敷島の狂姫

 
『鳩山首相は信用できない。岡田克也外相じゃ話がまとまらない。北沢俊美防衛相じゃ話にならない』と大使は言っていた
小沢一郎 於:4/18 盛岡市


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半島情勢が緊迫している。

柳明桓韓国外交通商部長官は、慶州で開かれた日韓外相会談において、天安艦沈没は北朝鮮の魚雷攻撃によるものだという見解を岡田外相に伝えている。

何でも、北朝鮮の魚雷は、スクリューを回すのに蓄電池ではなく火薬を使用しているのだそうだけれど、沈没した韓国海軍哨戒艦「天安」の切断面から検出された火薬成分を分析した結果、北朝鮮の訓練用魚雷の推進力に使われている火薬成分と一致したそうだ。

韓国政府は19日に、日本や中国、ロシアなど関係国に駐韓大使を通じ、事前説明をするとのことなのだけれど、この状況下で関係国に事前説明するということは、無論戦争再開をも視野にいれてのことだと考えるのが普通。

日韓外相会談を終えた岡田外相が「調査結果によっては、深刻な事態になることもあり得る」とコメントしていて、その調査結果が北朝鮮の魚雷攻撃によるもの、と断じられたのだから、もうこれは「深刻な事態」になることを想定すべきなのが当然。

なのに、政府官邸に一向に危機感が見られない。

平野官房長官は14日の記者会見で「日中韓外相会談では北朝鮮問題が中心になると思うが、日米の連携は」との質問に、「北朝鮮の、どの問題ですか?」と答える始末。

そういう裏できちんと対策している、と期待したいところなのだけれど、赤松口蹄疫事件を見る限り、その望みは薄い。

半島有事となったら日本もただでは済まない。在韓米軍、在日米軍と共に後方支援活動を中心とした共同歩調が求められる。同盟国なのだから当然のこと。

だけど、今の日本は、対外国向けの窓口がない。

冒頭のコメントは、4月上旬に剛腕殿とルース駐日米大使が東京都内で極秘に会談したとき、ルース駐日米大使側が語った内容だそうなのだけれど、こと外交・軍事にあたって、キーマンとなるべき、首相と外相と防衛相がそろって、信頼できず、纏められず、話にならない、というのだから、共同歩調もクソもない。

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昨年の10月に「世界の時間を止めた鳩」と「太陽ぱくぱく『狂ったフリ作戦』」というエントリーで、日本は狂ったフリをして、世界の禍から逃れようとしているのではないか、と言ったことがある。次に引用する。

…世界は、こうした日本のスタンスの変化が、どの党が政権についても関係のない、長期国家戦略に基づくものなのか、それとも、鳩山政権に限った、ただのブラフなのかが判別できずに慎重になっているものと思われる。

エイリアンであるが故に、意図が読めず、身動きが取れない。結果として世界各国の時間を止めている。

世界から見たら、日本の新首相の語ることは「友愛」ばかりで、現実味がない。だから、その裏に真の意図がある筈だ、と勝手に誤解しているのではないか。もし、そうだとすると、日本の真の意図をなんとかして読み取って、その上で対応を考えようとする筈。

だから、例えば、首相の発言ではなくて、閣僚の動きや発言を見れば、その意図が分かるかもと睨めば、注意深く鳩山政権を観察することになるだろうと思われる。ところが、その鳩山政権の閣僚達の発言はてんでバラバラで、混乱するだけ。統一された意図なんて、とても読み取れない。

ならばと、今度は、日本の国内メディアを調査して見ても、鳩山政権を素晴らしいと持ち上げるだけで、どこが素晴らしいのか、ちっとも報道されやしない。素晴らしいと持ち上げるのは、夫婦でスーパーに買い物に行ったから庶民宰相だ、とか、奥さんが夢で金星にいったのいかないのとか、どうでもいいことばかりで、肝心なことは、さっぱりわからない。

だから、世界から見たら、この間の日食と同じで、日本が世界から消えたように見えているのではないか。もしかしたら、日本は天岩戸隠れしたのかもしれない、と。
日比野庵本館 10/1 「世界の時間を止めた鳩

…日本は、未来を拓くための最先端技術を沢山持っている。環境技術なんかは特にそう。だから、世界中の、どの国もどの国も、今の日本は味方につけたい筈。

だけど日本は狂ってしまった。それを作戦でやっているかどうか判らないけれど、世界からはそう見られるようになると思う。

世界が混迷の時代に入ろうとするときに、自分から先に狂ってしまうことで、外からの干渉や禍(わざわい)を避けようとしているのかと勘ぐられているかもしれない。

「狂ったフリ作戦」という美しき誤解が、世界の時間を止めている。

日本は、狂ったフリをすることで、しばらく世界から引きこもる選択をしたのか否かは、もうしばらくすれば明らかになるだろう。
日比野庵本館 10/2「太陽ぱくぱく『狂ったフリ作戦』

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今の鳩山政権のように、対外的窓口がなく、外国からみて、日本政府の誰に話したらいいか分からないというのは、当にこの「日本が狂って、岩戸隠れしている」状況に近い。

敷島の姫は狂ってしまった。

ただ、この「狂ったフリ作戦」というのは平時では、それなりに有効に働くときがある。たとえば、外国が、日本に経済援助などを強請ろうとしたとする。そのとき、日本にその窓口がなかったら、取りつくしまもない。

一昨年、サブプライムローン問題で世界経済が大揺れに揺れているときに、ちょうど日銀総裁がいなかったり、日本の外貨準備高をアテにされた絶妙のタイミングで、福田元総理が辞任したことは記憶に新しい。

日本は、肝心なときに、肝心な人が、不思議と留守になる。

だけど、有事は別。たとえば、戦争の当事国であったり、巻きこまれたりしているときに、肝心な人が留守なのは致命的。ミサイルが撃ち込まれたり、国内テロが発生したりしたら、それに即応しなくちゃいけない。はたまた難民が大量にやってきたら、それにも対応が必要になる。

そんなとき、政府が留守で無政府状態だったとしたら、どうなるかなんて言うまでもない。赤松口蹄疫事件でも分かるように、権限を持つものが動かなければ、いくら官僚が優秀でもどうにもならない。いくら自衛隊が強くても張り子の虎。

自衛隊の最高指揮官は内閣総理大臣。すなわち、友愛殿が自衛隊の最高指揮官。最低最悪。

政府が即刻、有事即応態勢がとれないのであれば、友愛殿は「日本のため」に潔く辞任して、国を護れる人に総理の座を譲るべき。民主だの自民だの関係ない。そんな事態が迫っている。

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画像在日米軍再編:普天間移設 米大使「ハトヤマは信用できない」 小沢氏と極秘会談

 ◇普天間混迷 先月上旬、打開求め
 鳩山由紀夫首相が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で沖縄入りした4日の数週間前の4月上旬。民主党の小沢一郎幹事長とルース駐日米大使が東京都内で極秘に会談した。ルース氏側からの申し入れだった。「『鳩山首相は信用できない。岡田克也外相じゃ話がまとまらない。北沢俊美防衛相じゃ話にならない』と大使は言っていた」。小沢氏は4月18日、盛岡市内で会食した複数の関係者に会談内容の一部を明かした。(3面に「読む政治」)

 ルース氏が小沢氏に接触した背景には、普天間問題の混迷にいら立ちを募らせる米側が小沢氏に打開への期待を寄せた、との思惑が透けて見える。しかし、小沢氏は4月末、「幹事長の剛腕を期待しているのだから」と行動を促す側近の高嶋良充参院幹事長にも「いまさら遅い」と答え、「首相はまったく相談に来ない」と冷淡だった。

 ルース氏の接触は、昨年11月の日米首脳会談で「信頼して」とオバマ米大統領に告げながら指導力を欠く首相への不信感と同時に、米側が民主党政権の「司令塔」を探りあぐねている現状も改めて浮き彫りにした。

 アジアのある外交官は「日米同盟がぐらつくことはアジア・太平洋の利益にならない」と普天間問題の迷走を心配する。こうした懸念は日本政府や米政府に数多く伝えられ、米側も事態を放置できない状況に陥っている。

 小沢・ルース会談は、小沢氏が招待を受けていたゴールデンウイークの訪米を、米側の対応が不満だとして先送りした時期に重なる。ガソリン税の暫定税率廃止の撤回、高速道路料金の新制度導入の見直しなど内政問題の節目で剛腕ぶりを発揮する小沢氏を局面打開のキーマンとみた米側が関係修復に動いたとの憶測も流れた。

 だが、小沢氏は動かなかった。首相が「相談に来ない」ことを理由に困難な対米交渉に巻き込まれるのを避けている可能性もある。小沢氏は極秘会談後、普天間問題から一段と距離を置き、首相に厳しいシグナルを送る。

 4月22日、鹿児島市での連合鹿児島幹部との会合では「米側は日本政府に強い不信感を持っている」と懸念を示し、今月7日の記者会見では内閣支持率急落の原因について「党トップのリーダーシップ」にまで触れた。

 「4日の沖縄訪問前にお会いできないか」。孤立感を深めた首相は4月末、小沢氏に会談を持ちかけたが、小沢氏側は難色を示したという。側近は「会ったとしても、小沢氏は話を聞き置くだけだ」と素っ気なかった。

 「県外移設」の公約が揺らぎ、追い詰められた首相。首相の指導力をいぶかる米国。米も首相も突き放す小沢氏。「不信の連鎖」が日米を覆い、「5月政変」が胎動を始めた。

URL:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100510ddm001010053000c.html



画像韓国哨戒艦沈没:北朝鮮の訓練用魚雷と火薬成分が一致

 【ソウル西脇真一】聯合ニュースは18日、沈没した韓国海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」の切断面などから検出された火薬成分が、北朝鮮の訓練用魚雷のものと一致したと報じた。軍関係者の話として伝えた。軍と民間の合同調査団は20日にこうした内容を含む最終調査結果を発表予定で、韓国政府は19日にも日本や中国、ロシアなど関係国に駐韓大使を通じ、事前説明する方針だ。

 報道によると、北朝鮮や旧共産圏国家の魚雷は、スクリューを回すのに蓄電池ではなく火薬を使用。韓国軍は7年前に北朝鮮の訓練用魚雷を入手したが、推進力用の火薬成分と、天安の船体などから検出された成分が一致したという。

 一方、ラヂオプレスによると、北朝鮮の最高人民会議常任委員会の楊亨燮(ヤン・ヒョンソプ)副委員長は17日、平壌で「沈没事件をわが方と無理やり結びつけ、情勢を対決の最極端へと追い込んでいる」と関与を否定した。

URL:http://mainichi.jp/select/world/news/20100519k0000m030052000c.html



画像「韓国、日本に“天安艦は北の魚雷で沈没と判断”伝達」

柳明桓(ユ・ミョンファン)韓国外交通商部長官が日本の岡田克也外相に天安艦沈没は北朝鮮の攻撃によるものだという立場を伝えたと朝日新聞が17日、報道した。

新聞は慶州で開かれた韓日外相会談で柳長官が岡田外相に今回の事態は北朝鮮の魚雷攻撃によるものだという考えを明らかにしたと伝えた。

韓国政府が北朝鮮の攻撃で天安艦が沈んだという判断を関係国に伝達した事実が明らかにされたのは今回が初めだと同紙は指摘した。

URL:http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=129146&servcode=A00§code=A10



画像北朝鮮、15日には2度NLL挑発…「韓国側が退け」

軍当局は天安艦事件以後、初めて北朝鮮警備艇が15日夜、西海(ソヘ、黄海)北方限界線(NLL)を侵犯したことに対して注視している。特に軍当局は過去と違う北朝鮮警備艇のNLL侵犯行動に触覚を逆立てている雰囲気だ。

まず、北朝鮮艦艇の盗人猛々しい警告放送だ。北朝鮮警備艇1隻はこの日、韓国海軍が国際商船通信網を通じて「北朝鮮に退去しなさい」とまず警告放送をすると「貴側(韓国側)艦艇が北朝鮮海域に侵犯したから直ちに離脱しなさい」と対応放送をした。北側警備艇の放送当時、韓国海軍高速艇はNLL南側の韓国の海域で正常な境界活動を行っていた。一方、北朝鮮警備艇は当時NLLに向かって接近中で、その後、NLLを侵犯した。北朝鮮のこうした警告放送は前例がないというのが軍当局の説明だ。

2番目は北朝鮮警備艇が夜間にNLLを侵犯した点だ。午後10時以後は北朝鮮警備艇の活動が少ない時間帯だ。当時、ヨンピョン島とペンリョン島の間には300隻の中国漁船が操業中だったが、北朝鮮警備艇が侵犯したヨンピョン島近くの水域には10隻しかなかった。北朝鮮警備艇が中国漁船を取り締まるためにNLLを侵犯する状況ではないと言える。その上に北朝鮮の漁船は北朝鮮警備艇が侵犯した位置から遠く離れているという。軍関係者は「北朝鮮警備艇は天安艦事件以後、韓国側海軍の対応態勢を把握するために故意にNLLを侵犯した可能性がある」と言った。

3番目は北朝鮮が今回のNLL侵犯の前に「韓国艦艇がNLLを超えた場合、無条件撃ちなさい」という指示を下した点だ。この指示は北朝鮮西海艦隊司令部と4軍団などすべてのNLL管轄部隊に下されたということが政府当局の説明だ。

こんな点から推測して、今後、西海で緊張が高まる可能性がある。軍の高位関係者は「天安艦事件で南北軍間に緊張度が高まり、互いに鋭敏になっている状態」とし「北朝鮮の軍がこのような状況を悪用する可能性がある」と述べた。北朝鮮の動きは西海を紛争水域化しながら自分たちが一方的に宣布した西海海上境界を固めていこうとする意図があるものと見られる。北朝鮮の警告放送は追加挑発の信号弾であるかもしれない。

北朝鮮は1999年9月、西海5度より南側に海上境界を宣布した後、この境界以北の海域は北朝鮮が管轄する海と主張してきた。北朝鮮の主張とおりならペンリョン島と大青島、ヨンピョン島など西海5度が北朝鮮水域に入る。北朝鮮は海上境界を宣布した後、西海5度を通る韓国の漁船と商船は北朝鮮が決めた水路だけ通航することができると述べた。西海5度を守るために境界活動中の海軍の高速艇活動を認めないというのだ。北朝鮮の警告放送どおりなら西海で南北海軍間の衝突がまた起きることがあり得る。

北朝鮮艦艇のNLL侵犯は時期的に注目される。慶州で韓日中外交長官会談が開かれた日に侵犯した。この会談では天安艦事件問題が論議された。北朝鮮としてはNLL侵犯を通じて西海(ソヘ、黄海)が紛争水域であることを知らせようとした可能性がある。20日に予定された天安艦の調査結果発表ともかみ合っているものと見られる。民・軍合同調査で北朝鮮が天安艦を沈没させた証拠が出た場合に備えた可能性がある。天安艦切断面などから発見された破片と火薬成分など北朝鮮の犯行を立証する証拠が出れば天安艦沈没行為を正当化できる論理が必要だという話だ。天安艦が自分たちの海上境界の中で活動したという主張を展開する可能性も排除できない。

◆北朝鮮軍4軍団=沙里院と海州など北朝鮮西部戦線を担当する軍団だ。休戦線を間に置いて韓国の1師団と向かい合っており、海岸線防御および攻撃任務も担当している。この軍団が保有している多数の長射程砲(240ミリ)と海岸砲(130ミリ)はペンリョン島とヨンピョン島はもちろん首都圏まで射程圏にしている。地対地ミサイルも運用中だ。隷下に軍団直轄隊と4の師団、特殊部隊である警報兵2旅団を置いている。戦略的重要性が大きく、歴代軍団長はヨ・チュンソク(上将、金日成軍事総合大学総長)ら金正日国防委員長側近が担ってきた。総参謀長を務めたキム・ギョクシク大将が昨年初めから軍団長を務めている。

URL:http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=129135&servcode=500§code=510

この記事へのコメント

  • 日比野

    こんばんは。コメントありがとうございます。
    >政権の運営能力がなくての結果なのか、最初から狙い通りの結果なのか?

    う~ん。両方ではないでしょうかねぇ。

    鳩山政権は基本的に、自民党の否定をその存在根拠としているようなところがありますから。政権交代直後から、そういう印象を受け、ブログにも何度も書きましたけれど・・・

    実際政権を担当しても、ぜんぜん当事者意識に欠け、碌に運営もできないくせに、自民党の否定となる法案ばかり強行採決してゆく。酷いを通り越してます。。
    2015年08月10日 16:48
  • グー

    日比野庵様、いつもどんな話題が語られているか、楽しみに訪問しております。

    経済、産業、外務、防衛、内政、鳩山政権が誕生してから、色々なものが壊れかかっていますが、はたして、政権の運営能力がなくての結果なのか、最初から狙い通りの結果なのか?
    2015年08月10日 16:48

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