剛腕幹事長の進退のゆくえ(小沢幹事長の進退問題について その1)
今回のシリーズエントリーは、話半分で軽く読んでいただければ幸いです。全3回でエントリーします。
剛腕殿のタガが緩んだが故に、噴出してきた民主党内からの非難にしても、それがこれから、どういう展開を見せるのか。
かなり穿った見方になるかもしれないと思うけれど、現時点でなぜ、剛腕殿が自らの進退問題を匂わす発言をしたのかについて考えてみたい。
「3重の奸計」のエントリーでも指摘したように、陰りが見えたとはいえ、今の剛腕殿は自身の発言一つで民主党内はもとより、内閣さえも振り回すほどの影響力を持っている。発言一つで、皆が浮き足立つ。
そんな剛腕殿が進退問題を匂わす発言をしたら、次の幹事長や次期首相を狙う輩による多数派工作が始まるに決まってる。下手して、反小沢派の多数派なんぞ出来ようものなら、足を引っぱられかねない。
もちろん、そんなことが分からない剛腕殿では無い。とすると、これらは、そういう動きがあると十分に分かった上での発言であって、すべては計算づくのものでありはしないか。
「支持率回復の手立て」のエントリーでも触れたけれど、剛腕殿には、選択肢のひとつとして、参院選前に幹事長を辞任するシナリオがあると筆者は見ている。
ただ、そのシナリオが満足いくものになるかどうかは、その後釜に如何なる人物が座るかに掛かっている。
辞任したあとも自らの影響力を保持しようと思えば、自分の息のかかった人物を幹事長に据えたい。あわよくば、次の首相もそうしたい。
その為には、自分の息のかかった人物に多数派を率いてもらわないといけない。
民主党内では、旧自由党、一新会系、小沢一郎政経塾出身の議員達からなる、小沢グループと呼ばれる派閥が最大勢力を誇っているけれど、実際は、先の衆院選で始めて当選した新人議員、つまり小沢チルドレンが大半を占めていて、見た目ほど強固な派閥というわけでもないと言われている。
比較的、結束力があるとされているのは、旧自由党からの面々になるのだけれど、その人数は衆参合わせて17人にしかいない。
だから、剛腕殿は、実質、党を掌握しているとはいえ、一朝事あらば、どこまでも剛腕殿についていく議員達に囲まれているという訳では、必ずしもないのかもしれない。
であるからこそ、元旦に自宅で新年会なるものをやって、小沢グループの結束を図ったのではないかとさえ。
そんな状態で、自身の進退問題に触れる発言をする意図があるとすれば、それは、本当に自分についてくる議員が誰であるのかを、より分けようとしているのではないかと思う。
つまり、今のうちから多数派工作を「させて」、内部で競わせて、誰が敵・味方で、誰が勝ち残るのか、そういったことを、見極めようとしているのではないか。
今のままでも、一応形式的には、党内最大派閥を率いていることになっているのに、なぜ、そんな自分への忠誠心を試す様なことをやるのか。それともやらなければならないのか。
確かに、多数派工作によって、最後に勝ち残るグルーブが、親小沢派であれば、仮に幹事長を辞めることになっても、依然として党内に絶大な影響力を持つことは可能だろう。
だけど、反小沢派が多数派となってしまったら、幹事長を辞めてしまったが最後、陽の目を見ることは一気に難しくなる。
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小沢氏「考えるところある」 大勝利再びか 「院政」阻止か 2010年2月24日(水)8時0分配信 産経新聞
長崎県知事選での民主党推薦候補の敗北を受け、民主党の小沢一郎幹事長が22日の正副幹事長会議で「私自身について考えるところもある」と発言していたことが分かった。幹事長辞任に含みを残した発言に政府・与党に波紋が広がり、23日は閣僚から小沢氏の自発的辞任を婉曲(えんきょく)に求める声が相次いだ。小沢氏は昨年5月に西松建設の違法献金事件にからみ代表を辞任し、これが衆院選の地滑り的勝利につながったことから、夏の参院選を前に「二匹目のドジョウを狙うのでは」との憶測も絶えない。
「幹事長の仕事は選挙が最も大事だ。どうすれば参院選に勝てるのか(小沢氏が)総合的に判断すると思う」
小沢氏と距離を置く前原誠司国土交通相は23日の記者会見でこう述べ、小沢氏の自発的な“けじめ”を暗に求めた。
枝野幸男行政刷新担当相も、長崎県知事選の大敗の原因を「現在の民主党や3党連立政権の状況について、(有権者が)残念ながら十分な信頼と期待を寄せていないということが背景にある」と指摘。「信頼と期待を取り戻すため何が必要であるかということは当然、力のある政治家であれば、ご認識を十分されていると思う」と述べた。
鳩山由紀夫首相は22日、長崎県知事選の敗因について「やはり政治とカネの問題があった」との認識を示しながらも、「私どもとしてはこの体制でいくということだ」と述べ、参院選も「小沢幹事長」で臨む姿勢を示している。
にもかかわらず、閣内から小沢氏の続投に懐疑的な声が出始めたのは、22日の正副幹事長会議での小沢氏の発言が一気に政府・与党に広がったためだ。
党内にはもともと、「参院選前に小沢氏の幹事長辞任の可能性もある」(政府関係者)との見方があった。小沢氏には昨年5月に代表を辞任し、衆院選勝利に導いた「成功体験」がある。参院選直前に幹事長を退いて院政を敷き、参院選勝利後に復権するシナリオを描く可能性は否めないからだ。
だが、これに乗じて「脱小沢」を画策する動きも出かねない。その中心的存在になりそうなのが仙谷由人国家戦略担当相だ。
仙谷氏は23日の記者会見で「政党は(選挙の)結果がいいときも悪いときもあるが、きっちりとした総括をすべきだ。今度の選挙(長崎県知事選)もそういうことを分析して次の選挙に備えるべきだと思う」と述べ、「総括」という言葉に小沢氏批判をにおわせた。仙谷氏は22日にも「昨年の千葉、秋田(両県知事選)で負けたころと状況が似通ってきた」と発言し、世論の今後の動向にアンテナをめぐらせる。
仙谷氏は前原氏や枝野氏の後見役として知られ、閣内では長妻昭厚生労働相や福島瑞穂消費者・少子化担当相とも関係が近い。小沢氏に近い勢力は仙谷氏らの動きにいら立ちを募らせており、政府・与党内の神経戦はますます激しくなりそうだ。
■首相「一体が大事」
鳩山由紀夫首相は23日夜、前原誠司国土交通相らが小沢一郎民主党幹事長の自発的な辞任に期待感を示したことを受け、「大事なのは内閣が、与党と民主党と一体となって行動することだ」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。
URL:http://news.nifty.com/cs/headline/detail/sankei-snk20100224079/1.htm
旧自由党グループ
自由党に所属していた議員より成るグループ。
衆議院議員 - 藤井裕久、中井洽、山岡賢次、山田正彦、黄川田徹、古賀敬章、渡辺浩一郎、糸川正晃、津島恭一
参議院議員 - 西岡武夫、一川保夫、工藤堅太郎、佐藤公治、平野達男、森ゆうこ、室井邦彦、広野允士
URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%B2%A2%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97
「幹事長として参院選勝利」小沢氏が続投意欲 2010.02.26
民主党の小沢一郎幹事長は25日夜、新党大地の鈴木宗男代表と都内で会談し「幹事長として与えられた職責を果たし、絶対に参院選に勝たなければならない」と述べ、幹事長続投と参院選勝利に強い意欲を示した。会談後、鈴木氏が記者団に明かした。
鈴木氏によると、小沢氏は「3月半ばまでには選挙区を含めて態勢をつくり、参院選勝利に向けて全力投球する」と述べたほか、鈴木氏に参院選北海道選挙区での協力を要請した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題では「政府が(移設先を)判断すれば協力していきたい」と強調。同時に「沖縄の総意を踏まえなければならない。きれいな海を埋め立てることは考えられない」として、日米合意に基づくキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)への移設に否定的な見解を重ねて示した。
URL:http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20100226/dms1002261211001-n2.htm
“独裁”小沢一郎に急接近する民主党の「ごますり三人衆」週刊文春2009年12月24日号
おもちゃ箱をひっくり返したように、各閣僚からばらばらな発言が飛び出し、首相官邸がリーダーシップを発揮できない鳩山内閣。対照的に、巨大与党・民主党は、小沢一郎幹事長の威令が隅々まで行き届き、ますます「小沢党」の色彩を強めている。
「今の民主党には『言論の自由』も『集会の自由』もない。以前は執行部に対して議員が平気で物を言えたが、今それをやれば『反党分子』扱い。執行部に批判的な議員が何人か集まって飲んだというだけで、小沢側近グループが大騒ぎして情報収集に走り回る。共産党独裁の旧ソ連みたいなムードになっている」
こう嘆くのは、小沢氏と距離を置く中堅議員の一人。まさに「小沢グループにあらずんば人にあらず」の状況なのだという。
“非小沢派”の幹部も、小沢氏にモノ申せない状況だ。長老・渡部恒三元衆院副議長は、衆院議長就任を阻まれたうえ、最高顧問の肩書まで剥奪され意気消沈気味。岡田克也、前原誠司の両氏は入閣し、党の問題には口出しできない立場に。大連立騒動の際、小沢氏に面と向かって苦言を呈した仙谷由人行政刷新担当相や、最も反小沢色の強い議員グループ「花斉会」を率いる野田佳彦財務副大臣も同様だ。
「小沢支配が強まる中で、反小沢の牙城と言われた野田、前原・枝野グループなどからも小沢氏に急接近する『転向組』が相次ぎ、党内が疑心暗鬼の状態になっている。『ごますり三人衆』がその典型だ」(民主党関係者)
その三人衆とは、松本剛明衆院議院運営委員長、細野豪志党組織委員長兼企業団体委員長、原口一博総務相のこと。松本氏は野田グループ、細野氏は前原・枝野グループの中心メンバーだったが、今や自他ともに認める小沢氏側近。原口氏も野田、前原両氏らと同じ松下政経塾出身ながら、最近の小沢氏への接近ぶりはすさまじい。
「国会運営や党務を担当する松本、細野両氏と違い、原口氏は本来、小沢氏に指示を仰ぐ立場にはない。なのに、幹事長室に頻繁に出入りしては小沢番記者に、『今日は総務省の政策の進め方についてアドバイスをもらった。さすが幹事長はすごい。僕が考え付かないようなことを考えている。感激した』などと持ち上げています」(同前)
忠勤の成果か、小沢グループ内で「ポスト鳩山で小沢さんは、原口氏を担ぐのではないか」という見方も出てきた。
URL:http://bunshun.jp/shukanbunshun/thisweek_pol/091224.html
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