普天間の移設先を下地島にする案について

 
普天間移設問題が燻っている。

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元々、普天間問題については、アメリカから先月18日迄に回答をするようにと要望があったのだけれど、鳩山首相の回答は、5月に結論を出す、と見事に先送り。

各種報道では、これでアメリカを激怒させた、とか、日米同盟の危機だとか色々言われてる。

ただ、時事通信の報道によると、前原沖縄・北方担当相が昨年の12月9日に、ルース駐日米大使と会談し、米側に受け入れ可能な代案が5月までにまとまらなかった場合、社民党と国民新党との連立を解消してでも、キャンプ・シュワブ沿岸部に移設する現行計画を進める用意があると伝えていたようだ。

おそらく、5月ともなれば、国会も終わっていて、参院選の準備が始まるだろうから、連立を維持して、法案を通す通さないの心配をしなくてよくなるからなのだろう。

だから、鳩山首相の先送り回答は、それを踏まえてのことなのだろうと思われる。

とはいえ、これは代案が纏まらなかった場合の話だから、政府与党はなんとか代替案を纏めようと慌てている。

社民党は、県外・国外移設を唱えて譲らないから、なんとか妥協案を見出すしかない。先月29日には、下地島はどうか、という案を小沢幹事長が出してきた。

下地島は、沖縄県宮古島市に属する島。伊良部島の西隣で、沖縄と台湾のほぼ中間に位置して、伊良部島とは、6本の橋で繋がっている。

下地島には、79年に開港して、今は使われていない3000メートルの滑走路を持つ下地島空港がある。それを移設先に使ってはどうか、という案。

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下地島は位置的には、台湾により近いから、抑止力も維持できるだろうし、福島社民党党首は「下地島も考慮する」と発言しているから、一見よさそうな案にみえるのだけれど、所詮は国内事情のみを考えた案であって、アメリカ側の都合は殆ど考えていない。

というのも、沖縄の海兵隊は、迅速に目的地に地上部隊を投入できる状態にしておかなければならないという、部隊の特性を持っているから。従って、海兵隊のヘリ部隊と地上部隊が離れていては意味がない。

下地島は、沖縄から300キロの位置にあり、45分くらいかかる。普通の生活感覚では、あまりピンとこないけれど、軍事的にはこの時間は致命的らしい。

現に、下地島への移設案に対して、在沖縄米海兵隊は「普天間のヘリコプター部隊は移設後も、一体運用する地上部隊と飛行時間で20分以内の近接距離に配置する必要がある」との軍事上の見解を示している。

だから、どうしても移設するのであれば、地上部隊と一緒に丸ごと移設して貰うしかないのだけど、残念ながら、下地島は面積が僅か9.54平方キロメートルの小島。海兵隊を全部受け入れるには狭すぎる。

沖縄海兵隊司令部のあるキャンプ・瑞慶覧(所在地‥具志川市・北谷町・北中城村・宜野湾市)の面積は6,484㎡、歩兵部隊のいるキャンプ・ハンセン(所在地‥名護市・宜野座村・金武町・恩納村)に至っては、その面積は51,472㎡に及ぶ。これらを全部下地島で受け入れることは、無理な話。

だから、どうしても、移設するのであれば、隣の伊良部島や宮古島まで、海兵隊の基地として使わなければならなくなる。勿論、そんなことが直ぐにできるとは思えない。

したがって、下地島は、ヘリ部隊の訓練として使うには良いかもしれないけれど、海兵隊の移設先として考えるのは、難しいのではないかと思う。

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画像「連立解消も」と米に説明=代案なければ現行計画-普天間移設で前原沖縄相

 【ワシントン時事】米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画に関し、前原誠司沖縄・北方担当相が12月9日に都内でルース駐日米大使と会談し、米側に受け入れ可能な代案が5月までにまとまらなかった場合、社民党と国民新党との連立を解消してでもキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)に移設する現行計画を進める用意があると伝えていたことが31日までに分かった。ワシントンに報告された情報として、米政府筋が明らかにした。
 鳩山由紀夫首相はこれに先立つ4日、社民党に配慮し、新たな移設先の検討を指示、米側の強い反発を招いていた。前原氏の発言には、この軌道修正を図る狙いがあったものとみられる。非公式の場での発言とはいえ、担当閣僚が連立解消の可能性を米側に言及していたことの意味は大きく、波紋を呼ぶのは必至だ。
 同筋によると、前原氏は大使公邸での会談で、前日の8日に鳩山首相、岡田克也外相、北沢俊美防衛相、平野博文官房長官と前原氏の5人で協議した際、現時点での現行計画受け入れは、「社民党の反対により不可能」との点で一致したと説明した。
 ただ、移設先決定に向け、(1)シュワブ沿岸の環境影響評価(アセスメント)の継続(2)同地への移設関連経費を2010年度予算案の予備費として計上(3)沖縄、米国の双方に受け入れられる代案を模索(4)合意可能な代案が見つからなければ現行計画了承-の方向で進めることで社民、国民新両党を説得する方針になったと述べた。
 その上で、米国と代案で合意できなかった場合、両党が現行計画に反対したとしても、予算案と関連法案の成立後、5月の大型連休明けごろに「連立を解消することも可能だ」と表明。最終的には現行計画を受け入れることになるとの見方を示したという。 
 前原氏はさらに、岡田外相が近く訪米し、普天間問題に関する政府の方針を米政府に正式に伝えるとの見通しにも触れた。日米外相会談の開催に関し、国務省のケリー報道官は「協議中だが具体的日時は設定されていない」としている。
 一方、前原氏は時事通信の取材に対し、「そんなことは言っていない」と否定した。(2009/12/31-14:53)

URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009123100139



画像県外・国外移設へ決意=福島社民党首 1月1日14時50分配信 時事通信

 社民党の福島瑞穂党首(消費者・少子化担当相)は1日、都内で記者団に対し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について「県外・国外移設で社民党は頑張っていく。(政府・与党の議論の)先頭に立っていく」と述べ、6日に再開予定の「沖縄基地問題検討委員会」で県外・国外移設の結論を導きたいとの決意を示した。
 福島氏は「(同県名護市)辺野古の沿岸部には絶対に海上基地を造らせない。海上基地は利権、大規模公共事業そのものだ」と強調した。 

URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010010100125



画像普天間移設:小沢幹事長「下地島」提起

 民主党の小沢一郎幹事長は29日夜、東京都内で開いた与党3党の幹事長・国対委員長の忘年会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について「(同県宮古島市の)下地島に使っていない空港がある」と述べ、現行計画に基づく米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)に代わる移設先として、下地島を検討すべきだとの認識を示した。

 小沢氏は会合で、社民党の重野安正幹事長に対し、普天間飛行場の移設先について「あなたのところ(社民党)は、沖縄県だったら全部駄目なのか」と質問。重野氏が米グアム移設案を重ねて主張したところ、小沢氏が下地島案に言及したという。小沢氏は「きれいな海を埋め立てるのは駄目だ」とも語り、現行案での決着に否定的な考えを示した。

 下地島は沖縄本島と台湾のほぼ中間にある。3000メートルの滑走路を持つ下地島空港(79年7月開港)があるが、現在定期便はなく、航空会社がパイロットの離着陸訓練などに利用してきた。普天間飛行場の移設先として浮上したこともあり、北沢俊美防衛相は10月、井上源三地方協力局長を派遣し、沖縄県の伊江島などとともに視察させていた。

 忘年会には、民主党から小沢氏のほか、山岡賢次国対委員長、社民党からは重野氏と辻元清美副国土交通相、国民新党から自見庄三郎幹事長と下地幹郎政調会長がそれぞれ出席した。小沢氏は席上、来夏の参院選後も3党連立体制を続ける意向を示したという。

URL:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091230k0000m010096000c.html?inb=yt



画像普天間移設:社民党首「下地島も考慮する」 小沢氏が提起

下地島空港の位置 民主党の小沢一郎幹事長が29日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先として下地島(同県宮古島市)に言及したのを受け、政府・与党で作る沖縄基地問題検討委員会の検討対象となる可能性が出てきた。

 社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相は30日、「それも含めて検討する。他党の提案は考慮する」と記者団に表明。「社民党としては県外・国外移設の中で候補地を探したい」とも語った。

 北沢俊美防衛相も同日、記者団に「小沢氏の意見も協議の大きな課題にはなる」と述べる一方、「キャパシティーの問題がある」と否定的な姿勢も示した。鳩山由紀夫首相は記者団に「検討委の議論に委ねている」と述べるにとどめた。【西田進一郎】

URL:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091231k0000m010097000c.html



画像「ヘリ部隊は20分以内に配置」 在沖縄米海兵隊が見解 2010.1.5 20:09

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設候補地をめぐり、在沖縄米海兵隊は「普天間のヘリコプター部隊は移設後も、一体運用する地上部隊と飛行時間で20分以内の近接距離に配置する必要がある」との軍事上の見解を明らかにした。

 海兵隊の航空部隊と地上部隊を直結させる即応性の観点から、現行計画通りキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)への移設が最善との考えを「20分以内」という具体的な数字で示したもの。

 地上部隊は沖縄本島のキャンプ・ハンセンやキャンプ・シュワブに駐留。政府与党内では普天間の航空部隊を下地島(同県宮古島市)へ移す案も浮上しているが、同島から北東へ300キロ以上離れた本島に、ヘリが20分で到達することは不可能で、海兵隊の見地に立つならば下地島への普天間移設は極めて困難だ。

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100105/plc1001052009020-n1.htm

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