小沢王国崩壊
地方選挙で民主党系が敗れる日が続いている。先日行われた市長選では、とうとう剛腕殿の地元である岩手県久慈市でも破れる事態となった。
大接戦だったとはいえ、民主候補は県連の総力をあげての支援を受け、達増拓也知事の応援を受けたのに敗れてしまった。注目すべきはその投票率で、70.6%もある。
もともと、久慈市は投票率が高く平成11、15年の旧久慈市長選挙の投票率はそれぞれ85%を超えていて、民意がかなり示される土地柄だと言っていい。だから、久慈市にとっては、70.6%もの投票率は実は低い部類に当たる。
それに対して都市部の投票率はというと、やはり全然高くない。一例として、東北最大の都市仙台市の投票率をみると、平成21年の仙台市長選の投票率は44.81%しかない。如何に久慈市の投票率が高いかよくわかる。
しかも久慈市の人口構成は、45歳から70歳くらいまでが主流を占めていて、特に70歳以上の高齢者人口における女性の割合が多く、いわゆるネットをあまり使わない世代が中心となっている。
したがって、投票における判断基準となる情報は、もっぱら新聞・テレビや、地元の後援会を主体とした戸別訪問に負うところが大きいと思われる。
つまり、言い方は悪いかもしれないけれど、久慈市というのは、新聞やテレビ、個別訪問を主たる情報源と推定される有権者が大半を占める、ドブ板選挙がものをいう土地柄。それでいて投票率が高い上に、剛腕殿の地元だという、まるで民主王国を絵に描いたような選挙区。
しかも今回は、県連の総力をあげて市長選に臨んだというから、負ける要素は何処にもないはずだった。しかし結果は御覧のとおり。
いくら地方といえども、この結果は軽く考えられるものじゃない。もはや「政治と金」にまつわる不信感は地方にも広く浸透して、抜きがたいものになっている可能性が極めて高いと見ていい。
剛腕殿への風当たりも一層強くなるだろう。
昨日のエントリーでも触れた「民公接近」についても、半ば負けたときのための下準備だと考えられなくもない。自民党にもどんどん手を突っ込んで一本釣りをかけてくることだって十分ありうる。
水面下で激しい駆け引きと闘いが行われている。
もしかしたら、夏の参院選の山場は今なのかもしれない。
←人気ブログランキングへ
「小沢王国」で民主系敗れる 岩手・久慈市長選 2010.3.15 08:23
岩手県久慈市長選は14日投開票が行われ、現職の山内隆文氏(58)が、元県職員、遠藤譲一氏(56)ら2人を破り再選を果たした。投票率は70・61%。
敗れた新人の遠藤氏は、民主、社民両党の県組織の推薦を受け、特に民主は県連の総力をあげて支援。党籍を持つ達増拓也知事も選挙期間中、2回応援に入ったが、「政治とカネ」をめぐる民主党への不信や鳩山内閣の支持率低下などが響き、“小沢王国”といわれる岩手で、民主党の支援が実らなかった。
◇
開票終了
当 山内 隆文 無現 10562
遠藤 譲一 無新 10509【民】【社】
宮古 邦彦 無新 582
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/election/100315/elc1003150826002-n1.htm
この記事へのコメント