「最終的には、その出来たものが、お客さんにとって、プラスになるようなもの、人のためになるようなもの、ま、市場が如何に要求しているものが、我々が提供できるかということによって、発展し、生き延びていけるんではないかという風に考えております。」合資会社 オリエンタル代表社員 熊澤孝博氏
紙ゴミがトイレットペーパーに生まれ変わる。といっても、古紙再生ではない。
シュレッダーにかけられた紙ゴミを、その場で、トイレットペーパーにしてしまうという、なんとも環境にやさしいリサイクル装置が開発された。
この「ホワイトゴート(白ヤギ)」と名付けられた装置を開発したのは、群馬県桐生市に本社を置く、合資会社オリエンタル。昭和27年に設立され、シュレッダーを日本で初めて開発した会社としても知られている。
この装置は、投入されたシュレッダーゴミをホッパー内で一定量ずつほぐし、次にパルパー内の水で紙ゴミを溶解、更に調整タンクで不要な異物を取り除いて、水の濃さを調整する。そして紙抄きでトイレットペーパーの厚さに整えて、乾燥させ、紙を巻き取って排出孔から完成したトイレットペーパーを出す、というもの。これらを全部自動で処理する。
およそ、A4用紙40枚でトイレットペーパーを一本作成し、所要時間はおよそ30分。必要なものは電気と水だけで、薬品は一切使わない。
電気代はトイレットペーパー1個あたり10円。水は2日に1度、10リットルくらい補給すればいい。
出来上がったトイレットペーパーは、芯もなく、ミシン目もないけれど、横に切れやすく、勿論、水に分解しやすく出来ている。
なんとも凄い装置が開発されたもの。
紙はもともと再生しやすい物質で、元の植物繊維の細長い状態に戻せば、もう一度漉いて紙に戻せるようになっている。
だけど、シュレッダーに掛けたりなんかして、紙の繊維をズタズタに切断してしまうと紙に戻せなくなってしまう。だから、これまでは、シュレッダーごみは、焼却処理されるのが殆どだった。
それなら、なぜ、わざわざシュレッダーにかけてしまうのかといえば、勿論、それは機密保持の問題。会社なり官公庁なり、いろんな職場ではどうしても、部外秘扱いとなる機密情報が出てくる。それも1枚2枚ではなくてそれなりの量になる。
スパイ映画か何かのように、いちいち燃やしてトイレに流す訳にはいかない。
だけど、そのままでトイレに流せないのなら、流せる形態にしてしまえばいい。そんな逆転の発想が、この装置にはある。
この装置の開発にあたって、開発スタッフは、「事業所から出る廃棄物の削減」「リサイクル」「機密保持の管理」「CO2の削減」という4つの目標を定めて開発に取り組んだという。
この「ホワイトゴート」は、2009年9月28日に紀州市役所に設置され、ホワイトゴートで作成したトイレットペーパーは、来庁した人に一人一個無料で配布しているそうだ。
ホワイトゴートは第3回ものづくり日本大賞優秀賞を受賞し、現在パテントを申請中で2010年夏の販売に向けて生産体制を整えていくという。
せっせとやっても、数千億円程度しか節約できない事業仕分けなんかをやる暇があったら、こうした技術や装置を普及させることを考えたほうがよっぽど良いのではないかと思えてならない。
日本にはまだまだ、成長を期待できる技術も発想もある。


オフィスで社内資料をシュレッダーにかけた際、大量に出る紙くず。エコプロダクツ2009では、そんなシュレッダーくずをトイレットペーパーとしてリサイクルできる「White Goat(ホワイトゴート)」をオリエンタルが紹介していた。
オフィスで社内資料をシュレッダーにかけた際、大量に出る紙くず。そのまま捨ててしまっていいのだろうか? そんな思いから生まれた機械が、エコプロダクツ2009で紹介されていた。
構想15年の機械
オリエンタルのブースで紹介されていたのが「White Goat(ホワイトゴート)」。オフィスでシュレッダーくずをトイレットペーパーにリサイクルできる機械だ。
シュレッダーくずを投入すると水で溶かして、厚さを調整し乾燥させてトイレットペーパーを作るという仕組み。A4用紙40枚相当のシュレッダーくずから、70~80メートルのトイレットペーパーを1個作ることができる。トイレットペーパー1個作るのにかかる時間は30分。1日稼働させると48個作れることになる。製造の際の騒音も55デシベル以下に抑えているという。
製造したトイレットペーパーはシングルタイプでミシン目もないが、「水に溶けやすいのでつまりにくく、芯がないので最後まで使いきれる。弊社のトイレでも使っており、タイムカードの前に積んでいて従業員が持ち帰れるようにもしている」(オリエンタル)という。
シュレッダーの開発・製造を行っているオリエンタルだが、「シュレッダーにかけた際に出る紙ゴミを何とかできないか」という思いから15年前から開発を始め、今年5月に完成、7月には第3回ものづくり日本大賞で優秀賞を受賞した。10月から市販を開始しており、地元の桐生市役所に1台を納入している。
価格は900万円。大きさは1830×810×1800ミリ(幅×奥行き×高さ)。重さは600キログラム。
URL:http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0912/11/news031.html
この記事へのコメント
mor*y*ma_*atu
文明も維持されそうだし、エネルギーは石油とか天然ガスのような燃焼しカスが出るような仕組みでは無くなるので美しい自然も戻ることでしょう。
ひふみ神示 第14巻 風の巻 第五帖
、、、
今の文明なくせんと申してあろうが、文明残してカスだけ無(のう)にいたすのぢゃ
、、、