剛腕一極支配への道

 
民主党の役員人事で、幹事長に反・小沢派の枝野氏に内定することが決まったようだ。

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小沢グループの反発があったものの、「脱小沢」の路線が世論の支持を受けていることから起用に踏み切ったようだ。まぁ、明らかに選挙対策。選挙管理内閣だから当然といえば当然。

これで、「鳩山、小沢ダブル辞任」で指摘した「剛腕のダブルの奇策」と「鳩山首相のダブルの秘策」の計4つの策のうち、衆参同時選挙以外の3つを使ってきたことになる。

特に、幹事長に枝野氏を起用する脱・剛腕路線は、民主党への支持を取り戻す大きな力となったと見る。

毎日新聞が4、5日に実施した緊急世論調査によると、菅首相に「期待する」との回答は63%で、「期待しない」の37%を大きく上回り、政党支持率も友愛殿の辞任直前の17%から28%へと急回復した。

それにしても、剛腕殿を外す姿勢を見せるだけで、支持率がここまで回復するということは、全く持って剛腕殿の嫌われ方は半端ではないということを物語っている。だけど、それを逆利用されているフシがないでもない。

というのも、今回の菅首相の剛腕外しの人事は、裏で、剛腕殿と手を握った出来レースという見方があるから。

出来レースというのは、剛腕殿が、殊更に「悪役」を演じてみせることで、それに対決する菅首相という構図を成立させ、菅首相のリーダーシップと、自浄作用のある民主党というイメージアップを同時に図るという意味。

選挙対策として、これほど効果的な方法はない。

これで、人事が固まって、国会を無難に乗り切ることができたら、最後の策である衆参同時選挙、又は参院選後、間を置かず解散総選挙をうってくる可能性もある。

もちろん、9月の民主党代表選で、剛腕殿が自らの野心を果たそうと望むのであれば、解散させずに自らの手駒を温存する手もある。

剛腕殿にとって、解散総選挙をやって、自身のグループに所属する議員の数が減るとみれば、無理に解散することもないだろうし、増えるとみれば、解散しても損にはならない。



現時点では、どちらの可能性もあるのだけれど、解散総選挙をするのであれば、その狙いは次の2つになると思われる。

1.国民に信を問うたという実績を残して、民主党はクリーンな政党だとアピールする
2.自民党を完全に壊滅に追いやる

前者については、参院選で民主党の単独過半数を取れるくらい支持が回復すれば、直後に解散総選挙をしても、過半数を取れる可能性が高いし、国民に信を問うたという実績を残すことになる。

同時に民主党は、自民党のように首を挿げ替えたりしない、クリーンな政党なんだとアピールすることができる。これは、今まで政治と金で真っ黒になった民主党のイメージを更に払拭することになる。

後者については、もっと深刻で、このタイミングで解散総選挙を打たれて、自民党がまた大敗北するようなことがあれば、おそらく自民党は消える。若しくは、消えないまでも四分五裂する。

もしも、剛腕殿に自民党への私怨なり怨念があって、それを果たそうとするなら、今が最大のチャンス。

今でさえ、自民党を離党して、やれ、「立ち上がれ日本」だの、「新党改革」だの新党が出来ている現状。そんな状況で二度負ければ、自民党は更に分裂して、中堅から小政党に落ちる可能性が充分にある。そうなったら自民党は完全に終わる。

そして、民主党の一党支配が始まり、日本は暗黒時代に突入する。剛腕殿が民主党に残り、小沢グループという最大派閥を率いる限り、そうなる可能性は極めて高い。

幹事長時代の剛腕殿が何をやってきたかを考えれば、それは容易に推測できる。最悪の場合、自民党政権時代など問題にならないくらいの全体主義的傾向を持った独裁政権が出来上がるかもしれない。そのとき後悔してももう遅い。

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画像毎日世論調査:菅首相に期待63% 小沢氏辞任評価81% 2010年6月5日 22時17分

 民主党の菅直人代表が首相に指名されたのを受け、毎日新聞は4、5日、緊急世論調査を実施した。菅首相に「期待する」との回答は63%で、「期待しない」の37%を大きく上回った。鳩山由紀夫前首相が辞任する前の前回調査(5月29、30日)で17%に落ち込んだ民主党の政党支持率は28%まで回復。鳩山氏と道連れの形で同党の小沢一郎前幹事長が辞任したことを「評価する」との回答は81%に達した。菅首相が「脱小沢」路線を鮮明にしたことが民主党に対する期待感を回復させたことがうかがわれる。

 菅首相はまだ組閣を終えていないため単純に比較できないが、昨年9月の政権交代直後の調査で「鳩山内閣に期待できる」が68%だったのに迫る期待度の高さと言える。このときの内閣支持率は発足直後としては歴代2位の77%だったが、8カ月後の前回調査で20%まで急落。民主党政権への期待感は今回の首相交代で「V字回復」した形になった。

 政党支持率で民主党は前回17%で自民党に並ばれたが、今回、自民党は14%に下がり、再び2倍に差が開いた。参院選比例代表の投票先でも民主党は34%(前回22%)に伸ばし、自民党は17%(同21%)に減少。1月の調査(民主35%、自民20%)より差が拡大。鳩山氏の退陣を求めていた自民党にとっては、首相交代が打撃となって跳ね返った格好だ。

 小沢氏の辞任時期については「遅すぎた」が82%を占め、「辞める必要はなかった」はわずか7%。鳩山氏の辞任を「評価する」との回答は58%、「評価しない」は40%で、辞任が「遅すぎた」は49%、「辞める必要はなかった」も23%あった。小沢氏に対する批判の厳しさが際立つ。

 その小沢氏が政府・党運営に大きな影響力を持った「小鳩」体制の終焉(しゅうえん)が好意的に受け止められているのは明らかだ。鳩山氏の辞任を受け野党は衆院解散・総選挙を求めているが、「解散すべきでない」が52%で、「解散すべきだ」の45%を上回った。8日に発足する菅内閣の支持率に今回の期待度が反映されるかは、菅首相が小沢色を排した閣僚人事や党運営をどれだけ実行できるかにかかっているとも言えそうだ。

 米軍普天間飛行場移設問題を巡る社民党の連立政権離脱を「評価する」との回答は60%、「評価しない」は37%。同党の支持率は2%、比例代表投票先でも3%と低迷したままで、連立離脱が党勢を伸ばす形にはなっていない。【中田卓二】

URL:http://mainichi.jp/select/today/news/20100606k0000m010081000c.html



画像菅首相:組閣、枝野幹事長内定 11閣僚再任へ

 菅直人首相は5日、閣僚人事の大枠を固めた。国家戦略担当相に荒井聡前首相補佐官、消費者・少子化担当相に蓮舫参院議員を充てることを内定。財務相に野田佳彦前副財務相を昇格させ、岡田克也前外相、長妻昭前厚生労働相、亀井静香前金融・郵政担当相ら11閣僚は再任とする。幹事長には小沢一郎前幹事長と距離を置く枝野幸男前行政刷新担当相の起用を内定。党内には異論もあったが、首相の「脱小沢」の姿勢が世論の支持を受けていることから起用に踏み切る。

 赤松広隆前農相は4日の記者会見で「結果として口蹄疫(こうていえき)を止められなかったけじめを付けたい」と再任を固辞しており、交代する見通し。残るポストは農相と行政刷新担当相で、幹事長以外の党役員人事とともに、首相は調整を急ぐ。

 3人の官房副長官には古川元久前副内閣相を新たに起用し、参院枠の松井孝治前副長官は留任。官僚トップの滝野欣弥前副長官も留任させる。党役員人事では、小沢氏に近い山岡賢次前国対委員長の交代も固まった。

 首相は5日午前から党本部に入り、側近議員から人事調整について意見を聞いた。その後、官房長官に内定している仙谷由人前国家戦略担当相、枝野氏、古川氏らと人事や政権運営に関して断続的に夜まで協議。その間、外務省の藪中三十二事務次官、別所浩郎総合外交政策局長や、千代幹也内閣総務官らの官僚が協議に加わるなどし、鳩山政権からの政権移行作業を本格化させた。

 蓮舫氏は「事業仕分け」の仕分け人として脚光を浴びており、参院選を控えて発信力を評価されての起用。荒井氏は農水省OBで、首相側近として知られる。米軍普天間飛行場(沖縄県)の移設問題の担当閣僚だった岡田前外相、北沢俊美前防衛相、前原誠司前国土交通相は、今後も米国や地元との折衝が続く点が考慮され再任される。

 首相は7日午後に両院議員総会を開いて党人事の承認を得た上で、8日に組閣して「菅内閣」を発足させる。【坂口裕彦】

URL:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100606k0000m010071000c.html

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