剛腕が狙う大連立


剛腕殿が出馬表明にまで追い込まれた理由とは何か。

画像


表向きは、剛腕殿は、脱・小沢路線を変えない空き菅@けものへん殿に挙党態勢一致を要求していたのを、全く受け入れられなかったとなっている。

具体的には、枝野幹事長及び仙谷官房長官を外して、剛腕殿に渡すという要求を撥ね退けられた為。

空き菅@けものへん殿が剛腕殿に用意したのは、「党最高顧問」という名誉職。党の金と公認権を握る幹事長ポストを剛腕殿に渡せば、再び党を牛耳られることになる。だから絶対に渡せないと拒否した。

それが、今回の剛腕殿の出馬理由だと言われているのだけれど、それだけではないという見方がある。

その裏には、剛腕殿自身の政治生命を掛けた生き残りの為、という理由が囁かれている。

剛腕殿の側近議員によれば、剛腕殿は首相になることで、「政治とカネ」問題で強制起訴になることを避けるつもりがある、とコメントしている。「検察審査会の問題を抱えていなければ、今回の出馬はなかった」とまで。

首相になれば、強制起訴にならない、というのは、憲法75条に「国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は害されない」とあるからで、首相がうん、と言わない限り訴追できない。所謂「鳩山システム」のこと。

まぁ、それでもいつかは首相を降りる時はくるのだから、仮に代表選に勝って首相になれたとしても、3年の猶予ができるだけ。

それでも、今の状況下で何もしないと、結局は空き菅@けものへん殿に脱・小沢路線を続けられ、潰されてしまう。



幹事長ポストを手に入れられないまま、3年後、或いはもっと前になるかもしれない解散総選挙を迎えたら、剛腕派の多数を占める、新人議員、所謂小沢チルドレン達は、冷遇され、場合によっては党公認すら貰えず、落選の憂き目に会う可能性が高い。

だから、総選挙の迄に党の実権を取り戻せなければ、剛腕殿の政治的影響力は大きく低下することになる。従って、挙党態勢一致が撥ね退けられた今の状況下では、自身が出馬する他無かったのではないか。

だから、剛腕殿が本心から首相になりたいのかどうかについては、筆者は疑問を抱いている。やはり追い込まれた感は拭いきれない。

剛腕殿が出馬表明する前日、剛腕派の議員達が、出馬してくれとお願いするシーンをテレビでやっていたけれど、それを見る限り、剛腕殿には、覇気が見られなかった。

少なくとも、絶対首相になるという意思が漲る顔ではなかった。空き菅@けものへん殿のほうがよっぽど野心満々に見える。

普通は、自分に期待が集まっているとなれば、いよいよだ、と覇気を漲らせるもの。だけど、多数の議員にお願いされてもなお、まだ少し時間をいただきたいなどと言っていた。

剛腕殿は、こういった、「自分が何かをやる」という判断については、非常に慎重になる人だとは、よく言われることなのだけれど、出馬表明する前日でこれなのだから、本当にギリギリまで決断出来なかったのかもしれない。



ここで、もし、剛腕殿が代表選に勝ったとしたら、次にどうするかについて考えてみると、自身が党を割らない場合には、おそらく野党との連立工作を仕掛けるものと思われる。

ねじれ国会の状況下では、野党と連立できなければ、たちまち政権運営が立ちいかなくなるから。

巷では、公明党との連立をするのではないか、とも言われているけれど、筆者は、自民との大連立を考えているのではないかと思っている。

自民と大連立できれば、もちろん、ねじれは解消して、政権は安定するけれど、それ以上に民主党には人材の問題がある。

ぶっちゃけて言えば、民主党には、閣僚がまともに務まる人材に乏しい。特に外交と経済に顕著。

友愛政権はアメリカとの関係を拗らせ、空き缶政権は、経済無策。次の首相が誰になるにせよ、民主党は、外交と経済というアキレス腱を抱えている。

もし、自民党と大連立を組めたとしたら、剛腕殿は、そこに自民党議員を当てるとみる。

おそらく外務と財務、金融、農水、国土交通または、沖縄開発あたりのポストを自民党に回す。これらは、これまでの民主党政権下で殆ど捌けずに、拗らせてしまった問題を抱えるポスト。また、これは、空き菅@けものへん殿の支持に回って、反・小沢を鮮明にした御仁達のポストでもある。

それを自民党に回して、尻拭いさせる。汚れ仕事は自民にやらせる。そうした腹があるのではないかと見ている。

尤も、自民との大連立は、民主党内でも大反発が予想されるし、自民党がそれを受けてくれるかどうかも分からない。

いずれにせよ、政局は大きく動く様相を呈してきた。

画像

画像 ←人気ブログランキングへ


画像「負けた場合は離党も覚悟」どうなる民主代表選(08/26 11:49)

 鳩山前総理大臣の後押しを受け、小沢グループの議員が集まり、多数派工作など対応を協議しています。小沢前幹事長は26日午前、側近議員に対して「菅総理に『脱小沢』からの転換をまったく受け入れてもらえなかった」と語りました。

 民主党・三井国対委員長代理:「小沢先生は、挙党態勢一致ということで今まで菅さんに話してきましたけど、まったく受け入れられなかった」
 焦点となっていたのは、幹事長ポストでした。小沢サイドは枝野幹事長の更迭を求めていましたが、菅サイドは、党のカネと公認権を握る幹事長ポストを渡せば党を牛耳られることになり、絶対に渡せないと拒否してきました。また、小沢氏には別の狙いもあります。側近議員によると、小沢氏は総理大臣になることで、「政治とカネ」問題で強制起訴を避けるつもりだということです。側近議員は「検察審査会の問題を抱えていなければ、今回の出馬はなかった」とまで言っています。
 (Q.これで一騎打ちの公算が高くなったわけですが、受けて立つ菅総理側は、どういう戦略を練っているのでしょうか)
 菅総理は、このまま脱小沢路線を貫く考えです。菅総理は、午前に新人議員から政策提言を受け、その場で「代表選で小沢氏と堂々と戦う」と決意を示しました。
 菅総理大臣:「命をかける覚悟で、1秒たりとも総理として代表として、すべての時間をそれに費やす覚悟で臨んでいきたいと思っております」
 菅総理周辺には強気の声も上がっています。ある議員は「世論は小沢氏の復権を嫌がっている。小沢氏が表に出れば出るほど菅総理の支持が上がる」と語っていて、代表選挙で戦う姿勢を見せて支持回復を狙うとしています。一方、ある小沢グループの議員は「菅総理と今の内閣に不信任を突きつけたわけだから、負けた場合は離党も覚悟している」と語っています。この菅・小沢の全面対決は、党の分裂含みの展開となります。

URL:http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/200826018.html



画像鳩山グループ、結束に不安=旧社会、民社系の動向も焦点-民主代表選

 民主党代表選は26日、小沢一郎前幹事長が名乗りを上げ、再選を目指す菅直人首相と対決する構図が固まった。2人の仲介に動いていた鳩山由紀夫前首相は小沢氏支持を明言したが、鳩山グループは首相支持派も抱える。旗幟(きし)を鮮明にしていない旧民社党系や旧社会党系のグループの動向もカギを握りそうだ。
 「挙党態勢に努力する。党を割るようなことはしない」。小沢氏は26日午後、衆院議員会館に旧民社党系の田中慶秋衆院議員を訪ね、こう語った。
 小沢氏が代表選で敗れれば、小沢グループの議員を引き連れて党を割って出る。勝った場合でも、大胆な連立組み替えに動き、党分裂の可能性が出てくる-。小沢氏の出馬表明でこうした懸念が出る中で、小沢氏としては「全員野球」を掲げることで、旧民社党系グループの支持取りつけを狙ったようだ。小沢氏はこの後、旧社会党系の赤松広隆前農水相とも会談、協力を要請した。
 小沢氏を支持するグループは党内最大の約150人。代表、幹事長時代の地方行脚で培った地方組織との太いパイプも生かし、地方議員票や党員・サポーター票の取り込みにも力を入れる方針だ。ただ、「政治とカネ」の問題で幹事長職を退いた小沢氏に対し、世論の抵抗感は依然として強い。同氏に近い松木謙公衆院議員は26日、「厳しい世論調査結果があるが、誤解もある。払しょくできるよう戦っていく」と記者団に強調した。
 一方、首相は、自らが率いる菅グループに加え、前原誠司国土交通相や野田佳彦財務相のグループが支持基盤。首相陣営は同日、都内のホテルに部屋を確保し、阿久津幸彦首相補佐官らが詰めて臨戦態勢を敷いた。円高、株安に対処する経済対策の策定を急ぐなど、現職首相の強みも生かして支持拡大を図る戦略だ。
 陣営内では、小沢氏の出馬で「厳しい状況になった」と動揺も広がる。しかし、仙谷由人官房長官らと昼食をとった首相は「二重権力構造にならないように政策を遂行したい」と、「脱小沢」の姿勢に変わりはないことを強調、対抗心をむき出しにした。
 一方、鳩山氏が首相支持から小沢氏支持に転換したことに、鳩山グループ内では戸惑いも漏れる。「ボス(鳩山氏)が明言したんだから、小沢氏を支援するのが当然」との声もあるが、首相支持を公言する議員も多く、結束を保つのは難しいのが実情だ。五十嵐文彦衆院議員は民放の番組で「鳩山さんが右を向けば右、というグループではない」と指摘した。(2010/08/26-20:26)

URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010082600879



画像民主党代表選:「小沢氏敗退なら分裂」 再編の可能性も

 民主党の小沢一郎前幹事長が26日、党代表選への立候補を決めたことで、代表選後に民主党分裂や野党も巻き込んだ政界再編につながるのではないかとの見方が与野党に広がった。「挙党態勢」を求めた鳩山由紀夫前首相の仲介が失敗したことから、菅直人首相と小沢氏のどちらが勝とうとも、脱小沢路線の首相と、小沢氏との溝は埋めがたいと見られているためだ。

 「何回も代表選を繰り返したが、分裂したことは一度もない」。首相は26日午前、首相官邸で新人議員にこう語り、代表選後に挙党態勢を敷けると楽観してみせた。だが、党内での懸念は強く、首相周辺からも「これが党の大きな亀裂になることはぜひ避けたい」(荒井聡国家戦略担当相)との声が漏れる。

 小沢氏は、首相の消費税増税発言など政権運営に強い不満を示してきた。ただ、首相が勝った場合、小沢氏サイドが排除を求めてきた仙谷由人官房長官や枝野幸男幹事長が留任する可能性が高く、小沢氏サイドは党内の実権を取り戻すことはほぼ不可能になる。

 衆院の新人議員は約140人。小沢氏が選挙実務を握っていた時代に初当選しただけに、同氏の影響力が色濃く残る。小沢氏の側近議員は「新人ら100人を率いて離党すれば、民主党は下野することになる」と漏らすなど、代表選に敗れれば政界再編を仕掛けるという見方は根強い。

 このため首相周辺には「小沢氏側には『負けて勝つ』戦略があるのではないか。60人も離党すれば、自民党や公明党との連携が視野に入る」と警戒する声がある。26日の鳩山グループの会合でも「このままでは(分裂した)新進党と同じになる」と、代表選後の結束を絶望視する意見が出た。小沢グループが離脱すれば、国会での多数を押さえるために民主党と「小沢新党」による野党との連立工作が加速し、大規模な政界再編となる可能性もある。

 一方、小沢氏が勝利した場合も、大連立を含めた連立政権の組み替えに動くのではないかとみられている。小沢氏に出馬要請した山岡賢次副代表は26日のテレビ朝日の番組で「野党と健全な連立を組み政策を実現する以外に、民主党が生き残る道はない」と語り、新たな連立を模索する考えを示した。

 首相支持を鮮明にしている前原誠司国土交通相と野田佳彦財務相のグループからは、首相が負ければ小沢政権から排除されることを前提に、「次の選挙は無所属で戦うことを覚悟している」(中堅議員)との声も漏れる。

 ◇野党「好機に」「警戒を」
 こうした民主党内の対立を、一部野党は政界再編のチャンスとにらんでいる。自民党内からは「小沢さんが勝てば大連立か政界再編だろう。与党復帰も遠くない」(中堅議員)といった声も漏れる。たちあがれ日本の幹部は26日、小沢氏支持の民主党議員から面会の申し入れがあったことを明らかにした上で、「次の解散が政界再編の起爆剤となる」と指摘した。一方、自民党の山本一太参院政審会長が「小沢さんの行動パターンや存在感を考えれば、警戒しないといけない」と語るように、小沢氏の「剛腕」による自民党の切り崩しを警戒する声も出た。【竹島一登】

URL:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100827ddm002010041000c.html



画像小沢氏出馬「最悪の事態」 菅首相支持議員に衝撃 2010年8月26日13時31分

 民主党の小沢一郎前幹事長の党代表選への立候補表明に、菅直人首相の再選を支持する議員らの間に26日、驚きと衝撃が広がった。

 仙谷由人官房長官は首相官邸で記者団に「全然聞いていない」。首相側近の荒井聰国家戦略相はうつむき加減で「びっくりしている」と語った。玄葉光一郎政策調査会長は「代表選より予算の方が大事だ」と平静さを装うが、ある省の政務三役の一人は「ガチンコ勝負になった。仕事にならない」と嘆いた。

 首相側近は「首相は完全にファイティングポーズだ。『この代表選は、民主党が本当の民主党になれるかの分水嶺(ぶんすいれい)だ』と思っている」と対決姿勢。菅首相を支える議員グループの若手衆院議員も「望むところだ。堂々と戦う。小沢氏と手を握った瞬間に菅氏は終わりだ」と息巻いた。別の側近議員は「3カ月前に責任をとって(幹事長を)辞めた人が立候補するというのはいかがなものか」と小沢氏を牽制(けんせい)した。

 ただ、小沢氏は党内最大勢力を率いるだけに、グループ内からは「最悪の事態だ。民主党崩壊の始まりだ」(ベテラン)と党分裂への懸念も出ている。首相周辺も「首相は負けないと思うが、心配なのはその後。小沢氏をどう処遇するか」と漏らした。

 首相支持を公言していた鳩山由紀夫前首相が一転して小沢氏支持を打ち出したことについて、寺田学首相補佐官は25日の首相と鳩山氏との会談に触れ「党運営で親身なアドバイスがあったようなので、意外に思う」と語った。

 一方、小沢氏を支持する議員グループ「一新会」の幹部は26日午前、東京都内の小沢氏の個人事務所で小沢氏と面会。会長の鈴木克昌衆院議員は「一丸となって支援していく」と述べた。

 「政治とカネ」の問題などを抱える小沢氏の立候補について、側近の松木謙公衆院議員は記者団に「小沢政権ができたら支持率は低いかもしれないが、政権公約を実現することによって国民が幸せを享受できる」。別の若手衆院議員も「小沢氏は『挙党一致』を主張するだろう。党内の支持はある程度広げられる」と自信をみせた。

URL:http://www.asahi.com/politics/update/0826/TKY201008260193.html?ref=rss

この記事へのコメント

  • almanos

    クマのプータロー殿
    「数は力」だそうですから己の手駒の数を損ないたくないだけでしょう。

    「民主党に政権担当能力はない」
     福田内閣時代の大連立話の時に小沢氏自身が言った言葉です。そこら辺を誤魔化して、なおかつ古い自民党体質への回帰でどんどんドツボにはまって政権交代が成立した。でも、福田政権時代の大連立の理由はそのまま残っていた事が露呈してしまった。空き管殿はそのまま突っ走るつもりでしょうが、その場合どう見ても追い込まれ解散となる。責任者として全ておっ被せられるのがイヤで解散するでしょう。勝つにしろ負けるにしろ実務が駄目な政権は保たない。管首相が暴発して解散をやる前に、自分が主導権を握って実務が出来る政権に変えて生き残りを図る。ひどい話ですが古い長老が幅をきかせて体制の刷新が難しい自民党は小沢氏には与しやすい相手でしょう。派閥が崩壊している今なら尚のこと。人材も小粒になってしまいましたしね。ま、どちらが勝とうとも空き管の「総括自爆テロ」解散がトドメを刺してしまいそうです。時期は若干幅が出るでしょうけどね。何しろ、負けたら速攻でしょうし、勝っても小沢氏が党を割って政権維持を不可能、もしく
    2015年08月10日 16:48
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    > 公明党との連立をするのではないか、とも言われているけれど、
    > 筆者は、自民との大連立を考えているのではないかと思っている。

    なるほど! 闇法案を取引材料に自民党に大連立を迫るのですね.
    安倍前首相も反対できないかも知れません.
    自民党に残った利権屋さんにも渡りに船です.

    ただ, 自民党は衆議院選挙で小沢チルドレンを優遇する条件は
    飲めないでしょうね. 政治家として小沢チルドレンは評価にも
    値しない.

    駄目ですね, やはり公明党との連立, 公明党から首相, しか
    ないのではないですか.
    2015年08月10日 16:48
  • クマのプータロー

    日比野さんの推理が正しいとすれば、豪腕殿は意外に律儀で優しいんですねw。
    小泉さんは当選したそばからチルドレンを切り捨てることが出来ました。非常に徹しきれる小泉さんの面目躍如です。
    2015年08月10日 16:48

この記事へのトラックバック