「幹事長という仕事は、選挙が最も大事な仕事の一つでございますので、どうすれば参議院選挙に勝てるのかということを、総合的に御判断をされると思っております」前原国交相 2月23日記者会見にて
先日行なわれた、長崎知事選挙と町田市長選挙において、民主・国民新・社民推薦の両候補が揃って敗れる事態になった。
前原大臣や枝野大臣などは、参院選に向けて、剛腕幹事長に「自発的な」進退判断を促す旨の発言をしている。要は、説明責任を果たすなり、辞めるなりして、敗北の責任を取ってくれと迫っている。
ただ、産経の報道によれば、それに先立つ22日、民主党内での正副幹事長会議で剛腕殿が「私自身について考えるところもある」との発言があり、それが、政府・与党に波紋となって広がって、翌23日に、閣僚から剛腕殿への自発的辞任を婉曲に求める声が相次いだというのが真相のようだ。
翻って、勝利を収めた自民党はというと、剛腕幹事長の証人喚問を民主党が了承しないことを理由に、衆院予算委や衆院本会議を欠席。審議拒否作戦に出た。
とはいえ、審議拒否というのは、単に審議を停滞させるだけで、政局にはなるかもしれないけれど、法案成立には、何ら資するところがないから、あまり感心できる態度じゃない。
確かに、野党時代の民主党は、こんなことを何度もやっていたけれど、今の状況を考えると、自民党が同じように審議拒否するのは得策じゃない。
第一、普通に審議するだけで、現鳩山内閣の駄目っぷりが明らかになるのだから、審議拒否なんて、全くする必要がない。粛々と審議するだけで、現内閣は簡単に追い込める。
当然ながら、自民党内からも、審議拒否に対する非難の声があがったようだ。谷川参院幹事長などは「与党にはかえるの面に小便みたいな話で全然値打ちがない」とあからさまに批判してる。
おそらくは、党内外からも、それなりに非難の声があったと思われる。
それを受けてのことかどうかは分からないけれど、25日になって、自民党は、横路衆院議長の不信任決議案と松本衆院議院運営委員長の解任決議案を提出して、両決議案の結果を受けて、審議復帰する方針を明らかにした。
まぁ、なにフラフラしてんだ、と言われればそれまでだけれど、ただ、党内外の非難の声をきちんと受け止めて、審議拒否を止めたのであれば、それはそれで評価できること。
マスコミは、この審議拒否を巡るドタバタ劇をみて、党内バラバラなんて見出しで、報道したりしている。だけど、ある意味、バラバラであるのは自由がある証拠だとも言える。
たとえ、最初はバラバラであったとしても、内部できちんと議論して、結論が出たらそれに従う。議論の過程をオープンにする。それこそが民主主義というもの。
審議拒否していても、あとで撤回する柔軟性があるということは、少なくとも、党のトップに他の意見を受け入れる度量があることを示してる。
批判と方針転換ひとつ取ってみても、下からの非難を受けて首脳が方針転換するのと、首脳が方針転換しないでもない、と言われてから、下からの非難が始まるのとでは、その意味は、全く違う。
前者は批判はあれど、自由な議論を行なって、受け入れるべき意見は受け入るという民主主義の土壌があることを意味しているし、後者は、下の者は、何某かの強権的権力者の顔色をいつも伺っていて、批判ひとつでさえも、その権力者のお許しがでないと満足にできないことを意味してる。
自民党の審議拒否を巡るドタバタ劇は丁度、前者にあたるし、剛腕殿の幹事長辞任を含んだ発言を聞いてから始めて非難の声があがる民主党の姿は後者にあたる。
産経の報道が事実であれば、やっぱり民主党には自由がない、としか言い様がない。
ただ、剛腕のタガが緩んだから、漸く非難の声を上げることができた程度であったとしても、そこには、少なくとも、自由にモノを言いたいという意思がある。
それさえもなかったとしたら、民主党は、みんな自らの意思を持たない操り人形の集まりに堕する。そこまで腐り果ててしまってないことは、ほんの僅かながらの救い。


長崎県知事選での与党推薦候補の大敗を受け、鳩山内閣の閣僚から23日、小沢一郎民主党幹事長の政治資金問題が一因とみて、小沢氏の自発的な進退判断に期待感を示す発言が出始めた。前原誠司国土交通相は記者会見で「幹事長の仕事は選挙が最も大事だ。どうすれば参院選に勝てるのか(本人が)総合的に判断すると思う」と述べた。
枝野幸男行政刷新担当相も会見で「力のある政治家なら」と小沢氏を念頭に置いていることを示唆しながら、「国民の信頼と期待を取り戻すには何が必要か、十分認識していると思う」と指摘した。
ただ小沢氏は長崎県知事選の参院選への影響は限定的との認識を示している上、鳩山由紀夫首相も現体制で参院選に臨む意向を表明しており、政府や民主党内で小沢氏の進退を問う声が拡大するかは見通せない。
平野博文官房長官は会見で「参院選で勝利し、より安定した3党連立政権が樹立できるように戦いたい」と述べるにとどめた。
長崎県知事選をめぐっては、ほかの閣僚からも発言が相次ぎ、菅直人副総理兼財務相は敗因に関して「政治とカネの問題の影響があったと感じる」とした。
参院選への影響では、小沢鋭仁環境相が「知事選でムードが変わっていくことも考えられる。これから政権の真価が問われる」と強調。千葉景子法相は「政権交代から半年たち(民主党支持の)大きなうねりが一段落したのだろう」との見方を示した。
URL:http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201002230235.html

長崎県知事選での民主党推薦候補の敗北を受け、民主党の小沢一郎幹事長(67)が22日の正副幹事長会議で「私自身について考えるところもある」と発言していたことが分かった。幹事長辞任に含みを残した発言に政府・与党に波紋が広がり、23日は閣僚から小沢氏の自発的辞任を婉曲(えんきょく)に求める声が相次いだ。小沢氏は昨年5月に西松建設の違法献金事件にからみ代表を辞任し、これが衆院選の地滑り的勝利につながったことから、夏の参院選を前に「二匹目のドジョウを狙うのでは」との憶測も絶えない。
「幹事長の仕事は選挙が最も大事だ。どうすれば参院選に勝てるのか(小沢氏が)総合的に判断すると思う」
小沢氏と距離を置く前原誠司国土交通相(47)は23日の記者会見でこう述べ、小沢氏の自発的な“けじめ”を暗に求めた。
枝野幸男行政刷新担当相(45)も、長崎県知事選の大敗の原因を「現在の民主党や3党連立政権の状況について、(有権者が)残念ながら十分な信頼と期待を寄せていないということが背景にある」と指摘。「信頼と期待を取り戻すため何が必要であるかということは当然、力のある政治家であれば、ご認識を十分されていると思う」と述べた。
鳩山由紀夫首相(63)は22日、長崎県知事選の敗因について「やはり政治とカネの問題があった」との認識を示しながらも、「私どもとしてはこの体制でいくということだ」と述べ、参院選も「小沢幹事長」で臨む姿勢を示している。
にもかかわらず、閣内から小沢氏の続投に懐疑的な声が出始めたのは、22日の正副幹事長会議での小沢氏の発言が一気に政府・与党に広がったためだ。
党内にはもともと、「参院選前に小沢氏の幹事長辞任の可能性もある」(政府関係者)との見方があった。小沢氏には昨年5月に代表を辞任し、衆院選勝利に導いた「成功体験」がある。参院選直前に幹事長を退いて院政を敷き、参院選勝利後に復権するシナリオを描く可能性は否めないからだ。
だが、これに乗じて「脱小沢」を画策する動きも出かねない。その中心的存在になりそうなのが仙谷由人国家戦略担当相(64)だ。
仙谷氏は23日の記者会見で「政党は(選挙の)結果がいいときも悪いときもあるが、きっちりとした総括をすべきだ。今度の選挙(長崎県知事選)もそういうことを分析して次の選挙に備えるべきだと思う」と述べ、「総括」という言葉に小沢氏批判をにおわせた。仙谷氏は22日にも「昨年の千葉、秋田(両県知事選)で負けたころと状況が似通ってきた」と発言し、世論の今後の動向にアンテナをめぐらせる。
仙谷氏は前原氏や枝野氏の後見役として知られ、閣内では長妻昭厚生労働相や福島瑞穂消費者・少子化担当相とも関係が近い。小沢氏に近い勢力は仙谷氏らの動きにいら立ちを募らせており、政府・与党内の神経戦はますます激しくなりそうだ。
■自民、審議拒否戦術に異論 党内バラバラ
自民党は、22日から国会での審議拒否戦術を始めたばかりだが、民主党が「国会は事実上正常な状態」(山岡賢次国対委員長)と粛々と2010年度予算案審議を続行したことから、党内では早くも焦りが広がり、いがみ合いまで始まった。
自民党は23日も、小沢一郎民主党幹事長の証人喚問などが実現されないことを理由に衆院予算委や衆院本会議も欠席した。本会議前には、小泉進次郎衆院議員(28)ら若手11人が横路孝弘議長に「証人喚問要求は国民の声」「議長は公正な議会運営を」などの紙を掲げて抗議活動を行った。
ところが、谷川秀善参院幹事長(76)は「与党にはかえるの面に小便みたいな話で全然値打ちがない」と審議拒否戦術をあからさまに批判。これには川崎二郎国対委員長(62)も「参院は前の国会で随分審議拒否をした。その総括をすべきだ」と怒りを爆発させた。
川崎氏は「(審議復帰に向けた)出口戦略なんてあるわけがない!」と言い切るが、石破(いしば)茂政調会長(53)は党役員連絡会で国会復帰に向け、2010年度予算案の修正案を作成する方針を早くも示した。谷垣禎一(さだかず)総裁(64)は「いろいろ意見があるのは承知しているが、一致団結して政治の信頼回復のため頑張ろう」と気勢を上げるが、どこまで踏ん張れるのか-。
■無駄遣いしないはずが…公邸改修費474万円
政府は23日の閣議で、鳩山由紀夫首相(63)と幸夫人が昨年10月末に首相公邸に入居する際、内装改修や洗濯乾燥機の購入などで計約474万円を支出したとする答弁書を決定した。首相は17日の党首討論で「今までの政権と新しい政権の違いは一円たりとも税金の無駄遣いを許さないことだ」と述べており、自民党は必要な改修だったかどうかを今後も追及していく方針。
自民党の高市早苗衆院議員(48)の質問主意書に答えた。答弁書では経年劣化による和室の内装補修や床の改修に約413万円、洗濯乾燥機2台の購入などに約61万円を支出したとした。
高市氏は質問主意書で「麻生太郎前首相が入った風呂に入りたくないという理由から約1000万円を使用し、風呂場の改修工事が行われたのではないか」と指摘したが、答弁書は否定した。首相は12日の衆院予算委員会で「風呂場と洗濯機を変えたかもしれない」と答弁したが、直後に浴室改修を否定し、「和室を洋風にして寝室にした」などと説明していた。
現公邸は2005年4月に完成し、鳩山首相が入居するまで小泉純一郎元首相(68)ら4人が居住した。首相経験者の一人は「公邸の内装はほとんど劣化しておらず、きれいなはずだ。寝室用の洋室もあり、なぜ和室を改装する必要があったのか疑問だ」と話している。
一方、政府が23日、閣議決定した答弁書から、中央省庁で任意に起用されている顧問や参与の実態も明らかになった。政権交代後の昨年9月16日から今年2月12日までの間、離職済みも含めて計217人の顧問・参与を任命。特に総務省は、顧問の数としては各省庁で最多となる25人を任命し、12人は国会議員経験者。4氏には計132万3100円が支払われていた。自民党の赤沢亮正衆院議員(49)の質問主意書に対する答弁書。
顧問や参与は、各省が政策立案のアドバイスを得るなどの目的で、非常勤国家公務員として任意で任命している。各省が組織規則に基づいて配置。報酬額や人数にはバラツキがある。
顧問・参与の人数を各省庁別にみると、文部科学省が計41人でトップ。外務省が計40人、総務省が計27人、内閣府と防衛省がそれぞれ計18人で続いた。文科省や外務省は「国際会議に出席する際に政府代表として公職にしておく必要がある。会議開催期間に臨時で任命するケースが多い」(人事課)などと説明するが、岡田克也外相(56)は23日の記者会見で「不断の見直しが必要だ」と指摘した。
顧問や参与に任命されるのは学識経験者や財界人、官僚OBが多いが、総務省では民主党など与党に所属した国会議員経験者12人が顧問に任命された。
国民新党前幹事長の亀井久興▽社民党前副幹事長の保坂展人▽新党大地代表代行の八代英太▽元民主党衆院議員の水島広子▽名古屋市長の河村たかし▽大分市長の釘宮磐▽岩手県知事の達増拓也▽前横浜市長の中田宏▽松山市長の中村時広▽神奈川県知事の松沢成文▽東京都杉並区長の山田宏▽埼玉県知事の上田清司氏-の各氏。このうち、亀井、保坂、八代、中田の4氏が報酬を得ており、中田氏を除く3人は先の衆院選で落選している。
URL:http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/361295/

自民党は25日午前、党本部で臨時役員連絡会を開き、横路孝弘衆院議長の不信任決議案と松本剛明衆院議院運営委員長の解任決議案を同日午前中に提出することを決めた。その後記者会見した谷垣禎一総裁は、22日から始めた国会での審議拒否について「決議案の結果を受けて、戦いの場は国会でやる」と述べ、両決議案が衆院本会議で採決された後、審議復帰する方針を明らかにした。審議拒否は3日で終わる。
同党は、21日投開票の長崎県知事選と東京都町田市長選で応援した候補が当選したのを「追い風」として、鳩山由紀夫首相や小沢一郎民主党幹事長の「政治とカネ」の問題をめぐる証人喚問などが実現するまで22日から審議拒否に入った。しかし、与党は要求を完全に拒否しているため、自民党内からは審議拒否を続けることへの世論の反発を危惧(きぐ)する声が高まっていた。
このため、横路議長には与野党の合意形成に努力しなかったこと、松本委員長には子ども手当や高校授業料無償化の法案の衆院本会議での質疑を委員長職権で決めたことをそれぞれの理由に決議案を提出することで収拾を図ることにした。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100225/stt1002250944001-n1.htm
この記事へのコメント