空き菅@けものへん内閣の支持率が常軌を逸した下落を見せている。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が3、4両日に実施した合同世論調査では、先月19、20日のものと比べて、10・7ポイント下がって43・6%。
テレビ朝日の調査でも、先月6日には58.7%あった支持率が40.9%と大幅ダウン。
大体1ヶ月で20ポイント、一週間で5ポイントのペースで落ちていることになる。前代未聞。このままでは、選挙当日には、支持率は30%台になっているだろう。
調査では、消費税の引き上げをめぐる説明や対応について、6割を超える人が「一貫性があると思わない」と答えており、これが主な下落要因だとされているけれど、確かにそれは言える。
余りにも場当たり的な発言に終始して、ひとつとて、まともに説明していないから。
それどころか、反発が激しいと見るや、所得の低い人に消費税分を全部還付すると慌てて取りつくろったのだけれど、年収「200万~300万円以下」や「300万、400万円以下」とか、演説ごとに違った事を口走り、逆に何も考えていないことを露呈した。
これでは、有権者が不安になるのも当然。
6月19日の「鳴くのならここから出て行けほととぎす」のエントリーで指摘したのだけれど、空き菅@けものへん殿は、参院選までは「狡」を全面に出して、良いとこ取りと言い訳に終始している。
だけど、何時までもそればかりでは、どうしようもない。国民もその辺りを見透かし始めたからこそ、支持率の急激な下落となって表れているのだろう。
件のエントリーでは、空き菅@けものへん殿の言い訳パタンを3つに分類してみたのだけれど、公示後から、これまでの発言を中心に当てはめてみる。
発言のソースは主にマスコミ報道から参照したのだけれど、公示後だから、建前上「公平に」報道しなければならないソースであることと、わざわざ活字にしているという2点において、それなりの公平性は担保されているものとして扱うこととする。
まず、空き菅@けものへん殿の言い訳パタンは以下の3つ。
パタンA:自分は関係ない。 …批難される対象と無関係を装い、責任回避。
パタンB:知らずにやった。今は反省している。…昔の自分と今の自分を切り離して、責任回避。
パタンC:あいつが悪い。あいつもやっている。…他人も同じ事をしているとして、責任軽減。
次に、選挙戦での活動における、空き菅@けものへん殿の発言からいくつかを拾って分類すると次のとおり。
言い訳パタンA:自分は関係ない
「渡辺喜美さんは民主党がいつの間にか官僚に取り込まれたと言ってますが、違うんですよ。私が財務省を洗脳しているんだ。ぜひ渡辺さんの口車に乗らないでください!」7/4午後 名古屋市内で行った街頭演説
「小沢先生の影響力が大きいのはわかりますが、皆さんもあまり一言一言をですね、ちょっと気にしすぎじゃないかなと」7/1 テレビ番組に単独出演した際
言い訳パタンB:知らずにやった。今は反省している。
「これまでやれなかったことがなぜやれるかを言わないで『やります、やります』と。もっとも私も野党時代はだいぶ、そういうことを言ってきたが、今度はそんなことは言いません。責任を持った立場ですから。必ずやれる段取りを示していきたい」7/4 名古屋市での街頭演説
言い訳パタンC:あいつが悪い。あいつもやっている。
野党のみなさんは「民主党もムダ遣いばっかりしてるんだから、まず謝れ」と言われますよね。それじゃあ、謝ってもいいですよ。その代わり、自民党も公明党もこの11年間で220兆円の赤字を増やしたのを国民に説明して、謝るところは一緒に謝って、お互いに謝って、これからはそういうことにならないように、真摯に話し合ったらいいじゃないですか。7/3 埼玉県所沢市での演説
「860兆円もの大きな借金をつくったのは、わたしたちにも責任はあるが、なんといっても政権の中心にあった自民党の責任が一番大きい。自民党にも、公明党にも、渡辺喜美(みんなの党代表)さんにも、税制改革について超党派で話し合いを始めようと提案している」7/4午後 横浜市内での街頭演説
「最近、何かですね、『菅総理は、自分たちとの議論を避けているんではないか』と、野党の方が時々言っています。とんでもないんですよ。『1対1でやるのは嫌だ』と言って逃げているのは、今の野党の方じゃないですか! 皆さん、そのことをわかってくださいよ!」7/2 街頭演説
活字になっている部分だけを拾ってみただけでも、見事に言い訳パタンが随所に含まれている。
やはり、横綱ではない。
産経新聞の2010/07/05配信記事で、「首相ならば、野党の追及を正面から受け止め反論する。なぜそんな「横綱相撲」をとらないのか。それともとれないのか。」とか「首相が練りに練った基本戦術は「責任転嫁」だった。」などと書かれているようでは、何をかいわんや。
まぁ、産経新聞の記事だという部分を差し引いたとしても、少なくとも記者連中は、そういう御仁だと思っていることは確実だと思われる。
もっと政策の中身だとか、根拠だとかを懇切丁寧に説明して、記事のネタを提供すれば、そんなことばかり書かれることはないだろうに、それがないものだから、記者も困って、言い訳を記事にする。
如何に隠したくても、他に報道するところがなければ出すしかない。フォローに困る御仁ではある。
Googleで「菅 街頭演説」で記事をググッてみたら、こうなっている。見出し部分を一部列挙する。
菅 街頭演説のニュース検索結果
参院選:消費税で菅首相、各党から集中攻撃浴びる-支持率も急低下 7月5日(ブルームバーグ)
菅首相「民主党にも財政悪化の責任」 - MSN産経ニュース 2010.7.5
参院選'10山梨:党幹部ら次々来県 菅首相、小泉氏が支持訴え /山梨 - 毎日新聞 2010年7月4日 地方版
asahi.com(朝日新聞社):菅首相VS.小泉ジュニア 街頭演説で火花 2010年7月3日
菅首相:「どうも情が足らないと」…街頭演説で反省の弁 - 毎日jp 2010年7月3日
民主党:菅代表(総理)、横浜駅西口で街頭演説 2010年7月4日
普通見出しは読者の興味を引くため、多少は誇張したり、目を引く部分をピックアップしたりすることもままあるものだけれど、基本は、記事の内容を一言で表すものを持ってくるもの。それでいてこれ。
唯一最後の「菅代表(総理)、横浜駅西口で街頭演説」の記事だけは、演説の内容として、これまでの実績に触れているのだけれど、この記事は民主党HP上のもの。逆に言えば、これくらいしか、取り上げて貰えるところがないということ。
つまり、有権者にしてみれば、言い訳ばかりで、肝心の内容が全然伝わってない、ということを意味してる。これでは支持率が上がる訳が無い。
空き菅@けものへん内閣支持率は、発足直後のV字回復は速かったけれど、下りもまた速い。
ダウンヒル最速のイニシャルK(かん)。もう誰にも追いつけない。
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【参院選2010】世論調査 菅内閣支持率10ポイント以上下落 消費税評価しないも53% 2010.7.5 21:35
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が3、4両日に実施した合同世論調査で、内閣支持率は前回調査(先月19、20日)から10・7ポイント下がり、43・6%となった。菅政権の消費税率見直し問題への対応を「評価しない」と答えた人は53・3%。菅直人首相が掲げた消費税の増税問題が参院選終盤で民主党の勢いを衰えさせる要因となったとみられる。
民主党の政党支持率も29・9%と前回調査(34・9%)から5・0ポイント減少した。参院選の「比例代表でどの政党に投票したいか」との問いに「民主党」と回答したのは32・8%で、前回(42・4%)に比べ大幅に下落した。
一方、自民党は2・1ポイント増の19・6%。みんなの党(10・4%)、公明党(5・6%)、共産党(3・4%)、社民党(2・8%)-が続いた。
参院選で「民主党など与党に勝たせたい」との回答は50・8%。「自民党など野党」(40・9%)に9・9ポイントの差を付けた。
参院選に「関心がある」と答えたのは5・5ポイント減の78・9%。争点として最も重視するのは、トップが「景気対策」(31・8%)。「医療・年金などの社会保障」(23・3%)「ばらまき政策の見直し」(11・8%)「子育て・教育問題」(7・7%)が続いた。「消費税など税制改革」は7・5%だった。
民主党の消費税への対応が「明確と思わない」は70・9%。次期衆院選で消費税率を「明確な争点にすべきだ」は81・9%に達した。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100705/plc1007052136006-n1.htm
菅内閣支持率40.9% 発足1カ月で18ポイント急落(07/05 11:30)
参議院選挙まで1週間、菅内閣の支持率の低下が止まりません。先月6日には58.7%あった支持率が40.9%と、わずか1カ月で18ポイント近く下落しています。
調査は3日、4日の2日間で行われました。菅内閣の支持率ですが、40.9%と2週間前の調査に比べて4.4ポイント下落しました。不支持は35.1%で、5.5ポイントの増加です。参院選の争点となっている消費税の引き上げをめぐる菅総理大臣の説明や対応について、6割を超える人が「一貫性があると思わない」としていて、この消費税の問題が支持率の下落に大きく影響しているとみられます。
一方、参議院選挙での比例代表の投票先について、民主党が32.2%、自民党19.6%、公明党4.4%、共産党3.4%、社民党1.7%、国民新党0.5%、みんなの党6.3%、新党改革0.5%、たちあがれ日本0.5%となっています。選挙の結果、与党が参議院で過半数割れすると、いわゆる「衆参のねじれ状況」となりますが、この状況は「好ましくない」とする人が4割を超えています。その場合の連立相手として、約3分の1の人がみんなの党を挙げています。
URL:http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/200705017.html
「民主も自民も、お互いに謝って話し合おう」―菅首相 2010年7月3日22時10分
◇菅直人首相(民主党)
◆3日、埼玉県所沢市での演説で
野党のみなさんは「民主党もムダ遣いばっかりしてるんだから、まず謝れ」と言われますよね。それじゃあ、謝ってもいいですよ。その代わり、自民党も公明党もこの11年間で220兆円の赤字を増やしたのを国民に説明して、謝るところは一緒に謝って、お互いに謝って、これからはそういうことにならないように、真摯(しんし)に話し合ったらいいじゃないですか。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0703/TKY201007030306.html
野党の「菅隠し」批判に、菅首相が猛反論 「『議論を避けている』なんてとんでもない」
消費税に続く新たな火種となりそうな、野党が批判を展開する「菅隠し」戦術。野党からの「逃げるな」という声に、菅首相も猛反論した。
新党改革・舛添代表は、「逃げているとしか思えないですね。けしからんと思います」と述べた。
社民・福島党首は、「逃げるなというふうに言いたいと思います」と述べた。
公明・山口代表は、「逃げるな菅! 出てこい菅! 逃げまくる態度に、カンカンに怒っている!」と述べた。
参院選の投票日まで、10日を切った2日、突如、野党の党首から相次いだ「逃げるな」コール。
そのわけは、2日の菅首相の発言にあった。
菅首相は、「『1対1でやるのは嫌だ』と言って逃げているのは、今の野党の方じゃないですか! 皆さん、そのことをわかってくださいよ!」と述べた。
発足後、国会で新政権に対する本格な論戦も行われずに突入した選挙戦。
自民・谷垣総裁は、「菅さんは、『予算委員会は開かなくても、これからテレビ討論がある』と言っていました。菅さんは出るのを嫌がっているんですよ。わたしは、『逃げるな、菅さん!』と言いたいんです」と述べた。
野党は、テレビ番組などで菅首相との討論の場を設けるよう、民主党側に申し入れるが、一向に実現していない。
これに2日、「菅隠し」といわれた本人が反論した。
菅首相は、「最近、何かですね、『菅総理は、自分たちとの議論を避けているんではないか』と、野党の方が時々言っています。とんでもないんですよ」と述べた。
討論を受けないわけではないとして、菅首相は、「1対8の議論というのは、これは議論じゃありません。下手をすれば、つるし上げなんです。1対1で、例えば1時間は谷垣さんとやる。40分は山口さん、公明党とやる」と釈明もした。
9党首が一堂に会する討論は、「つるし上げ」だと拒否、1対1の形式なら受けると条件を持ち出した。
自民・谷垣総裁は、「内閣総理大臣たる者、野党党首がどんなに攻めてこようと、バッタバッタと切り捨てる覚悟がなくて、どうするんですか」と述べた。
共産・市田書記長は、「自信があるんだったら、堂々と論戦すればいいわけで、逃げたら政権党としたら、情けないでしょうね。恥ずかしい態度ですよ」と述べた。
社民・福島党首は、「論争という点からは大問題。やっぱり、1対8で攻められるのが嫌なのか、ぶれたのを突かれるのが嫌と思っているのか」と述べた。
新党改革・舛添代表は、「国民が厳しい審判を下すと思っておりますので。いつでも菅さんが出てくれば、朝まででも何でも、わたしは討論したいと思ってますけど。そんなへっぴり腰で総理をやってもらっちゃ、この国はだめになる」と述べた。
連立を組む与党にまで向けられた発言に、国民新・亀井代表は、「それは菅さんに聞いてくれ」と述べた。
討論問題に焦点が当たる中、1日、菅首相は、テレビ番組に単独出演した際に、「小沢先生の影響力が大きいのはわかりますが、皆さんもあまり一言一言をですね、ちょっと気にしすぎじゃないかなと」と述べた。
小沢前幹事長は、6月29日、「『政権取ったら金ないからできません』なんて、そんなばかなことがあるか」と述べ、7月1日には、「政権取れたといって、喜んでいる場合じゃない」と述べた。
現執行部がマニフェストを大幅に修正したことへの批判を強める小沢前幹事長。
これには、野党からも声が上がった。
みんなの党・渡辺代表は、「『小沢だ』、『脱小沢だ』と言って、相変わらずやっているじゃないですか。ばらまきを続けるんだと、こういう党内抗争が公然と始まっているじゃありませんか」と述べた。
広がる波紋に、当人たちは2日、トーンを下げた。
民主・枝野幹事長は、「小沢前幹事長の話については、私はすでにコメントしていますので、重ねて申し上げるべきではないと思っています」と述べた。
一方、小沢前幹事長は、カメラの前では語らず。
しかし、その怒りは本物だと、専門家は指摘する。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は、「今のマニフェストの前の、衆院選のマニフェストは、イコール『小沢イズム』を表した形のマニフェストですね。菅政権が、全面否定しているんじゃないかというところに対する怒り。参議院選挙後の展開を考えて、もう一度何らかのアクションを起こしたいと思っている」と話した。
(07/02 19:37)
URL:http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00180082.html
菅首相の「責任転嫁」戦術、あえなく返り討ち 配信元:2010/07/05 01:08更新
「攻撃は最大の防御なり」と踏んだのか。参院選公示後初の各党党首のテレビ討論で、菅直人首相(民主党代表)は野党顔負けの質問攻撃を仕掛けた。「逃げ菅」と揶揄(やゆ)されただけに、攻めの姿勢を示したかったようだが、あっさりと返り討ちにあう場面も…。首相ならば、野党の追及を正面から受け止め反論する。なぜそんな「横綱相撲」をとらないのか。それともとれないのか。(船津寛)
首相はフジテレビ「新報道2001」の冒頭で、誰に指摘されたわけでもないのに、わざわざこう断って議論に入った。消費税をめぐる自らの発言を「迷走」と指摘されたことを相当気にしているらしい。
「逆に質問したいのは」「私も聞きたいのは」-。首相は弱気の虫を隠すかのように野党党首に次々と論争を仕掛けた。野党時代に培った自分のスタイルを貫くことが一番だと判断したようだ。
2日夜、首相は党本部で選対幹部との作戦会議でこう打ち明けた。
「860兆円の借金を一体誰が作ったのか。そういうことをきっちり言おうと思ってね…」
首相が練りに練った基本戦術は「責任転嫁」だった。消費税増税の背景となる財政悪化は「自公政権のツケ」。政権交代後のもたつきは「自民党ができなかったことを9カ月で全部やるのは難しい」との論理で正当化した。マスコミ批判も忘れてはならない。
首相はこの夜、参院候補に送った檄(げき)文で「野党はこぞって民主党に批判を浴びせるが、まともな対案を出していない」と批判し、「私も死にもの狂いで戦います」と結んだ。文面に「消費税」の文字はなく、参院選の争点は「民主党とともに安定した責任ある政治をつくるか、野党を勝たせて混迷の政治を選ぶか」にすり替えた。
テレビ討論での首相の戦術は裏目に出た。「自公政権で債務残高が増えたことへの反省があるのか」と山口那津男公明党代表に矛先を向けると「菅さんも自社さ政権で国債発行を増やしたじゃないか」と反撃された。谷垣禎一自民党総裁も「マニフェストで16兆円の財源を見つけるはずだったのではないか。できなければ消費税はばらまきの尻ぬぐいになる」と嘲笑した。
みんなの党の渡辺喜美代表に「なぜ政権にいた時に公務員制度改革を実行できなかったのか」と皮肉ると、「官僚の天下り根絶法案に反対したのは民主党じゃないか。反対ならば廃止すればいい!」と強烈なカウンターパンチを食らった。連立与党の亀井静香国民新党代表にも「消費税10%アップを共通の具に、混ぜご飯を作るのはよくない」と皮肉られた。
よほど悔しかったのか、首相はNHKの党首討論では冒頭で司会者に「こちらからも質問させていただくようお願いします」と要望した。4日午後に名古屋市内で行った街頭演説ではこう力を込めた。
「渡辺喜美さんは民主党がいつの間にか官僚に取り込まれたと言ってますが、違うんですよ。私が財務省を洗脳しているんだ。ぜひ渡辺さんの口車に乗らないでください!」
URL:http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/411784/
参院選:消費税で菅首相、各党から集中攻撃浴びる-支持率も急低下
7月5日(ブルームバーグ):参院選は11日の投開票日まで1週間を切った。菅直人首相(民主党代表)が超党派協議を提案した消費税増税をめぐり、各党が民主党を集中攻撃する構図になっており、首相は防戦に追われ、民主党の支持率も急低下している。
「860兆円もの大きな借金をつくったのは、わたしたちにも責任はあるが、なんといっても政権の中心にあった自民党の責任が一番大きい。自民党にも、公明党にも、渡辺喜美(みんなの党代表)さんにも、税制改革について超党派で話し合いを始めようと提案している」-。首相は4日午後、横浜市内での街頭演説で、消費税を含む税制抜本改革のための超党派協議への参加に慎重な自民党などの対応を批判した。
鳩山由紀夫前首相の突然の辞任を受けて6月8日に正式発足した菅内閣。直後の報道各社の世論調査で5割台から6割超の高い支持率を得たものの、消費税増税に関して自民党が掲げる10%への引き上げ案を「1つの大きな参考にしたい」と言及したことなどを受け、支持率が急落した。
7月4日の朝日新聞(電子版)によると、3、4日に行った世論調査では内閣支持率は39%にまで下落した。同紙は「10%発言」に端を発する首相の消費税問題への対応などにより、増税反対の人たちの離反が止まらない状況だと報じた。
国民新など反対
これまでの論戦で、当面の消費税増税そのものへの反対姿勢を前面に打ち出しているのは、国民新、共産、社民、みんなの各党。連立を組む国民新党の亀井静香代表は6月26日、横浜市内の街頭演説で「はがいじめにしてもやらせない。4年間やらないといったのだから約束を守れ、あたりまえの話だ」と宣言。7月3日の東京都内での演説でも「民主党政権は財務省に乗せられかけている」と増税論議の裏には財務省がいると指摘する。
社民党の福島みずほ党首は1日の横浜市内での街頭演説で、「今度の選挙は消費税率を10%に上げさせない選挙だ」と明言。共産党の志位和夫委員長は4日のNHKの番組「参院選特集」で、「消費税の税率引き上げは福祉や財政再建のためではなく、大企業の法人税の引き下げとセットで出ている」と指摘した。
みんなの党の渡辺代表は4日午後、川崎市内の街頭演説で、「民主党はいつの間にか増税勢力になった。増税してなんで景気がよくなるのか」と批判した。
これに対し、これまで将来的な消費税増税の必要性を指摘してきた新党改革の舛添要一代表は6月30日、都内での街頭演説で、「日本経済を復活させることが大切だ。そのためには法人税減税、規制緩和をやる」と強調。「そういうことをきちんとやらないで消費税増税というのは納得がいかない」と法人税減税などの成長戦略を先行するよう求めた。
3党は必要性指摘
一方、自民、公明、たちあがれ日本の3党は消費税増税を含めた税制抜本改革の必要性は認めているものの、菅首相の調整不足に批判の力点を置く。
自民党の谷垣禎一総裁は4日、東京都内の街頭演説で、「自民党の消費税と民主党の消費税は違う。民主党は何に充てるか言わない。このままいけばバラマキのしりぬぐいに消費税は使われてしまう」と増税分の使途などが不明確と指摘。
公明党の山口那津男代表は同日放送されたフジテレビの番組「新報道2001」の党首討論で、「民主党内でも議論がまとまっていない中で、なぜ消費税を上げるということが急に出てくるのか」と疑問を投げ掛けた。
たちあがれ日本の与謝野馨共同代表は1日、都内の街頭演説で、首相の消費税をめぐる発言について「消費税で財政再建をやろうというのは一つの見識だが、そのあとは演説でいろんなことを言っていて、本当にどこが真意なのか分からない」と皮肉った。
過半数
参院選では、民主、国民新と与党系無所属で非改選組も合わせて参院(定数242)の過半数である122以上の議席を選挙後も維持できるかが焦点になっている。必要な獲得議席数は両党で56以上。首相は3日、埼玉県所沢市での演説で、「もし野党がたくさん議席を取れば衆参のねじれになって、まだまだ混乱する政治が続く。日本にとって決していいことだとは思わない」と政治を安定させる必要性を訴えた。
与党が参院で過半数を維持できなかった場合、法案を国会で成立させるためには野党側の協力が必要になる。新たな連立相手の対象として浮上しているのが、渡辺氏率いるみんなの党だ。
首相は4日午後の横浜市での街頭演説で、昨年8月の衆院選前に渡辺氏や、同党幹事長の江田憲司衆院議員と会談し、みんなの党側が民主党との連携を求めていたエピソードを紹介した。その上で、首相は同党の現状について「小さな政党が政策実現をしようとするならば、どこかの大きな党と協力するしかない」と語った。
これに対し、渡辺氏は4日の川崎市の街頭演説で、「民主党のような偽装改革を許さない。みんなの党が参院でキャスチングボートを握らせてくれれば悪法を次から次へと蹴飛ばす」と民主党への対決姿勢を鮮明にさせている。
#NAME?
URL:http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920009&sid=aEKmSt0nUitM
この記事へのコメント
日比野
野党であれば、一部の代弁者でいいかもしれませんけど、与党としたらそんな態度では不十分だと思います。
sdi
「今の自分たちは批判されることは耐えられない」
「野党のころ自分たちがやったようなことをやり返されたらもたない」
自分たちの耐久力のなさを自覚しているので、とにかく攻撃される機会を与えまいとする。強行採決を多発し、党首討論でも逆質問して論争から逃げる、ころころ主張をかえて批判をかわす、といった行動に走っているのではないでしょうか。
almanos
>ドラマの中なら、笑って見ていられるのですけど、リアルだから、始末に負えません・・・
リアルでも会社なら退職等で逃げられますが、首相ですからね。誰かそこらへんを街頭演説で指摘して激昂した管首相がそいつに殴りかかる。で、聴衆への暴行罪で現行犯逮捕された初の首相にでもなれば良いのに等と思ってしまいます。確か、カバチタレに出てきましたが現行犯逮捕は警官でなくてもできますからね。で、責任取らされるのがイヤで国会でいきなり衆院解散と。
下衆でいかんゲスイ管をいつまで首相にいただけば良いのか? 等と思っております。
yutakarlson
ブログ名:「Funny Restaurant 犬とレストランとイタリア料理」
こんにちは。来る参院選のテレビ討論が行われました。菅さんは「責任転嫁」戦術をとり、野党からあえなく返り討ちにあったそうですが、何かこの討論会おかしいです。最近のテレビは、討論会などの形式をとっていても、最初から最後までディレクターが描いたシナリオどおりに進められているようです。それが嫌で、大前健一氏など既存のメディアには出ないで、他のメディアなどで活躍しています。この討論会を見ても明らかなように、菅さんなのか、ディレクターなのかわかりませんが、巧妙に争点が切り替えられています。そうです。本当に重要な日本解体法案に関しての議論は何もなく、消費税が最大の争点になっています。野党、ぼやぼやしていると、鳩山さんの問責決議案を出す前に辞任されたように、いつの間にか争点を切り替えられ、大事な大問題が誰も知らないうちに民主党の恣意により進められてしまうことになります。ここいらで、政治家