「数の上でのキャスチングボートは無理になった」みんなの党・渡辺代表 於:12日未明 東京都内で記者団に対して
今回の民主党の改選44議席、非改選62議席を加えた107議席は、参院選の過半数122に15議席足りない。
勿論、国民新党のもつ3議席を足しても、12議席足りない。
この12議席足りないというのは極めて微妙、いや絶妙な数。なぜかというと、たとえば、民主与党が、みんなの党を更に連立に加えたとしても、みんなの党の参院11議席では、まだ過半数に届かないから。
従って、民主党は、民主・国民連立に、みんなの党を加えて、更に別の党を連立に引き入れるか、よその議員を引っ張ってくるしかない。あるいは、参院で19議席持っている公明党と連立を組むかといった選択を余儀なくされる。
マスコミは、今回の参院選で大躍進した、みんなの党を政界のキャスティングボートだなんて持ち上げたりしているけれど、純粋に議席数だけで考えると、キャスティングボートであることには間違いないものの、それは、絶対的なものではなくて、その他大勢のキャスティングボートの中の一つ、といった位置づけ。
むしろ、余裕を持って過半数を超える、公明党のほうがよっぽどキャスティングボートになっているといえる。
ということで、空き菅@けものへん殿は早速、みんなの党と公明党に将来の連立参加を念頭に置いた、連携打診の方針を固めたようだ。
だけど、現時点では、みんなの党も公明党も連携する気はない、と拒否している。だけど、穿った見方をすれば、条件さえ整えば、連携する可能性があるということでもある。
ぶっちゃけていえば、連携先の政党の要求を丸呑みしてしまってでも連立を組む道があるということ。たとえば、みんなの党だと、消費税増税を引っ込めて、公務員制度改革案や郵政法案の見直しになるだろうし、公明党となら、消費税増税の問題に加えて、友愛殿や剛腕殿の「政治とカネ」問題もクリアするという道。
そうした連携先の政党の要求を、振り回される事も承知の上で丸呑みして、なんとか政権を維持する手がないこともない。
こうした事を踏まえると、空き菅@けものへん殿の取りうる策として考えられるのは次の3つ。
1.まず、みんなの党と緩やかに連携(連立ではない)して、更に、政策毎に社民党(4議席)、たちあがれ日本(3議席)、新党改革(2議席)などとパーシャル連携する。
2.空き菅@けものへん殿が辞任して、新首相を立て、公明党と連立を組む
3.党が割れるのを覚悟して、自民と大連立を組む
これらの中で一番ハードルが低いと思われるのが1.
みんなの党の渡辺代表は民主党との連立ではなく、政策ごとに連携するパーシャル連合に前向きと言われている。この程度であれば見込みはある。ただ、みんなの党と連携できた政策であっても、更に他の小政党と連携を取らなくちゃいけなくなるから、調整に手間取ることは充分に予想される。
また、政策の内容によっては、どう組み合わせたところで連携不可能になることだって考えられる。例えば、郵政なんかの問題は、国民新党とみんなの党で真っ向対立するから、みんなの党と連携できたとしても、法案提出の段階から、かなりモメることになるだろう。
では、2の公明と連立を組むというのはどうか。
確かに、民主党からみれば、公明党と連立を組むのが、数の上でもどうにか安心できる形であることには違いない。だけど、公明党の側からみれば、そうじゃない。
公明党は、参院選では自民党と選挙協力していたし、支持母体からして現民主党政権に拒否反応が強いと言われている。連立や連携の前に、まず彼らを説得しなきゃいけない。その材料として、民主党が何を提供できるのかを考えれば、今のままでは望みは薄い。
なんとなれば、空き菅@けものへん殿を含めた現執行部が全員辞任して、更に、友愛殿や剛腕殿が議員辞職して、新生・民主党くらいになれば、連立の目も出てくるかもしれないけれど、これはもう「夢想」とでもいうべきもの。
最後の3については、引き続き、明日検討する。
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菅首相、公明・みんなに連携打診へ
菅首相は、与党が参院で過半数割れしたことを受けて、公明党とみんなの党に対し、国会運営での連携を求めていく方針を固めた。
首相が12日、周辺に伝えた。当面、政策や法案ごとに賛成を求める「部分連合」を念頭に協力を要請するが、将来の連立政権参加も視野に入れている。首相は9月の民主党代表選までに政権安定の枠組みにめどを付け、再選を確実にしたい考えだ。
参院選の結果、非改選を含む与党の議席は110議席となり、過半数に12議席届かない。首相は、安定政権を築くには、野党の中で比較的政策が近い公明党(参院19議席)か、みんなの党(同11議席)との連携が不可欠と判断したとみられる。
首相は12日夜、首相官邸で記者団に、「野党の皆さんの主張を国会の内外でしっかりと受け止めて政権運営をしなければいけない」と述べ、野党との連携を重視する考えを強調した。
首相はこの日、仙谷官房長官、民主党の枝野幹事長、輿石東参院議員会長らと断続的に会い、今後の国会対応や党運営などを協議。首相は党内対立を回避するため、内閣改造・党役員人事を9月の党代表選後に先送りする方針で、落選した千葉法相も続投させるほか、今期で参院議員を引退する峰崎直樹財務副大臣も内閣改造まで続投させることを決めた。これを受け、民主党は12日夕、党本部で首相出席のもとで役員会を開き、執行部の続投を確認したが、小沢一郎前幹事長に近い議員からは参院選敗北にもかかわらず執行部が辞任しないという対応への批判が強まっている。
こうした中、執行部は、菅首相の党代表としての任期満了に伴う代表選について、9月5日投開票とする案を軸に調整に入った。9月下旬から臨時国会を開くことを念頭に、9月最初の日曜日である5日に代表選を実施するものだ。ただ、臨時国会を早期に召集し、開会中に代表選を実施すべきだとの意見もある。
(2010年7月13日03時01分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100713-OYT1T00061.htm
与党枠組み考えてみると…新たな連携高い壁
第22回参院選の結果、民主党と国民新党の与党勢力は、非改選と合わせて110議席で、過半数(122)に12足りない。
菅首相は政府提出法案を国会で成立させるためにも、国民新党以外の党との連携でこの差を埋めたい考えだ。その「パターン」をシミュレーションすると――。
◆プラスみんな 消費税、郵政障害に◆
「数の上でのキャスチングボートは無理になった」
みんなの党の渡辺代表は12日未明、東京都内で記者団に渋い表情を見せた。
与党の議席にみんなの党(非改選含め11議席)を加えた場合、過半数まではわずか1議席。単独でキャスチングボートを握れば、公務員制度改革をはじめ同党の政策実現の近道になる。それだけに、悔しさもひとしおのようだ。
ただ、民主党との連携は、現状では同床異夢の部分が大きい。民主党の枝野幹事長は「行政改革などかなりの部分、一致している」と秋波を送ったものの、渡辺氏は民主党政権の公務員制度改革案を批判する立場から「顔を洗って出直せ」と切り捨てた経緯がある。
逆に、渡辺氏は民主党との連立ではなく、政策ごとに連携する「部分連合」に前向きだが、あくまで「みんなの党のアジェンダ(政策課題)実現」が狙いで、民主党がどこまで「丸のみ」するかは不透明だ。
菅首相が呼び掛けた消費税論議にも、みんなの党は「増税の前にやることがある」と反論、与党の国民新党の「党是」である郵政改革法案成立にも反対の立場で、連携の障害になるとの見方が広がっている。
◆プラス公明 「政治とカネ」不信強く◆
非改選と合わせ19議席を維持し、与党経験も長い公明党と組むことが、政権安定のためには「最も手っ取り早く、最も安定した組み合わせ」(民主党関係者)とする考え方もある。
だが、公明党の山口代表は民主党批判のトーンを緩めておらず、12日の記者会見でも「民主党政権にレッドカードを突きつけた。連携や連立を組む考えは持たない」と改めて言い切った。
公明党を支持する創価学会には、鳩山前首相や小沢一郎民主党前幹事長の「政治とカネ」の問題や、菅首相の消費税増税への言及などを受け、民主党に対する根強い不信と反発があるとされる。参院選では、自民党との選挙協力を多くの地域で維持したこともあり、「直ちに民主党と連携できる雰囲気ではなく、急な方針転換は不可能」(公明党関係者)な状況だ。
◆プラス自民 「大連立」現状は困難◆
消費税率引き上げを共通目的とした自民党との連立もささやかれる。「これだけ大きいテーマは第1党だけで背負いきれない」(財務省筋)ためで、実現すれば、参院議席の8割超を占める「大与党」となる。
ただ、民主党内には「大連立」に否定的な議員が多く、自民党も来年の統一地方選をにらみ、対決姿勢を強める構えで、現状では難しいとの見方が専らだ。
社民党(4議席)、たちあがれ日本(3議席)、新党改革(2議席)など小政党との連携に関しては、民主党内に「調整が増え、かえって政権運営が不安定になる」との慎重論もある。
(2010年7月13日08時14分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100713-395440/news/20100713-OYT1T00144.htm
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