何を審議してもダメっぷりは変わらない(鳩山-谷垣党首討論について 後編)


谷垣総裁が使った、相手に答弁させて、その答えとロジックをそのまま用いるやり方は、相手の矛盾点を如実に炙り出す。

画像


こうした質問をされると、自分の見解や回答に筋が通っているというか、論理的整合性があるかないかが、白日の下に晒される。嘘をついても直ぐばれる。

だから、政治と金をめぐる疑惑を追及するには、このやり方は、非常にポピュラーだと言っていい。

ところが、残念なことに、相手が悪い。

なにせ、相手は、自分の発言の矛盾や、過去の発言の撤回など屁とも思わない御仁。元々ウソだらけなのだから、ロジックで追及して、ウソを暴いたところで、周知の事実を再確認するだけ。当人は平気の平左。お構いなし。

先週末、民主党の石井一選対委員長が、都内で友愛殿と会談したと明らかにしたけれど、そこで友愛殿から「どんなことがあっても私は投げ出さない」と、言われたそうだ。

恥を知る人物であるなら、自己の不甲斐なさに恥じ入り、内閣辞職なり、解散なりを考えるかもしれないだろうけれど、今のところ、本人に全然その気はない。

鳩の惑星の辞書に「恥」と言う言葉が載っているかどうかは分からないけれど、今の状態で、鳩殿と討論しても前向きな結果が得られる見込みは少ない。



もしも、鳩星人を相手に党首討論するということに意味があるとすれば、それは、討論するというよりは、どちらかといえば、視聴者に対するアピールする利点が大きいということだろう。

鳩星人が何を言ったところで、どうせ三歩も歩けば忘れてしまうか、明日になれば撤回するに決まってる。皆そう思っている。だから、どんなに言質を取ったとしても、それは意味を持たない空虚なもの。

従って、相手の嘘を暴くというよりは、自らの論の確かさなり、安定感なり、自分こそがリーダーに相応しいと、視聴者に思わせるような党首討論にしないと、支持率には繋がらないのではないかと思う。

だけど、今国会でのやり取りや、先の党首討論を見ている限り、谷垣氏の討論・弁舌による好感度や信頼度のアップより、鳩のダメダメぶりのインパクトのほうがはるかに強くて、逆に目立たなくなってしまってる。

あれ程の駄目っぷりを見せつけられると「また、それか」と、国民の政治への「諦め感」だけがどんどん助長していくような気がしてならない。

テレビなんかは、いつまでも政治と金の追及なんかせずに、国民の為に、予算審議を早くしろ、なんて煽りたてているけれど、まぁ、そうしたところで同じこと。

画像


野党が、どんなに予算審議で、身のある質問なり提案なりしたところで、まともな審議にはならないだろうと思われる。

それは、先の臨時国会で、野党の質問に、何一つマトモに答えられなかったことでも良く分かる。

脱税総理という名言を生みだした棚橋議員の質問に、ほとんど答えなかった、千葉法相。

インターネットで放送されているこの場では公表できないと言った、厚生労働大臣。

付加価値とは何かと質問され、「大学では経済を勉強してない」と、自ら国家財務の長(おさ)であることを否定した、財務大臣。

たとえ政務官以下の官僚達がいくら優秀であっても、上に立つものがこの体たらくではどうしようもない。それに輪をかけるように、その優秀な部下さえも使えないとなったら、国会での審議なんて意味を成さなくなる。

2月16日の予算委員会では、自民党山本議員と、白川日銀総裁のやり取りもあったのだけれど、資料に書いてあるとか、何とか実現したいとか、工程表を出す、としか言わない「管から眠」大臣なんかより、遥かに中身があった。

あの予算委員会を見る限り、現状では、まだ、官僚による答弁を復活させたほうがいいと言わざるを得ない。

もう100日はとっくに過ぎた。国民に甘える時は終わっている。

画像

画像 ←人気ブログランキングへ


画像首相「私は投げ出さない」 石井氏が講演で明らかに 配信元:2010/02/17 11:28更新

 民主党の石井一選対委員長は17日午前、都内で講演し、鳩山由紀夫首相と先週末に都内で会談したことを明らかにした。石井氏が「リーダーシップを発揮するときだ」と激励したところ、首相は「どんなことがあっても私は投げ出さない」と述べ、政権運営に意欲を示したという。

 また、講演で石井氏は首相や小沢一郎幹事長の「政治とカネ」の問題を念頭に「わが党(の支持率)が後退し、この状態では参院選を乗り切れないと判断した場合は、決然として何を犠牲にしてもこれを乗り越えて国民の負託に応えたい」と述べた。

 同時に、29ある参院選の1人区のうち平成19年の前回参院選と同様に23勝6敗を維持できれば「確実に安定多数を得ることができる」との見通しを示した。2人区については現職のほかに2人目を擁立する方針に変更はないとの考えを示した上で、「労働組合の上に乗っているだけでは力が足りない。幅広い国民層といった総合的な力を取らないと政権は安定しない」と指摘した。

URL:http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/358695/

この記事へのコメント

  • 日比野

    こんばんは。クマのプータロー様。
    >おQ層には、自民党がどんなに立派なことを言っても、それはそれで白々しく聞こえてしまうものなんだそうです。

    う~ん。長年のマスコミバイアスのせいですかね。

    であるならば、なおさら、マスコミをどうにかするしかないですね。時に任せるのは時間がかかりすぎるような気がします。
    2015年08月10日 16:49
  • クマのプータロー

    おQ層には、自民党がどんなに立派なことを言っても、それはそれで白々しく聞こえてしまうものなんだそうです。物事を、ある時点でのみ公平に見る能力は日本では伝統的に存在しないと見て良いでしょう。こればっかりは、時が解決するか、ゲストコメンテーターを総入れ替えしてあらゆるメディアで流すかしかないように感じます。
    2015年08月10日 16:49
  • torinity

    一国のトップが、その役に相応しくない場合、それを止めさせる法は、ないのでしょうか?
    ・・・と聞いていてなんですが、相応しくないと、判断できる国民が、一人でも多く増える以外に道はないのでしょうね(><)
    2015年08月10日 16:49

この記事へのトラックバック