遅きに失した口蹄疫対策本部

 
「感染拡大をとめることができていない現実がある。風評被害以上に、正確に事実を知っていただくことがより重要だと判断した」
鳩山首相 於:5/17 ぶらさがり記者会見にて


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赤松口蹄疫パンデミックが全く終息する気配を見せない。

政府は17日になってようやく、友愛殿を本部長とする対策本部を設置して、宮崎県に農林水産省の山田正彦副大臣や小川勝也首相補佐官らによる対策チームを派遣。宮崎県庁に常駐して陣頭指揮を執ることになった。

水のほとりに植えられた木の 時が来ると実を結び」のエントリーで、オソマツ大臣を更迭すべきと言ったけれど、今回の対策本部の首相直属への格上げは、事実上のオソマツ大臣の更迭になる。1マイクログラム程は評価できる。

ただ、やはり遅きに失したことは否めない。

19日に行われた対策本部の会合では発生地から半径10キロ圏内で、感染していないすべての牛や豚計20万5000頭を殺処分することを決定した。

農林水産省によると、全頭殺処分は口蹄疫が発生している同県東部の都農町、川南町、高鍋町、新富町から10キロ圏にかかる計8市町。ワクチンを投与した上で殺処分する方針のようだ。

だけど、これまでの殺処分対象と合わせるとその数30万頭以上。対策費は少なくとも300億円以上にのぼると見られている。

だけど、おそらくこれでは済まないだろう。

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口蹄疫ウイルスは、物理的処置に非常に抵抗性が強いウイルスで、簡単に死なない。藁に付着した口蹄疫ウイルスは夏では4週間、冬では9週間生存するという。風に乗っても伝染するし、車のタイヤについても伝染してしまう。

今回の口蹄疫は、GWという最も人の出入りが激しい時期に、オソマツ大臣が外遊などにいって、何も対策しなかったものだから、口蹄疫ウイルスがどこまで拡散しているか分からない。

果たして10キロ圏内の殺処分で間に合うかどうか。

仮に、運よく終息したとしても、ワクチンを使った時点で、口蹄疫清浄国から外れてしまう。清浄国に復帰するためには、ワクチンを接種された牛や豚がすべていなくなったのち、3ヶ月間病気の発生がないことが条件。

ワクチンを接種した何十万頭もの牛や豚を殺処分して、そのあと更に3ヵ月待たなくちゃいけない。30万頭の殺処分だけでも気の遠くなる時間がかかる上に、どこまで拡散しているか分からないときている。

もう風評被害云々の段階なんてとうに過ぎている。

日本の畜産業で、肉用牛の飼育頭数は、平成19年現在、全国で約280万頭だけど、九州だけで100万頭もいる。豚でも、全国962万頭のうち、九州で308万頭を占める。

現状は、牛豚合わせて30万頭が殺処分が決まってなお、終息する気配が見えない。少なくとも、宮崎の畜産業は壊滅に近い被害を被るのは間違いない。

ようやくにして、国がマトモに対策する気になったからには、今後の口蹄疫被害は、もう人ごとには出来ない。今はまだ、宮崎の対応が悪いんだなんだと言えるかもしれないけれど、国民の関心はもうそこにはない。

国民の目は、一体何時になったら終息するのか。政府は最善の対応をしているのかに注目が移ってきていると見る。

やはり、国政はいつなんどきも一発勝負で、全て真剣勝負。たった一度のミスが取り返しのつかない結果を招く。

これが、牛・豚ではなくて、人命だったらと考えるだに恐ろしい。

赤松口蹄疫事件も普天間と同じく、民主党政権のアキレス腱になると思う。

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画像霊長類フォーラム:人獣共通感染症(第96回)4/19/00

宮崎で発生した口蹄疫

《中略》

2.宮崎での発生の経緯  

 農水省のプレスレリーズが家畜衛生試験場(家衛試)ホームページ http://ss.niah.affrc.go.jp/に転載 されており、リアルタイムに情報が提供されています。また、その英文のまとめに相 当するものを家衛試の佐藤国雄 研究技術情報官がProMedに投稿されています。それらのニュースにもとづいて整理し てみます。  
 最初の発生例:3月8日に飼育中の肉用牛10頭のうち、2頭に発熱が見つかって います。これが発症時期と推測 されます。12日に獣医師に診察してもらい抗生物質などが投与されましたが、ほか のウシでも発症するものが出て きたために21日に獣医師が家畜衛生保健所に届け出ました。  
 血液と皮膚の病変部のサンプルが22日に家衛試に送られ、25日にELISAで口蹄 疫抗体陽性、またもっとも遅く 19日に発症したウシの皮膚のサンプルでPCR陽性の結果が得られました。そこで、 疑似患畜として10頭すべてが 殺処分されました。  第2の例:家衛試での血清サーベイランスで見いだされたものです。4月1日に肉 用牛9頭を飼育している農場の 牛1頭が抗体陽性と判明し、あらためて血清検査を行ったところ9頭中6頭に抗体が 検出されました。これも疑似患 畜として4月4日にすべて殺処分されています。なお、3月28日の立ち入り検査の 際、これらの牛では臨床症状は 見られていません。  
 第3の例:同じく血清サーベイランスで見いだされたものです。肉用牛16頭を飼 育している農場で3月29日に 採取した2頭の血清が抗体陽性と判明したため、あらためて10頭の血清について検 査を行った結果、4月9日に1 0頭すべてが抗体陽性と診断されました。その結果、疑似患畜として16頭すべてが 殺処分されました。  
 4月14日に家衛試の海外病研究部の特殊実験棟で、このウシの喉の粘膜サンプル から初代ウシ腎細胞培養でウイ ルスが分離され、ELISAとPCRで口蹄疫ウイルスと同定されました。  
 ところで、抗体陽性のウシは疑似患畜となっていますが、清浄国で、信頼しうる ELISAで抗体が見つかれば疑似で はなく真性とみなせるものと思います。OIEの基準マニュアルでは口蹄疫の診断はウ イルス抗原の検出で行うとなっ ていますが、清浄地域でワクチンを用いていない場所では抗体の検出でも診断可能と いう趣旨が述べられています。

《中略》


4.ワクチン  

 口蹄疫の予防には不活化ワクチンが用いられています。中国は生ワクチンを開発し ていますが安全性に疑問があり ます。OIEでは生ワクチンは認めていません。ヨーロッパではフランスのリヨンにあ るメリューと英国のウエルカム が不活化ワクチンを製造しています。ウエルカムの製造施設はIAHの建物を間借りし たものです。すなわち同じ敷地内に民間の口蹄疫ワクチン製造施設とOIE世界口蹄疫レファレンス・センターが存在 していることになります。日本は非常用にヨーロッパからワクチンを輸入して備蓄しています。  
ウイルス感染の場合、有効なワクチンがあれば流行を阻止するためにはそれを使用するのが常識ですが、口蹄疫の 場合には簡単にはあてはまりません。OIEが口蹄疫清浄国とみなす条件としてワクチンを使用していない国で病気が発生していないこととなっています。口蹄疫の監視は抗体調査に依存しています。もしもワクチン接種したウシがいると、感染による抗体か、ワクチンによる抗体か、区別ができなくなります。発生が疑われる場合でも、これはワクチンによる抗体だと言い逃れされることにもなります。  
 今回のような限局した発生であればワクチンを使用せずに、発生のあった農場の動物をすべて殺処分することが清浄国の立場を保つのに必要なわけです。もしも発生地域の周辺でワクチン接種を行ったとすると、ワクチンを接種されたウシがすべていなくなったのち、3ヶ月間病気の発生がないことという条件になります。一度ワクチンを使用すると、清浄国にもどるには大変な手間と期間が必要となります。有効なワクチンがあっても、畜産の保護という観点からワクチンの使用は簡単には実施できません。  
 しかし、流行が広がればワクチンを使用しなければならない事態になります。宮崎 とほぼ同じ頃に韓国でも口蹄疫 が66年ぶりに発生し、かなり広がっているようです。4月14日付けのAP電によれ ば、韓国ではこれまでに900 頭のウシとブタを殺処分し、20万頭にワクチン接種を行ったとのことです。さらに 国中の偶蹄類1100万頭すべてにワクチン接種を行う計画と伝えられています。



5.診断体制  

 口蹄疫の最大の発生地域に日本は囲まれています。そして、口蹄疫ウイルスは物理的処置に非常に抵抗性が強いウイルスです。藁に付着した口蹄疫ウイルスは夏では4週間、冬では9週間生存すると いわれています。家畜の飼料や 敷き藁として輸入される稲藁や麦藁に付着して入ってくる可能性もあるわけです。台湾や中国との人や物の往来を考 えれば、これまで日本に口蹄疫が入ってこなかったのは、むしろ幸運だったのかもし れません。今回と同様のことは これからも起こりうるものと考えるべきです。  

《後略》

URL:http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsvs/05_byouki/prion/pf96.html



画像首相をトップ、本部格上げ=政府、関連法の改正検討-宮崎にも対策チーム・口蹄疫

 宮崎県で家畜への口蹄(こうてい)疫感染が拡大している問題で、政府は17日午前、農水省の対策本部を鳩山由紀夫首相直属の本部に格上げすることを決めた。併せて、宮崎県に山田正彦農林水産副大臣をトップとする政府対策チームを設置し、地元自治体と一体となって、感染拡大防止や被害農家の支援に総力で取り組む。政府は対策強化として、関連法の改正・整備を検討する。
 首相は同日午前、首相官邸で全国肉牛事業協同組合、日本養豚協会の代表者らと会談し、自らが対策本部の本部長に就任するとともに、家畜伝染病予防法の改正か特別措置法の制定を検討する考えを伝えた。政府は同日夕に、同本部の初会合を開く。また、会談に同席した筒井信隆衆院農水委員長は記者団に、首相自身も現地入りを検討していることを明らかにした。
 この後、首相は赤松広隆農水相を首相官邸に呼び、2010年度予算の予備費から1000億円を対策に充てることを確認した。
 一方、平野博文官房長官は記者会見で、現地対策チームの設置を発表。新たな措置として、高速道路周辺の消毒強化、家畜を殺処分した生産農家への手当金支払いの迅速化と書類の手続きの簡素化、特別交付税支払いの迅速化、広報消費者情報の提供を検討していると説明した。(2010/05/17-13:27)

URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2010051700310



画像口蹄疫で政府対策チーム設置 宮崎県に副大臣ら常駐

 政府は17日、感染拡大が続く口蹄疫問題に対応するため、鳩山由紀夫首相を本部長とする対策本部を同日中に設置することを決めた。宮崎県庁内に政府の対策チームも設置する。農林水産省の山田正彦副大臣や小川勝也首相補佐官らが同県庁に常駐して陣頭指揮を執り、被害拡大の防止に全力を挙げる。

 現地対策チームは感染拡大を防ぐ防疫担当と、農家などへの経済支援担当、関係省庁の調整支援担当の3チームで構成する。政府は、消毒ポイントの増設や高速道路周辺の消毒の強化など、防疫措置の増強も検討。被害を受けた畜産農家に手当金を速やかに支払ったり、手続きに必要な書類の簡素化も実施する方針だ。

 口蹄疫問題では鳩山首相が16日、「政府一体になってやるように」と平野博文官房長官に指示。17日午前に官邸で関係省庁の局長会議を開き、今後の対応方針を協議した。

 口蹄疫をめぐっては発生農場が16日までに111カ所に上り、処分対象の牛や豚も8万5千頭を超すなど、国内では過去最悪の被害規模となっており、収束の兆しも見えていない。

40315.55625

URL:http://www.47news.jp/CN/201005/CN2010051701000364.html



画像【鳩山ぶら下がり】口蹄疫対策本部「拡大とめられぬ現実がある」(17日夜) 2010.5.17 19:52

 鳩山由紀夫首相は17日夜、口蹄(こうてい)疫の対策本部設置について「感染拡大をとめることができていない現実がある。風評被害以上に、正確に事実を知っていただくことがより重要だと判断した」と述べた。首相官邸で記者団に答えた。

 ぶら下がり取材の詳報は以下の通り。

【口蹄疫】

#NAME?

「この件は今日、対策本部を立ち上げました。その意味は、これ以上感染を広げないために、政府全体で対処するということであります。これはもうすでに政府は、それぞれ対処しておりました。私は現地に副大臣、あるいは補佐官を派遣を致しましたから、彼らからいろいろ状況を聞いて、そして必要があればと、いうことで考えたい」

《中略》

#NAME?

「今、申し上げましたように農水省を中心に自衛隊、防衛省なども対応してまいりました。そのときにわれわれが考えてきたのは、これは現地もそうだが、いわゆる風評被害というものが、必要以上にさまざま、風評がたつと、そのことで、農家の方が大変困られるという状況があった。したがって政府として、それぞれ必要な対策を講じておりましたけれども、政府の対策本部という形で、立ち上げるのではなく、まずは関係の省庁の間の連絡会議で、十分にことを運んできたと思っています」

「ただ、やはり、ことの性格上なかなか万全を期していながら、感染が広がりを拡大をとめることができていない現実があります。したがって、風評の被害というもの以上に、正確に県民のみなさんがた、国民の皆さん方に事実を知っていただくことがより重要だという判断をいたしました。したがいまして、政府として対策本部を立ち上げることにいたしました」

《中略》

--口蹄疫だが、1000億円の予備費を政府として支出するという指示を赤松広隆農水相に出したか

「まだ額の問題はこれからであります。ただ、やはり予備費を使用するということが、迅速性が求められているときには、正しい判断ではないかと思っています。これからしっかりとした現地に入って、情報をさらに正確に把握していく中で必要な措置をとってまいります」

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100517/plc1005172001018-n1.htm



画像【鳩山ぶら下がり】「キョロキョロしていると批判されるので…」(19日夜)

 鳩山由紀夫首相は19日夜、ぶら下がり取材の際に質問者の目を見ず、テレビカメラを見ながら話していることについて「あまりお顔を拝見していると、目がキョロキョロしていると批判もいただいている。国民に語りかけるように努力をしている」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 ぶら下がり取材の詳細は以下の通り。

【口蹄疫】

#NAME?

「はい。まず、口蹄疫対策に関しては、当面やるべきことはすべてやると、迅速にやるということであります。私はこれで十分拡大を防げると、そのように思っています。大事なことは、しかし、農家のみなさん、あるいは自治体の職員のみなさん、昼夜を分かたず大変ご苦労をされてると。ご慰労を申し上げたいと思っておりますし、彼らの大変な努力に報いるようにしっかりと対応してまいりたいと、そのように考えています。埋却地に関しては、県有地などをですね、しっかりと確保していくために、今、全力を注いでいるところです」

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100519/plc1005191922011-n1.htm



画像政府、口蹄疫総合対策を決定…費用300億円超

 宮崎県の家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」問題で、政府の口蹄疫対策本部は19日、発生地から半径10キロ圏内で、感染していないすべての牛や豚計20万5000頭を殺処分することなどを柱とした総合対策を決定した。

 対策費は少なくとも300億円以上にのぼり、政府は予備費などを充てる方針だ。同日記者会見した赤松農相は、殺処分を前提としたワクチン接種について「1週間以内に全頭処分を終えたい」とした。

 農林水産省によると、全頭殺処分は口蹄疫が発生している同県東部の都農(つの)町、川南町、高鍋町、新富町から10キロ圏にかかる計8市町で実施。

 この地域では、すでに感染が判明した127農場の11万8000頭が殺処分対象となっているが、まだ感染が確認されていない約900農場の牛5万頭、豚15万5000頭についても「感染している疑いがある」と認定し、ワクチンを投与した上で殺処分することを決めた。

 農家に対しては標準評価額をもとに損失を計算し、全額を補償する。

 また、10キロ~20キロ圏の農家で飼育されている牛や豚1万5000頭については、国が買い取り、処分する案が検討されたが、地元農家が「安全性に問題があると疑われ、風評被害の恐れがある」と反発。

 このため、この地域の牛1万6000頭、豚1万5000頭は、出荷時期を迎えていない幼い牛や豚も含め、すべて1週間以内に出荷し、一定期間は新たな飼育も自粛するよう促す方針に変更した。

 家畜の「空白地帯」とすることで感染拡大を防ぎたい考え。早期出荷による売り上げ減少分は支援金交付で補填(ほてん)する。

 4農場で感染が確認されている同県えびの市は、発生数が少ないなどの理由で、これらの措置の対象から除外された。

(2010年5月19日22時38分 読売新聞)

URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100519-OYT1T01027.htm

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