岡田武史・サッカー日本代表監督と菅首相

 
「ま、ほんとに、これだけがんばったんでね、勝たせてやりたかったんですけど、やっぱり私の力がちょっと足らなかったかな、と。やっぱりまだまだ、そんなに簡単なもんじゃないよと言われているということだと思います。まぁ、ぼくらは、一貫して何も変わっていないですから。最後まで選手が本当についてきてくれて、頑張ってくれて感謝しています」
岡田武史 サッカー日本代表監督 於:対パラグライ戦後

画像


サッカー日本代表、29日、決勝トーナメント一回戦で、パラグアイと対戦し、延長120分の激闘の末、PK戦で惜しくも敗れた。

選手たちは精一杯戦い、日本のサッカーでも世界に通用することを証明した。本当によく頑張った。

あのプレッシャーの中、W杯直前に本田を前に出す0トップの守備的システムに組み替えて、それでも結果を出した岡田監督の手腕は素直に評価したい。

それにしても、岡田監督はいつも非情の決断をする役回りのようだ。

1998年のフランスW杯では、ギリギリのタイミングで日本代表メンバーからエースの三浦カズを外し、今回の南アフリカW杯では、これまたギリギリのタイミングで先発メンバーから10番の中村俊輔を外した。

ああいうのを見ていると、リーダーとは孤独なものなのだな、と思う。

最後の決断はリーダーがやらなければいけないし、またそれが出来ないといけない。

そして、その責を全て負う。孤独な職業。

世間からの注目度やマスコミからの叩かれ度だけで言えば、サッカーの代表監督だって首相と遜色ない。

代表監督は、勝って当たり前。たとえ勝ったとしても、不甲斐ない内容には容赦なく罵声を浴びせられる。それは、国民の夢と誇りを背負っているから。

リーダーは、その背負っているものの大きさゆえに、語る言葉には重さがあり、迫力がある。



悔しいとか、辛いとかなんてセリフは、選手の立場では言えても、監督は絶対口に出来ないし、してはならないもの。

だから、敗戦の直後にあっても、「勝たせてやりたかった。私の力が足りなかった。」というコメントをした岡田監督は立派だったと思う。

友愛殿は辞任会見で、「国民が聞く耳を持たなくなった」なんて言ったけれど、サッカーに置き換えて言えば、「選手が言う通りに動いてくれなかった」と言うようなもの。そんなことを聞かされるサポーターは堪ったものじゃない。

翻ってみると、麻生元総理は辞任会見で「私は日本と日本人の底力に一点の疑問も抱いたことはありません。これまで幾多の困難を乗り越え発展してきた日本人の底力というもの信じております。日本の未来は明るい。」と発言した。

これもサッカーに置き換えると、「幾多の困難を乗り越え此処まで来た日本サッカーの底力というもの信じている。日本サッカーの未来は明るい。」と言うことに相当するだろう。

どちらが監督として、より相応しい発言なのかなんて言うまでもない。

菅@けものへん殿は、市民運動家としてスタートして、何時も何らかの敵と戦ってきた。むしろその方が似合っていたとさえ。

だけど、首相になってしまった以上、国内の誰かを敵にするのではなくて、国民の全てを背負う立場になった。

当然、不甲斐ない試合をしようものなら、容赦無く叩かれる。尤も、現実は、政治という名のチームサポーターが余り多くないという問題があることはあるのだけれど、それでも、みっともない試合は許されない。たとえ親善試合であったとしても。

就任して一カ月も経たない段階で、こんなことを言うのも憚られるとは思うけれど、菅@けものへんの辞任会見で、岡田監督以上の発言が出来るかどうか注目している。

画像

画像 ←人気ブログランキングへ

画像『勝たせてやれなかった』 岡田監督 退任表明 2010年6月30日 夕刊

 クールな遠藤保仁が泣いている。PKを外した駒野友一は号泣だ。選手たちに優しい視線を送った岡田武史監督は「これで、われわれのW杯が終わった。本当に寂しい気持ちでいっぱいだ。日本人としての誇りを持って戦ってくれた選手たちに勝たせてやれなかった」とわびた。

 ゴールをもぎ取る展開を求めたが、均衡は破れなかった。松井大輔のミドルシュートはクロスバーに当たり、本田圭佑のシュートもそれる。相手の猛攻には最後まで耐え抜いたが、得点を奪えなかった。3人の交代枠はすべて攻撃的選手で使い切った。「リスクを冒してでも点を取るという交代」だったが、実らなかった。

 2度目の日本代表監督としての挑戦は終わった。試合後の会見では、「この後のことは今、とても考えられる状態ではないが、恐らく、もうやることはないと思っている」と退任の意向を示した。以前から公言していたこととはいえ、表情は神妙そのものだった。

 病気のため退任したオシム前監督の後を受けて、二〇〇七年十二月に代表監督に就任。今大会では海外開催でのW杯で日本に初の勝利をもたらし、決勝トーナメント進出にも導いた。

 事前の予想に反して、見事な成績を残し、世界を驚かすこともできた。が、「W杯4強」という目標を達成できずに身を引く。「勝って驚かせようと言っていた」と無念さをにじませた。表情には勝負師の気迫がまだ残っていた。

 (プレトリア・磯谷佳宏)

URL:http://www.tokyo-np.co.jp/article/sports/news/CK2010063002000205.html

この記事へのコメント

  • クマのプータロー

    敗軍の将、兵を語らず。
    2015年08月10日 16:48
  • nana

    政治をサッカーに置き換えると、どれだけ民主党がおかしいかが
    とてもわかりやすいですね。
    ルールを守らないし…。

    レッドカードを持っているのは私たち国民ですね。
    2015年08月10日 16:48
  • はぴふる

    野党の立場では許されることも
    政権与党、国のトップに立ったら許されないことがあります。
    岡田監督のコメントは立派で、とても感動しました^^
    あと一歩攻め切れなかったのが残念でした。
    2015年08月10日 16:48

この記事へのトラックバック