普天間カードと民主党政権と剛腕

 
「自衛隊は海外での活動から手を引いてはならない」
長島昭久防衛政務官 6/17 於:ワシントン

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政府は21日、ソマリア沖で海賊対策に当たる各国艦船へ、海上自衛隊による給油活動を再開する方針を固めたとの報道があった。

具体的には、秋の臨時国会で、そのための特別措置法案を提出するということなのだけど、この法案が通れば、今年の1月に打ち切った、インド洋での給油が再開されることになる。

これは、長島防衛政務官がかねてから主張していたことで、現民主党政権では比較的少数派の意見とされていたようだ。

冒頭の長島政務官の発言は、6月17日に、ワシントン市内で開かれた日米関係のセミナーにて講演した際に述べたもので、長島政務官は、給油活動の再開を検討すべきだとしていた。

ところが、当時の政府の反応は冷たく、岡田外相なんかは「考えていない。今、政府内で議論されていることはない」と相手にもしなかった。

ところが、ここになって、急にこの話が浮上して現実化してきた。一体何が起こったのか。

恐らく、これはアメリカ側との普天間移設問題と絡めたバーター取引の結果ではないかと思う。

つまり、8月に控えていた、普天間移設の為の滑走路の工法決定を延期する代わりに、給油活動を再開するという取引をアメリカと交わしたのではないか、ということ。

普天間移設問題は、空き菅@けものへん殿が首相に就任する前から、もうどうにもならない大きなハードルとして民主党政権に圧し掛かっている。

普天間県外移設の約束を反故にした沖縄の民主党への不信感は根強く、先の参院選では、民主党候補を擁立できなかった。しかも、比例の得票数は全国最下位。

更には、11月の知事選に向けて社民・社大・共産の3党が、普天間基地の県内移設にはっきりと反対する統一候補として宜野湾市の伊波洋一市長を擁立する方向で調整を進めているという。

6/21のエントリー「二つ目のハードル(菅政権の今後の展開について 後編)」にて、空き菅@けものへん殿がかかえる2つのハードルのうちのひとつが「普天間滑走路の工法決定と11月に行われる沖縄知事選。」だと述べたけれどやはり、このハードルが立ちはだかってきた。
※1つ目のハードルは代表選

工法決定について、沖縄の合意を得るどころか、話し合いを進めた様子もない。こんなことで、8月中の工法決定なんて、できる訳がない。

ゆえに、日本側からアメリカに泣きついたか、逆にアメリカから提案があったのかもしれない。

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アメリカに、「知事選が終わるまで待ってやるから、その代わり、給油活動を再開しろ」なんて言われて、空き菅@けものへん殿が断るとは思えない。むしろ、これ幸いとその話に飛びついたのではなかろうか。

参院選で大敗して「ねじれ国会」を相手にしなければならなくなった、今の空き菅@けものへん政権は、もう半分くらいは、これまでの民主党を捨てなきゃいけない。法案を通すためなら、野党のいうことを聞くしかないから。だから、もうかなり追い込まれている現実がある。

そして、この構図は国内に留まらない。どういうことかというと、先に述べた、普天間と給油再開のバーター取引のように、今後は、アメリカも、事あるごとに「普天間移設問題」を持ちだしては、交渉に当たってくる可能性も考えなくちゃいけないから。

要は、中国が「靖国神社参拝」カードを何度も出しては、日本に譲歩を迫るように、アメリカも「普天間」カードを使っては、民主党政権に、アメリカの要求をどんどん飲ませてくるかもしれないということ。

民主党政権は、元々の国家間の約束を一方的に反故にしたのだから、文句の言える筋合いはないのだけれど、正直この「普天間」カードをアメリカに持たせたのは、民主党にとってかなりキツイお灸になると思われる。ひいては国民にも。

これからアメリカは、思いやり予算なり、国際貢献と称した自衛隊派遣なり、今まで以上に要求してくるのではないかと思われる。おそらくは、自民党政権時代にやっていたレベルまでは最低限要求して実現を迫るのではないか。

今の状況下では、民主党が権力に固執して、政権を手放したくない、と思えば思うほど、アメリカの要求を飲むしかない。

アメリカにしてみれば、丁度、参院選が終わったばかりで、途中で解散がなければ、次の総選挙まで3年ある。その間に、自分達の都合のよいように、日本を好き放題すればいい。もしかしたら、そんな思惑もあるのかもしれない。

アメリカにとって、普天間の移設は絶対必要なものでもなんでもない。それよりはグアム移転のほうがよっぽど重要。だから、勝手に約束を破って、勝手に参院選で自爆して、勝手に何でも言うことを聞かざるを得ない立場に自分で追い込んだ民主党政権は、葱を沢山背負った、いいカモに見えるのだろう。

ただ、アメリカからみて気がかりになる点があるとすれば、剛腕殿の復活。

9月の代表選で剛腕殿が復活して、まかり間違って首相にでもなって、何処かと連立を組んで安定政権でも作られたりしたら、ハンドリングしにくくなる。

だから、裏でいろいろと工作を仕掛けてくる可能性はある、と見る。

だけど、結局のところ、一番大事なのは、政治家がきちんと国民の事を考えているかどうかということ。

自身の権力の事など度外視して、国民の為に真に必要なことは何か、というのを第一に考えれば、自ずから答えは見えるはず。

政府には、今一度、何が正しい道なのかについての、熟考を望みたい。

民主党に、せめて2秒先の未来を見通せる眼があれば、違ったものを…


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画像政府、海賊対策船に給油 国際貢献アピール

 政府は21日、アフリカ東部ソマリア沖のアデン湾で海賊対策に当たる各国艦船への海上自衛隊による給油活動を実施するため、9月に想定される臨時国会での特別措置法案の提出を目指す方針を固めた。海賊を取り締まっている北大西洋条約機構(NATO)などからの要請を踏まえた。菅政権として国際貢献に積極的に取り組む姿勢をアピールするのが狙いだ。

 海賊対策では、自民党も参院選マニフェスト(政権公約)で積極的な姿勢を示しており、衆参両院で多数派が異なる「ねじれ国会」でも成立の可能性があるとの判断に傾いた。ただ自民党は、インド洋でテロリスト掃討作戦を続ける各国艦船への海自による給油を打ち切った民主党の対応との整合性を追及する構え。自民党の協力を得られるか読み切れず、臨時国会の焦点になりそうだ。

 各国艦船は給油のたびに周辺国へ帰港しており、効率性を高める目的から日本に洋上給油を求める声が出ている。海賊対処法は海上警備行動で認められない日本に無関係の外国船も護衛対象で、警告射撃などにもかかわらず民間船接近を続ける海賊船への射撃を容認。ただ海賊対処に当たる外国艦船への給油については規定していない。

2010/07/22 02:02 【共同通信】

URL:http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010072101001073.html



画像思いやり予算、削減難航も 日米が改定協議入り

 日米両政府は22日、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)に関する特別協定改定に向けた外務、防衛当局の初協議を防衛省で開いた。断続的に交渉を続け、年末の2011年度予算編成までの実質合意を目指す。日本側は削減を求める構えだが、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題を抱え、交渉は難航が予想される。

 現行協定は来年3月に期限切れを迎える。10年度の思いやり予算は1881億円だった。日本側は「厳しい財政事情の下、効率化が求められる」(外務省)として、具体的な削減対象に光熱水費などを例示する方針。

 これに対し、米国務省は19日に声明を発表し、思いやり予算について「地域安全保障を促進する上で、日本の責任を果たす重要な手段」と削減を強くけん制。また、審議官級の協議に今回は局長級のシャピロ国務次官補(政治・軍事担当)も出席するなど態勢を強化している。

2010/07/22 17:44 【共同通信】

URL:http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010072201000589.html



画像インド洋給油の再開検討を=菅首相は「現実主義者」-防衛政務官

 【ワシントン時事】長島昭久防衛政務官は17日、ワシントン市内で開かれた日米関係のセミナーで講演、日本の安全保障政策に関し、「自衛隊は海外での活動から手を引いてはならない」と述べた上で、インド洋での海上自衛隊による給油活動の再開を検討すべきだとの考えを示した。
 また、菅直人首相と鳩山由紀夫前首相のタイプの違いについて「鳩山さんは夢想家で、菅さんは現実主義者といわれている」と指摘。菅首相は米軍普天間飛行場移設に関する先の共同声明を完全に引き継ぎ、重要な外交政策では非常に現実的に行動するはずだと語った。 
 一方、同じセミナーで講演したシファー国防次官補代理は、共同声明の発表は日米同盟の成熟を示したとの認識を示すとともに、「平等な同盟関係は米政府が歓迎し、切望するものだ」と強調。普天間代替施設の工法や位置などに関する協議は「8月末までに完了すると確信している」とも述べた。(2010/06/18-09:47)

URL:http://www.jiji.com/jc/zc?k=201006/2010061800208



画像給油再開、考えていない=岡田外相

 岡田克也外相は18日午後の記者会見で、鳩山前政権が1月に打ち切った海上自衛隊によるインド洋での給油活動の再開について「考えていない。今、政府内で議論されていることはない」と述べた。アフガニスタン本土への自衛隊派遣も改めて否定した。
 給油活動をめぐっては、長島昭久防衛政務官が17日のワシントンでの講演で再開を検討すべきだとの考えを示していた。 (2010/06/18-20:14)

URL:http://www.jiji.com/jc/zc?k=201006/2010061800992



画像社民・社大・共産 知事選 伊波市長が最有力

11月の知事選に向けて社民・社大・共産の3党が20日協議し宜野湾市の伊波市長を最有力の統一候補として調整を進めることを決めました。

20日の協議では社民党の新里米吉県議が3党の選考委員長に社大党の大城一馬県議と共産党の前田政明県議が副委員長に決まりました。

この3党は参院選で統一候補の擁立に失敗しましたが、知事選では普天間基地の県内移設にはっきりと反対する統一候補として宜野湾市の伊波洋一市長を擁立する方向で今後、調整を進めます。

3党は、民主党県連にも協議への参加を呼び掛けましたが民主党県連は「党本部との調整がある」として話し合いには参加しませんでした。知事選には現職・仲井真知事も出馬に意欲を見せています。

URL:https://www.qab.co.jp/news/2010072119333.html



画像普天間移設「工法8月決定」断念、米に複数案提示

 沖縄の米軍普天間飛行場移設問題で、日米両政府は、代替施設の位置や工法を「8月末日」までに決定するとした今年5月の日米合意の実現を事実上断念する方向で調整に入った。

 複数の日米関係筋が21日、明らかにした。16日までの日米協議で双方の隔たりが埋まらなかったことに加え、普天間を結局沖縄県内に移すとした日米合意に対する沖縄の反発が強いためだ。日本側は8月末の時点では、複数案の提示でとどめる方向で対米調整を始めた。米側は菅政権が現実路線をとると見て合意履行に期待していたが、事態は進展せず、日米関係は再び緊張が高まることになりそうだ。

 普天間代替施設の具体的な建設位置や工法の検討について、5月の日米合意は、日米双方の外務、防衛当局の専門家が「(いかなる場合でも2010年8月末日までに)完了させる」と明記している。専門家協議は、6月21日(東京)、7月15、16の両日(ワシントン)の計2回開かれた。

 菅首相は21日、首相官邸で、普天間担当の滝野欣弥官房副長官から2回の協議などについて報告を受けた。

 関係筋によると、15、16両日の日米協議で、日本側は、沖縄の政治情勢の見通しが立たないことなどを背景に、複数案の提示にとどめたいと主張。これに対し、米側は日米合意通り、8月末までに結論を一本化するよう求めた。ただ、普天間問題に長くかかわる関係者の中には、沖縄の同意なしでの移設作業は進まない、との理解から、やむを得ないとする声もあったという。

 政府内では、8月末の時点では、沖縄県名護市辺野古地区に建設する施設について〈1〉沿岸部にV字形滑走路2本〈2〉沖合にV字形〈3〉沿岸部に滑走路1本〈4〉数百メートル沖合に滑走路1本――の4案を併記して示す案が浮上している。

 日本政府は、沖縄県知事選が11月28日に行われるため、それ以前の一本化は難しい、と見ている。政府筋は「米側も日本の事情を理解し、複数案を了解したと受け止めている」と語った。

 ただ、知事選は11月中旬に予定されるオバマ米大統領来日の後となるため、建設計画が決定しない事態に対し、米側には強い懸念がある。このため、「菅首相が今後、沖縄との合意形成にどう努力するか、見極めたい」(米国務省筋)などの声が出ている。3回目の専門家協議は今月末に東京で開催される予定だ。

(2010年7月22日03時04分 読売新聞)

URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100722-OYT1T00039.htm

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