支持率から推測される民主党の実力
内閣支持率の下落が止まらない。産経新聞社とFNNが3月20~21日に行った合同世論調査では、とうとう30.5%になってしまった。
鳩山内閣発足当初の支持率73.6%から僅か半年で30.5%。政党支持率も民主党は25.4%に落ち、自民党の支持率は18.8%とほぼ横ばい。これは3月5日~8日に時事通信が行った支持率30.9%とほぼ同じ水準。
これ以上民主党の支持が落ちるのか、それとも此処が底なのか。
これまで高かった民主党の支持率が、基本的な支持層に、元々積極的な支持層ではなかったけれど、自民党にお灸を据えようとした層との合算の上に成立していたものだったとしたら、当面の底は、そのお灸層が全部離れて、元々の民主党の支持層だけになった地点だと仮定しても差し支えないように思われる。
そこで、2004年9月から2006年10月までの自民・民主の支持率を見てみると、社団法人中央調査社のリサーチ結果によると、次のようになっている。
この調査は、第20回参議院選挙終了後、選挙時の一時的支持率浮揚効果が収まり選挙前の水準に戻った2004年9月を始点とし、牛肉輸入再停止やライブドアの堀江貴文社長逮捕に起因すると思われる内閣支持率の低下が現れた本年2月までの時事世論調査の結果なのだけれど、これを見ると、自民党の支持率は04~06年通じて大体20%程度、民主党は約10%程度だったことが分かる。
次に、昨年から今年までの政党支持率を見ると次のようになっている。
過去1年の支持率でも、自民党は19%程度で横ばいのまま。民主党はといえば2009年8月で30%だったのが、鳩山内閣発足で44.5%になり、今は25.4%に下がっている。
これら二つの調査を並べてみると、少なくとも自民党は5年前も今も20%足らずの支持率で、ずっと安定しているのに対して、民主党は5年前10%しかなかったのが、去年40%になって、今25%と、かなり上下に変動している。つまり、無党派とか浮動票による底上げ、いわゆるバブルな政党支持率が見えていた可能性がある。
昨今は、自民党の支持母体がどんどん民主党に鞍替えしているなんて報道もあるけれど、これらを見る限り自民党の支持母体はそれほど減っていない。特にこの、今もって18~20%ある支持層は、これほどネガティブなマスコミ報道に晒されながらもびくともしない、かなり強固な鉄板支持層だと言えるのではないか。
それに引き換え、民主党のコアの支持層が、最高時の44%は例外だとしても、今の水準である25%さえもあるのかどうか少し疑わしい。10%しかなかったコアの支持層が僅か5年で2.5倍にもなるのは、ちょっと考えにくいから。
もしもそんなことが出来るのであれば、剛腕殿があんなに焦って自民支持母体を民主党に引き剥がそうとする理由がない。
今は少なくとも、民主党からどんどん支持者が抜けていっていることは確か。だけどその中心はやはりお灸層であり、今のままでは彼らが全部抜け切るまでは、民主党の支持率は底に当たらないように思われる。
その底が10%よりどれだけ上であるかで、民主党の党としての実力が分かるのだろうと思う。
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鳩山内閣支持率30%に急落 危険水域に接近 配信元:2010/03/22 12:48更新
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が20、21両日に実施した合同世論調査で、鳩山内閣の支持率は前回調査(2月6、7両日)より12.3%ポイント減少し、30.5%に急落した。内閣支持率は3割を切ると、政権運営がきわめて不安定となる「危険水域」とされており、鳩山由紀夫首相は正念場を迎えたと言えそうだ。
不支持率は7.8%ポイント増の53.9%。鳩山政権の支持率3割台と不支持率5割台はいずれも初めて。
鳩山政権の評価では、首相の人柄を「評価しない」(46.3%)が、「評価する」(46.0%)を初めて上回った。首相の指導力や米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題、「政治とカネ」問題への対応は、いずれも「評価しない」が7~8割を占め、政権への評価を下げた。16日で半年を迎えた鳩山政権の実績への評価も「評価する」は25.5%で、「評価しない」の57.5%を下回った。
民主党の「政治とカネ」問題に絡み、民主党執行部を批判した生方幸夫副幹事長の解任については「評価しない」が72.3%と、「評価する」(15.0%)を大きく上回った。資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件を受け、小沢一郎氏は幹事長を辞任すべきだとの回答は74.3%と、前回に引き続き7割を超えた。
政治資金規正法違反の罪で起訴された石川知裕(ともひろ)衆院議員や、北海道教職員組合(北教組)の不正献金事件で関係者が逮捕された小林千代美衆院議員に対しては、議員辞職すべきだとの回答が6~7割に達した。小沢氏に「国会での説明や質疑に応じるべきだ」も89.5%を占め、夏の参院選への影響では、92.6%が「影響する」と回答した。
政党支持率では、民主党は前回調査より7.5ポイント減の25.4%、自民党は18.8%とほぼ横ばいだった。この他、みんなの党は3ポイント増の6.9%、支持政党なしが4.8ポイント増の37.1%を占め、自民党が民主党批判層の受け皿にならず、みんなの党や支持政党なしに移行していることをうかがわせている。
URL:http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/371455/
◎内閣支持率、続落30.9%=参院選投票先、民・自並ぶ-時事世論調査
※記事などの内容は2010年3月12日掲載時のものです
時事通信社が5~8日に実施した3月の世論調査によると、鳩山内閣の支持率は30.9%となり、前月から4.8ポイント下がった。不支持率は同3.8ポイント増の48.5%。参院選比例代表の投票先でも、民主党は2.9ポイント減の21.1%で、自民の20.5%(同2.5ポイント増)との差が一段と縮まった。 内閣支持率が政権運営の「危険水域」とされる20%台目前となったのは、鳩山由紀夫首相と小沢一郎民主党幹事長の「政治とカネ」の問題に続き、小林千代美同党衆院議員をめぐる違法献金事件が表面化し、鳩山政権への批判が高まったことなどが背景にあるとみられる。
調査は、全国の成人男女2000人を対象に個別面接方式で実施。回収率は66.3%だった。
内閣を支持する理由(複数回答)は、「他に適当な人がいない」11.3%が最も多く、「政策が良い」6.9%、「首相を信頼する」6.4%が続いた。不支持の理由は、「リーダーシップがない」26.5%、「期待が持てない」25.9%、「首相を信頼できない」17.2%が上位を占めた。
「支持政党なし」とした無党派層をみると、内閣支持率は21.9%で、前月から6.2ポイントも減少。不支持は4.1ポイント増の50.0%に達した。
参院比例の投票先では、民主と自民の差は前回の6.0ポイントから0.6ポイントに縮小した。公明は5.1%で横ばい。みんなの党は3.2%で、共産2.4%、社民党1.7%を抜いた。
小沢氏の進退については、「幹事長を辞めるべきだ」が48.5%(同48.4%)。「衆院議員も辞めるべきだ」は31.3%(同24.1%)に増え、合わせると8割が幹事長辞任を求めた。
URL:http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_pol_cabinet-support-cgraph
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