
「沖縄問題は重くてどうしようもない。基地問題はどうにもならない。もうタッチしたくない・・・もう沖縄は独立したほうがいいよ。」菅副総理(当時) 『沖縄の自己決定権 地球の涙に虹がかかるまで』喜納参院議員著より
昨日のエントリーで、菅@けものへん殿には、代表選というハードルがあると言ったけれど、もうひとつ高いハードルがある。それは9月の普天間滑走路の工法決定と11月に行われる沖縄知事選。
普天間滑走路の工法決定についてだけど、これも結構な難題。というのは友愛殿が提示する案ともいえなかった腹案なるものは、次々とアメリカに拒絶された挙句、ようやく合意に漕ぎつけたのが、自民党時代の現行案だから。
その工法は埋め立て方式と見られているのだけれど、辺野古の海を埋め立てるには、知事の許可が要るから、知事が首を縦に振らない限り、現行案は着工することさえできない。
15日に、菅@けものへん殿と会談した仲井真・沖縄県知事は辺野古への移設を明記した日米共同声明に対して、共同声明は遺憾だ、実現は極めて厳しい、と県内移設は困難との考え伝えているし、民主党沖縄県連は、地元の理解を得るのはまず不可能として、到底容認できない考えを表明している。
ところが、当然のことながら、アメリカは共同声明の履行を求めていて、17日に来日したキャンベル米国務次官補は、米軍普天間飛行場移設に関する5月末の日米合意が着実に履行されることへの期待感を表明している。
また、岡田外相も、8月末とは技術的な検討のタイミングで、沖縄の理解を求めなければならないというものではない、として、沖縄の理解がなくても工法選定する旨の発言をしている。
ここで、沖縄への根回しとかきちんと理解を得る努力をせずに、アメリカとの合意事項だから、といって埋め立て方式で強硬決定したりなんかすると、ほぼ確実に11月の沖縄知事選に影響すると思われる。
普天間の辺野古移設に反対の意向を示している伊波洋一宜野湾市長は、16日に都内の日本外国特派員協会の講演で、11月の沖縄知事選への出馬を検討する発言をしているから、埋め立て方式の強硬は、伊波市長の出馬への後押しになるだろうし、それどころか知事当選への強力な追い風になる。
もし、この伊波市長が知事に当選なると、沖縄県民の県内移設反対の意思表示は勿論のこと、伊波市長自身、私が知事ならもちろん埋め立ては認めない、選挙の結果で共同声明が方向転換を余儀なくされることを願っている、と発言しているから、埋め立て方式はおろか、移設そのものが極めて難しくなる。
だから、辺野古移設をきちんと進めようとするのなら、岡田外相がコメントしているように、沖縄の人達が『これならやむを得ない』と受け入れる状況を作り出すことがとても大切。
11月の知事選を考えると、今から物凄い労力と誠意を持ってこの問題に取り組んでいかないと間に合わない筈なのだけれど、肝心の菅@けものへん殿に、その気があるかどうか極めて疑わしい。
なぜかというと、もちろん冒頭で引用した、菅@けものへん殿の沖縄独立発言があるから。
この発言が新聞で報じられるや、大きな波紋を呼んでいる。本当に、菅@けものへん殿がそんな発言をしたのか不明とされているけれど、自分が批難されることが大嫌いで、ひたすら自己防衛に走る彼の性向を考えると充分にあり得る話。
17日の仲井真知事との会談後の閣僚懇談会で、菅@けものへん殿は、普天間問題に対して、「仙谷由人官房長官を中心に」内閣が一体となって取り組むよう指示したそうだから、穿った見方をすれば、厭なことは仙石官房長官に押し付けた、と見えなくもない。
「鳴くのなら 日本から出て行け 沖縄県」ではないけれど、沖縄は独立したほうがいいだなんて、本当にこんなことを言ったのであれば、はっきり言って、一国の宰相の器じゃない。
厭な事には手を出さないし、出したくないというのが許されるのはせいぜい小学生まで。
もしも11月になっても、普天間移設で沖縄の合意が取れなかったら、どうなるか。
もしかしたら、得意の自分は関係ない、悪いのは沖縄だ、と「オキナワガ―」を発進させるかもしれない。
だけど、11月の沖縄知事選挙で県内移設反対派の伊波市長が当選して新知事になっていたとしたら、沖縄県の民意を思いっきり無視することになるから、「オキナワガ―」は発進した途端に爆発炎上。
叩かれるのが大嫌いな菅@けものへん殿は、批難の矢面に立つことになる。
代案を考えたくても、友愛殿の御蔭でその目は全部潰れている。沖縄の負担軽減のための、在沖縄米軍訓練を全国の自衛隊基地に展開する「負担軽減パッケージ」も各県知事の反対に遭うだろう。
だから、今は支持率も高く、一部には長期政権になるかもしれないと言われている菅@けものへん政権は、実は極めて危ういバランスの中にある。
このハードルを超えるためには、菅@けものへん殿は、自らの一字、いや一偏である「けものへん」を返上して、「狡さ」も「狭さ」も権力を「狙う」野心も、皆捨て去ったところからスタートしなければならないと思われる。
皮肉なことだけれど、「けものへん」によって首相の座を射止めた菅@けものへん殿は、自らの「けものへん」な性向自身によって苦しめられることになる。


【名護】米軍普天間飛行場の移設先を名護市辺野古沿岸部とする現行案を条件付きで容認し、キャンプ・シュワブ陸上案に反対するため3月から休眠状態だった普天間代替施設推進協議会(辺野古)が12日、名称を「代替施設安全協議会」と変え、復活した。許田正武共同代表(41)は「日米が辺野古で合意した。(基地が)どうせ来るなら地元が豊かにならなければ意味がない。政府と交渉する窓口が必要だ」と復活の理由を説明した。
安全協は、辺野古の青年部を中心に、建設業、社交業組合、漁協などの有志約50人で構成する。同日、推進協時代からのメンバーらが、同事務所に看板を取り付けた。許田代表は政府が8月末までに決めるとする工法については「埋め立てしか受け入れられない」と強調した。
推進協は普天間飛行場の辺野古沖移設の推進を目的に2005年7月、地元有志が結成。基地建設による雇用増加など地域活性化を訴え、推進派の中心的役割を果たした。陸上案に反対するため今年3月、看板を下ろしていた。
URL:http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-06-13_7205/

民主党沖縄県連は29日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先を同県名護市辺野古とした日米共同声明と閣議決定に対し「地元の了解、連立3党の合意なき内容は実行不可能。到底容認できない」とする県連の見解を発表した。社民党に続き、民主党内からも地元の頭越しの日米合意に公然と批判が出た格好だ。
沖縄県連は常任幹事会を開き、共同声明と閣議決定への対応を協議。「県外・国外移設を求める県民の意思ははっきりしており、地元の理解を得るのはまず不可能」という認識で一致した。今後、党本部に働きかけ、閣議決定の変更と日米両政府の再交渉を求める。
会見した玉城デニー衆院議員(名護市など沖縄3区)は「県連は一貫して県外・国外を主張している。党内でも意見が整っていない中での閣議決定であり、引き続き党内議論を求める」と話した。【徳野仁子】
URL:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100530k0000m010086000c.html

【東京】伊波洋一宜野湾市長は16日、都内の日本外国特派員協会で講演し、11月に予定の県知事選について「(自身が)候補になる可能性はとても大きいかなとは思っている」と述べ、要請があれば出馬を前向きに検討する考えを示した。
伊波氏は、4年前の前回知事選にも触れ「候補者リストには一応載っていたが、普天間問題に専念をするということで(早い段階で)降りた」と説明。その上で、今回の知事選で「同じように名前が挙がる可能性は当然出てくると思う」として、出馬に向けた環境醸成に期待を示した。ただ最終的には「これから決める」とした。
質疑で仮に知事になった場合、名護市辺野古崎周辺海域の埋め立てを許可するかと問われ、「仮定の話だが、私が知事ならもちろん埋め立ては認めない」と強調。「(知事)選挙の結果で共同声明が方向転換を余儀なくされることを願っている」と述べ、出馬する場合も、菅直人首相が踏襲の意向を示している5月末の日米合意と閣議決定に反対を貫く姿勢を鮮明にした。
戦後の沖縄で多くの土地が米軍に接収された経緯などから外国軍隊である米軍基地には反対するとし、「自衛隊基地の撤去を求めているわけではない」と述べた。
URL:http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-06-17_7302/

岡田克也外相は9日未明、外務省で記者会見し、米軍普天間飛行場の移設先として沖縄県名護市辺野古崎付近と明記した日米共同声明について、「8月末とは技術的な検討のタイミングであり、それまでに沖縄の理解を求めなければならないというものではない」と述べ、地元の理解が得られなくても、施設の位置や工法を選定する考えを表明した。
一方で、岡田氏は「沖縄のみなさんが、『これならやむを得ない』と思っていただく状況をつくりだすことが重要だ」と指摘、沖縄住民の理解を求めるため、粘り強く説得を進める意向も強調した。【西岡省二】
URL:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100609k0000e010038000c.html

キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は17日夕、ソウルから空路、東京・羽田空港に到着した。菅政権発足後、初の国務省高官の来日。次官補はこれに先立ちソウルで記者団に対し、日米同盟の重要性の再確認が日本訪問の目的だとした上で、米軍普天間飛行場移設に関する5月末の日米合意が着実に履行されることへの期待を表明した。
次官補は、普天間問題について「最近、重要な問題に関する措置が取られた」と強調。菅直人首相が、沖縄県名護市辺野古沿岸部に代替施設を造るとの同合意を踏まえて解決を図るとの考えを表明していることから、日本側に協議の加速を求めるとみられる。次官補は18日に外務省幹部らと会談する予定。
国連安全保障理事会に問題提起されている韓国海軍哨戒艦沈没問題に関しては「国際社会が北朝鮮に非常に強力で明確なメッセージを伝える必要がある」とし、米韓両国が安保理対応でも完全に一致していると強調。日本政府とも、日米韓が連携しながら、慎重姿勢を崩さない中国とロシアの説得をいかに行っていくかについて
URL:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010061701000739.html

菅直人首相が2009年9月の政権交代後、沖縄の米軍普天間基地移設問題について周囲に「沖縄基地問題はどうにもならない」「沖縄は独立したほうがいい」という旨の発言をしていたと、喜納昌吉参院議員が自著の中で明らかにした。本当にそう発言したのかは不明だが、新聞で報じられるなど、大きな波紋を呼んでいる。
2010年6月1日、民主党沖縄県連の喜納昌吉参院議員(62)の著書『沖縄の自己決定権 地球の涙に虹がかかるまで』(未來社)が発売された。7月の参院選に比例代表で出馬する喜納氏が、自身のこれまでの歩みと政治信条をインタビュー形式で語った本だ。
「もう沖縄は独立したほうがいいよ」
喜納昌吉参院議員の『沖縄の自己決定権』
その中の「沖縄の自立に向けて」という章に、09年9月の政権交代後、当時副総理だった菅氏に会った際、米軍普天間基地移設問題について話し合った内容が書かれている。
喜納氏が「沖縄問題よろしくね」と言ったところ、菅氏は「沖縄問題は重くてどうしようもない。基地問題はどうにもならない。もうタッチしたくない」と発言。最後には、「もう沖縄は独立したほうがいいよ」とまで言ったという。
以前から沖縄独立を提唱していた喜納氏はこれに「あ、菅さん、ありがとう!」と返したというが、著書の中で「半分ジョークにしろ、そういうことをいま副総理でもある、財務大臣でもある、将来首相になる可能性もある彼が言ったということ、これは大きいよ。非公式だったとしても重い」としている。
「沖縄の自立、独立を国民的に議論する時期」
首相がかつて普天間問題に匙を投げ、沖縄独立を推奨するような言葉を漏らしていたということで、喜納氏のこの証言を2010年6月16日までに新聞数紙が報道。産経新聞は23日に首相が沖縄訪問を予定していることに触れ、「就任前とはいえ、国土・国民の分離を主張していたことは大きな波紋を呼びそうだ」とした。これを受けて同日午後、喜納氏はツイッターに
「菅さんは総理に就任して決定権を持った。菅さんなら、沖縄県民が望む未来像を描いてくれるかもしれない。一国ニ制度も含めて、沖縄の自立、独立を国民的に議論する時期がきたのだと思う」
と投稿している。
もっとも、菅首相が本当にこのように言ったかは不明だ。仙谷由人官房長官は16日の会見で喜納氏の証言について「著作を読んでいない。検証のしようがない伝聞証言は刑事訴訟法でいえば証拠能力がないということ」と慎重に発言。菅首相に事実確認するかどうかも「今のところない」としている。
『沖縄の自己決定権』には、喜納氏が03~4年頃に、民主党の小沢一郎前幹事長に「いつか沖縄が独立したいと思えば独立させてくれますか」と聞いた場面も出てくる。小沢氏は「沖縄民族が独立したいと思うなら、ほんとうに歩けるような道筋を作ってからなら独立してもいい、それも考えてみよう」と回答したという。
URL:http://www.j-cast.com/2010/06/16068960.html?p=all
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