2.論理的な文章になっているか
切り口の面白さとは、言葉を変えていうなら、「素材の料理の仕方」とも言えます。
たとえば、ある報道された事実があったとして、それに如何なる批評を与えるかについては、書く人によって千差万別です。
極端なことを言えば、同じ記事から、それぞれ全く別の結論を導きだすことも可能なのですね。よく、三橋貴明氏が指摘するように、円高でも円安でも日本は破滅する、という所謂「日本破滅論者」の言などがそうです。
確かに、こじつけでも何でも、理由さえつけてしまえば、いくらでも書けてしまうという部分はあります。もちろん、その理由が無茶苦茶で、直ぐにボロが出る事も当然あるでしょう。
特に、昔と違って、今のようにネットが普及してくると、過去の発言は、急速に拡散し、魚拓されては、簡単に保存されてしまいます。従って、文章の論拠が甘く、ツッコミどころが多い文章は即座にバラされ、晒しあげられてしまいます。
ですから、現在は、それだけ、より論理的な文章でないと通用しなくなってきているのではないか、と思うのですね。
日比野庵は、他の優れたアルファブログのように一日に何千人もアクセスがあるブログではありませんし、コメントが次々とつくブログでもありません。
※最近はコメントを戴くことが多くなってきております。本当にありがとうございます。同時に全部のコメントにお返事できない事を心苦しく思っております。申し訳ありません。
けれども、記事の間違い等に関しては、すぐさま、それを指摘するコメントを頂戴いたします。
筆者が、記事の後に引用文献や引用ソースを貼り付けたりするのも、なるべく、ソースを明示しておくことで、そうした部分のミスをなるべく減らそうという意図から始めたのです。
けれども、この引用記事の貼り付けには意外な副産物があって、実は「人様が何を言っているか」についてのリサーチを、同時に行ってもいる面もあるのですね。
これに気付いたのは、引用記事の貼り付けを始めてから何ヶ月も経ってからのことなのですけれども、記事を書く上では、それなりに効果があることを実感しています。
さて、論理的な文章についてなのですけれども、ひとつ本を紹介させていただきたいと思います。
「仕事のできる人の 論理的に考え、書く技術」小野寺博一著 東洋経済新報社 2009.7.2刊
という本です。
この本は、題名のとおり、論理的に書くためには、何をどう書かなければいけないかを論じた本なのですけれども、筆者の文章についての考え方に、非常に近い内容で、多いに同意するところの多い本です。
それほど頁数もありませんし、読みやすいと思いますので、ご興味のある方は是非お読みになられては如何でしょうか。
※こちらのブログで、この本の書評をアップされています。
この本の中で、著者は、「文章が論理的であるための3つの条件」として、以下を挙げられています。
① 結論
② 結論を支える理由
③「だから」などの論理の標識
筆者は、日比野庵の記事を書く上で、まず、小さな論理のブロックを作り、それを積み上げていくという方式で文章を作っています。まぁ、言ってみれば、数式みたいなものです。
たとえば、前提、結論、理由(データ)を一括りにした論理のブロックを作り、それを順次積み重ねて、一連の文章にしていく方式です。
ある前提に対して、こうだと結論を述べ、(なぜなら)こうだから、という論理小ブロック同士をまず作成し、それらを更に、(だから、けれども)などという接続詞で繋いで文章を組み立てていきます。そういう書き方をしています。
したがって(←これも論理の標識です)、私の文章は非常に接続詞が多く、とても「くどい」はずです。(笑)
日比野庵はこういった文章スタイルを取っていたものですから、この本で、「文章が論理的であるための3つの条件」を読んだときには本当に吃驚しました。
もうひとつ、論理的表現そのものにはあまり触れられておらず、また、多少テクニカルに流れているきらいがあるのですけれども、ネットの次の記事などは、「人様に読んでいただくための文章の書き方」を知る上で参考になる点があろうかと思いますので、紹介させていただきます。
総集編 文章を書く力をつける30の方法
この記事の冒頭で、文章を書くときに大切なことは、たった3つだけあるとし、それは「1.読みやすさ」 「2.わかりやすさ」 「3.おもしろさ」だと述べられています。
これなどは、筆者が文章を書く上で注意している3点である、「読みやすい文章になっているか」「論理的で、説得力がある文章になっているか」「切り口が面白いか」にそれぞれ対応しており、これらは、やはり文章を書く上で大切な要素であると言ってよいかと思います。
当初は前後編で終わる予定でしたが、最後の章を加筆していましたら、予想外に長くなってしまいました。明日、最終章をエントリーいたします。申し訳ありません。
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