今年10月1日から施行されるたばこ税増税による影響についての財務省が纏めた試算が発表された。
それによると、2010年度の販売数量は今年度比15.9%減の1950億本となり、増税の影響を通年度ベースで反映させると1710億本で現状より2割以上落ち込むらしい。国と地方合わせた税収も09年度当初予算に比べ1000億円余り減少するとされている。
10月からのたばこ税の増税は、1本当たり3.5円で一箱20本換算で約70円。
フィリップモリスジャパン(PMJ)とブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BATJ)の外国たばこ2社は財務省に全銘柄の値上げを申請しており、値上げ幅は1箱(20本入り)当たり20円で、PMJの「マールボロ」は340円、BATJの「ケント」は320円になる。尤も、値上げ自身は、たばこ税の引き上げとは別で、たばこの販売減による収益減少を補うことが目的としている。
また、日本たばこ産業(JT)の木村宏社長は、たばこ税が引き上げられた場合、増税分以上の値上げをする方針を示しているから、銘柄によっては、400円近くに値上がりするものもあることになる。
財務省の資料によると、増税前の税金分は174.88円(税率58.3%)で増税後の税金分は244.88円(税率61.2%)となっている。
たばこ全体の売上本数はといえば、日本たばこ協会の発表資料によれば、平成20年度の累計で2458億本、平成21年度の累計はまだ出ていないのだけれど、第3四半期累計で1808億本と前年度同時期の1902億本と比較して約4.9%減。したがって、平成21年度も同程度の5%減だと仮定すれば、通年では約2335億本程度の売上本数になると思われる。
また、1990年からの販売実績をみても1999年から毎年売り上げの減少が続いているもののその減少幅は概ね2~5%程度であるから、財務省の試算結果の今年度比15.9%減が如何に凄いものか分かる。
※平成21年度の売上本数を平成20年度の5%減の2335億本とすると、その15.9%減は約1964億本となり、財務省試算の1950億本とほぼ一致する。
以前、「煙草1箱千円とラッファー曲線 」で触れたのだけれど、増税したにも関わらず税収が減るのであれば、このラッファー曲線の理論が、見事に証明されることになる。
ここで、増税前のたばこの売上本数をN(本)、増税後の売上本数を15.9%減の0.841N本[=(1-0.159)A]として、それぞれの税収を計算してみると次のようになる。
増税前税収=(174.88円×0.05)×N =8.744N単純計算では、販売本数が今年度比15.9%減程度だと税収は逆に「上がって」しまう計算になる。もし税収が増税前と比較して減るのであれば、売上本数は0.714N以下、即ち前年度比で28.6%以上は減らないといけなくなる。
増税後税収=(244.88円×0.05)×(0.841×N)=10.297N
※1箱20本入として計算
そこで、売上本数が前年度比で28.6%減った(=0.714N本)と仮定すると、売上本数は
0.714×2335億本=1667.19億本となる。
これは、財務省が言う所の「増税の影響を通年度ベースで反映させると1710億本」と比較的近く、これ以上に売上本数が減るのであれば、税収減になる、というのも分からなくはない。
だけど、この計算が成り立つためには、「増税の影響を通年度ベースで反映させた1710億本」なるものが、2010年度の売上本数とイコールでならなければならない。
何故、「2010年度の販売数量は今年度比15.9%減の1950億本」と「増税の影響を通年度ベースで反映させると1710億本」の2つの数字を出さなければならないのか。素直に「2010年度の販売数量は1710億本」と発表すればいい。
ちょっと定義が曖昧で、誤解を招きかねない。識者の見解を待ちたい。
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たばこ販売、最大の落ち込みに=増税も1000億円減収-財務省
10月1日からのたばこ増税による販売数量や税収への影響について、財務省がまとめた試算が5日明らかになった。規制強化や健康志向の高まりによる消費の自然減に加え、1本当たり3.5円の増税で禁煙、節煙の流れが加速、2010年度の販売数量は今年度比15.9%減の1950億本となる見込み。増税の影響を通年度ベースで反映させると1710億本にとどまり、現状より2割以上落ち込む計算だ。
同省によると、落ち込み幅は把握している1965年度以降で最大。国と地方合わせた税収も09年度当初予算に比べ1000億円余り減少し、1兆9734億円を見込んでいる。(2010/03/05-21:02)
URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2010030500974
外国たばこ、20円値上げ申請=2社が全銘柄一斉に
国内たばこ販売2位のフィリップモリスジャパン(PMJ)と同3位のブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BATJ)の外国たばこ2社が、財務省に全銘柄の値上げを申請したことが2日、分かった。販売減に伴う収益落ち込みを補うのが狙い。値上げ幅は1箱(20本入り)当たり20円で、認可されれば6月1日から実施する。全銘柄の値上げは両社ともに4年ぶり。
銘柄数はPMJが73で、BATJは50。認可が下りればPMJの「マールボロ」は340円、BATJの「ケント」は320円になる。
なお、10月には1箱当たり70円のたばこ増税が行われる予定。(2010/03/02-12:06)
URL:http://www.jiji.com/jc/zc?k=201003/2010030200390
<たばこ>「ラーク」などの値上げを認可…財務省 3月4日20時10分配信 毎日新聞
財務省は4日、国内たばこ販売2位のフィリップ・モリス・ジャパンが申請していた、6月1日からのたばこの値上げを認可した。代表的な銘柄「ラーク」が1箱(20本入り)300円から320円になるなど、全銘柄73種類で1箱20円の値上げとなる。「ケント」などを販売している国内3位のブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンも、全銘柄50種を1箱あたり20円値上げする申請を行っている。首位のJTは申請していない。
今回の値上げは、政府が10月から予定しているたばこ税の引き上げとは別で、たばこの販売減による収益減少を補うことが目的としている。
URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100304-00000096-mai-bus_all
たばこ、増税分以上に値上げの方針 JT社長2009年12月4日20時18分
日本たばこ産業(JT)の木村宏社長は4日、記者団に対し「増税の幅以上に価格政策は検討しなければならない」と述べ、たばこ税が引き上げられた場合、増税分以上の値上げをする方針を示した。たばこの消費量の落ち込みは避けられないとみて、価格転嫁で補う考えだ。
健康志向の高まりなどを背景に、国内のたばこ市場は年5%弱の縮小が続いている。木村社長は「2600万人の愛煙家を考えれば、いかなる増税にも反対する。これまで1本1円以上の増税は経験がなく、決して小幅な増税ではない。健康を旗印に、乱暴な議論になっている」と、政府税制調査会の増税方針を批判した。
URL:http://www.asahi.com/business/update/1204/TKY200912040382.html
この記事へのコメント
パンツ脱いで土下座!海老蔵、その姿を携帯で撮られて
暴行事件の騒動で今話題になってる市川海老蔵さん。
市川海老蔵さんは全治2カ月の重傷を負って土下座させられたらしいですが、都心の繁華街の出来事とあってネットでもその時の映像が流失してるみたいですね。
http://ebiebin.blog109.fc2.com/blog-entry-2.html
気になって探してみたら、ちょうど市川海老蔵さんが暴行を受けて土下座してる映像がサイトにアップされているのを発見しました。
http://ebiebin.blog109.fc2.com/blog-entry-2.html