「自民党が提案している10%という数字を一つの参考としたい」菅首相 於:6/17 民主党マニフェスト発表記者会見
17日、六本木で行なわれた民主党マニフェスト発表記者会見で菅@けものへん殿は消費税率のアップを示唆する発言をした。
しかも、10%という数字を出して、ご丁寧に自民党のマニフェストを参考にした、という。
やはり「けものへん」は健在。自分が批判されそうな消費税率アップを「自民党を参考にした」などと人のせいにして批判を和らげようとしている。「「狡」から「狙」そして「独」へ(菅首相の一字 後編) 」のエントリーで、参院選までは、けものへんを持つ漢字である「狡」が全面に出てくるだろうと言ったけれど、やはりそう。本当に自分が批判されるのが嫌なのだろう。
自民党の石破政調会長は、「いいところだけ取って、リスクは自民党に負わせるようなことは卑怯者のすること。」とおかんむりだけれど、菅@けものへん殿はそういう御仁なのだ、と割り切って考えたほうがいい。これからも似たようなことはどんどんやると見る。
こうした、菅@けものへん殿の言い訳を大きく分類してみると、次のようになると思われる。
パタンA:自分は関係ない。
パタンB:知らずにやった。今は反省している。
パタンC:あいつが悪い。あいつもやっている。
パタンAの代表例が普天間と、友愛殿や剛腕殿に代表される政治と金の問題。友愛政権時には、菅@けものへん殿は副首相という重職にありながら、普天間問題にはダンマリを決め込んでいたし、政治と金の問題で代表質問で追求を受けても、辞職したから禊は済んだ、と「自分は関係ない」とばかり自己防衛していた。
パタンBの代表例は、これも代表質問で追求された、シンガンス署名問題と、国旗国歌法案で反対したことに対する言い訳。知らずにやった、今は反省しているといって、昔の自分と今の自分は違うのだ、と過去の自分を切り離すことで自己防衛している。
パタンCの代表例が、今回のマニフェストでの消費税10%発言。自民党を参考にしたなんて、何やら格好のいいことを言っているけれど、言い方を代えれば、「あいつもやっている」というだけのこと。また、菅@けものへん殿が首相になる前の発言を振り返ってみれば、国の財政がこうなっているのも、自公政権のせいだ、とよく吠えていた。これなんかは「あいつが悪い」の典型例。
まぁ、この手の言い訳は、言い訳としてはとてもオーソドックスなもので、別に目新しくとも何ともないのだけれど、言い方を少し代えたり、他の全然関係ない話の中に少しずつ混ぜることで、気づかれにくくすることはできる。だから、よくよく注意して聞かないと、中々気づかないこともある。
菅@けものへん殿の無駄に長い上に分からない、とよく言われる答弁も、この言い訳を覆い隠す効果があることは否めない。
この、肥大化した自己防衛本能というか、殊更に自分を守る、という性向は、おそらく首相としては致命的なものになる可能性がある。日本国首相は日本全体の政治責任を負っているから。首相は好きなところしかやらない、というわけにはいかない。
だけど、昨日のエントリーで述べたように、菅@けものへん殿は、自分の得点になることは政治家として対応し、批判をうけそうなことは、官僚や閣僚に丸投げして、自分は関係ない、と言い訳に走るような気がしてならない。
剛腕殿と菅@けものへん殿の性格に違いがあるとすれば、我慢するかしないかというのが、ひとつあるように思われる。川柳的に表現すると次のようになろうかと思う。
剛腕殿 :鳴くのなら 黙らせてやろう ほととぎす
菅@けものへん殿:鳴くのなら ここから出て行け ほととぎす
(参考)友愛殿 :鳴くのなら 一緒に鳴こう ほととぎす
剛腕殿はたとえ自分を批判するものに対して、脅しはするけれど、党から叩き出すことまではしない。それは数の力を良く知っているから。うるさい批判は黙らせさえすればよく、逆に自分の方に取り込んでしまうことができれば、自分の力は更に強固なものになる。そんなところがある。
生方元副幹事長の解任騒動でも、自分に利あらずとみれば、さっと撤回して取り込みに掛かる。いい悪いは別として、そうするだけの度量がある。
だけど、菅@けものへん殿はそうした我慢はしない。うるさい奴、嫌な奴は叩き出す。亀井元金融大臣は叩き出された。彼には、清濁併せ呑んで、取り込んでゆくだけの度量はない。器が「狭い」。けものへんを持つ漢字がここにも現れる。
だから、やはり、自分が批判されそうなことや、面倒なことは、他人に押し付けるか、遠ざけようとすると思われる。あとは、官僚のいいなりになって事を進めては、言い訳に終始する、と見る。
それは、現実路線に擬態した「現実もどき」路線。戦略もなにもない。その場その場で一番「自分が責められないであろう」無難な政策を選択する。必然的に官僚のひいたレールにそのまま乗っかる。
官僚が出す政策は、大抵は前例主義に基づいていたり、特に当たり障りのない無難なもの。そうしたものは現実に則したものが殆どで、同時にこれまでの自民党政権が多く採用していた性格のもの。
だから、結果として、自民党がやっていたことと同じ様なことをやることになる。何より参院選のマニフェストがそれを裏打ちしている。言い訳は勿論、パタンCの「あいつもやっている」を使えばいい。
不機嫌そうな 君と過ごして
分かったことが ひとつあるよ
そんなフリして たたかう事に必死
やるべきこと 先送りにして
やりたい事ばっかやってる
どんなものも 通さない 頑固な意地を
きっと今も 立ち尽くした 守りの途中
行く手には 数え切れない
敵がいて あたしを待ってる
君にも待ってる
分かったことが ひとつあるよ
そんなフリして たたかう事に必死
やるべきこと 先送りにして
やりたい事ばっかやってる
どんなものも 通さない 頑固な意地を
きっと今も 立ち尽くした 守りの途中
行く手には 数え切れない
敵がいて あたしを待ってる
君にも待ってる
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「消費税10%」首相が言及 自民の提案、「参考に」2010年6月18日 朝刊
民主、自民両党などは十七日、参院選マニフェストを発表した。菅直人首相(民主党代表)は発表記者会見で、消費税率引き上げについて「自民党が提案している10%という数字を一つの参考としたい」との意向を明らかにした。首相が具体的な税率に言及したのは初めて。マニフェスト自体は税率に触れていないが、当面10%への引き上げを盛り込んだ自民党を意識し、あえて同じ数字を打ち出した。
首相は、消費税論議について「二〇一〇年度内に、税率や逆進性対策を含む改革案をまとめたい」と、本年度中に改革案をまとめる意向を表明。超党派で議論を進める意向も示したが、「議論がうまくいかない時は、民主党が中心となってまとめたい」とも述べた。
税率引き上げの時期については「大きな税制改正を行う場合、あらかじめ国民に信を問うことがあるべき道だ」と述べ、基本的に次期衆院選後になるとの見通しを示した。民主党の玄葉光一郎政調会長は「一番速いスピードで超党派の合意ができたとしても、一二年度秋が最速と考えていいのではないか」との見通しを示した。
ただ、民主党マニフェストでは、消費税について「早期に結論を得ることをめざし、消費税を含む税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始する」との表現にとどめている。
法人税率引き下げや、「一一年度の国債発行額は一〇年度を上回らない」との目標など、財政健全化と経済成長重視を打ち出した。子ども手当は「一万三千円から上積みする」としたが、月額二万六千円の満額支給を事実上撤回。支給対象に国内居住要件を課すとした。
一方、自民党マニフェストは、経済の生産性や学力をかつてのように世界トップレベルに引き上げることを目指し、「いちばん。」のスローガンを掲げた。財政再建と経済成長の両立を重視し、消費税率を「当面10%とし、全額を社会保障費に充当する」と明記すると同時に、現行約40%の法人税率を国際標準の20%台に引き下げる方針を示した。
URL:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2010061802000067.html
「消費税発言、民主党内部から懸念の声」 News i
菅総理大臣が消費税の増税について、「10%をひとつの参考にする」と述べたことについて、野党自民党から批判が噴き出しただけでなく、政権与党の民主党内部からも参院選への悪影響を懸念する声が出ています。
菅総理は17日の記者会見で消費税の増税について、年度内の結論をめざす考えを示したうえで、税率は自民党が政権公約で明記した10パーセントがひとつの参考になるとの認識を明らかにしました。
また、増税の時期について菅総理は、「大きな税制改革を行う時には国民の判断を頂くことが必要」として、次の衆議院選挙後になるという考えを示しました。
「いいところだけ取って、リスクは自民党に負わせるようなことはひきょう者のすること。『抱きつきお化け』みたいなものじゃないですか」(自民党 石破茂政調会長)
菅総理の発言を受けて自民党の石破政調会長は、「数字の裏付けを示さずに10%を参考にするなどというのは無責任だ」と批判しました。
また、与党の民主党からも、小沢前幹事長に近い議員から参院選への影響を懸念する声が上がっています。
「期限を切るとか、何%とかいうことはやっぱり勇み足でしょう」(民主党 高嶋良充参院幹事長)
小沢氏は消費税の増税には慎重で、この問題が党内対立の火種となる可能性も出ています。(18日00:43)
URL:http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4456017.html
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almanos