「・・・しかもその時に単なる訪米じゃなくて、あの、去年の12月に胡錦濤、中国の胡錦濤国家主席と会ったのと同じような形にしてくれと、新人議員連れてって、オバマさんと握手したり写真を撮らしてくれ、時間もたっぷりくれって言われてて、これ、あの、もう一回、今日最終的に確認しましたが、アメリカ側はホワイトハウスも国務省も含めて、そんなの、とんでもないって話になってるわけですよ。」青山繁晴氏 2月24日放送 ニュースDEズバリ!より
剛腕殿は5月に訪米する予定だけれど、そこで、オバマ大統領と会談できるように要求している。だけど、独立総合研究所の青山繁晴氏によれば、アメリカ側は、そんなのとんでもないという話になっているらしい。
もし、剛腕殿が訪米してもオバマ大統領に会えないとなれば、自身が掲げている、日米中正三角形論の信憑性が怪しくなってくる。先日の訪中団並みの待遇をして貰ってこそ、どちらとも対等に扱われていることになるから。
折角、中国からはアメリカとの関係改善のパイプ役を求められ、アメリカからは、日米同盟強化のために言い寄られる、という剛腕殿にとっての絶好のポジションが胡散霧消してしまう。
中国からもアメリカからも日本のカウンターパートナーだと認められるということは、政治と金の問題で揺さぶられている剛腕にとって、何よりの後ろ盾の筈。
剛腕殿の今の権力を支えているカードは、大きく2枚ある。ひとつは幹事長カード。もうひとつは、アメリカと中国の双方から日本の最高実力者だと目されているという窓口カード。
つまり、剛腕殿は、国内も海外も全ての「陳情」を、自分に一元管理させることで、権力を握ろうとしているのであって、内政でも外交でも利益誘導こそが権力の源泉であるという現実を十分に知悉してこその行動だと言える。
今や「政治と金」の問題で、その幹事長カードを手放すように世論から圧力がかかっている。だけど、幹事長カードを手放した途端に、窓口カードも失ってしまう事態だけは避けたい。
現段階では、訪米してもオバマ大統領に会えるかどうかは流動的。勿論、剛腕殿もその情報は掴んでいるはず。
だから、剛腕殿も、万が一オバマ大統領に会えないときのことも考えておかなくちゃならない。会えなかったときには、一気に自分の立場が弱くなる。
もしも、普天間問題を辺野古陸上案かどこかで纏めたとして、それでもオバマ大統領との会談が実現できなかったとしたら、どうなるのか。もちろん、アメリカの側から見れば、政権与党の幹事長とはいえ、首相は元より、閣僚でもなんでもない剛腕に大統領自ら会う謂れはない。二元外交なんて出来る訳がないと建前を通せばいくらでも拒絶できる。
剛腕殿は、たとえ幹事長を辞めても、自分が党内で絶大な影響力を持てるのであれば、なにも無理して党を出ていく必要はない。だけど、それは、自分の息のかかった人物を党の中枢におけるかに掛かっている。
だけど、小沢グループに属する議員の大半は、新人議員や当選2~4回目の中堅議員達ばかり。彼らを党首脳に据えるわけにはいかない。精々、旧自由党議員の一部が党首脳に残れるかどうかといった程度。
だからこそ、自分の息のかかった人物が党の実権を握ることが出来るのか、即ち、多数派を率いることができるかを見ようとしているのではないか。
もしも、小沢派議員が党の実権を握れないとなったら、幹事長を辞めた剛腕は「細腕」になってしまう。そうなってしまったら、民主党に残っていてもメリットは少ない。
その時は、ひとつの可能性としてだけれど、剛腕殿がチルドレン達を引き連れて、党を割って出るという選択だって有り得ると思う。もちろんこれは、政治と金の問題で捕まることがないことが前提での話。
剛腕殿は、自分が民主党内の非主流派となって、ちぢこまっているよりは、党を割って出て、政界再編に打って出るほうがマシだ、と考えても別におかしくない。割って出る人数にも依るのだけれど、仮に自民党と連立でも組んだとしたら、また、自分のやりたいことを主張してやれる余地だってある。自身の影響力を政界に残しておける。
そんな思惑があるようにも思える。
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小沢一郎がオバマとの会談に固執する理由 「師匠」金丸信は大統領会談の翌年に逮捕 2010年02月13日(土) 歳川 隆雄 歳川隆雄「ニュースの深層」
嫌疑不十分で不起訴処分となった小沢一郎民主党幹事長は、2月8日の定例会見で5月訪米の意向を明らかにした。
小沢氏は2月2日、来日中のカート・キャンベル米国務次官補(東アジア太平洋担当)と国会内で会談した際にゴールデンウィーク期間中の訪米を要請されたとして、この日の会見で改めて、米側からの正式要請であり、行くからにはオバマ大統領との会談を設営して欲しいと申し入れていることを明らかにした。
55年体制下の自民党政権を含め、これまで、米国大統領がわが国の政権党幹事長と会談した例はない。
唯一の例外はパパ・ブッシュ政権下の92年6月、金丸信自民党副総裁(当時)が訪米、ブッシュ大統領と会談したケースである。
「政界のドン」といわれた金丸氏だが、それまで再三、大統領に面会を申し込みながら、果たせずにいた。
面会後、ホワイトハウスを退出した金丸氏は「やっと米国もオレを認めてくれた」と落涙したという有名なエピソードがある。つけくわえるならば、その金丸氏は翌年に東京地検特捜部に逮捕され、失脚した。
小沢幹事長は、そうした米国のプロトコールも熟知しているはずだ。たとえ鳩山由紀夫政権の最大実力者であっても小沢・オバマ会談実現がそう簡単ではないことは、当然、理解している。ではなぜ、この時期に敢えて米大統領との会談に意欲を見せたのか。
昨年12月10日、小沢幹事長は民主党国会議員143人を引き連れて訪中、胡錦濤国家主席(共産党総書記)と会談した。
さらには元旦には166人の国会議員と主要マスコミ幹部を東京・世田谷の自宅での新年会に招待した。政治力を誇示する小沢流パフォーマンスである。検察との全面対決がヒートアップしていた年末から年初にかけ、「数は力なり」と存在感を見せ付ける意図があったのだろう。
そしてその延長線上に、この訪米案があるのだ。今回の狙いは何なのか。誰を牽制しようというのか。引き続き、東京国税局の協力を得て小沢氏の所得税法違反(脱税)容疑を潜行捜査しているとされる東京地検特捜部を視野に入れてのことなのか。
それとも、鳩山政権発足後2回目の官邸訪問となった8日の鳩山首相との会談で表ざたになっていない何かがあるのか。「予算国会」会期中の現在、来る7月の参院選に向けての秘策でもあるのだろうか。
■信頼できる側近がいない
それにしても、である。小沢氏は孤独な闘いを強いられている。相談しない、説明しない、説得しない小沢氏ではあるが、信を置く側近がいない。政治師匠である田中角栄元首相には、「金庫番」佐藤昭子がいた。角栄の愛人であり、政治的同志でもあった佐藤は力もあった。
角栄に「佐藤を切れ」と諫言した西村英一自民党副総裁に対して80年の衆参ダブル選挙時に九州地建局長出身の田原隆をぶつけて落選させたほどである。また田中には、早坂茂三もいた。早坂はマスコミ対策だけでなく、財官界のネットワーク確立、そして何よりも情報収集に長けていた。
小沢氏には、「佐藤昭子」も「早坂茂三」もいない。敢えて側近といえば、小沢周辺で「知恵袋」として知られる平野貞夫元参院議員ぐらいである。
長く衆院委員部長を務めた平野氏は前尾繁三郎衆院議長秘書をも歴任したことから、前尾法相秘書官だった則定衛・元東京高検検事長と親しく、小沢氏の不起訴処分に当たって囁かれた小沢氏側と検察首脳の「裏取引」説で則定氏の名前が取り沙汰された。
いずれにしても、小沢氏は孤立無援の闘いを余儀なくされているのは事実である。
URL:http://gendai.ismedia.jp/articles/-/222
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