民主党組織の境界


「残された時間は少ない。ここで首相を代えても状況が好転するとは思えない」
民主党・石井一選対委員長 於:5/31 民主党役員会

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友愛殿は6月28日の夜、普天間問題で、辺野古への移設を明記した政府の対処方針の閣議決定に反対した社民党の福島党首を罷免した。

この罷免によって、社民党は連立離脱云々で揉めていたのだけれど、結局は連立を離脱することになった。それに伴って、辻元・国交副大臣が辞表を提出。社民党は民主党と袂を分かつこととなった。

参院選直前のこの動き。勿論民主党にとっては、大きなダメージ。

このダメージは、支持母体に対して、とりわけ、連合に対するものが特に大きいと思われる。

連合とは、日本労働組合総連合会(通称「連合」)のことで、連合は、2005年11月現在で組合員数約670万人を擁する民主党の最大の支持基盤。だけど、地方によっては社民党を支持する組合もあって、民主・社民と支持母体自身が被っている。

それが、今回の社民の連立離脱で、連合の組織そのものを揺さぶる事態になる可能性が出てきた。

というのも、元々県内移設に断固反対していた、社民党が、その筋を通して、連立離脱に至った、ということになるから。

社民党の全国幹事長会議では、連立離脱への慎重論をとった新潟、大分両県連など一部を除き、大部分の県連が連立離脱を支持している。

それもそのはず。辺野古移設の是非は兎も角として、政党としての筋を通したという事実が、支持母体にどのような影響を与えるかは言うまでもない。

連合という同じ組織が民主と社民を支持していて、一方は約束を反故にして、もう一方は筋を通して罷免された。

支持者に対する説明を考えると、後者は非常にやり易いけれど、前者は説明に困るだろう。身から出た錆とは言え、どうしようもない。

これで、友愛殿の立場はますます苦しくなった。



社民党は筋を通して、連立から降りたけれど、友愛殿は辞任しない。これは、支持母体からみれば、政党としての筋を通した社民と、筋を通さない「嘘つき」民主党との違いをより鮮明にする。

政党のイメージとしては、社民のほうがぐっと上がってしまった。今頃になって、友愛殿の辞任論がぽろぽろと民主党内から出てきているようだけれど、社民が連立離脱した後となっては、仮に友愛殿がこれから辞任したとて、効果は薄い。

県内移設になった責任を取って辞任したというより、追い込まれて辞任した、というように受け取られる公算が大きい。世間からは友愛殿は剛腕殿のあやつり人形だと見られているから、尚のことそう。

なんでも、連合の中の人言わせれば「中央は民主、県組織は社民という支持労組が少なくない」そうだから、これが本当であるとすれば、民主党は中央と県との間の溝が、今回の連立離脱によって、より深まる可能性があると言える。

どうも民主党は、政府中央の一極支配をしたがっているくせに、普天間や、赤松口蹄疫、そして今回の社民の連立離脱、と、地方組織や県を裏切ることで、人々の感情を逆撫でしては、地方の離反を、結果的に促してしまっている。

このままでは、気がついたら、支持者は自分達の周りだけだった、なんてことにもなりかねない。

参院選をあずかる剛腕殿にしてみたら、逆風の中、無党派層からの票が期待できない今の状況下で、尚のこと、民主党の組織票固めをしたいところなのに、友愛殿や官邸によって、地方組織そのものを離反させつつある現状は、看過できるものではないと思われる。

いよいよ、友愛殿と剛腕殿の互いの首をかけた一騎打ちが行われるかもしれない。

その結果は、どちらか一方の勝利とは限らない。


万物には全て綻びがある

完璧な物体などないから 

壊れて一から創り直されたいという願望がある

万物には全て綻びがある

人間は言うにおよばず 

大気にも 意思にも

時間にだってだ

始まりがあるのなら

終わりがあるのも当然


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画像福島消費者相を罷免、社民の離脱は不可避

 鳩山首相は28日夜、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で、同県名護市辺野古への移設を明記した政府の対処方針の閣議決定に反対した社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化相(54)を罷免した。

 後任の消費者・少子化相は当面、平野博文官房長官に兼務させる。

 首相は記者会見で社民党の別の議員を入閣させ、同党との連立政権を維持する考えを表明したが、社民党内の反発は強く、連立離脱は不可避な情勢となった。

 民主、社民、国民新の3党連立で昨年9月に発足した鳩山政権は、夏の参院選を前に危機的な状況を迎えており、首相の進退問題に発展する可能性もある。

 福島氏は同夜、首相官邸で開かれた普天間問題に関する基本政策閣僚委員会で、辺野古移設の明記を理由に対処方針に反対し、閣議で署名を拒む考えを表明した。首相はこの後、福島氏と会談して説得したが福島氏は譲らず、臨時閣議を開いて福島氏の罷免を決めた。

 首相は福島氏に「連立の中でこれからも協力願いたい」と連立維持を求めたのに対し、福島氏は「党首という立場での罷免であり、連立を維持するのは簡単ではない」と述べ、連立政権にとどまるのは難しいとの考えを伝えた。

 福島氏はこの後、党本部で記者会見し、対処方針について「辺野古から始まり、最終的に辺野古に戻ったことは激しく失望している」と語った。連立離脱の是非については、30日に常任幹事会、全国幹事長会議を開いて判断する考えを示した。

 社民党内では、参院選での民主党との選挙協力や今国会での重要法案成立のため、連立の維持や協力関係の継続を主張する意見もある。しかし、これまで連立維持を主張してきた阿部知子政審会長も記者団に「罷免は尋常なことではない。連立を維持できない可能性が高い」との見方を示した。

 社民党は28日夜、福島氏の罷免について「連立政権のあり方について重大な決定をせざるを得ない」とする抗議声明を発表した。

 社民党の閣僚は福島氏1人だけだったが、辻元清美衆院議員が国土交通副大臣を務めており、辻元氏の進退も焦点となる。執行部は、30日の常任幹事会で辻元氏の意向を踏まえて判断する。国民新党代表の亀井金融相は28日夜、首相官邸で記者団に対し、「非常に残念だ。閣議決定を認めない以上、首相としてはやむを得ない」と語った。

 鳩山内閣ではほかに、藤井裕久財務相(当時)が1月、健康問題を理由に辞任している。

 閣僚が罷免されるのは、2005年8月の郵政解散の際、小泉首相(当時)が衆院解散に反対した島村宜伸農相を罷免して以来で、戦後5人目となる。

(2010年5月29日01時03分 読売新聞)

URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100528-OYT1T00955.htm



画像辻元・国交副大臣が辞表提出、号泣「さみしい、つらい」2010年5月31日12時45分

 所属する社民党が連立政権を離脱するのに伴い、前原誠司国土交通相に正式に辞表を提出した辻元清美・国交副大臣は31日の登庁時、記者団に「国交省は利権の巣窟(そうくつ)みたいなイメージがあったが、そうではなかった」などと述べ、号泣しながら在任8カ月余を振り返った。

 辻元氏は「不安いっぱいでここに入ってきたが、多くの職員が『変えていこう』という私たちの思いに賛同してくれた。辞めるのはさみしいし、つらい」と、突然の辞任に無念の思いをにじませた。辞表を受け取った前原国交相は「連立離脱は大変残念だが、一緒にまとめてきたことをやり抜くことで恩返しにしたい」とねぎらった。

URL:http://www.asahi.com/politics/update/0531/TKY201005310102.html



画像社民、連立離脱を正式決定 民主との選挙協力は検討 2010.5.30 16:29

 社民党は30日、都内のホテルで全国幹事長会議と常任幹事会を開き、連立政権からの離脱を正式決定した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題で、福島瑞穂党首が閣僚を罷免されたことを受け、執行部が連立離脱を提案し、了承された。夏の参院選での民主党、国民新党との選挙協力については、昨年9月に3党でまとめた政策合意の扱いを政府・民主党に確認したうえで判断する方針を確認した。

 福島氏は会議のあいさつで、「社民党の『1丁目1番地』の平和と基地の問題に関し、(沖縄県名護市の)辺野古の海に基地をつくる政治に加担することはできない」と強調した。また、会議後の記者会見で「筋を通してよかったとみんなから言われた。新しい政治を切り開きたい。これからは『与党』というわけにはいかない」と語った。ただ、社民党が重視する労働者派遣法改正案などが審議中であることを踏まえ、「是々非々でやっていく」とも述べ、政策ごとの部分(パーシャル)連合を模索する考えを示唆した。

 重野安正幹事長も「われわれは離脱するが、政党間のつきあいは粘り強く追求したい」と、民主党との協力関係を継続したい意向を示した。

 社民党の辻元清美国土交通副大臣は会議後、記者団に対して、前原誠司国交相に電話で辞任の意向を伝えたことを明らかにした。31日に辞表を提出する。

 社民党の全国幹事長会議では、連立離脱への慎重論をとった新潟、大分両県連など一部を除き、大部分の県連が「党首が罷免されたことは重い」などと離脱を唱えた。

 ただ、夏の参院選で改選を迎える近藤正道参院議員(新潟選挙区)は反発し、会議後も「私は納得していない」と述べた。党執行部は民主党との選挙協力維持を追求する方針だ。

 一方、福島氏は30日午前のテレビ朝日の番組で、罷免直前の28日午後に、民主党の小沢一郎幹事長から「あなたは筋が通っている」と、電話で言われたことを明らかにした。

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100530/stt1005301621005-n1.htm



画像社民連立離脱/県連合「当然の行動」2010年05月31日

 社民党が連立政権からの離脱を決めた。県連合は、福島瑞穂党首の消費者相罷免の時点で離脱を支持する方針を決めており、30日も「この結論が当然」と受け止めた。今夏の参院選で宮城選挙区(改選数2)はもともと社民、民主両党が独自候補を立てる与党分裂選挙になっており、関係者は選挙への直接の影響は少ないとみる。ただ、民主党からは、無党派層を中心に支持が離れるきっかけにならないか心配する声が出ている。

 社民党の全国幹事長会議の会場となった東京・平河町のホテル。午後4時ごろ、「ガンバロー」のかけ声が漏れてきた。2時間半にわたる議論の末、連立政権からの離脱を決めた瞬間だ。

 「正しい行動だったので、この結論が当然。連立に残る選択肢はそもそもない」。非公開の会議終了後、会場から出てきた県連合の岸田清実幹事長は言い切った。会議では「罷免された以上、連立から離脱すべきだ」との県連合方針を報告。記者らに「政策決定プロセスにかかわることができなくなるが、平和の問題で立場を弱めたら原点を見失うことになる」と説明した。

 県連合は参院選への影響は小さいとの見方だ。民主、社民両党が独自候補を立てるためだ。ただ、支持団体の動きには警戒する。「中央は民主、県組織は社民という支持労組が少なくない。中央からの指導が強まれば厳しい局面になるかもしれない」というわけだ。

 一方で、有権者には党独自の主張を伝えやすくなったと歓迎する。参院選では基地問題への取り組みを強く打ち出したいという。

 民主党の県連関係者は一様に「残念だ」と肩を落とす。民主党結党まで、社民党の前身・旧社会党に所属した岡崎トミ子参院議員は「(両党が)相当、力を合わせ連立政権が安定してきた面があり、非常に残念だ」と述べた。

 郡和子幹事長は、連立離脱が無党派層にマイナスイメージにならないか心配する。普天間基地をめぐる鳩山由紀夫首相の一連の発言についても「沖縄の皆さんに大変なご迷惑をおかけし、無党派の方がどう思われるか心配だ」と述べた。

 自民党の小野寺五典・県連会長は「ますます現政権が厳しい立場になる」と受け止めている。普天間問題をめぐる政府対応については「沖縄にまた基地が固定される最悪の事態となり、結果的に社民党にも責任がある」と話した。

URL:http://mytown.asahi.com/miyagi/news.php?k_id=04000001005310001



画像退陣論が拡大=小沢氏、首相進退に言及-民主

 民主党内で31日、米軍普天間飛行場移設問題で迷走を重ねた鳩山由紀夫首相の退陣を求める声が広がった。小沢一郎幹事長は同日午後、国会内で首相と急きょ会談した後、党役員会で「これから決めることだ」と、首相の進退に言及した。夏の参院選への不安が党内では急速に強まっており、情勢は緊迫化してきた。
 首相と小沢氏の会談は、輿石東参院議員会長も交えて8分間行われた。会談内容について、首相は同日夕、首相官邸で記者団に「厳しい局面だが、3人で頑張ろうということになった」と述べた。「続投確認か」との記者団の質問には、「当然だ」と語った。
 この後の役員会で、小沢氏は一両日中に首相と改めて会談すると説明し、「中身は一任してほしい」と要請。首相との会談を含め今後の対応を小沢、輿石両氏に一任することを確認した。
 役員会では、石井一選対委員長が「(参院選まで)残された時間は少ない。ここで首相を代えても状況が好転するとは思えない」と発言。小沢氏は「そういうことも念頭に首相と話し合う」と述べた。
 続いて開かれた正副幹事長会議で、小沢氏は「あらゆる状況が厳しい。社民党が政権離脱し、非常に厳しい状況だ」と述べ、参院選への危機感を強調。高嶋良充参院幹事長も記者団に「党と政府の最高責任者である鳩山首相の決断にかかっている」と、自発的な辞任を暗に要求した。
 役員会後に予定されていた小沢氏の定例記者会見は、「小沢氏の意向」で1日に延期された。 (2010/05/31-21:07)

URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010053100776



画像【鳩山ぶら下がり】首相辞任論「迷惑かけていることは理解しているが…」(31日夕) (1/2ページ) 2010.5.31 19:18

小沢一郎幹事長との会談を終えた鳩山由紀夫首相=31日午後、国会内(酒巻俊介撮影) 鳩山由紀夫首相は31日夕、民主党内から自発的な辞任を求める声が出ていることについて「いろいろと私自身のことでご迷惑をかけていることは理解している。ただ、国民のために働かせていただきたい。初心に戻る思いでがんばるしかない」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 ぶら下がり取材の詳細は以下の通り。

 

小沢幹事長らとの会談

 --先ほど国会内で民主党の小沢一郎幹事長、輿石東参院議員会長と話をしていたが、党の運営や今後の政権のあり方など、どういった話し合いだったのか

 「厳しい局面だけれども、国家国民のために3人で力を合わせてがんばろうと。その打ち合わせです」

 

首相進退

 --首相の続投については確認したか

 「それは当然であります」

 --各社の世論調査で内閣支持率が2割を切り、首相が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で辞任すべきという声も半数を超えている。どのように受け止めるか

 「厳しさはよく存じています。それだけにある意味で初心に戻る。そんな格好でがんばるしかないと。常に国家国民、国民のみなさんの命を大切にする政治をしっかりと心の中に埋め込んでがんばるということであります」

 --野党は首相の不信任案を出す構えで、民主党内からも首相の自発的辞任を求める声が出ている。辞任せず続投の意思に変わりはないか。また、今後、この事態を打開するための方策は具体的に考えているか

 「いろいろと私自身のことでご迷惑をかけていることは理解をしています。ただ、やはり国民のために働かせていただきたいと。そのように思っておりますから、くどいようですが、初心に戻る。そのような思いでがんばるしかない。そのように考えています」

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100531/plc1005311922013-n1.htm

この記事へのコメント

  • 伊藤

    社民党は筋を通したと思いきや、政権離脱直後の7月の参議院選挙には、もう何事もなかったかのように民主党と全国で選挙協力していますよ。
    しかも、5月30日に政権離脱を表明する前の28日には、小沢さんと重野幹事長との電話で、
    「福島氏の罷免に関係なく、選挙協力はお願いしたい。『それはそれ、これはこれ』』」
    との話があって、重野幹事長は小沢さんの申し出を受け入れたそうです。(報道あり)

    政権離脱してからも社民党と民主党とタッグを組んで協力し合う、復縁前提の偽装結婚だったわけです。

    それから、社民党と連合との選挙協力は地方でも行われていますが、地方だけじゃなく、社民党の本体自体が連合と政策協定を結んでいます。
    それは連立離脱しても変わらず、2010年6月22日の社民党ホームページには、参院選の連合との政策協定が、6月24日には『社民党は連合のパートナーとしてその役割を果たしていく』と載っています。

    今も地方では「民主党・社民党・連合」の推薦はほとんどセットになっているから、連合との協力は続いているようですね。
    2015年08月10日 16:48
  • sdi

    「友愛殿」は今の民主党が窮地に至ったことへの責任を感じているのかな?
    というのが私の感想です。この方「自分は不当にバッシングされてる」と考えてないでしょうか。ただ、これは友愛殿に限らず今の民主党執行部全員がそう思っているかもしれません。
    日本一の政局家たる剛腕殿は、友愛殿に詰め腹切らせたとしても後任に迂闊な人選ができません。後釜に座った人が党首&首相になったとたんに返す刀で自分の首を取りにくる事態もありえるわけです。友愛殿と剛腕殿二人とも互いに相手の首に鈴をつけたい。でも、付けた後のことを考えると怖くで踏み切れない、という睨み合い(すくみあい?)になっているかもしれません。ただ、三すくみと違って1対1ですから安定性はよくありませんから長くは持たないでしょう。
    2015年08月10日 16:48
  • 日比野

    こんばんは。sdi様。先日はお世話になりました。
    責任は…どうなんでしょうね。一昨日のぶら下がりでは「迷惑かけていることは理解しているが…」なんていっていたようですけれど、もともと嘘つきの御仁なのですから、どこまで本気なのか分かりません。でも、責任を感じているならとっくに辞任してるでしょうから、やっぱり感じてないのでしょうね。

    竦みあいというのは同感です。剛腕殿にとっては、前原氏が党首になるのはなんとしてでも避けたい筈ですからね。

    やっぱり、このままずるずると参院選にいってしまう可能性が高いのではないかと・・・
    2015年08月10日 16:48

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