菅政権に立ちふさがるハードル(菅政権の今後の展開について 前編)

  
菅@けものへん政権が、自民党がやってきたことと同じようなことをする、といってもそれが保守回帰になるとは、必ずしも限らない。

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なぜなら、自民党自身、政策スタンスとして右から左まで取り揃えていて、政策的に保守ともリベラルともいえる面があるから。
※このあたりについては「小さな政府と格差是正を求める民主党」を参照されたい。

菅@けものへん殿は、それらの中から自分の気に入る政策をチョイスしては、官僚に作文させてそれに従うスタンスになる。もちろん「自民党を参考にした」との言い訳つきで。

こうなると、民主党と自民党の差別化は出来なくなってくる。傍目からは、むしろ民主党は自民党寄りになった、右旋回した、という風に見られる可能性のほうが高い。

これは、政権交代を喜んだ、民主党のコア層、団塊星人、べきべき人達を失望させるものになる。折角、憎っくき自民党政権を倒して革命した筈なのに、内閣が自民党化するとは何事だ、と。

従って、参院選に勝とうが負けようが、菅@けものへん殿が今のスタンスを続ける限り、今度は民主党自身の分裂又は崩壊要因を孕むことになる。参院選が終わるまでは、民主党の支持者達は我慢しているかもしれないけれど、参院選後、その動きが見えてくるのではないかと思われる。

だから、下手をすると今は回復したかに見える支持率も、やがてOQ層はおろか、コア層の支持さえも失うという最悪の事態になる可能性さえある。

これは、民主党のコア支持層から、剛腕殿の復活を望む声の高まりを誘引するだろう。



こうした視点で見たとき、参院選後の菅@けものへん政権には大きなハードルがいくつかある。

そのひとつが、9月の民主党代表選。

9月の代表選については、「菅執行部の小沢切りは本物か」で述べたように、参院選に勝つか負けるかで、党内の勢力バランスが変わる可能性がある。それは同時に党内の剛腕派が主流を奪い返せるかどうかをも決めることになる。

参院選の勝敗ラインを巡っては、所信表明演説で菅@けものへん殿は、2004年改選時の50議席維持を示唆したのに対して、剛腕殿に近い議員は民主党単独過半数となる60議席だ、との発言していて、早くも綱引きが始まっている。

参院選に負けてしまうと、剛腕殿を蔑ろにしたせいだ、と剛腕派が息を吹き返す。

実際、17日には、剛腕殿は自らの政治資金パーティーで講演し、またその夜には、剛腕殿に近いとされる党幹部や中堅議員ら10人が都内で会合を開いている。

この会合は、表向きは、今期限りで引退する高嶋良充参院幹事長の慰労、ということになっていたそうなのだけれど、会合後、高嶋氏は記者団に「選挙を勝ち抜くまでは挙党態勢」「長州と薩摩が一致団結して参院選に勝利する」などと発言している。

要するに、選挙後にはどうなるか分からんぞ、と牽制しているということ。まるで、民主党内が長州と薩摩に分かれていると言わんばかり。

更に、高嶋氏は、菅@けものへん殿が、消費税率10%について、自民党を参考にした、との発言について、勇み足だ、真意がわからない、と批判している。

だから、9月の代表選のゆくえは注目に値するだろうし、また、代表選を、一般の民主党員、サポーターを含めた投票にするかどうかも注目点になると見る。

というのも、一般投票を行うことで、民主党の支持層自体が、菅@けものへん殿路線、つまり自民党もどき路線を支持するのか、それとも、剛腕殿の革命破壊路線を支持しているのかを測るバロメーターになるだろうから。

おそらく、民主党執行部が自身の支持層をどうみているかによって、サポーター投票をするのかどうか決めるだろうけれど、正直どっちに転ぶかなんともいえないところがある。もしかしたら、支持層自体も割れているかもしれない。

この9月代表選が菅@けものへん殿にとっての一つ目のハードル。下手をすると党を二分する政局になる可能性すらある。

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画像消費税率の議論 高嶋氏「勇み足だ」と菅首相を批判 2010.6.18 00:34

 民主党の高嶋良充参院幹事長は17日夜、菅直人首相が同日の記者会見で消費税率について「自民党が提案している10%を一つの参考にさせていただく」と述べたことについて「首相の会見を聞いていないが、(税率について)期限を切るとか、何%引き上げると言われたのであれば、勇み足だ。首相の真意がわからない」と批判した。都内で記者団に語った。

 高嶋氏は「消費税は早期に結論を出して超党派で考えていくということが党の総意だ。その方向でやるべきだ」と苦言を呈したうえで、「税率の議論をするのなら、低所得者の食料品は免除など議論しないといけない。現在の5%を10%に上げるとか、そういう発想でとらえられるようなことを軽率に言うべきではない」と述べた。

 さらに「参院選を戦っている人たちからすれば、消費税率が議論になることは想定していない。一般的にいえば、選挙に悪影響を及ぼすと考えざるを得ない」と懸念を示した。

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100618/plc1006180034000-n1.htm



画像民主・枝野幹事長 「趣旨が正確に伝わってない」 菅首相の消費税引き上げ発言に対する党内の批判に 2010.6.18 11:56

 民主党の枝野幸男幹事長は18日午前、菅直人首相が消費税率の10%への引き上げに言及したことに対し、「超党派で議論をしていこうというのがマニフェスト(政権公約)の文言だ。(10%を提示した)第2党の自民党の考え方を参考に議論をするのは当たり前のことだ」と強調した。党本部で記者団に答えた。

 首相の消費税引き上げ発言に対しては閣内や党内からも批判の声が上がっており、参院民主党のナンバー2である高嶋良充参院幹事長も「勇み足だ」と批判している。これに対し、枝野氏は「たぶん断片的な報道で、この趣旨が正確に伝わっていない時点での発言だろう」と指摘した。

 ただ、首相が発言前に、党執行部と調整していたのかについては、「10%を参考に、というところまであったかどうか記憶が定かでない」と言葉を濁した。

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100618/stt1006181157003-n1.htm



画像再び“うごめく”小沢 復権目指し水面下で多数派形成へ 2010.06.18

 民主党の小沢一郎前幹事長(68)が再びうごめきだした。17日には自らの政治資金パーティーで講演したほか、同夜には小沢氏系議員らが会合を開き、参会者の1人が会合後、「選挙を勝ち抜くまでは挙党態勢」とブチあげたのだ。これは9月の代表選を念頭に多数派形成を目指す考えをにじませたもので、菅執行部内では警戒感も広がっている。

 小沢氏の講演は非公開だったが、出席者によると、参院選について「(菅直人首相から)静かにしておれと言われているので、にぎにぎしい応援の仕方はしない。私流にひなびた山奥や海岸を回る」と語り、会場内の笑いを誘った。

 菅首相に対しては「表紙の顔は変わっても日本が直面している内外の問題は非常に深刻だ。真剣に国政に取り組んでもらわなくてはいけない」と注文を付けた。

 幹事長辞任に関しては「参院選を目前にして、局面を変えるために仕方がなかった。鳩山由紀夫前首相にもそう申し上げ新しい体制が出来上がった」と説明したという。

 一方、同日夜には小沢氏に近い党幹部、中堅議員ら10人が都内で会合を開いた。今期限りで引退する高嶋良充参院幹事長の慰労が目的で、出席したのは高嶋氏のほか、輿石東参院議員会長や樽床伸二国対委員長、細野豪志幹事長代理、松本剛明衆院議院運営委員長、平野博文前官房長官など。

 このうち細野、松本両氏ら7人は、小沢氏と距離を置く枝野幸男幹事長ら「7奉行」との対比で「新7奉行」と党内で呼ばれることもある。

 会合では、参院の単独過半数実現を目指し党内の結束を強める方針を確認したという。

 だが、会合後、高嶋氏は記者団に「選挙を勝ち抜くまでは挙党態勢」「長州と薩摩が一致団結して参院選に勝利する」など、まさに9月代表選に向けた戦闘宣言とも受け取れる発言をブチあげたのだ。

 こうした動きに対し反小沢系議員の1人は「参院選に勝てば、菅氏の再選は確実だ。それに、小沢氏が検察審査会の審査も続いており、もはや小沢氏が復権することなどありえない」と一笑に付すが、別の議員は「小沢氏は名実共に闇将軍になるつもりなのでは」と警戒している。  

URL:http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100618/plt1006181249001-n2.htm



画像民主内で小沢“反親”戦 参院選勝敗ラインで微妙な綱引き 2010.06.16

 民主党内で参院選勝敗ラインをめぐり親小沢派と反小沢派の間で綱引きが始まっている。政権維持を狙う菅直人首相(63)は極力低い数字に抑えたい考えだが、小沢一郎前幹事長(68)に近い議員からは民主党単独過半数となる『60議席』との発言が相次いでいるのだ。それだけに、反小沢派からは「菅降ろしをするため、意図的にハードルを上げている」との反発も出ている。

 参院(定数242)の民主党現有議席は非改選62、改選54の計116議席。参院選で60議席以上獲得すれば、単独過半数の122議席に達する。国民新党が非改選3、改選3の現有6議席を守るとすれば、54議席で与党過半数となる。

 勝敗ラインに関し、首相は8日の就任記者会見で「6年前、岡田克也代表の下で戦った参院選でいただいた議席(50)がベースになる」と表明した。

 しかし、輿石東参院議員会長(74)は「必ず単独過半数を目指す」と明言。高嶋良充参院幹事長(69)は「どんなことがあっても単独過半数、最低60議席だ」。平田健二参院国対委員長(66)も「50議席が目標だという方もいるが、それでは駄目だ」と首相を批判した。

 この『60』を主張する面々が、小沢氏側近の参院議員勢であることから、党内で疑心暗鬼を呼んでいるのだ。

 反小沢の民主党中堅議員は「小沢氏は9月の代表選を勝負とみている。首相を引きずりおろす大義名分として“参院選敗北”が必要なので、ハードルを上げているのでは」とみる。

 一方、民主党ベテラン秘書は「単独過半数じゃないと小沢氏が動くって? 生け贄をささげないと暴れ出すヤマタノオロチじゃあるまいし。いまの支持率なら与党過半数で、責任問題にはならない。9月の代表選は無投票になるのではないか」という。

 こうした中、首相は15日夕、「6年前の参院選で獲得した議席、あるいは現有議席と言ってもいいかもしれない。それをクリアできるかどうかが一つの大きな目標だ」と述べ、勝敗ラインを50議席から54議席に上方修正する考えを示した。世論調査などでの民主党支持率の回復を受け、強気に転じた形だが、今後も神経戦が続きそうだ。

URL:http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100616/plt1006161154000-n2.htm

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