アメリカをコントロールする(政治家にとっての安全保障について 補追2)
仮に、日本がのび太の立場だとすると、当然ジャイアンからは、いろいろといじめを受けることになるわけですけれども、現実世界にドラえもんがいるわけではありません。
ただ、そんな世界の中にあったとしても、ジャイアンからの被害を少しでも軽くする方法が無いわけではありません。
それは、のび太が、のび太でない別のキャラクターになるという方法です。
ドラえもんでは、いつものび太がいじめられるシーンばかりなのですけれども、のび太以外のキャラクターはそれほどでもない。そこに活路がある、というわけです。
では、日本というのび太が目指すキャラクターとは何か。それは3つあります。スネ夫、しずかちゃん、そして出来杉君です。
まず、スネ夫についでですけれども、ご存知のとおりスネ夫はお金持ちでおべっか使い。新しい漫画やおもちゃを手に入れるとジャイアンに貸して(取り上げられ)やったり、おだててやっては、ジャイアンの機嫌を取ることで、自分を守っています。
金と口。スネ夫は、自身の持つこの2つの力を活用してジャイアンと付き合っているわけですね。
ただし、このスネ夫になるやり方には、いくつかの条件があります。もちろん、お金持ちで口が上手いというのは前提条件ですけれども、それ以外に必須の条件が2つあります。
ひとつは、自分はジャイアンの味方である、という態度でいなければならないこと。もうひとつはスケープゴートを用意しておく、若しくは用意しなければならない、ということです。
スネ夫はいつもジャイアンと行動を共にしますけれども、基本的にジャイアンに逆らうことはしません。
まぁ、ドラえもんの秘密道具を借りて、影でこっそり、復讐することはありますけれども、面と向かって逆らうようなことは決してしません。そんなことをしたら、ジャイアンの機嫌を損ねるからです。
だから、機嫌を損ねないように、始終おべっかを使う。そして時には、珍しいおもちゃをジャイアンに貸してあげたりもする。
要は、いつもジャイアンの味方であるという態度を取っているわけです。仮にそれがフリであったとしても、そういう素振りをすることで、自分にジャイアンの怒りが向かないように気をつけている、というわけですね。
それでも時には、ジャイアンの怒りが自分に向けられるときがあります。そのときは、スネ夫得意の口の上手さでそれを回避します。つまり、ジャイアンの怒りの矛先を他の誰かに向けるように口説くわけです。
たとえば、これもみんなのび太のせいだ、という具合に、あること無いことを吹き込んで、ジャイアンの怒りをそちらに向けさせる訳です。
要するに、誰かをスケープゴードにすることで難を逃れるということですね。
この方法は何もジャイアンの怒りだけとは限りません。あっちにいけば、もっといいのがあるよ、とか言って誘導したりする、つまり、ジャイアンの慾望を煽ってコントロールすることも可能です。こうした方法があります。
このスネ夫になることによって、ジャイアンからの被害を軽くする方法は、先ほども述べたように、「ジャイアンの味方である」ことと「スケープゴートを必要とする」という2点が必要になってくるために、必然的に国家戦略としては取りうる選択肢が狭まる可能性があります。
どういうことかというと、ジャイアンがジャイアンとして君臨している間はまだ良いのですけれども、ジャイアンが落ち目になったときには、スケープゴートにされた側が一斉に反撃に出る恐れがあるということです。
そのとき、スネ夫がジャイアンの一味だと思われてしまっていたら、一緒に袋叩きにあう可能性が高いのですね。
ですから、いかに彼らを敵にしないで、うまく立ち回れるか、という狡賢さが必要になってくるわけです。
ドラえもんの中でのスネ夫も、そうした「コウモリ的」な立ち回りの上手さを持っていますけれども、意外とスネ夫でいるのも簡単ではないのです。
明日につづきます。
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