失政のツケを国民に負わせる民主党

 
「どこでも、同じ人が集まっている印象がある・・・車で走っているときは、みんな手を振ってくれている。ほかの県を訪ねたときと比べてそれほど嫌われているとは思えない」
鳩山首相

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23日に友愛殿との会談に臨んだ、稲嶺進・名護市長の心境はいかばかりであったろう。民主党の支援を受けて、当選したはずなのに、最後の答えは辺野古移設。それも本人には殆ど知らされず、頭ごなしに話を進められた上に、梯子を外される。やってられないだろう。

会談での稲嶺市長は『「ようこそ名護市へ」という状況でも、心境にもならない。』とその怒りは半端じゃない。だけど、それも何処まで友愛殿に伝わったのか怪しいもの。

確か、筆者の記憶では、友愛殿は「怒」のプラカードで沖縄に迎えられたはずだったのだけれど、友愛殿の脳は、それを素敵にポジティブ変換している。本心からそういっていたとしたら、どうかしてるとしか言い様がないのだけれど、愚痴ったところで詮無き事。

それは兎も角として、報道されている友愛殿と稲嶺市長の会談要旨を見る限り、稲嶺市長は、辺野古移転を断じて受け入れられないと突っぱねている。しかも、稲嶺市長は、仲井真知事のように、要望を出しているわけじゃないから、交渉の余地無しの姿勢。断固反対、おとといきやがれ、と。

要求や条件があれば、まだそれを梃子に取引の余地があるけれど、稲嶺市長のように交渉すら拒否の姿勢ともなると、如何ともしがたい。時間をかけてゆっくりと解きほぐしていくしかない、となるのが普通。

だけど、民主党は、そんな当たり前の手順を踏まない。

今回の普天間移転だって、物事の順序が分かっていれば、真っ先に地元の合意を得るように動くはず。それを一切無視して、アメリカとの合意を取りに行くということは、単に政権の面目を保たんがため、と見られても仕方ない。



政治主導は全体主義のことじゃない。

民から選ばれた代表が、民の為の政(まつりごと)を行うのが、民主国家における政治。

政権の都合を押し付けるのが、政治だと勘違いしちゃいけない。

もしも、民の意向と違った施策をやらなければならないのなら、大所高所の見地から、民にその理由と意味を説明して理解得る努力をしなくちゃいけない。民主国家の為政者なら当然のこと。政府はその基本を忘れている。

そうした努力や説明がない民主党政権には、どんなに相手が待ち望んだとしても「交渉」が存在する余地はない。ただ「取引」がある。

自分のやりたいことをさせる為に、取引をする。望みを聞いてやるから、こっちの言うことを聞け、それだけ。だけど、そんなのばかりでは、政治にはならない。

大人の階段を登り始めた63歳児」のエントリーで、普天間移転に伴う、海兵隊その他の訓練を全国に展開する訓練移転計画について、各知事に国防についての踏み絵を迫るものだといったけれど、各知事は突然の話に戸惑っている。

しばらくは、民主党政権の稚拙なやり方に対する反発を理由に時間稼ぎをする、だろうけれど、おそらくは、各首長は、沖縄の動向を注視しているものと思われる。

なぜかと言えば、仲井真知事が、今回の友愛殿との会談において、政府にいくつか要求を出しているから。この沖縄の要求が通るがどうかを見ている、と思う。



もしも、沖縄の要求がすんなりと通るようであれば、沖縄負担軽減パッケージ案の対象となっている各地方自治体も自分のところの要求を通そうとするだろう。

勿論、要求の必然性と度合いにもよるけれど、政府が取引しかしないのであれば、自治体も取引に持ち込もうと考えてもちっともおかしくないから。

ここまでくると、最早、政治主導ではなくて、地域主導。

国益と地方益を兼ね備えた施策を行うなら兎も角、普天間にしても赤松口蹄疫にしても、明らかに政府の失政のツケを地方自治体に押し付けている。

どうして、自分の失政を認めないのか。責任を取らないのか。ジミンガ―やそのまんま知事のせいにしたところで、見ている国民は沢山いるし、ちゃんと分かってる。

マスコミだって、自分の失政のツケを国民に負わせるやり方には、きっちり批判しないといけない。国民は、今まさに、自らの選択した責任の重さを痛感させられている。

その一つの答えが、夏の参院選で明らかになる。

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画像名護市長「首相のやり方、前政権よりひどい」

 沖縄県の仲井真弘多知事は22日、日米両政府が米軍普天間飛行場の移設先を同県名護市辺野古とすることを大筋で合意したとの報道について、「県内移設はとても受け入れられる状況ではない。鳩山首相がどういう考えなのか、首相の沖縄訪問の際によく聞いてみたい」とコメントした。

 名護市の稲嶺進市長は「首相は明日、何をしに来るのか分からない。やり方は前政権よりもひどい」と吐き捨てた。また、「地元は何も知らされていない。そんなやり方で押しつけてきてもできるわけがない」と怒りをあらわにした。

 沖縄県議会の高嶺善伸議長は「『最低でも県外』という鳩山首相の言葉に期待していた。それがまた元に戻ることは絶対に許されない。一国の首相、政治家としての資質を疑う」と厳しく批判した。

 県議会では、23日の首相訪問にあわせ、所用のある4議員を除く44県議全員が朝から議会前に座り込み、「県内移設」反対の意思表示を行う予定。

(2010年5月22日23時09分 読売新聞)

URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100522-OYT1T00882.htm?from=rss&ref=rssad



画像鳩山首相と名護市長の会談要旨

 鳩山首相と名護市の稲嶺進市長らとの会談の要旨は次の通り。

市長 「ようこそ名護市へ」という状況でも、心境にもならない。「最低でも県外」とする新政権への期待が高まり、今年1月の名護市長選で、市民は辺野古の海はもとより陸上にも新たな基地を造らせないとした私を当選させた。(移設先を)辺野古にする日米合意は残念で怒りを覚える。首相が県外移設を公約し、県民の期待を高めながら自らそれを反故(ほご)にし、鳩山政権が掲げる友愛精神を自ら否定するものと認識している。名護市に新たな基地はいらない。普天間の辺野古への移設は到底受け入れることはできない。名護市への移設は断固反対申しあげる。

首相 (衆院)選挙の時に「できれば最低でも県外に移設したい」と言ったのは事実だ。そのように今日まで努力してきた。ただ、朝鮮半島の情勢もある。日米安保と日米同盟の重要さ、日米がしっかりと信頼関係に結ばれていることが、結果として、この国を守ることにもつながる。皆さんの気持ちに沿えない結果になったことをおわびする。

 稲嶺市長から「とても認められない」という率直な気持ちを頂いたことも理解しているが、皆様に政府の考え方の一端を少しでもご理解頂ければと、今日はその思いでお邪魔した。

 訓練移転も含め、今までに求めて難しかった様々な負担軽減も、これから米国との最終的な交渉の中で勝ち取っていかなければならないと思っている。

(2010年5月23日20時01分 読売新聞)

URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100523-OYT1T00607.htm



画像鳩山首相と沖縄経済人の会談要旨

 鳩山首相と沖縄県内経済団体代表者らとの23日の会談の要旨は次の通り。

首相 私も政治家で、政治家として言葉の重さは存じているつもりだ。(衆院)選挙の折りに、県外に、最低でもその努力をしたいということを言ってきた。結果として勝利を収めることになったことも、県民の民意の表れだ。連立与党3党の気持ちも理解しながら議論を重ねてきた。40余りの候補があった。

 議論を重ねていく中で、日米安保、日米同盟が、日米の信頼が整っていることが大きな抑止力というか、朝鮮半島の昨今の状況を踏まえた中で、アジアや日本の平和と安定のために最も必要なことではないかという思いも強く感じてきた。そして、在日米軍の存在の重要性も改めてかみしてめてきた。

 それならば、海兵隊を県外に移設できるかどうかも散々努力してきたが、すべての海兵隊を県外に移設することはまず不可能だということが分かった。現実問題として、海兵隊の機能、いわゆる司令部、陸上部隊、航空部隊、さらには後方支援部隊、こういったものが一体となって統合されて、機能的に役割を果たして、結果として一体となった活動の中で力を発揮できるということでもあった。一部はどうだということを盛んに努力してきたが、それも不可能だということになった。

 従って、県内に移設せざるを得ない状況になった。県内で候補地を様々検討してみた。過去のいわゆる現行計画は、必ずしも環境問題、そのほか十分ではないという発想のなかで、新しい候補地を探していかなければならないと思っているが、辺野古の沖周辺というところが、現在考え得る唯一の候補地ではないか、というところだ。
出席者 県民の気持ちとしては(辺野古移設は)厳しい状況だ。嘉手納以南の返還を実現してもらいたい。

(2010年5月23日20時00分 読売新聞)

URL:http://www.yomiuri.co.jp/feature/20091215-481540/news/20100523-OYT1T00596.htm



画像追い込まれ「辺野古」、強まる沖縄の反発

 沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で、鳩山首相は23日の沖縄再訪問で、移設先を同県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部とする考えをやっと表明した。

 自ら期限に設定した今月末を控え、さすがに言及を避けるわけにはいかなかったためだが、迷走の末の現行計画回帰に沖縄の反発は強まるばかりだ。 

 ◆紙を読み上げ◆

 「鳩山は沖縄から出て行け」

 県庁を取り囲む県内移設反対派のシュプレヒコールが響く中、首相は23日午前、6階の知事応接室で仲井真弘多知事と向き合った。

 首相は丸めたA4判数枚の紙を、硬い表情のまま伏し目がちに読み上げながら、「辺野古」への移設を表明。「なぜ県内なのだ、という皆様のお怒りはごもっともだ」と釈明して陳謝した。

 昨年9月の政権交代から8か月余。迷走に迷走を続けた末、首相は、日米が2006年に合意した現行計画にほぼ戻らざるをえない、とついに認めた。

 「最低でも県外移設」と繰り返してきた首相が「辺野古」と明言すれば、沖縄の怒りに油を注ぐのは明白だった。だが、移設先となる地元への説明を避けて通るわけにはいかず、苦渋の決断を迫られた。

 首相は前日の午後、首相公邸に平野官房長官、松野頼久官房副長官らを呼び、2時間半余り「勉強会」を開いた。

 普段はめったに用意しない発言要領を作り、「辺野古」と言及することを決めたという。「言葉の軽さ」が批判の的となっている首相も、さすがに今回の“全面転換”は責任が重いと感じ取ったようだ。

 23日の知事との会談の直前も、首相は、読み上げる紙を知事らに別室で見せ、「こういう話をしますから」と理解を求めた。

 それでも、首相は一連の会談で「最低でも県外」と繰り返してきた自らの発言について、「できる限り県外」「最低でも県外にという努力をしたい」と言った、などと微妙に修正し続けた。県関係者からは「どこまで発言を重く受け止めているのか」と疑問視する声が上がった。

 ◆米国は甘くない◆

 首相が成果として強調したのは、基地機能の県外への分散移転など、沖縄の負担軽減への取り組みだ。首相は知事との会談で、米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)以南の米軍施設区域の返還促進、航空機の騒音軽減など4項目を挙げた。いずれも知事が要望したものだ。首相はこの日、「積極的に米に交渉を挑んでいる」「米国との最終交渉で勝ち取る」などと各所で力を込めた。

 ただ、4項目の実現にも確たる見通しがあるわけではない。「航空機の騒音軽減」と一口にいっても、過去に嘉手納基地で実現したのは航空機の訓練移転で、「実際には別の基地から新たに航空機が飛来して、騒音軽減につながらなかった」(嘉手納町関係者)との指摘もあり、容易ではない。

 日米外交筋は23日、「首相らは負担軽減と簡単に言うが、米国は甘くない。どこまで中身を取れるかは疑問だ」と今後への懸念を漏らした。内閣支持率は、普天間問題の混迷もあって低下する一方だ。参院選を前に民主党内の危機感も頂点に達しつつある。民主党のある中堅議員はこう訴えた。

 「普天間問題では、もう無理に自民党政権との違いを打ち出さない方がいい。争点から外して別のことにエネルギーを注ぐべきだ」

 (政治部 東武雄、杉田義文、那覇支局 松浦篤)

(2010年5月24日09時08分 読売新聞)


URL:http://www.yomiuri.co.jp/feature/20091215-481540/news/20100524-OYT1T00202.htm



画像県内反発 不信も増幅 鳩山首相きょう再来県 知事、「困難視」変えず 政治 2010年5月23日 09時43分

 米軍普天間飛行場の移設問題をめぐり、23日に再来県する鳩山由紀夫首相に対し、県内では反発と警戒が強まっている。鳩山首相が掲げる「5月末」決着に向け、名護市辺野古沿岸部へ回帰する政府案の取りまとめを加速させているためだ。21日にクリントン国務長官と鳩山首相、岡田克也外相が会談したほか、4日連続で日米実務者協議を行い、28日発表予定の合意文書に向けて、既成事実を積み重ねる。一方、仲井真弘多知事や稲嶺進名護市長、連立を組む社民党、国民新党は、はしごを外されたまま進む「日米合意」に反発を強めており、首相がもくろむ局面打開への道筋は険しい。

 19日、読売新聞が1面トップで、辺野古沿岸部を埋め立てる現行案に近い案で政府が調整し、非公式に県に伝えた模様だと報じた。

 仲井真知事は「場所も特定しないで工法というのは意味がない。杭(くい)打ちだか何かはエンジニアの話で僕らの知ったことじゃない」と政府からの伝達を否定。知事周辺は口々に「何も中身がないまま、政府はどんどんこちらを追い込んでくる。信じられない」とあきれかえる。

 仲井真知事は、今月10、11日に都内で会談した前原誠司沖縄担当相、北沢俊美防衛相、平野博文官房長官からも政府案の詳細を伝えられず、「食事はしても、協議は一切していない」と不信感を増幅させた。

 4日の首相来県時には「県民大会の思いが率直な県民の声。公約に沿った解決策を示してほしい」、16日の普天間包囲行動後には「東京との温度差がありすぎる。県民の感覚と乖(かい)離(り)がある」と述べるなど、「県内移設反対」への比重を高めている。

 報道される政府案の「辺野古回帰」が明らかになるにつれ、「民主党が反対する候補を当選させておいて、そこへ戻るというのはよほど難しい」と名護市長の反対を理由に、辺野古案は政治的に受け入れられないとの見解も示している(吉田伸)

名護、緊急集会も検討

 名護市では、稲嶺進市長が同市移設に断固反対の方針を示す一方、辺野古移設容認派の動きが表面化している。辺野古区行政委員会は21日、現行計画の沖合移動や金銭補償などの条件付き移設容認を決議。大城康昌区長は「政府が条件を飲まなければ(決議を)はねのける可能性もある」と主導権が同区にあることを強調する。

 政府関係者が水面下で容認派の有力者と接触したとの憶測も乱れ飛ぶ。ある野党市議は「県外移設を断念した鳩山首相は巨額の振興策を提示し、稲嶺市政をゆさぶってくる」と自信ありげに語る。

 「先導しているのは振興策という夢の中にいるわずかな人たちだ」

 稲嶺市長は容認派の動きをそう批判する。市幹部と与党連絡協議会は22日に対応を協議。鳩山首相が辺野古を明言した場合は、撤回を求める緊急市民集会を開く案も浮上した。

 移設に反対する辺野古区民も、容認決議を「経緯や条件の中身についての説明がなく、総意ではない」と批判する。

 「基地とリンクした振興策は虚像だった。市民はもうだまされない」

 稲嶺市長は23日、鳩山首相にあらためて直訴する。(具志大八郎)

首相、県民歓迎と認識か

 鳩山由紀夫首相は4日の初来県後、周囲に「自分はそんなに反対されたとは思わない」との感触を漏らしている。周辺によると「首相はむしろ歓迎されたと思っている」という。

 4日は県庁前広場をはじめ、首相が立ち寄る各地で抗議行動が起きていた。しかし首相は「どこでも、同じ人が集まっている印象がある」と感じ、「車で走っているときは(沿道で)みんな手を振ってくれている。ほかの県を訪ねたときと比べてそれほど嫌われているとは思えない」と話しているという。

 このエピソードを聞いた与党議員は「宇宙人にもほどがある。本当に石を投げないと分からないのか」と吐き捨てるように話した。

 首相官邸には当初、4日を含めて5月中に3回、沖縄を訪れる算段もあった。政府関係者は「顔見せ―説明―合意という段取りが想定されていた」と明かすが、県民感情の実態を著しく見誤っていた印象はぬぐえない。

 結局、23日の再来県を「5月中(の来県)は最後になろうかと思う」(首相の21日のぶら下がり会見)と位置づけたが、仲井真弘多知事、稲嶺進名護市長は態度を軟化させておらず、地元対策も場当たり的に臨んでいる印象が強い。(吉田央)

URL:http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-05-23_6699/

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