昨日のエントリーに引き続きまして、2009年末特別アンケートの後編をエントリーします。エントリー時間がいつもより早いのは、プロバイダのメンテナンスの関係で、明日の昼過ぎまで、アップできないためです。御了承くださいませ。
*「政策を一番支持できるのはどの政党ですか?」について
これは純粋に、各党の政策の支持傾向がどのようになっているかを調査したかった設問です。こちらに関しては、「支持政党を教えてください」の設問とほぼ同じ傾向になるのではないか、と予想していましたけれども、やはりそのとおりの結果となりました。
*「改革を一番期待できるのはどの政党ですか?」について
これは、今の政治に対する国民の期待に、各政党が、どこまで応えられ得るかどうかを調査する意図で設けさせていただいた設問です。
これも普通であれば、御自身の支持政党とほぼ同じ割合になるかと予想していましたけれども、出てきた結果は、「政権担当能力」の設問と逆になりました。
幸福実現党 34件 (36.6%)
自民党 24件 (25.8%)
特になし 12件 (12.9%)
民主党 8件 (8.6%)
みんなの党 7件 (7.5%)
改革クラブ 2件 (2.2%)
その他 2件 (2.2%)
社民党 1件 (1.1%)
共産党 1件 (1.1%)
新党日本 1件 (1.1%)
新党大地 1件 (1.1%)
国民新党 0件 (0.0%)
公明党 0件 (0.0%)
支持政党の設問では、自民党は39.2%の支持を集めていたですけれども、この設問では、25.8%と大きく減らしています。これは、自民党の支持層においても、自民党の改革力に疑問を持っている人がいる、ということを示しています。
自民党執行部は自身の支持層の中にも、こうした意見があるということを留意しておく必要があるかと思います。いくら民主党が敵失を重ねたとしても、それがそのまま自民党への票に繋がるとは限らないからです。
そしてその民主党も、「改革」の一点において政権交代を成し遂げたにも関わらず、8.6%の支持しかありません。支持政党の設問で民主党支持の方はいらっしゃらないことは、割り引く必要はあるでしょうけれども、それにしても寂しい結果ではあります。
一方、票を取りこぼしていないのが、幸福実現党です。支持政党の設問では36.3%の支持を集め、こちらの設問では36.6%の支持があります。設問のコメントにも「しがらみがない」との回答が多く寄せられています。
従って、有権者の多くは今の日本の政治は、利権や何やらのしがらみで雁字搦めになっていて、既存政党では改革はさほど期待できないと感じており、新しい希望を欲しているのかもしれません。
* 「これから日本は、どんな国を目指すべきですか?」
実は、今回のアンケートで一番質問させていただきたかったのが、この設問でした。現時点での国民意識が奈辺にあるかを調査したかった、という思いがありました。
といいますのも、この設問の選択肢は、筆者なりの解釈に基づいて、これまでの日本の外交戦略を抽象的に抜き出して、選択肢とさせていただいています。
具体的には次に示すように、戦前から現在までの日本の国際戦略と思われるものをなぞっています。
A)軍事強国(戦前~戦中までの大日本帝国)
B)外交力に優れたしたたかな国(戦後、吉田ドクトリンにより防衛をアメリカに任せ、国内経済に注力した外交力)
C)目立たぬ実力者(80~90年代。国際的には、アメリカの影に隠れた目立たぬ存在であったものの、世界への影響力を着実に増していった時代。2番手戦略。)
D)世界をリードする国(麻生政権下で世界経済同時不況を食い止めようとした、世界をリードしてゆく日本像)
E)地域覇権国(今後アメリカの軍事プレゼンスが後退したいったときに、選択を突きつけられる問題)
結果は次のとおりでした。
軍事大国 5件 (4.2%)
外交に優れたしたたかな国 29件 (24.6%)
目立たぬ実力者 33件 (28.0%)
世界をリードする国 45件 (38.1%)
地域覇権国 3件 (2.5%)
その他 3件 (2.5%)
非常に面白い結果です。筆者としては、「目立たぬ実力者」と「世界をリードする国」が同じくらいではないかと予想していたのですが、「世界をリードする国」が意外に多かったのは、驚きでした。この結果から、大きくみて、国論は2分に近いのかな、という印象を受けています。
「外交に優れたしたたかな国」と「目立たぬ実力者」は意識的には、戦後55年体制を象徴しています。国土防衛はアメリカに任せつつ、自分は目立たないように2番手戦略の中で実利を得る、とう戦略です。この二つを足すと52.6%になります。
それに大して、「軍事大国」「世界をリードする国」「地域覇権国」の3つは、積極的に世界と関わり合いを持っていく、ということを意味します。こちらの3つを足すと44.8%です。
つまり、52.6%の「日本は世界に出ずにしたたかにやっていけばいい」派と44.8%の「日本は、普通の国になり、世界をリードしていくべきだ」派に分かれているのではないかと思うのです。
もし、この設問の回答者の方々が、日比野庵本館に来ていただいている、保守から右寄りの方々が中心だったとすると、保守の中でも更に、「2番手でいい」派と「世界をリードする」派に分かれている、ということを意味しますから、今後、もし保守政権が出来上がるにしても、この二つの選択肢に対してどう舵取りしていくのかを問われることになろうかと思います。

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