野党のダブルの策


「参院選で小さな政党で足を引っ張りあって民主党を利することになりかねないので、第三極同士、政策を話し合って一本化する可能性もある」
舛添要一・新党改革代表 4/25


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昨日のエントリーでは、参院選での与野党のアピールポイントについて触れたけれど、具体的に選挙を戦うにあたって、野党にとってもダブルの策がある。

ひとつは選挙協力という策。もうひとつは民主党に対する政策包囲網を敷くという策。

選挙協力といえば、政党が支持者に対して、連合する他政党に投票するよう呼びかけることだから、もうすっかりお馴染みとなったもので特に珍しい話じゃない。だけど、野党が民主党の単独過半数阻止を本気で狙うのであれば、避けては通れない。

一つの選挙区で野党の候補者同士で争っても票が割れるだけ。特に自民から飛び出してできた、みんなの党、たちあがれ日本、新党改革なんかは元々自民党だったのだから、政策も似ているし、有権者にとっては違いを見出しにくい。したがって、候補者を調整して、野党連合を組む形にするのは合理的ではある。

ただ、各党も選挙協力したいところは山々ではあるのだけれど、いろいろと事情があるのか、選挙協力の動きは芳しくないようだ。

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たちあがれ日本の平沼代表は記者会見で、比例復活当選した与謝野氏に対して自民党が、本来ならば議員辞職すべきとして除名処分にしたことに、「感情を逆なでされた」と不快感を示しているし、支持率がぐんぐん伸びて勢いづく、みんなの党は、選挙区と比例代表合わせて全都道府県に候補者を立てる方針を打ち出していて、むしろ選挙協力には消極的。

新党改革の舛添代表は、「複数の新党が統一名簿を作れば、相当な力になれる」と選挙協力を呼びかけてはいるけれど、反応は鈍い。第3極同士で選挙協力できるかは微妙な情勢。

結局、いまの状況は、自民党が少しづつ壊れていくのみで、参院選で大きく巻き返すような動きにはなっていない。

それ以前に、第3極を目指す新党といっても、獲得できる議席数がそもそも多くない。今度の参院選の改選議席212のうち、新党が目標に掲げる獲得議席がどれくらいかというと、新党改革とたちあがれ日本は10議席、日本創新党は5議席。あれほど強気のみんなの党でさえも20議席。

実際にはこんなにも取れない可能性の方が高い。参院選は比例代表で1議席を得るのに通常100万票以上必要になる。10人当選させたかったら、勿論その10倍の1000万票が要る。

前回の参院選で、公明党が、比例、選挙区合わせて、約1130万票。共産党のそれは、957万票だから、普通の選挙だと公明・共産なみの党員組織と資金力が必要になると推測される。

もちろん、みんなの党を始め、その他新党にそんな力はないから、10議席以上の獲得は、相当に高いハードルだと言える。

だから、実際のところは、目標の半分くらいの議席をとれて大成功の部類だろうと思う。

従って、各野党間での選挙協力が出来なかったとしても、候補者をどの選挙区で立てるかについての調整は有った方が良いと思われる。

個人的には、選挙力はそれほどでもないけれど、資金力と動員力に優れた幸福実現党辺りが、自民の保守系を中心に選挙協力、ないしは選挙支援することがあれば面白くなる可能性がある、と見る。

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さて、もうひとつの策である、民主党に対する政策包囲網を敷くについてだけれど、これは野党間の選挙協力が上手くいかない場合の保険となる意味合いを持っている。

この包囲網はあくまでも「政策の」包囲網であって、選挙の包囲網ではないのがポイント。

普通、野党が完全にがっちりと選挙協力ができた場合は、民主党に対して、野党による選挙包囲網が敷かれるのだけれど、現状では必ずしも出来るとは限らない。

だけど、政策であれば、選挙協力がなければないほど、党独自のものを打ち出せる。そのとき、自身の政策をアピールすると同時に、これまでの民主党の国政の甘さや間違いなどを分かり易く指摘して、それを改革するのが我が党の政策だというような選挙活動をする。

まぁ、こんなのは選挙ではいつもやっているはずのことなのだけれど、選挙はおうおうにして、なにか一つの争点に集約して、それを是とするかしないかになりがち。

前の衆院選であれば、政権交代だっただろうし、小泉政権では郵政解散という分かり易いものだった。

今回の参院選で何が争点になるかというと、昨日のエントリーで述べたように、改革の手綱を引き続き民主党に任せて良いのかどうか、という点になると思われる。

そして、その是非は、国民の現状認識と危機意識如何で決まるだろうとも言った。



この仮定が正しければ、次回の参院選では、如何に国民に正しい現状認識を持ってもらうかが鍵であって、兎に角政権交代すれば良くなるだろう、といった甘い期待だけで一度民主党にやらせてみよう的な余裕はもうないのだ、ということを周知徹底させる必要がある、と思う。

その為には、単に、友愛殿や剛腕殿が辞職するだけでは足らなくて、民主党のやることそのものに危険があるのか、ないのか、ということを徹底的に検証、周知しておかなくちゃいけない。

だから、懸念される政策が民主党にあれば、それを行うことによって、どんな弊害があるのか、またはあったのかを政策毎に野党各党が分担して、訴えるというのが、この政策包囲網。

民主党は基本的に前回の衆院選からマニフェストを変えないようだから、民主党の政策による実害が出ている部分もある筈。それをそのままにさせていいのか、という事は、国民にきっちり知らせておく必要があるだろう。

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画像選挙協力(せんきょきょうりょく)

複数の政党が候補者の調整をし、一本化した候補者の当選を目指すこと。
連立与党が政権の維持を目的としたり、野党が政権の奪取を狙ったりして、与野党それぞれに分かれて選挙協力が行われる。そのため、与野党対決が鮮明になり、疑似的な二大政党制が実現する。一つの選挙区で与党の候補者同士または野党の候補者同士で争っても票が割れるだけなので、候補者を一本化して選挙協力をする同じグループではほかの候補者を立てない。具体的には、所属政党の公認でほかの協力政党の推薦を得る形にするか、絞り込んだ候補者を無所属として立候補させるかの2通りの方法がある。与野党それぞれのグループで統一の首相候補を掲げて支持を訴える「オリーブの木」と呼ばれる手法がイタリアにはあるが、日本では定着しているとはいえない。

URL:http://seiji.yahoo.co.jp/guide/yougo/senkyo/16.html



画像第三極で選挙協力も 参院選目標は10人 舛添代表 2010.4.25 12:45

 新党改革の舛添要一代表は25日、テレビ朝日の番組で「参院選で小さな政党で足を引っ張りあって民主党を利することになりかねないので、第三極同士、政策を話し合って一本化する可能性もある」と述べ、みんなの党など他の新党と参院選での選挙協力を模索する考えを示した。

 同時に「(党にかかわらず)特定の個人を応援するという協力もある」と述べた。

 参院選の目標議席数については「比例で1000万票、10人。加えて選挙区の当選も目指す」と表明。「1人区、複数区問わず、候補者を出す構えだ」と強調した。

 フジテレビの番組では、参院選後の民主党との連携について「絶対にやらない。ただ小沢一郎民主党幹事長が議員辞職して政界から去れば別だ」と指摘した。

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100425/stt1004251251001-n1.htm



画像“除名処分 選挙協力に影響” 4月28日 17時7分

たちあがれ日本の平沼代表は記者会見で、共同代表の与謝野元財務・金融担当大臣を自民党が除名処分にしたことについて、「感情を逆なでされた」と不快感を示し、参議院選挙での選挙協力に影響を与えることになるという認識を示しました。

自民党は、離党届を提出して新党を結成した舛添前厚生労働大臣と与謝野元財務・金融担当大臣に対し、比例代表で議席を得ており本来なら議員辞職すべきだとして、27日、最も厳しい除名処分にしました。これについて、たちあがれ日本の平沼代表は記者会見で、「残念な気持ちでいっぱいだ。選挙協力の門戸を開いておくことはやぶさかではないが、われわれの感情は逆なでされた。積極的にやる意思はない」と述べ、参議院選挙での選挙協力に影響を与えることになるという認識を示しました。また、平沼氏は、新党改革の舛添代表がほかの新党などとの選挙協力に積極的な姿勢を示していることについて、「参議院選挙で民主党に単独過半数をとらせないため、保守陣営が胸襟を開いて話し合うことは必要で、申し出があれば、開かれた政党として対処したい」と述べました。

URL:http://www.nhk.or.jp/news/html/20100428/k10014143361000.html



画像参院選:「第三極」連携難航 みんなの党は独自に擁立へ 2010年5月4日 11時6分

 民主党でも自民党でもない「第三極」を目指し、夏の参院選を前に相次いだ「新党」結成。一部に選挙協力を模索する動きもあり、新党改革の舛添要一代表が比例代表の「統一名簿」構想を提唱した。しかし、世論調査の政党支持率で先行するみんなの党は独自候補の擁立を進めており、選挙協力には消極的。他党は候補者確保に苦労している状況で、勢力結集よりも自らの生き残りを優先せざるを得ず、統一名簿など具体的な連携が進む見通しは立っていない。【中田卓二】

 参院選の目標として、新党改革とたちあがれ日本は10議席、日本創新党は5議席を掲げる。だが、92年参院選でブームを起こした日本新党でも獲得したのは4議席。参院選は比例代表で1議席を得るのに通常100万票以上必要で、1人区の多い選挙区も小党にはハードルが高い。

 新党改革とたちあがれ日本は政策的に自民党と近く、別々に新党を結成した理由も有権者に浸透しているとは言い難い。新党改革は知名度の高い舛添氏が頼み。たちあがれ日本も発起人に加わった石原慎太郎東京都知事の発信力に期待をかける。候補者選考に苦労している点も共通しており、たちあがれ日本は4月26日に予定していた第1次候補者発表を大型連休明けに延期した。

 舛添氏は2日のNHK番組で「複数の新党が統一名簿を作れば、相当な力になれる」と選挙協力に前向きな姿勢を示したが、個人的アイデアの域を出ていない。有権者の投票意思と異なる党の候補者が当選する可能性もあり、実現可能性は低そうだ。たちあがれ日本の平沼赳夫代表は「民主党の単独過半数を制するには、保守の陣営が胸襟を開いて話し合うことは必要だ」と述べるにとどめている。

 対照的に、最近の地方選挙で好調を維持するみんなの党は勢いづく。すでに選挙区で8人、比例代表で10人を公認。渡辺喜美代表は「忠臣蔵」の赤穂浪士にちなんで「四十七士作戦」と銘打ち、選挙区と比例代表合わせて全都道府県に候補者を立てる方針だ。山内康一国対委員長は「当選目標は20人。荒唐無稽(むけい)ではない」と強気に語る。

 日本創新党は、党首の山田宏東京都杉並区長や代表幹事の中田宏前横浜市長らが参院選に立候補するかどうか、結論が出ていない。

URL:http://mainichi.jp/select/today/news/20100504k0000e010014000c.html



画像【参院選情勢】「与党過半数」厳しい状況 民主、初の100人超擁立も 2010.5.3 20:51

参院選 過半数をめぐる攻防 今夏の第22回参院選について、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査に、総支局の取材を加味したところ、現時点では、民主党が目標とする単独過半数も、与党3党の過半数獲得も厳しい情勢にあることが3日わかった。民主党は、参院選に比例代表が導入されて以降初の「1党で100人超」の候補者を擁立するが、鳩山政権への支持が失われた影響は大きそうだ。

 参院選は、政権交代後初めての大型国政選挙で、民主党政権への審判。選挙区、比例代表計321人が立候補を予定している。

 民主党が単独過半数を得るには、大勝した平成19年参院選と同じ60議席が必要だが、20%台に落ち込んだ現在の内閣支持率では難しい。社民党、国民新党との連立与党3党なら55議席、非改選の与党系無所属2人を入れると与党53議席で過半数となるが、改選数1の「1人区」で大敗する可能性も出てきた。4月24、25日の世論調査では比例代表での投票先を尋ねたところ、民主党21.2%、自民党17.8%と、両党にほとんど差がなくなっている。

 選挙戦では、昨年の衆院選で民主党が掲げたマニフェスト(政権公約)の実行度や、米軍普天間飛行場移設問題に加えて、鳩山由紀夫首相や小沢一郎民主党幹事長の「政治とカネ」問題が大きな比重を占めそうだ。ただ、参院選前に首相や小沢氏の進退問題に発展した場合には、情勢は大きく変わる可能性がある。

 与党過半数阻止を狙う自民党は、野党系で69議席が必要。離党者が相次ぐ現状では自民単独では難しいが、鍵は、政党支持率急上昇中のみんなの党や新党改革、たちあがれ日本など「第三極」の動向だ。新党改革の舛添要一代表は新党で比例代表の統一名簿を作るプランを打ち出しており、支持が集まれば、ブームとなる可能性もある。

 日程は、通常国会の会期延長がなければ6月24日公示、7月11日投票が有力。

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/election/100503/elc1005032053001-n1.htm

この記事へのコメント

  • sdi

    今後、小政党の選挙協力が進み、自民党が驚異的な加速度で参院選準備を終えたとします。そのとき、民主党側は衆参同日選という奥の手を使ってくるのではないでしょうか。
    右手(参院選)で握手しながら、左手(総選挙)で殴りあうなんてまず無理です。
    また、今の自民党に参院選と同時に総選挙を戦う体力があるようにも見えません。
    「民主党は安倍、福田内閣のように解散せずに責任逃れするようなことはしない。民意を問います」と宣伝することもできます。
    2015年08月10日 16:49
  • グー

    確かな資料、冷静な分析、偏りのない視点から発信されていることから、いつも「日比野庵」様のエントリーを楽しみにしております。国民全体が自己都合を言い合うのではなく、この国の未来を、方向を、それぞれが考え、判断できる国(民)になってゆく事が望ましいと思います。今後もいろいろご享受くださいます様お願いいたします。
    2015年08月10日 16:49

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