では、民主党と自民党との大連立があるのかといえば、もっと有り得ないと思うのが普通。
まぁ、それは、民主党の多くの議員達が自民との大連立を嫌がっているというのもあるのだけれど、更に加えて、自民との大連立は、イコール民主党の否定に繋がることが大きいと思われる。
谷垣・自民党総裁は、消費税増税に関する超党派の協議は、昨年衆院選の民主党マニフェストを撤回してからだ、としているから、要は、民主党でなくなれ、と言っているようなもの。
溜池通信のかんべえ氏は、民自大連立について、7/12の記事にて私案を述べている。以下に引用する。
(1)民主党と自民党は、向こう2年間の期限を切って連立政権を組む。国民新党との連立は解消する。議席的には十分過ぎるので、2大政党のみの連立とする。これは超安定政権となる。
(2)優先する政策事項は、①景気回復、②財政支出削減、③行革及び公務員制度改革、④年金制度改革、⑤政治主導確保に絞り込む(この辺は多少の交渉の余地あり)。
(3)それ以外の政策マターはすべて凍結する。子ども手当ては時限的に今年一杯だけ実施。高速道路無料化などの実験も右に同じ。郵政見直しは論外。要は昨年総選挙における民主党マニフェストをほとんど凍結してしまう。外国人参政権や人権擁護法案などももちろん除外。
(4)税制については、とりあえず法人減税をこの秋を目処に実施するが、消費税については協議会を設置し、議論を行なうにとどめる。
(5)組閣は現在のメンバーを中心に、自民党の幹部を加えたオールスターキャストとする。菅総理、仙谷官房長官以下のメンバーはほとんど変えず、例えば谷垣禎一副総理兼法務大臣、石破茂防衛大臣、小池百合子環境大臣、林芳正金融担当大臣の4議席くらいを迎える。
(6)向こう2年間を、財政再建のためのモデル期間と位置づけ、増税以外のあらゆる手段をとる。2年後の2012年夏になったら連立は解消。2013年夏に予想される衆参ダブル選挙に向けて、二大政党がヨーイドンで競争する。
とまぁ、こんな感じ。確かにこれであれば、世間は納得するだろうし、政権も安定するだろう。だけど、この案は同時に、ものの見事に、これまでの民主党そのものを否定している。
だから、この案の実現は、かんべえ氏も指摘しているとおり、民主党首脳部が自分達の間違いを認めない限り殆ど無理。
日本のことより、自分達の面子を優先するような首脳部ではどうにもならない。
「連立政権は民主党を削り取る」のエントリーで指摘したとおり、今の民主党政権は、民主党である部分を自ら削りとってゆくことでしか連立を維持できない状況に陥っている。それを受け入れない限り、この線はないように見える。
そして、今の政界には、龍馬はいない。どうするか。
参院選の敗北を受けて、民主党内で、執行部の責任を問う声が上がっている。
民主党は12日に党本部で役員会を開いて、枝野幸男幹事長ら現執行部体制を当面維持する方針を確認したのだけれど、その場で高嶋良充参院幹事長から「両院議員総会を開いてしっかり総括すべきだ」と責任を追及する声があった。
そして更に、高嶋氏は、空き菅@けものへん殿を厳しく批判する論文を労組機関紙に寄稿すると見られている。
その内容は、「政権交代の原点に立ち戻り、衆院選時のマニフェスト(政権公約)を誠実に、着実に実行することから始めなければ、国民は今度こそレッドカードを突き付けるだろう」という厳しいもの。
また、「政界は混迷の度を深め、政界再編も否定できない・・・9月には党代表選もある。菅首相が今やらなければならないことは、党を、政権を一枚岩にし、挙党一致体制で難局を乗り切ることだ」と人事の見直しをも求める内容をも含んでいるという。
高嶋氏は剛腕殿に近いとされているし、その当の剛腕殿は、選挙戦中から、消費税増税を口にした空き菅@けものへん殿を非難していた。
もう、9月の民主党代表選に向けて、空き菅@けものへん殿と剛腕派との党内抗争が始まっているようにも見える。
これが出来レースなのかどうかは分からないけれど、剛腕殿が選挙中に空き菅@けものへん殿を非難して、それにある程度の支持が集まっていたことを考えると、少なくとも、剛腕殿自身が悪役になることで、党の結束と支持率の回復を狙う、という意味での出来レースではないことだけは言える。
意外と双方は、本当に対立しているのかもしれない。
明日につづきます。
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参院選:枝野幹事長続投へ、小沢系議員は責任追及の構え 2010年7月12日 21時45分 更新:7月12日 23時38分
参院選大敗をうけ、民主党は12日、党本部で役員会を開き、菅直人首相(党代表)と枝野幸男幹事長ら現執行部体制を当面維持する方針を確認した。枝野氏は記者会見で「首相から職務を全うしてほしいという強い指示があった」と続投する意向を表明。だが、役員会で小沢一郎前幹事長に近い高嶋良充参院幹事長が「両院議員総会を開いてしっかり総括すべきだ」と責任を追及する構えを見せた。執行部体制継続・内閣改造見送りで混乱回避に走る菅氏と、これをけん制する小沢氏側。9月代表選をにらむ神経戦の火ぶたが切られた。
12日午後3時過ぎ、参院選翌日で人影が少ない東京・永田町の参院議員会館。仙谷由人官房長官は当選祝いのネクタイの紙袋を提げながら、会館2階の一室を訪ねた。部屋の主は民主党の輿石東参院議員会長(参院山梨選挙区)。激戦を制して3選を果たした輿石氏への祝いの言葉もそこそこに、仙谷長官は切り出した。
「菅直人首相と話して、選挙で返り咲けなかった方や勇退された方にも引き続き仕事をしていただくことに決めました。ご了解いただきたい」。千葉景子法相ら落選組の処遇を含め、内閣の人事は凍結する--という趣旨だったが、人事凍結は党内対立の誘発を避けたい狙いがあった。輿石氏は「今の段階では了とする」と聞き置いた。
首相官邸は、参院選期間中から首相批判を繰り返してきた小沢一郎前幹事長の動向を読み切れないでいる。民主党代表選を9月に控え、首相周辺は「小沢さんがどう動くか、小沢氏に近い輿石さんが(選挙戦から)戻ってきてどういう話をするか、瀬踏みしないうちには動けない。とにかく様子見だ」と息を潜める。
首相は12日未明、参院選大敗を受けた記者会見で「(消費増税の)議論そのものが否定されたと思っていない」などと強気の姿勢を見せた。一夜明けると、その勢いは消え、人事凍結の方針を打ち出したのは、内閣改造・党役員人事のカードを保持しつつ、今秋に向けた党内抗争や参院の多数派工作に腰を据えて臨む狙いからだ。
◇
12日夕の民主党役員会。冒頭、枝野氏は安住淳選対委員長とともに、選挙総括をまとめることを提起。これに対し、高嶋氏が両院議員総会での総括を求めると、小沢グループの奥村展三総務委員長も「幹事長と選対委員長の2人ではなく、落選議員の意見も取り入れて幅広くやるべきだ」と続けた。
選挙総括は党執行部の責任論に直結する。枝野氏の提案は総括を主導することで先手を打つ狙いだったが、落選議員を入れれば、菅首相の増税発言を含め執行部批判が強まるのは必至。小沢氏に近い原口一博総務相は12日、記者団に対し「総括を落選議員や候補者が議論し合うことがまず第一だ」と同様の注文をつけた。
もっとも、小沢氏側は執行部が両院議員総会開催に踏み切れないのも織り込み済み。菅首相への消費税発言への不満は根強くあり、批判が噴き出すのは必至だけに、執行部を揺さぶる狙いがある。枝野氏は党役員会後の記者会見で、両院議員総会について「総括を最終的にどうするかはまだ話していない」と口を濁さざるを得なかった。
URL:http://mainichi.jp/select/today/news/20100713k0000m010102000c.html
「菅政権は行き詰まる」=民主・高嶋氏が批判論文
「菅政権はたちまち行き詰まることは確実だ」。民主党の高嶋良充参院幹事長が、菅直人首相を厳しく批判する論文を労組機関紙に寄稿することが13日、分かった。高嶋氏は小沢一郎前幹事長の側近。参院選での民主党敗北を受け、首相の求心力低下が指摘される中、波紋を広げそうだ。
高嶋氏は、民主党大敗について「原因は消費税問題」と断じ、「政権交代の原点に立ち戻り、衆院選時のマニフェスト(政権公約)を誠実に、着実に実行することから始めなければ、国民は今度こそレッドカードを突き付けるだろう」と強調。
さらに、参院での与野党逆転に触れ「政界は混迷の度を深め、政界再編も否定できない」と指摘。「9月には党代表選もある。菅首相が今やらなければならないことは、党を、政権を一枚岩にし、挙党一致体制で難局を乗り切ることだ」として、「非小沢」系に偏った人事の見直しを求めた。(2010/07/13-19:17)
URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010071300842
この記事へのコメント
日比野
2010/07/18 22:34 に投稿いただきました、コメントは削除させていただきました。
記事と無関係の煽りコメントは控えていただきますようお願いします。御主張が御有りなのであれば、御自身のブログなりなんなりでなさってください。
mor*y*ma_*atu
既に、日本の政治の世界ではないと感じます。悪意をもって日本を
蹂躙する事を目論む勢力は日本の政界を支配しているので、自民党だろうが
民主党だろうが、ましてはオカルト政党を和合させても最早無意味。
それでは、日本はもう救いようがないのか?と言うことになりますが、
そこは、心配ご無用。支配を目論む勢力は既に自滅を始めています。同類の
共食いです。最後に残る一匹になるまで止められないでしょう。
そして、彼らもまた一匹では生きていけないのはお分かりでしょう。
つまり、何処かで行き詰まる事に気がついているので、悪魔も改心し
和合するしか道はありません。また、人間も改心しないと置いてけぼり
になるでしょうね。皆さん気をつけてください。
almanos
福田内閣時代の大連立の話が出た際「民主党に政権担当能力はない」と豪腕殿は仰ってましたが、今思うと二重の意味があったように思えます。一つ目の意味は民主党が政権を担当運営する能力を欠いているという意味。もう一つは民主党の性格に由来するもの。民主党は「政権を奪取するための党」で「政権を担当し、国政を担う政党」ではないという意味であったのではないかと。
去年の衆院選から始まったどたばたを見る限り、あながち外れていないのではないかとも思います。困ったことは自民党もいわゆる政党ではなく「日本の政治を運営するシステムに政党の皮を被せたもの」だったのではないかと。政権から下野している間にちゃんと政権担当能力がある政党に変わらないと、またもとの木阿弥です。やたら