今日のエントリーは、多分に憶測がらみの内容になりますので、半分まゆつばでお読みいただければ幸いです。
「手足を縛られて営業をしているわけだから、現実にあった形にしていく」亀井静香金融・郵政改革相 2月3日 郵政見直しについての記者会見にて
2月2日に、小沢幹事長とアメリカのキャンベル米国務次官補との間で、約1時間にわたって会談が行なわれた。会談はアメリカ側から求められたそうなのだけれど、内容は明らかにされていない。
だけど、これまでのエントリーで縷々述べてきたように、アメリカのモンローシフト戦略の一環として、この会談が設定された、と仮定すると、アメリカの要求は次のようなものではないかと思う。
1.中国に米国債を売らせるから、その売らせた分については、日本が引き受けて欲しい。
2.この1.のミッションを確実なものとするために、鳩山首相を100%コントロールするか、さもなくば別の決断できる人物を首相にして欲しい。
3.普天間問題に関しては、5月になんらかの答えを出して欲しい。辺野古がベストだが、他の案でも検討する。ただし、海兵隊は、当面沖縄から離れることはできない。
4.嘉手納に最新鋭兵力を集結、または増強する可能性がある。したがって、機密漏洩の対策をしっかりやって欲しい。
1.について言えば、小沢・キャンベル会談翌日の2月3日に、亀井静香金融・郵政改革相が、ゆうちょ銀行の資金運用について、米国債や社債などに多様化していくべきだとの考えを述べている。従って、中国に米国債を売らせて、それを日本が引き受ける件については、ぼぼ合意がなされたように思われる。
3.については、「中華封じ込め戦略」のエントリーで述べたように、対中国包囲網の一環として、兵力を削ぐわけにはいかない。少なくとも台湾有事に介入できる兵力としての海兵隊は動かせない。
そして、4.については、対中国への更なる圧力カードとして、嘉手納への兵力増強。ぶっちゃけていえば、F22の嘉手納正式配備がなされる可能性がある。もっといえば、空自へF22をレンタルすることだってあるかもしれない。
とはいえ、今の鳩山政権の親中ぶりを見ると、F22のような最新兵器の軍事機密が漏洩することを警戒しているだろうから、その点について、日本側に釘を刺すことくらいはしているだろうと思われる。
事実、2月2日に、キャンベル米国務次官補が、時事通信とのインタビューで、日米同盟に求められる新たな役割は、と問われて、「サイバーセキュリティーや気候変動など、21世紀の課題で日米の対話を深める必要がある。」と答えているから、機密漏洩について、今後突っ込んだ話し合いがされるのだろう。
もちろん、これらについては、会談内容が明らかになってない以上、どこまでいっても推測の域を出ないことは言うまでもない。
さて、こうしたアメリカの要求は、正にアメリカの世界戦略の根幹に関わるものだから、この要求を突きつける相手は、文字通り、日本の最高権力者、実際に日本を動かすことのできる相手でないと意味がない。
その相手として、アメリカは小沢幹事長を選んだ。まぁ、傍から見ても、明らかに日本の最高権力者であることは間違いないから、アメリカがターゲット視するのは当然だといえる。
ただ、ここで、もしもアメリカが小沢幹事長の、なんらかのスキャンダル情報を握っていたとしたら、それとバーター取引することで、交渉をやり易くすることだって考えられる。実際にやったかどうかは別として、理屈の上では十分有り得るということ。
たとえば、こんな風に迫ってみたりとか。
「小沢幹事長。アメリカは約束を守る相手であれば、日本の政権与党は、連立でも民主党でも何でも構わない。ただし、米国債購入にあたっては、あの鳩山首相をちゃんとコントロールして欲しい。できなければ、コントロールできる相手を首相にして欲しい。約束できるなら、貴方のスキャンダルを流すことは控えよう。」
本当に、こんな内政干渉、若しくは脅しまがいのことができるのかどうか分からないし、させるべきでもないのだけれど、小沢・キャンベル会談の後、俄かに小沢幹事長不起訴の報道が流れたのも事実。
ただの偶然だ、と切って捨てるのは簡単だけど、それにしては、タイミングが良すぎる。


亀井静香金融・郵政改革相は3日、日本郵政グループのゆうちょ銀行の資金運用について、米国債や社債などに多様化していくべきだとの考え方を示した。郵政見直しではゆうちょの預け入れ限度額の引き上げも検討されており、亀井氏は資金の増加が見込まれるとして、運用先も広げるべきだとの立場だ。
亀井氏は記者団に対し郵政見直しについて「手足を縛られて営業をしているわけだから、現実にあった形にしていく」と発言。昨年12月末で約180兆円のゆうちょ銀行の貯金残高の増加が見込めるとした上で、米国債など日本国債以外の運用が「もう少し増えると思う」と述べた。
ゆうちょ銀行は昨年12月末で約180兆円を有価証券で運用しているが、9割近くは日本国債で米国債はほとんどなく、社債も約12兆円にとどまっている。
URL:http://www.asahi.com/business/update/0204/TKY201002030498.html

【ワシントン時事】小沢一郎民主党幹事長の不起訴に関し、懸案の米軍普天間飛行場移設問題のカギを握る最高実力者とみる同氏とようやく対話の取っ掛かりをつかんだ米政府は、くすぶる辞任論や鳩山内閣の支持率への影響など不確定要素が残っているとして、なお事態の推移を注視する構えだ。
オバマ政権の対日政策を統括するキャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は2日、小沢氏と東京で会談。同氏は日米関係について「極めて重要で、この関係は継続する」と語ったという。
米政府は、外交・安全保障政策に安定感を欠く鳩山政権が普天間問題に取り組むには小沢氏の指導力が不可欠と判断。一方で、最近10年ほど訪米していないとされる同氏の対米認識には強い不安があり、日本の政権交代前後から接触を求めてきた経緯がある。
日本と同盟深化の協議を開始したタイミングで小沢氏から関係強化に前向きな発言を引き出せたことは、米側にとり一歩前進だ。それだけに、移設問題の展開を左右しかねない同氏の今後や鳩山政権の行方には強い関心を寄せており、在京の米大使館などを通じ、情勢分析に一層力を入れていく方針だ。(2010/02/04-19:08)
URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010020400861

民主党の小沢一郎幹事長は2日、国会内でキャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)と約1時間にわたり会談した。会談は米側から求めた。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で、与党の実力者である小沢氏の意向を探り、打開策を見いだすために接触を求めたとみられる。
会談の冒頭、キャンベル氏は「日米同盟はアジアにおける米国の政策の核心となるものだ」とあいさつ。会談終了後、キャンベル氏は「日米関係について一般的な話をしただけだ」と語り、内容は双方とも明かさなかった。会談にはルース駐日米大使が同席した。【念佛明奈】
URL:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100203k0000m010039000c.html

キャンベル米国務次官補が2日、時事通信とのインタビューで語った要旨は以下の通り。
-普天間移設問題で、鳩山政権が現実的な代替案を提示した場合、米国はこれを真剣に検討する用意があるか。
両国政府がまとめた現行の移設計画が最善だ。日本側の新たな提案に耳を傾け、精査する用意はある。
-鳩山政権の新提案に妥協を許さない態度は取らないか。
われわれは話し合い、説明し、一緒に検討する立場を取らなければならない。現行計画が適切だが、対話は続けていく。
-沖縄県外の候補地も挙がっているが、抑止力維持のためには、移設先は沖縄県内でなければならないと考えるか。
報道されているさまざまな代替案には問題が多い。日本における米軍駐留継続は極めて重要だ。沖縄の負担も軽減したい。究極的目標は両国が支持できる案を見つけることだ。特定の案を表立って議論することは誤解を招き、問題を複雑にする。
-小沢一郎民主党幹事長とどういう話をしたのか。
小沢氏は日米関係が極めて重要であり、この関係は継続するとの見解を示した。小沢氏は戦略的な考えの持ち主であり、日米の協力関係の必要性について率直な評価も示した。われわれは大きな戦略的な問題を協議した。
-日米同盟に求められる新たな役割は。
サイバーセキュリティーや気候変動など、21世紀の課題で日米の対話を深める必要がある。
-台湾への武器売却を決めたが。
われわれには台湾への防衛能力提供の法的義務がある。中国は不満かもしれないが、台湾海峡の平和と安定維持に重要な要素だ。中国とかかわっていく上で、台湾指導部に信頼感を与え、アジア地域の他の国々に対して米国の信頼性を示すものだ。(2010/02/02-22:06)
URL:http://www.jiji.com/jc/zc?k=201002/2010020200995
この記事へのコメント
日比野
民主党も小沢氏が権力を握っている間は纏まっていることはできるかもしれませんが、その力が弱まれば途端に分離してゆく可能性が高いと思います。個々の議員が自分の考えを全面に出すようになったら収集つかないと思います。
ただ、アメリカはここまで民主党が酷いとは見てなかったように感じています。(感想にしかすぎませんが)
今のアメリカは日本に対して、非常に醒めた目で見ているような気がしてなりません。
今後ともよろしくお願いいたします。
almanos
もっとも、小沢氏が権力を握っている状態は彼が思っているよりも短い期間しかないかもしれませんが。参院選でみんなの党に議席取られて、一気に不満が吹き出て民主党政権崩壊とかね。小沢氏も権勢で隠していたものが明るみに出て終わりとかあるかもしれませんし。
民主党政権ってもしかしたらGHQ時代に日本を無害化するために左巻きを蔓延らせてできた問題を一掃するために(朝鮮戦争が起きて方針変更したけど既に遅すぎた
)、左巻きな連中に生理的な拒否感を日本国民に抱かせる為のアメリカの謀