秋波を送るのは誰か

 
昨日のエントリーでは、普天間は辺野古移設案でほぼ本決まりではないかと言ったけれど、当然、社民党は心中穏やかじゃないはず。

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これまでは、連立離脱を匂わせて、鳩山政権に揺さぶりを掛けることができたのだけれど、先日、田村耕太郎議員の民主党入りで、参院多数を握った民主党にとってみれば、もう社民党の重要度は低くなっている。

支持率回復の手立て」のエントリーで指摘したように、なんとなれば、社民党に連立離脱させてでも、辺野古移設で纏める可能性が高い。

社民党は、その党是からいって反対するしかないだろうけれど、そのままいけば連立離脱になると思われる。

そして、辺野古陸上案が報道された、2月17日の夜に、社民党又位市副党首と剛腕殿が会談したようだ。タイミングからいって、辺野古陸上案が伝えられ、それに社民党が反対するなら、連立から出て言って貰って構わない、と言われたのではないか、とさえ勘繰られても仕方がない。



ただ、問題はその後どうするかなのだけれど、仮に社民党を連立から切り離したとして、民主・国民新党だけの連立で政権運営をするかというと、どうもそうでもない雰囲気を感じている。

というのは、先の党首討論で、公明党の山口代表と鳩山首相の党首討論で、公明党が出している、政治資金規正法改正の為の協議機関設置に前向きな発言を鳩山首相がしたという点が引っかかる。

尤も、山口代表と鳩山首相の党首討論全体を読む限り、山口代表が自民党谷垣総裁と同じように、政治と金の問題から入り、友愛殿の謝罪と止めないことが責任の果たし方だ、という同じ答弁を引き出した後、公明党が出している、政治資金規正法の改正に賛成するか、と尋ねるという流れだから、特に不自然なものでもなく、鳩山首相がその設置機関に賛意を示したことも、別にどうということはない。

ただ、気になったのは、党首討論についてのJNNの報道で、山口代表と鳩山首相の党首討論で、公明党の政治資金規正法改正の為の協議機関設置に賛意を示した部分を取り上げて、「自民党と公明党への対応に温度差」がみられた、とわざわざテロップをつけてまで報道したこと。


JNNVer.


報道ステーションVer.


賛意を示したのなら、それだけを伝えればいいはずなのに、それに「対応に温度差がみられた」なんて付け加えたら、誰だって、民主党は公明党と近づきたいのだな、と思うだろう。

更に、報道ステーションは、公明党は民主党に接近した、などと、もっとあからさまにナレーションを入れている。

他の局、たとえば、NEWS23なんかだと、単に「協議機関の設置に前向きな姿勢を示した」としか伝えていないし、NHKやFNNもそう。淡々と事実を伝えている。

報道に、感想をくっつけるのは、印象操作になる危険がある。報道する方も、視聴するほうもよくよく注意しないといけない。

もしかしたら、マスコミ関係者達の内輪で、民主党が公明党を連立与党に引き込もうとしている、などの情報リークがあるのかもしれない。だけどそれを当事者が言うなら兎も角、マスコミがそれを勝手に匂わせるテロップやナレーションを入れるのはどうかと思う。

とはいえ、現実問題として、公明党を連立に引き込む可能性は十分にある。田村議員を民主党に入れて、折角、参院過半数を確保したのに、夏の参院選で惨敗して、また過半数を割ってしまったら、元も子もない。その時に社民党をも連立から切っていたらもっと苦しくなる。

その時に備えて、民主党は公明党に秋波を送っているのではないか。

なぜ、そんな事をするのかというと、昨今の、その「政治と金」の問題を発端として、内閣支持率がガタ落ちして、夏の参院選に陰りが出てきているから。

昨日の、長崎知事選では、自公が支援する前副知事の中村法道氏が、民主、社民、国民新の3党推薦の前農水省室長の橋本剛氏を破り初当選した。地方レベルでは、民主党への風当たりは強い。

その時のための保険として、公明党に水面下でサインを送っている可能性は十分にある。

今後、民主と公明の距離の取り方は注目に値するだろう。


NEWS23Ver.



ZEROVer.



FNNVer.



NHKニュースウォッチ9Ver.


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画像長崎県知事選:自公支援の中村氏が初当選確実

 任期満了に伴う長崎県知事選が21日投開票され、自民、公明両党が支援した前副知事の中村法道氏(59)が、民主、社民、国民新の与党3党が推薦した前農水省室長の橋本剛氏(40)ら6人を破り初当選を確実とした。鳩山由紀夫首相と小沢一郎幹事長の「政治とカネ」の問題が政権交代後の民主党の勢いをそぐ形となりそうだ。当日有権者数は117万4280人。

 鳩山首相と小沢氏の元秘書らが政治資金規正法違反で起訴され、民主党への批判が高まる中で与野党が対決する初の大型地方選となった。09年の衆院選で自民候補を支援した金子原二郎知事(65)が4選不出馬を表明したのを受け、無所属の7新人が立候補した。

 中村氏は金子県政の後継候補として県庁勤務37年の「即戦力」をアピール。自民は終盤、著名議員を応援に投入し、積極的な民主批判を展開した。

 橋本氏は、与党3党と連合長崎が推薦し、金子県政の刷新を訴えた。閣僚らも次々と応援に入り、政権与党との連携を訴えたが、及ばなかった。

 元参院議員の大仁田厚氏(52)は、「長崎の宣伝マン」を訴えたが伸び悩んだ。共産が推薦した市民団体事務局長の深町孝郎氏(67)と、前県議で医師の押渕礼子氏(71)も浸透しなかった。【阿部義正】

URL:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100222k0000m010090000c.html


画像平成22年2月21日執行 長崎県知事選挙 開票状況速報(22日0:00発表)

開票率 99.50%(705,465票)
得票  中村 ほうどう(無所属)316,495票
    橋本 つよし (無所属)222,287票 

URL:http://www.pref.nagasaki.jp/election/2010chiji/sokuhou/index.html



画像小沢ショック直撃!長崎県知事選で民主苦戦 進退問題再燃も 2010/2/15 16:57

 21日投開票の長崎知事選が、永田町の一大関心事になっている。県内の国会議員構成を見る限り民主党が圧倒的に優位なのだが、同党推薦候補が苦戦中なのだ。小沢一郎幹事長の資金管理団体をめぐる事件後初の与野党対決型の大型地方選挙。“小沢ショック”が直撃したとも言えそうで、推薦候補が敗れれば、小沢氏の進退問題が再燃する可能性もありそうだ。

 任期満了に伴う知事選は終盤戦に入り、無所属新人7人のうち、現職の後継で自民、公明両党が支援する前副知事の中村法道氏(59)と、民主、社民、国民新各党が推薦する元農林水産官僚の橋本剛氏(40)の事実上の一騎打ち状態。元プロレスラーの大仁田厚元参院議員(52)らは引き離されている。

 報道各社の調査では朝日新聞が中村氏「一歩リード」と報じ、読売新聞は「競り合う」としたものの中村氏を上位に置いている。

 民主党は2004、07年の参院選で、1人区の長崎選挙区で連勝。先の総選挙でも4選挙区で全勝した。長崎2区で自民党の久間章生元防衛相を破った人気者の福田衣里子衆院議員が、4日の告示前から全県を回って応援しており、「負けるはずのない選挙」(県連関係者)とみられていた。

 しかし、「鳩山由紀夫首相や小沢氏の事件のショックで、民主党に対する熱が冷めた。もともとは保守が強い地盤だけに、自公系候補が一歩リードしている」(県政関係者)という情勢になっているのだ。

 実際、鳩山首相や小沢氏が不起訴になったことをたてに潔白を訴えても、世論の風当たりは強い。

 時事通信が4−7日に実施した世論調査では、内閣支持率は前月比11.4ポイント減の35.7%に急落、不支持率は同12.3ポイント増の44.7%となった。小沢氏については、幹事長辞任(48.4%)と議員辞職(24.1%)を求める声を合わせて7割を超えている。

 対する自民党は、小泉純一郎元首相の次男、小泉進次郎衆院議員が告示前に長崎入りしたほか、今後は石破茂政調会長や舛添要一元厚労相といった知名度の高い議員を応援に投入し、政治とカネで攻勢を強める方針だ。

 民主党選対関係者は「長崎知事選に加え同日投開票の町田市長選で、有権者がどう見ているか分かる。負ければ、『参院選前哨戦で敗北、小沢神話にかげり』と書かれる」と、執行部の責任論に触れたうえで、「とにかく絶対に負けられない。長崎は連合が強い地域なので、連合に大ローラーをかけてもらう。1人10票運動だ」と戦略を打ち明けた。

 一方、注目の小沢氏は14日、福岡県久留米市で記者団に対して同知事選について、「国政に直接影響を与えることはない」と予防線を張ったが…。

URL:http://netallica.yahoo.co.jp/news/111259



画像【党首討論詳報】政治資金の与野党協議、首相「民主党としても設置に賛成したい」 2010.2.17 17:04

 山口那津男公明党代表「公明党代表の山口那津男でございます。党首討論に初めて立たせていただきます。早速、参ります。先程もお話がありましたが、昨日から確定申告が始まりました。私は居住地であります葛飾税務署、朝9時すぎに赴いて自分で確定申告を済ませました。窓口には所得税、さらには贈与税、そして消費税、そういう表示が掲げられておりました。葛飾区は中小零細企業の事業主の多いところでありますから、あの狭い窓口にずらーっと50人あまりの方々が並んで、黙々と手続きをされていらっしゃいました」

 「さて、鳩山さん。あなたは今年の確定申告をすでに済まされましたか。また、これまでに確定申告書を自分で作成して提出したことがありますか。端的にお答えください」

 鳩山由紀夫首相「山口委員からもこのような話を、すなわち、政治とお金の話からスタートをしなきゃならないことを不徳の致すところと思っております。今、お話を頂きましたが、まだ今、準備中でございますが、確定申告はしっかりと、当然のことながら義務を果たして参ります」

 「確定申告を自分で行ったことがあるかということでございます。恐縮でございますが、確定申告は今まで、資産管理会社と税理士が私のところに報告に参りまして、その報告書を見ながら、確認して、最終的には私が確認をしているという手続きを取って、行っててきたところでございまして、税務署に並んで、というようなことを行ったことはございません」

山口氏「あなたは徴税行政の最高責任者なんです。ですから、自分から率先垂範という姿勢があふれてなければ、納税者には伝わりません。その並んでいた納税者のお一人は、鳩山さんや小沢さんこそ、こういうところに並んでしっかり税金を納めてもらいたい。そうやって叫んでいらっしゃいましたよ」

 「さて、そこで、鳩山さんは、母親から12億6000万円ものお金を渡されながら、長年それを納税してこなかった。そして、この間の予算委員会では、『平成の脱税王』なんていう発言まで飛び出しました。納税者をこれを聞いて怒ってるんですよ。そして、税務署の窓口には沢山の苦情が押し寄せてます。私の元まで国税庁長官にこういう書面を、クレームを出しました、そういうファクスが届くくらいであります」

 「鳩山さん、その徴税行政の最高責任者として、このままでは国民に示しがつかないんじゃありませんか。もう一度、納税者の方々に総理として、また一納税者として真摯なお願いをここで述べてください」

 首相「山口委員からも、先程、谷垣(禎一自民党)総裁からも同じ趣旨の話を頂きました。私の母からの資金提供ということに対して、私がまったく存じていなかったということ、そして、しかしそれが検察によって事実であるということが判明をした、そのことによって大変、遅まきではあったことは事実でありますが、納税義務を当然のことながら、果たさなければならないという思いの下で申告をして、納税をしてきたところでございます」

 「今、国民の皆様方がそのような鳩山の行為に対して、けしからんではないかというお気持ち、分からんわけではありません。しかしながら、だからこそ、私もこれからは当然のことながら、国民の皆様方のために働かせて頂きながら、徴税…納税の義務というものは率先垂範して果たしていかなきゃならんということは、言うまでもない話しでございまして、そのことをしっかりと義務として果たして行くことをお誓いをするところでございます」

 「ぜひ、山口委員にもお分かり頂きたいと思いますが、新しい政治を起こしていきたい。ここには、無駄遣いのない日本の社会というものを作り上げていきたい、そのために国民の皆様方の税金というものを無駄にしない新しい政治というものをぜひ与野党別なく作り上げていきたいと思っておりますので、公明党の皆様方にもご協力を願いたいと、心からそのことをお願い致します」

 山口氏「今、総理がおっしゃった、その新しい政治を進めようとしても、次から次へと民主党の関係議員の、この政治と金にまつわる不祥事が起こってきているんです。国民はもうがっかりしてうんざりしてるんです。二度とこういう問題を起こさないようにするためには、公明党はそのために、政治家の監督責任を強化するための政治資金規正法の改正案を出してるんです。さらにまた、企業・団体献金の禁止、これも提案をしております。そして、与党、野党で協議をしようじゃありませんか。この協議機関の設置と参加を求めているんですよ。しかし、しかしまだ与党の方々からは回答を頂いておりません」

 「民主党が自らこういう問題を起こして、政治不信を招いてるんですから、その不信を払拭するためには、もっと積極的に民主党が姿勢を示さなきゃならないじゃありませんか。社民党の方も国民新党の方々もその民主党に遠慮して、今、声を出せないでいるんですよ。鳩山さん、民主党の代表として、ここではっきりと、その与野党協議機関に参加する、明確な回答を頂きたいと思います」

 首相「先程も谷垣総裁には、企業・団体献金の禁止、自民党さんも一緒にやろうではないかという話も申し上げました。政治資金規正法の改正も、これは公明党さんが大変、私は望ましいものを作っていただいていると、そのようにも思っております。従いまして、これは今、党首討論という立場でありますから、党首という立場で申し上げれば、民主党としても与野党の協議機関の設置に賛成をしたい、そのように思っておりますので、大いにこれは各党で協議を進めて行こうではありませんか。私もそのことに期待をします」

 山口氏「今おっしゃった総理の心意気、これを国民の皆様は待っていらっしゃったんですよ。で、問題は中身なんです。今、総理は、この自分自身の問題について、あれは秘書がやったから知らなかったと言って、いまだに政治責任を取っていないんですよ。秘書が知らなかったというようなことがまかり通ることになれば、それは知らなかったことにしておこうと、こういう行いが横行してしまうんじゃありませんか。これをやらないようにするためには、秘書がやったこと、虚偽記載をしたら、政治家の逃げ道を残しておこう、こういう制度ではなくて、秘書のこの虚偽記載をやらせないように、政治家が自ら監督責任を取る、こういう制度に改めていく必要があるんですよ。われわれが出しているこの政治資金規正法改正案、総理、賛成していただけますね」

 首相「私は、これは、委員会、あるいは本会議でしたか、でも山口委員に申し上げたところでございまして、私は自分自身の身でこのようなことが起きた。今、山口委員から、代表からお話がありましたように、私自身はまったく知らなかったこととはいえ、しかしながら、当然のことながら、その、秘書が行ったのは私がおるからやったわけでありまして、その責任というものはあるわけでございます」

 「従いまして、今、お尋ねのような問題、私は今、これからの議論の中で先取りしてあまり言い過ぎてもいけないかと思っておりますが、ぜひ成案を得るように民主党としても努力をして参りたいと、そのように思います」

山口氏「日米関係、これはもちろん安全保障のみならず、広く経済、政治、文化に及ぶ、そういう重要な二国間関係であります。今、普天間基地の移設問題、あるいはこれが迷走してるわけです。そしてインド洋の補給支援、これは中止してしまった。今、良好な関係とは到底言えません。そして最近は、自動車をめぐるリコールの問題、こういうことも両国の国民の利益を考えれば、両国政府でもっともっとできることがあるはずであります」

 「かつてケネディ大統領は、日本の政治家、改革者として、上杉鷹山の名前を挙げました。その鷹山の有名な言葉に『なせばならぬ、なさねばならぬ何事も、ならぬは人のなさぬなりけり』という言葉があります。正にこれはオバマ大統領の言う『イエス、ウィ、キャン』そのものであります。鳩山さんがこのアメリカの政治家に自らの日米関係を改善したことを引用されるような そういう政治家になるように、自らの姿勢を正していく。そういうことが今、求められているのではありませんか。感想があればお伺いをして、私の質問を終わります」

 首相「日米関係のお話を含めたご議論を頂きました。私はその中でもやはり普天間の問題をしっかりと解決をしていくという強い意志を持っております。これは必ず5月までに結論を出して参りますし、そのことによって日米関係、盤石になると、そのように十分に信頼をしていただければと思っております。そのために私も身を粉にして働かせていただききたいと思いますし、そのためにも自分自身に課せられた、さまざまな重い責任というものを一つ一つ、果たしていかなければなりませんし、今、山口議員からお話がありました政治とお金の問題に関しても、積極的にトライをして参りたい、そのことを改めて申し上げたいと思います。以上です」

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100217/plc1002171706022-n1.htm

この記事へのコメント

  • yutakarlson

    ■小沢幹事長進退が再浮上か 長崎と町田で民主系候補惨敗―今必要なのは、国民国家百年の計だ!!
    http://yutakarlson.blogspot.com/2010/02/7201022140599-61623-2009-0942.html
    こんにちは。長崎と、民主で民主党惨敗しました。もう、国民は騙されないし、脅しにものらないと言うことだと思います。今回の選挙では、小沢チルドレンの福田衣里子議員も応援にかけつけましたが、この人、人相悪くなりましたね。やはり、自分の理想とする民主党政治のありかたと現実のあまりに酷い乖離に悩んでいるのだと思います。しかし、自民党もこうしたことでうかれてしまってもらっては困りますね。今、必要なのは、国民国家100年の計だと思います。いずれにせよ現在のままの民主党と自民党のままでは、国民から大きな支持は得られないと思います。詳細は、是非私のブログをご覧になってください。
    2015年08月10日 16:49

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