漫画やアニメはキーワード検閲不可能(中国の情報統制について 後編)
たとえ、中国がグーグルなりヤフーなりを国内から締め出して、海外からの情報を遮断しようとしても、今のグローバル社会では、所詮無理というもの。
なぜかというと、ネット情報ぐらいを遮断したとしても、中国が丸ごと海外から遮断されたわけではなくて、経済や人的交流まで閉ざされているわけじゃないから。
特に、世界中に廉価商品を売って儲けている中国経済は、がっちり世界と接続されている。そして、中国の経済構造が外需頼みとあっては、おいそれと切断できない。
これは何を意味するかというと、経済方面から、自由なり人権なりの思想が流れ込んでくる可能性がある、ということ。
例えば、海外から流入する商品そのものに、何がしかの「思想」が盛り込まれていた場合、それを排除するのは極めて難しい。もちろん、日本の漫画・アニメなんかも例外じゃない。
日本人からみれば、漫画やアニメなんて、当たり前に氾濫して、普段から気にすることもないのだけれど、思想性に溢れた作品だって中にはある。
SF大河小説『銀河英雄伝説』なんかは、中国で大人気だそうだし、モビルスーツの設定をスラスラ言える「ガンダムおたく」やら、「エヴァンゲリヲン」ファンがいるそうだ。
そうなると、漫画やアニメ作品や作品中に「人権」や「自由」を感じさせ、考えさせるものがあったとしたら、それ自身が影響を及ぼすことになることは明らか。
これはなかなか検閲できない。なぜかというと、アニメは、グーグルのように、キーワードか何かで検閲することはできないから。作品全部を見ないとチェックできない。
昨年の12月11日から23日にかけて、全国紙「環球時報」が調査会社に委託する形で、中国人の世界観を調べる、世論調査が行われたのだけれど、その結果「最も好きな国」に日本が5位にランクインしたそうだ。しかも、この項目を15~20歳に限ってみると、日本が1位になったそうだ。
この結果から、アニメやファッションとする日本文化の流行が若年層の好感度を押し上げたと見られる一方、最も好感度が低かった31~40歳は、90年代初頭にいわゆる「愛国教育」が強化された時期に10~20代を過ごした世代だからではないかという分析がなされている。
つまり、愛国、又は、反日教育などのようなバイアスをあまり受けない世代には、日本のソフトパワーが着実に、かつ、大きく影響を及ぼしているという事実がある。この世論調査が正しければ、だけど。
人権活動家はロビー活動するけれど、漫画・アニメといったソフトは、ロビー活動はしない。
だけど、それを手に取り、使い、見る者は、其処に埋め込まれた思想の影響を、確実に受けることになる。そして、それを殆ど自覚することすらない。
日本からは、そんな意図は全然ないだろうけれど、こうした意図なきソフトパワーの力は将来大きく中国を揺さぶるだろう。
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【記者ブログ】なつかしの「銀英伝」、中国で堂々出版 福島香織 2007.9.30 15:27
■どうやら産経新聞およびEXはガンダム男子世代の読者層をターゲットに据えているらしい。紙面でもガンダムネタが多いし、ブンカブにはガンダム担当記者もいるようだし。まあ、私もガンダム世代、ガンダム関連記事にノスタルジー感じる。だが、もし個人的に若い世代に受け継いで読んでほしいサブカルチャーをひとつあげよ、というなら私は、ガンダムより『銀英伝』(銀河英雄伝説)をあげたい。
■なぜ、いまごろ銀英伝??いや、最近の中国の文芸作品発禁状況をしらべようと、本屋にかよっているうちに、こんな風景をみかけて、思わず小躍り。どーっと、青春の思い出(おおげさ)がよみがえってきたのだ。
■銀英伝と聞いて、きっとこのブログにいらっしゃる方は意味がわからないだろう。きっと今の若い人もほとんど知らないだろう。田中芳樹著「銀河英雄伝説」という私が高校から大学にかけて夢中になったジュブナイル(青少年向け小説)のことである。もう、20年も前のこと。しかし、ジュブナイルといっても、おそらく、これほど完成された日本人によるスペース・オペラは銀英伝の前にも後にもない、と思っている。。それが、昨年夏から、北京出版社系列の北京十月文芸出版社が、ちゃんと徳間書店から正規の版権を買って、中国語で出版されていたのだ。
■どんな物語かというと、ウィキではこんな風に紹介されている。
■というわけで、今日のエントリーは、知らない人にはぜんぜんおもしろくもない“銀英伝語り”。6カ国協議中は、プレスセンターに張り付いてばかりで、時間をもてあましぎみなので、趣味に走ったブログかいちゃう。
■1982年から1987年にわたって出版された「銀英伝」全10巻は実は96年に台湾で翻訳出版され、それがネットや海賊版により中国に流入、以後十年にわたって銀英伝ファン地下組織(つまり海賊版でファンになった非公認ファン倶楽部)が発達している。「銀英連盟倶楽部」「星之大海」「紅茶館」などだ。
■私が上海に留学していた98年当時、アニメの海賊版がすでに流入、アニメで好きになった人も少なくない。銀英伝に影響をうけた中国若手SF作家もたくさんおり、というか、宇宙を舞台にした中国SFで銀英伝の影響を受けていない作品はない、とまでいわれている。武侠ファンタジー「誅仙」の著者の蕭鼎なども、銀英伝崇拝者のひとり。
http://comic.sina.com.cn/w/2006-08-03/175697615.shtml
■さて、海賊版で開拓された中国銀英伝市場に、昨年、正規版出版された。一番よろこんだのは、もう海賊版で物語を読み尽くしたはずの銀英伝ファン。そう、海賊版が必ずしも正規版を駆逐するわけではないのだ。良書を駆逐するのは政治なのよ。本当のファンは、正規版が出れば、条件反射的に買ってしまう。私も思わず中国語版を「大人買い」。家に帰ってむさぼり読んでしまった。村上春樹作品の翻訳などは、村上文体のムードが伝わらないものが多いが、あの独特の田中文体(ちょっと時代がかった言い回しだとか、宝塚歌劇かと思うような過剰にして華麗な修飾語いっぱいのセリフとか)は中国語表現が実にうまくはまり、大満足。あえていえば、主役のひとり、ヤン・ウェンリーの名を楊威利 (ヤン・ウェイリー)に変えていたこと。ウェンリー(文利)だと、中国人としてはあり得ない名前なのか?
■さて、銀英伝、つまり20年も前の和製スペース・オペラが、なぜ中国でこんなに大ヒットし、中国SF界にもインパクトを与え、今をもって中国の若者に愛されているか。正規版出版に際しての宣伝文句では「20年を経て、中国国内で初めて正規出版!広大な銀河を舞台にした壮麗なる英雄叙事詩!日本では1512万部が売れた!」「東方版“スターウォーズ”宇宙版“三国演義”」。
■そう、銀英伝は「三国演義」や「史記」など、あきらかに中国古典を底本にしたような、エピソード、作戦、人物造形がある。実際、作者の田中芳樹さんは中国語版出版にあたり、「私が文章を書いている紙は、2000年前、東漢の蔡倫が発明したものだ。私は少年時代、西遊記、水滸伝、三国演義と史記を読み、物語と歴史の妙味を知った。私は中国文化の恩恵を深くうけた。今、私の作品を中国で正式出版することで、中国文化に少しでも恩返しができるなら、こんな光栄なことはない。みなさん、楽しんでください」と述べている。
■さらに、主役のひとり、ヤン・ウェンリーは、明らかに中国人。もう、中国人の自尊心をくすぐる設定なのである。ちなみに、もう一人の主人公はラインハルト・フォン・ローエングラム。金髪、アイスブルーの瞳という宝塚歌劇に登場しそうなゲルマン系美形、という設定である。日本人がつくった物語なのに、日本人があまりでてこない。ヤンの引き立て役のムライ中将ぐらいか??
■しかし、中国の若者を夢中にさせる理由はこれだけではない。
この作品は、銀河帝国軍の「常勝の天才」ラインハルトと、自由惑星同盟(反乱軍)の「無敗の名将」ヤン・ウェンリーの2人の英雄の闘い(戦略、戦術上の頭脳戦)を主軸にしつつ、100人以上は出てくる登場人物とその緻密な造形と心理描写、エピソードなど長編物語の醍醐味をすべて備えつつ、かつ、歴史観、専制と民主の相克、経済、イデオロギー、宗教、戦争の本質に関する分析、考察などが、ジュブナイルと侮れないほど深い。クラウゼヴィッツの「戦争論」とマキャベリの「君主論」などを手にとるきっかけは、私の場合、正直言って「銀英伝」であった。
ちなみに、私は陰気な風貌、陰険な性格で目的のためなら手段を選ばぬ冷徹さながら、私欲ゼロのマキャベリスト、オーベルシュタインが登場人物の中で一番気にいっている。写真の平積み本の右端の本表紙のイラストが、そのオーベルシュタイン。
■だから、中国では、銀英伝をして「謀略小説」「政治教科書」との評もあるのだ。中国SF作家・星河の銀英伝論評「写実の伝説」にこうある。
■(前略)
「銀英伝」を読む前に、ある人は私にこういった。「この物語は謀略を体現している」。だが私が一番印象に残ったのは経済の要素だった。これまでの多くのスターウォーズ系のSF小説が考慮しなかった部分だ。(中略)田中芳樹は社会の各階層に夢中になっている。とくに上層階層の駆け引き、だましあい、軋轢、複雑な人間関係の錯綜を描くことに熱心で、意図せずして、簡略版の政治教科書となっている。
■(中略)作者は意図せず自分の文化背景を作品ににじませている。特に専制と民主(の長所と欠点)を同様に指摘している。これは東洋の思想の影響だ。
(中略)銀英伝は三国演義の思想をモデルにしている。銀英伝が「謀略をテーマにしている」という言い方は、三国演義的であることに由来する。だが田中芳樹はここに、(西洋的)現代経済の要素を注入し、三国演義とは必ずしも同じ思想ではない…。
■全文を翻訳するには、ちょっと饒舌すぎるので、一部抜き出してみた。ようするに、この小説がSFでありながら現実の戦争、政治、経済とその歴史を描いている、と感じ、政治的なもの思想的なものを学びとれる、といっている。中国では現実の歴史や政治思想をもとに、考察したり論評したりする自由が制限されているので、架空の小説に現実の政治を反映させたり思想を盛りこむ手法が発達してきた。銀英伝は、そういう意味で、非常に中国的な小説でもあるのだ。これが本当の人気の秘密だと思うのだが。
■この小説は、賢君による専制が衆愚に陥った民主より優れている部分を描きながらも、数世紀に一度ぐらいしかない賢君の登場に自らの運命をゆだねるより、欠点を抱えながらも人々が自らの運命を選び取ってゆく民主政治の優位性という本質をとく。
■毛沢東、●(=登におおざと)小平という苛烈ながら魅力もあった強人による専制政治を経験したあと、凡庸な為政者により腐敗が限界までに拡大した一党独裁の中国としては、いずれの道にすすむべきか、なんて若者が考えるためのヒントには十分なりそうだ。日本のサブカルチャー、あなどるべからず。胡錦濤同志も銀英伝を読みたまえ。発禁処分にはしないでね。
<2007/02/09 22:03>
URL:http://sankei.jp.msn.com/entertainments/game/070930/gam0709301527004-n1.htm
人民日報も認める『銀英伝』。中国で「愛される理由」は。 田中 信彦
日本で累計1500万部以上が売れたというSF大河小説『銀河英雄伝説』(田中芳樹著)の中国語版がこの秋、中国でも出版されることになった。これまでもネットでの無断転載や海賊版などで読むことはできたが、正規版の出版は大陸中国では初めて。この作品は中国の若者の間で「宇宙版三国志」と称される圧倒的な支持を受けており、都市生活者や学生たちの間ですっかり定着した「村上春樹現象」と並んで、日本発の小説の人気ぶりを表している。
『銀河英雄伝説』(略称・銀英伝)は広大な銀河系を舞台にしたスペースオペラ。「銀河帝国」と「自由惑星同盟」両陣営の攻防を軸に、若き2人の英雄ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーの生涯を中心に描く。
ジャンル的にはSF小説だが、「科学技術的な描写は重んじず、対立する陣営のイデオロギー、人物像、権謀術数、歴史の流れを正面に出し、『後世の歴史家』の観点から叙述することで、さながら架空の歴史小説であるかのような体裁をとっている」(「ウィキペディア(Wikipedia)」より引用)。
「(ハリポタ以前の)最強ファンタジー」と人民日報
最初の刊行は1982年11月と早く、当初はさほど注目されなかったものの、数年後から人気が高まり、87年に全10巻が完結。翌88年にはSFファンがその年一番の作品を選ぶ「星雲賞」を受賞している。小説を原作にアニメや漫画、コンピューターゲーム等の関連作品も多数ある。
中国語圏では、96年に台湾で繁体字(いわゆる旧字体)版が刊行されて以来、大陸中国にも海賊版が流入。インターネットの普及後はネット上に違法な転載が氾濫し、一気に広まった。中国共産党機関紙「人民日報」ネット版の表現によれば「ハリーポッターの登場以前、中国で最も強い影響を与えたファンタジー小説」であり、「中国の宇宙ファンタジー小説で『銀英伝』の影響を受けていないものはない」のだそうである。
私は普段この手の小説を読むことはまずないのだが、10年以上前、広東省に出張していた際、夜ホテルで特にすることがないのでテレビをつけていたら、たまたま日本の衛星放送で深夜に放映していたのがアニメ版「銀英伝」だった。わずか30分の番組だったが、やたらと面白いうえに音楽も美しく、今で言うところの「はまって」しまった。
ストーリーの中身については深くは触れないが、物語の状況設定や登場人物の個性、各戦役の展開など数多くの点で「三国志演義」や「水滸伝」など中国の歴史小説の影響があるとの指摘が多くのファンからなされている。そのあたりの歴史小説的深みが中国でも強く支持される大きな理由だろう。確かに感覚的にはSFというより司馬遼太郎の小説のような趣がある。『坂の上の雲』がお好きな方などは恐らく面白く読めると思う。
URL:http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20060802/107390/?P=1
中国で「濃い」ファンの多い作品は
日本にはいろんな種類のオタクというかファンがいますが、ジャンルや作品によってその濃さに違いがあると思います。例えばアニメではガンダムやエヴァのファンは非常に「濃い」かと。今回は中国で「濃い」ファンが多い作品についてを少しばかり。
まず、エヴァとガンダムのファンには中国でも濃い人が多いですね。ガンダムなんかは豊富な設定を網羅しているのがいたり、MSに関する膨大な知識をスラスラと吐き出せるのがいたりします。更には日本と同じく1st原理主義者なんてのも。ロボット関連では他にもスーパーロボット大戦関連、特に魔装機神は濃いのが多いような。
しかし、そんなガンダムやエヴァ以上に濃いファンが多い作品があります。それが何かといいますと和製スペオペの傑作「銀河英雄伝説」
日本の作品をテーマにしたコミュニティは幾つかあるのですが、銀英伝関連のものが一番しっかりしていますな。
ファンの活動も長く続いており、ファンサイトも多いです。他の作品はファンがついたり離れたり、一過性のブームのものが多いのですが銀英のファンにはそういったことが少ないそうで。それから、二次創作も銀英モノは気合の入った作品が多いように感じますな。
二次創作以外にもファンの活動(?)はヤン・ウェンリーの作中での命日の6月1日、中国のアニメ系の掲示板ではヤン提督の冥福を祈るスレがたったりして
「ブランデー入りの紅茶を供えさせていただきます」
といった感じの発言が飛んだりしますし、先日、大陸版銀河英雄伝説が刊行されるときにも前文を寄せると噂になった作者が宜しくない発表された挿絵が銀英に合わない新訳部分がおかしい等というので燃え上がり、一時は出版社のHPが落ちたり等といった様な事があります。中国では銀英ファンは他の作品のファンと一味違うとでも言いましょうか。
いくら名作とはいえ、銀河英雄伝説が何故ここまで支持されるかというのについて知り合いに聞いてみたところ
「現在の便利なネット社会になる前、ネットが広まり始めた時にちょうど銀英がこっち(中国本土)で流行したのが大きい」
という話を教えてもらいました。中国でのネットの草創期とファンサイトやそれに伴う交流が広まったのが重なった事により作品についての思い入れも強くなったのでしょうな。世代的には今の学生の一つか二つくらい上の世代の中国オタクにとって、銀河英雄伝説は非常に心に残る作品なのかもしれません。
それと、中国のファンサイトの大きな所を幾つか。例によって重かったりしますので、見る時にはちょっとばかり覚悟してください。
《後略》
URL:http://blog.livedoor.jp/kashikou/archives/50981007.html
中国の若者「最も好きな国は日本」 新聞の世論調査で意外な結果 2010年01月08日19時15分 / 提供:J-CASTニュース
靖国神社参拝問題をきっかけに、つい数年前まで高まっていた反日感情が、急速にクールダウンしつつあるようだ。中国の新聞が行った世論調査で「最も好きな国」を聞いたところ、日本が5位にランクイン。15~20歳に限って見ると、何と1位になっている。ただ、この記事が掲載されたウェブサイトのコメント欄には、相変わらず日本を非難するものも多い。世代によって「対日観」が大きく異なっていることが浮き彫りになった形だ。
世論調査は「中国人が世界を見る」というタイトルで、中国人の世界観を調べることを目的としている。全国紙「環球時報」が調査会社に委託して09年12月11日から23日にかけて行ったもので、北京、上海、広州、武漢、重慶の5都市在住の15~64歳の男女、計1350人に電話で聞いた。
▼ 15~20歳では「最も好きな国」トップが日本
質問項目の多くが国際関係に割かれ、「最も行きたい国」を選ばせる質問項目では、米国(20.6%)、フランス(9.5%)、日本(7.4%)、オーストラリア(5.5%)と、日本は4位にランクイン。
「最も好きな国」を選ばせる質問項目でも、米国(13.1%)、フランス(8.1%)、オーストラリア(6.7%)、シンガポール(6.5%)に続いて、5.1%が「日本」と回答。5位にランクインしている。
ところが、この「最も好きな国」、15~20歳に限ってみると、実に12.3%が日本を選択。フランス(11.8%)、米国(11.8%)、韓国(10.9%)、英国(7.7%)、カナダ(5.0%)を抑えて堂々の1位だ。
一方、15~20歳以外の世代で「日本が最も好きな国」と答えた割合を見ていくと、高い順に51~64歳(5.0%)、21~30歳(4.3%)、41~50歳(3.9%)、31~40歳(2.5%)。
アニメやファッションとする日本文化の流行が若年層の好感度を押し上げたと見られる一方、最も好感度が低かった31~40歳は、90年代初頭にいわゆる「愛国教育」が強化された時期に10~20代を過ごした世代でもある。
このように、日本に対する好感度は決して低くない一方、日本が重視されなくなっている実情も浮き彫りになっている。
▼「もしこれが本当ならば、中国の教育は失敗だ」
「最も重要な2国間関係」を聞いた質問で、「日中関係」を挙げた人は、06年の調査では48.7%に達していたのに対して、今回の調査では21.4%と半減しているのだ。
この結果を紹介する環球時報の記事では、復旦大学国際関係・公共事務学院の呉心伯副院長が、この背景について
「中国の世論からすると、日中関係が中国の国益に対して与える影響は、明らかに小さくなっている」
と解説する一方、中国国際関係研究院米国研究所の達巍副所長は、日中関係の重要度が低下した理由について
「日本の右よりの政権が終わり、日中間にもめ事が起こる時期も終わった。悪いニュースも減り、処理すべきことが目立たなくったので、重視する度合いも低下した」
と分析している。
世論調査では、総じて日本に対する印象は悪くない様子だが、ネット上では、やはり反日感情がうずまいている様子だ。例えば、この調査結果が掲載されたウェブサイトのコメント欄では、
「この調査は権威がなくて信用できない」
「(調査に回答した人は)判断力があるのか」
「もしこれが本当ならば、中国の教育は失敗だ」
といった、調査結果に対してネガティブなコメントが相次いでいる
URL:http://news.livedoor.com/article/detail/4539729/
この記事へのコメント
新世紀のブログから
前政権がメディア芸術センター?というのを作ろうとしていましたが潰されちゃいました。
日本が力を入れるべき場所のひとつだと思います!
でも、こういう文化への政府の関与って、どの程度ならいいのかわからないなあ、どう思いますか?
日比野
文化への政府の関与については、個人的には、なるべく関与しない、足を引っ張らないほうがいいのではないかと考えています。
だいぶ古いのですが、コミケと文化についてのエントリーを以下にご紹介させていいただきます。
http://kotobukibune.at.webry.info/200804/article_11.html
今後ともよろしくお願いいたします。
美月
登場人物のバイタリティに圧倒される部分もあって、しばらく遠ざかっていましたが、何だかまた読み返したくなってきました♪
《物語》に代表される「ソフトパワー」は、こんなところに如実に現れるんだなあ、と思いました。
「古今東西の物語」を飲み込んだ日本文化ならではの強みは、そーっと自信を持ってよいレベルですよ…という事かも知れませんね(笑)