「県民の理解を得られる状況にない。地元や県議会と足並みを揃えて反対していきたい」伊藤裕一郎鹿児島県知事
普天間移設問題で、徳之島のヘリ部隊を先行移転するという案を政府が仲井真弘多沖縄県知事に伝えていたことが明らかになった。
仲井真知事によると、4月1日に東京で平野官房長官と会談した際、普天間の移設先として、キャンプ・シュワブ陸上部への代替施設建設と徳之島へのヘリ部隊移転を先行実施して、その後、ホワイトビーチ沖を埋め立てて本格的な滑走路などを建設するという案を伝えられたという。
本命はホワイトビーチ沖で、建設完了までの間、キャンプ・シュワブ陸上部と徳之島を代替施設にするらしい。
先の党首討論が3月31日だったから、どうやら、友愛殿が明かす訳にはいかないと言い、みなさん既に動いていると記者団に答えた腹案なるものは、このことだったようだ。
当然のことながら、移転される側の徳之島では反対集会が行われ、知事、県議会、町長揃って反対姿勢を示している。
また、米軍にしてもオスプレイの配備を考えると、離発着に最低限必要な滑走路の長さ(約1600m)と駐機スペースが必要なはずで、しかも民間空港との共用使用ともなれば、今ある徳之島空港の全長2000m滑走路では足りないだろう。
政府は徳之島の滑走路状況などに関するデータや資料を、アメリカ政府側に渡していたようなのだけれど、仮にアメリカがそれを検討したとして、了解する保証もない。
j-cast.comの報道によれば、アメリカは3000メートル級滑走路を要求しているようだから、少なくとも滑走路の延長は必要になるだろう。今度の案でも徳之島空港の滑走路を延長する、としている。
したがって、普天間のヘリ部隊専用の新たな滑走路を作るか、滑走路の延長が出来なければ、徳之島という選択はない。それ以前に、滑走路を延長とて、地元の同意を得ないとどうにもならない。
徳之島が鹿児島県だから一応沖縄県外に移転したことになるというだけで選んだのではないのか。
肝心の移転される側を一切無視してこうしたことを進めようとしても上手く行くはずもない。
沖縄も米軍も満足すると啖呵を切った、この腹案なるものは、結果的にどちらにも不満を抱かせる結果に終わるように見えて仕方がない。
これまで何度も繰り返してきたけれど、解は現行案か普天間継続の2択しかなったということ。最低でも県外移転だとウソをついて県民感情を拗らせた今、現行案でも難しいだろう。結局普天間はそのままということになる。
害悪しか残さない政権も、いつかは責任を問われる日がくる。その日はそう遠くない。


米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐり、平野博文官房長官が、徳之島(鹿児島県)にヘリ部隊を先行移転したいとの意向を、沖縄県の仲井真弘多知事に伝えていたことが明らかになった。だが、移転される側の徳之島では反対集会が行われ、自治体の町長や知事は、明確に反対の姿勢を示している。地元からは「総スカン」で、実現はほぼ絶望的な状況だ。
「徳之島説」が再び浮上したのは、2010年4月6日のことだ。基地の圏外移設を強く求めている仲井真知事が、4月1日に東京で平野官房長官と会談した時の様子を記者団に明かした。
▼ 3町長がそろって「国とは会わない」
仲井真知事の話によると、移設先として、徳之島、キャンプ・シュワブ陸上、米軍ホワイトビーチ沖埋め立ての3か所について説明されたという。3施設の優先順位については、「良く分からない」と話し、内容が固まっていないとの見方を示した。
徳之島案は、鳩山政権の「県外移設」を印象付けるための苦肉の策だとも言える。約2600メートルある滑走路を延長して、約60機ある普天間のヘリ部隊の大部分を移設するという構想だ。民主党の牧野聖衆院議員が1月に現地入りして移設を打診したが、地元では猛反発だ。
3月28日には島内で反対集会が行われ、4200人(主催者発表)が「基地はいらない」などと反対の声をあげ、自民党の小池百合子衆院議員も来賓として参加した。3月30日には、島内に3つある自治体の町長がそろって鹿児島県内で記者会見を開き、「国とは会わない」との姿勢を鮮明にし、「民意は反対で一致している」として、住民投票は行わない考えを明らかにした。いわば、島内では、官民が手をとって反対運動を進めているという様相だ。
▼移設は、ほぼ絶望的な状況
徳之島周辺の奄美群島の全12自治体の議会も、移設反対の決議を行ったほか、鹿児島県も、反対運動の後押しをしている。伊藤裕一郎知事は2日の定例会見で「地元の首長、議会が明確に反対している」として、
「県民の理解を得られる状況にない。地元や県議会と足並みを揃えて反対していきたい」
と、反対の姿勢を繰り返した。
現段階でも、依然として地元の理解を得るのは難しい状況だ。実際、地元紙の南日本新聞は、4月7日の社説で、
「政権の焦りから徳之島に白羽の矢が立った、との見方はうがちすぎではあるまい。地元への説明がないまま、まして意向も聞かない中で徳之島移設を強行するのは順序が逆で、ごり押しとの批判は免れない」
と切り捨てている。
鳩山首相は、基地の移設については、地元の合意なしに話を進めないことを明言している上、米国側も、地元の同意があることを協議入りの条件にしている。この調子では、徳之島への移設は、ほぼ絶望的な状況だ。
URL:http://www.j-cast.com/2010/04/07064043.html?p=all

平野官房長官が1日に沖縄県の仲井真弘多知事と都内で会談した際、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設先として、米軍キャンプ・シュワブ(同県名護市など)陸上部への代替施設建設と徳之島(鹿児島県)へのヘリ部隊移転を先行実施し、その後で米軍ホワイトビーチ(沖縄県うるま市)沖を埋め立てて本格的な滑走路などを建設したいとの意向を伝えたことが6日、わかった。
仲井真知事らが那覇市内で記者団に明らかにした。
知事や同県幹部によると、長官はホワイトビーチ案を「本命」と位置付けた。ただ、埋め立てなどに長期間かかるため、シュワブ陸上部に暫定的な代替施設を造るとし、同時に徳之島に普天間飛行場のヘリ部隊(約60機)の半分を移転させる考えを示唆した。徳之島空港の滑走路を使用し、空港そばに駐機場を造る案が有力という。長官はヘリ部隊の訓練を九州の自衛隊基地に分散させる案にも言及した。
ホワイトビーチ案では、航空自衛隊那覇基地(那覇市)などを移すことも念頭に「沖縄の基地負担を集約する」と述べた。
知事は記者団に「(分散で)ばらけすぎて訳が分からない。県民は、限りなく100%に近い県外移設を要求している」と述べた。
(2010年4月7日03時03分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100406-OYT1T01251.htm

鳩山由紀夫首相は2日朝、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設先について「もうすでに腹案にのっとって、みなさん、動いていただいている」と述べ、関係閣僚で「腹案」を共有しているとの認識を示した。首相公邸前で記者団の質問に答えた。
平野博文官房長官が1日夜に仲井真弘多沖縄県知事と都内で会談した内容については「一切、存じあげていない」と述べるにとどめた。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100402/plc1004020926005-n1.htm

米軍普天間飛行場(沖縄県)の移設問題で、鹿児島県・徳之島が候補地になっていたことがわかった。徳之島の3町長は平野博文官房長官との面会を打診され、「会えば移設受け入れを検討していると誤解されかねない」とし、2010年1月27日に正式な断りの返答をした。徳之島の伊仙町では、市民団体による移設受け入れ反対の決起集会が開かれた。
徳之島は奄美群島にある奄美大島に次ぐ大きさがあり、周囲89キロメートル。面積248平方キロメートル。人口は約2万6000人で、徳之島町、天城町、伊仙町の3つの町がある。アマミノクロウサギの生息地で知られる自然豊かな島で長寿の島としても有名。闘牛大会や、トライアスロン、ダイビングなどのスポーツが盛んだ。2000メートルの滑走路を持つ徳之島空港がある。
▼ 米軍が求めている3000メートル級の滑走路作れない
徳之島が米軍普天間飛行場移設の候補地になっていたことがわかったのは2010年1月27日。南日本新聞(10年1月28日)によると、民主党の牧野聖修衆院議員(静岡1区)が、徳之島出身の静岡県在住者から基地移設を持ちかけられ、09年10月以降、同島を三回訪れた。10年1月25日に天城町役場で、高岡秀規徳之島町長、大久幸助天城町長、大久保明伊仙町長と面談し、「平野博文官房長官に会ってほしい」と要請したが、翌日に大久町長が代表して「官房長官とは会わない」と電話で返答した。
大久保町長によれば、今回の移設受け入れの打診は降って湧いたような話。徳之島が候補に上がった理由は、まず、沖縄県以外の県であること。そして、沖縄に近く、嘉手納基地と連動できる距離にあることなどではないか、と推測する。しかし、米軍が求めている3000メートル級の滑走路が作れる土地ではなく受け入れは不可能だと説明する。
▼ 市民団体が集まり、受け入れ反対の決起集会
そして、
「沖縄の人達の苦労を見ていて、島民に同じ苦労をかけてしまうことなどできない。官房長官との面会を断ったのは、受け入れを検討しているような誤解を与えないため。住民の殆どが反対していて、既に27日から市民団体が集まり、受け入れ反対の決起集会が開かれています」
と打ち明ける。
徳之島町、天城町の役場には住民から、「飛行場を受け入れの打診が来ているのか」といった問い合わせが多数来ているという。多くは受け入れの反対。中には「自衛隊の基地だったらいいのに」といった意見もあるという。
候補地の一つの沖縄県名護市長選挙では、移設受け入れに反対する民主党が支援した稲嶺進氏が10年1月24日に当選。移設先が定まらない中、平野博文官房長官は10年1月27日の国会答弁で、基地の移設を強制的に政府が決定できる「特別措置法」の発動を匂わせるような発言をして物議を醸した。鳩山由紀夫首相は、「5月までは必ず移転先の結論を出す」と明言しているが、なかなか厳しい状況だ。
URL:http://www.j-cast.com/2010/01/28058975.html?p=all
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