アメリカの戦略がモンローシフトをしつつ、アジア市場を捨てないのであれば、現時点では、日本との関係を強化することが望ましい。自国から海外企業を叩き出したはいいけれど、逆にアジア市場から叩き出される可能性だってあるから。
今のアメリカは、自らの世界戦略の変更によって、日本を、たとえかりそめであったとしても、親米政権にもってゆくことを志向している筈。たとえ、なにかで妥協したとしても、中国の態度が変わるまでは、日本を自分の傍につけておきたい。
アメリカは、台湾武器売却やダライラマ睨下との会談など、中国にあからさまに圧力をかけている。中国はそれに対して強く反発し報復措置を取るなんて息巻いている。
具体的には、米中間軍事交流を停止するほか、武器輸出に関わる米国企業のみではなく、ボーイングなどの企業まで制裁措置を取る方向で検討しているようだ。
中国国内では、更なる強硬意見もみられ、中には「米国債を売れ」などと追加措置を求める意見が相次いでいるそうなのだけれど、アメリカはそれこそを待っているように思える。
というのは、中国にあまりに米国債を持たれると、それを売ってドル覇権を崩してやるぞ、と脅しに使われることで、外交的自由度を制約されてしまう懸念がある。従って、アメリカは、中国に米国債を持たせないように仕向けている、と見る。
つまり、アメリカは中国を挑発することで、中国に米国債を「売らせて」、それを他の国に買わせることで、中国のアメリカに対する影響力を削ごうとしているのではないか、という作戦ではないかと思う。
では、その中国が怒り狂って米国債を「売りまくった」時に、それを「買いまくって」くれる有難い国があるのかなんて聞くだけ野暮。そんなの日本に決まってる。
まぁ、FRBが中国が売り出す米国債を丸ごと買い取ることができる、という意見もあるけれど、そんな荒業を使うよりは、なるべく自分では買わずに、負担を減らすことができれば、願ったり叶ったり。
しかも、米国債を買ってくれる同盟国があること自体が、双方の強固な関係をアピールすることにもなるし、地政学的に見ても、中国の隣国である日本がアメリカとがっちり結びついている事実を見せつけるだけでも、十分圧力になる。
やはり、アメリカは中国に米国債を「売らせて」、売らせた分を日本に「買わせる」ことで、日本との関係強化を狙っているのだろうと思う。だから、中国が米国債を売るのは、アメリカの思う壷。
ただし、この戦略というか、計略を確実なものとするためには、日本がアメリカと交わした取り決めなんかを、忠実に実行してくれる政権でなければならないという条件がある。
狙いどおりに中国が米国債を売ったとしても、日本がそれを買わなければ、FRBが全部買い取るしかなくなるし、あまりそんなことばかりやると、アメリカの信用が無くなってドル覇権に影響が出てくるから、なるべくしたくない。
しかも、このミッションは、中国が米国債を売るタイミングと連動して、ドル覇権が崩壊しないように、阿吽の呼吸で行う必要がある。
つまり、アメリカからしたら、即断即決で判断ができて、閣僚を含め、官僚を手足のように使い、かつ国民をも納得させられる強いリーダーシップを持った総理を日本に期待している。だけどこれは、今の友愛首相には何一つ期待出来ないシロモノ。
今のアメリカから見れば、今の日本には、強力なリーダーシップを発揮できる総理こそがいて欲しいのであって、連立政権のような不安定なものは望んでない。だから、たとえ、独裁者であっても、約束を守る総理のほうがマシだ、と考えているように思えてならない。これは、良し悪しの次元ではなくて、冷徹に国益を考えたときに十分有り得る話。


【大紀元日本2月1日】米政府は1月29日、台湾へ64億ドル(約5800億円)相当の武器輸出方針を、米議会に正式に通告した。これに対して中国側は、サイプラス島を訪問中の外相が直々に新華社を通してコメントするなどを含めて、3日連続で強い反発を示している。米中間軍事交流を停止するほか、武器輸出に関わる米国企業のみではなく、ボーイングなどの企業まで制裁措置を取る方向を中国側が示している。
今回の発表は、オバマ政権が中国と台湾に対する現在の外交方針を維持することを示すもので、「この行動は台湾海峡の安全と安定の維持に貢献する」と米国務省スポークスマンは伝えている。
輸出される武器には、シコルスキー・エアクラフト社による多用途のヘリコプターUH-60ブラックホーク、ロッキード・マーティン社とレイセオン社の共同による地対空誘導弾「パトリオット」(PAC3)、ボーイング社製造の対艦ミサイル「ハプーン」などが含まれる。また、ユナイテッド・テクノロジー社のユニットもあるという。事実上の武器の内容は、2001年にブッシュ前大統領が承認した一括提案の後半部分にあたる。
一方、台湾は中国の領土の一部という見解のもとで、中国は米国による台湾への武器輸出に強く反発している。その強烈さや重大さは「中国近年の外交行動に置いて非常にまれである」と中国メディアが伝えている。
30日、中国外交部は、サイプラスの訪問先からの楊潔?(ヤン・ジエチ)外相の声名を発表。「中国の国家安全と台湾統一の任務を破損するもの」であり、米国は「中国の真の権益と主要な懸念を尊重し、台湾に武器を売却するという誤った決定を即座に撤回すべきである。米中関係の広域にわたる破損を避けるために、売却は停止すべきだ」と表明。
同日、中国外交部を含めて、防衛部や、国台弁、全国人民大会外事委員会なども相次いで強い非難の態度を表明した。
中国防衛部は、今回の発表に対して、米中間軍事交流の停止や、副大臣レベルでの安全・武力抑制・核拡散防止に関する討議の延期、武器輸出に関わる米国企業への制裁など4つの処置を取ると表明している。企業名を公表することのない、不特定の制裁表明であり、売却撤回がなければ、米国企業との連絡の規模も縮小するという。
中国防衛大学戦略研究所所長、海軍将軍の楊毅氏は30日にメディアに対して、制裁は米国の武器企業に止まらず、ボーイング社などの一般企業にも取るべきと発言している。米国経済低迷のこの時期、米企業界全般に対して打撃を与え、その損失は台湾武器売却からの利益を超えていると米国民に気付かせる、と楊氏は話す。また、今回の制裁に続き、中国は米国の反応を見て、第2や第3回の行動を計画中だという。
ボーイング社は米国最大の輸出企業で、中国とは民間航空機の売却などでかなりの事業関係がある。また、ユナイテッド・テクノロジー社にとっても中国市場は重要で、Carrierブランドの暖房・空調機器、Otisエレベーター、エスカレータ?などを中国に売却している。
中国の強い反発に、米国メディアが「近年もっとも強烈な反応」と指摘。ワシントンポスト紙は、中国が自分の実力に自信がある証しであるほか、昨年末からこれまでと違った方向を示してきたオバマ政権の対中政策のボトムラインを探っているものと分析している。
(編集・鶴田) (10/02/01 09:02)
URL:http://www.epochtimes.jp/jp/2010/02/html/d23614.html?ref=rss

チベット亡命政府を事実上率いるチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世の特使と対話を行った中国共産党統一戦線工作部の朱維群副部長が2日、記者会見し、オバマ米大統領がダライ・ラマと会談することは「中米関係の政治的基礎を深刻に損なう」と強く警告、もし会談すれば「(中国は)相応の措置を取る」と述べ、報復の可能性を示唆した。
ダライ・ラマは2月中旬にも訪米し、米大統領と会談するとみられている。
副部長は「国際経済危機への対応」という重要な時期に米中関係を損なうことは両国に利益がないと指摘した。また米国は「チベットは中国の一部」と認めているのにダライ・ラマと会談することは「国際ルールに反する」と述べた。
副部長は1日までに終了した対話について「(双方の立場は)鋭く対立した」と認めた。(共同)
URL:http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/353000/

【北京=佐藤賢、ワシントン=弟子丸幸子】米政府の台湾への武器売却計画は、中国が軍事交流の一時停止などを決定し、ネット規制や通商問題でぎくしゃくしていた米中関係の先行きに一段と不透明感を強めた。中国外務省は30日の談話で「重要な国際・地域問題での協力にも影響が避けられない」と指摘。米中政府はともに良好な関係の維持を基本方針にしているが、亀裂が深まれば国際情勢にも影を落としかねない。
中国外務省が武器売却に「強烈な憤慨」を表明した談話を発表したのは30日午前3時(日本時間同4時)。事前通告があったとはいえ、未明に談話を出すのは異例だ。午後には国防省のほか全国人民代表大会(国会に相当)外事委員会や国務院台湾事務弁公室も非難談話を発表。複数の機関の相次ぐ反発からは、胡錦濤指導部が対米批判を明確にするよう指示を出した形跡がうかがえる。 (07:00)
URL:http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100131ATGM3002Y30012010.html

【北京=佐藤賢】中国外務省は31日、米政府による台湾への武器売却の正式決定について「誤った決定を直ちに撤回して売却を停止し、中米関係の大局損壊を避けるべきだ」とする楊潔チ外相の談話を発表した。30日には外務省や国防省など関係省庁が非難談話を出したが、次官や報道官のレベルにとどめており、閣僚による非難談話は初めて。強い抗議の意思を国内外に改めて示す狙いがあるとみられる。
楊外相は地中海の島国キプロスを訪問中。談話は「粗暴な内政干渉で、中国の国家統一に損害を与える。断固反対を表明する」と強調。28日にロンドンでクリントン米国務長官と会談した際にも武器売却停止を促していたことを明らかにした。
中国外務省は30日、報復措置として武器売却に関連する米企業への制裁や、近く予定していた安全保障分野の次官級対話の延期を発表。ただ、中国のインターネット上には「米国債を売れ」などと追加措置を求める意見が相次いでいる。外相の非難談話を出した背景には、こうした国内の強硬意見の高まりもあるもようだ。(31日 22:44)
URL:http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20100201ATGM3100U31012010.html
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