昨日のエントリーでは、みんなの党が台風の目になるかもしれないと言ったけれど、今回の参院選の状況を少し検討してみたい。
まず、参議院の現職議員数は以下のとおり
今回の改選議員でみると与党3党で56、自民・公明・共産の3党合わせて59でほぼ拮抗しているけれど、2013年改選では、与党3党で66あるのに対して、自民・公明・共産は3党合わせても、49しかなく、17議席も差がある。
また、民主と自民のそれぞれの議席を単独で比較すると、今回の改選議員数では民主53:自民44、2013年の改選議員数では民主62:自民36と大きく水をあけられている。
2013年改選の議員数は今回の選挙には関係ないから、選挙戦は、言わば2013年改選議員数分の下駄を履いた状態でのスタートになる。だから、今回の参院選で民主党の単独過半数を阻止しようとしたら、野党は大きく勝ち越さなくちゃならない。
民主党は今度の参院選でたった7議席上積みすれば単独過半数を超えるのに対して、自民・公明・共産の3党は合わせて14議席も上積みしなくちゃならない。
野党の立場からみれば、民主党の倍勝って、ようやくイーブン。これに他の小政党や無所属議員を何名か民主党に鞍替えさせる工作をしてくる可能性を考えると、これくらいじゃ全然安心できない。
逆に民主党からみれば、今の逆風を凌いで、改選+7議席を目指すだけ。駄目なら駄目で、また連立を組めばいい。
現民主党政権は、正直、連立を組んでいる社民や国民新党にいろいろと振り回されてしまってる。できれば、煩いのは連立から追い出して、少し纏まった議席を持つ政党と連立を組んだほうがやり易い。
となると、議席をとりそうな政党に触手を伸ばしてくるに決まってる。
仮に、10議席くらい持ってる政党が文句言わずに連立を組んでくれるなら、その政党とだけ連立を組めばいい。社民や国民新党なんてもう用無しになる。
たとえば、公明党なんかは改選11議席ある。公明党がその11議席を取って戻ってくるなら、連立相手としては申し分ない。少なくとも社民よりは言うことを聞くだろう、と考えても不思議じゃない。それに、公明党自身も連立には満更でもない様子。十分脈はある。剛腕殿が手筈を整えている。
あとは、不確定要素があるとするならば、やはり、みんなの党。これが、どの選挙区に候補者を擁立してくるか、どこの票を削り取ってしまうのか。どの党を選挙協力をするのかしないのか。そして、どれだけ当選させてくるのか。そうしたことが警戒要素として浮上してくるだろう。
こうしてみると、民主党の眼中におそらく自民党はない。多少は票を落とすかもしれないけれど、自民党に大敗さえしなければ、なんとかなると見ていると思う。
自民党に大勝させさえしなければ、あとは、細かいミニ政党を手当たり次第抱き込んで連立を組めばいい。結果として参院過半数を押さえれば勝ち。選挙が終わっても勝負がついた訳じゃない。そんな読みがあるようにも思える。

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