思とはかけ離れた存在であり、国の主権者として統治権を一手に握っていました。 現行憲法においては、天皇は国の抽象的な 「 象徴 」 という役割をもつにとどまり、その地位の存立は、主権者である国民の自由な意思にゆだねられているということを本条は定めています。 つまり、国民は憲法を改正することによって、一定の制限のなかで、天皇の地位や天皇が行いうる国事行為の内容を変更することができることになり、主権者はあくまでも国民であるということを強調しています。
なお、「 象徴 」 とは、見えないものを見えるものに結びつけて表現することで、例えば、平和の象徴はハトなどといえば分かりやすいでしょうか。
URL:http://www.kenpouweb.com/k0001.html
第6条 【天皇の任命権】
第1章 天皇
第6条 【天皇の任命権】
第1項 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
第2項 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
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解説
天皇の任命権について定めています。 この 「 任命 」 も国事行為であり、天皇は国政に関する権能を有しませんから ( 憲法4条1項 ) 、全くの形式的な行為にすぎず、内閣総理大臣と最高裁判所長官の任命にあたって、天皇に拒否権はありません。
URL:http://www.kenpouweb.com/k0006.html
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