2010参院選について検討する その2

 
昨日のエントリーでは、今度の参院選では、民主は改選+7議席で単独過半数になるのに対して、野党がそれを阻止しようとしたら、自民・公明・共産合わせて改選+14議席を取らなければいけないと述べた。

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ぱっと見では、3党あわせて14議席なら簡単じゃないか、と思えなくもないのだけれど、事はそう簡単な話じゃない。なぜなら、実際の選挙において、どれだけ積極的な選挙活動ができるのか、ぶっちゃけた話、どれだけの人と金を投入できるのか、という問題があるから。

そこで、各党の党収入と党員数について比較してみる。

まず、資金力について見てみたい。これは政党助成金を基準に見積もることとする。wikipediaに08年度ではあるけれど、各政党の総収入における政党助成金の割合と政党助成金のデータがある。

2010年の助成金の額は既に出ているから、この額を、総収入における助成金の割合で割ってやれば、総収入は大体見積もれる。

2010年の総収入における助成金の割合を08年と同じだと仮定して、各党の総収入を見積もり、それぞれの党員数と議員数を列挙すると以下のとおり。

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※みんなの党と改革クラブの割合は不明なので、便宜上1とした。
※共産党は政党助成金の受け取りを拒否しているので「なし」とした。
 共産党の党収入は共産党HPの08年収支報告を使用http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-10-01/2009100104_03_1.html
党員数はhttp://www.gender.go.jp/research/sankakujokyo/2008/pdf/1-1-e.pdfを参照した
国民新党の党員数は、http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20060310/1141968760を参照した


党収入では、共産、民主、自民の3強に公明が続いている状態で、それ以外は1桁少なくなるから、全然相手にならない。

党員数では、自民の100万を筆頭に、公明、共産、民主が数十万人の規模があるくらいで、その他は弱小。やはりこの辺りは党としての歴史が利いているのだろう。

こうしてみると、資金力・人員数から政党を比較すると、自民・民主・公明・共産の4強とその他政党という構図であり、そこに現職の議員数を加味することで、自民・民主の2大政党制になっていると言える。

ここで注意すべきは、資金力と党員数では自民・民主にそれほど劣る訳でもない、公明と共産が、議員数では全然それに及ばないということ。

資金力と党員数と獲得議席が必ずしも比例していない。まぁ、総収入のうちどれだけ選挙に使われるのか分からないけれど、今までの実績を考えると、公明、共産が改選議席以上の議席を大幅に獲得するというのはあまり期待できない。

したがって、民主の単独過半数を阻止するために必要となる、自民・公明・共産合わせて改選+14議席というのは、ほとんど自民党単独で獲得しないと成り立たない。

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そして更に、参院選後に、公明が民主と連立を組むと見越すのであれば、更にその分、即ち11議席程度は上乗せして取っておく必要がある。

尤も、自民が改選議員数以上を議席を何議席か取ったとするなら、今度は、ほぼ、その分だけ民主党の議席が減っていくことになるだろうから、実際に上積み目標とすべき議席数は14議席のほぼ半分程度だとみることはできる。

総合すると、民主党連立政権に参院過半数を取らせない安全圏に入るための条件は「自民党だけで、改選議席44+(14/2)+11=62議席を獲得する」ということになる。

これは改選議席121の半分以上で、18議席の上積み。簡単な数じゃないし、自民の大勝利と成らなければ殆ど実現できないくらい厳しい目標。

実際ここまで取るのは無理だとしても、最低7議席は野党3党で上積みする必要があるし、その殆どが自民が背負わなくちゃならない。仮に7議席全部を自民が負担するとしたら、改選44議席+7議席の計51議席くらいが最低ラインか。

 自民党の谷川秀善参院幹事長が3月17日に、夏の参院選で最低でも55議席を目指す考えをコメントしているから、大体合致している。やはりこの辺りが現実的なラインなのだろう。

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画像参院選目標は最低55議席 自民・谷川参院幹事長  配信元:2010/03/17 15:15更新

 自民党の谷川秀善参院幹事長は17日、TBSテレビの報道番組で夏の参院選の勝敗ラインに関し、改選議席121のうち最低でも55議席を目指す考えを表明した。

 谷川氏は非改選35議席を含めた党全体の勢力を「90議席か100議席にしたい。そこまでいければ大成功だ」と述べた。

 また公明党との選挙協力について「公明党の態度は(民主党に接近する方向で)はっきりしかかっているんだから、自民党もはっきりした方がいい」と、期待すべきではないとの考えを示した。

URL:http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/369801/

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